護りたかった
しかし、自分は護れなかった
しかし、自分は護れなかった
あの子供達を護りきれなかった自分に、生きている意味などあるのだろうか?
挙句、あの子供達の事を言い訳に、罪を重ねて
どこまで、自分は罪深いのか
挙句、あの子供達の事を言い訳に、罪を重ねて
どこまで、自分は罪深いのか
いっそ、死ぬことができたならば
果たして、どれだけ楽だっただろうか
果たして、どれだけ楽だっただろうか
「………?」
メルセデスとのやり取りがあった後、町中をさまよっていたカイザー
そろそろ、戻ろうかとした時………ふと、物騒な気配を感じて、足を止めた
耳を澄まし、その気配に集中する
そろそろ、戻ろうかとした時………ふと、物騒な気配を感じて、足を止めた
耳を澄まし、その気配に集中する
………声が、聞こえてくる
「ハァハァ……お嬢ちゃん、パンツ見せてくれないかい?」
「OK,なんというテンプレ通りの変態。前もって宣言するが、俺は着物姿故、下着はつけてない」
「…ノーパンだとっ!?最高じゃないか!!ますます見せてくれ!!!!脱がす手間もないしな!!!!」
「OK,なんというテンプレ通りの変態。前もって宣言するが、俺は着物姿故、下着はつけてない」
「…ノーパンだとっ!?最高じゃないか!!ますます見せてくれ!!!!脱がす手間もないしな!!!!」
状況理解完了
少女が、変態に絡まれている
カイザーは、急いでそちらへと駆けていく
……姿が見えた!
路地裏にて、黒い和装の少女が、男に絡まれている
少女が、変態に絡まれている
カイザーは、急いでそちらへと駆けていく
……姿が見えた!
路地裏にて、黒い和装の少女が、男に絡まれている
「何をなさっているのです!」
「あん?何だ、にーちゃん。邪魔すんなや」
「あん?何だ、にーちゃん。邪魔すんなや」
男に声をかけると、その男はじろり、カイザーを睨んできた
暗い、暗い、濁った眼
かすかな狂気を、匂わせてくる
暗い、暗い、濁った眼
かすかな狂気を、匂わせてくる
「おぉ、これは優しそうで子供の味方っぽい司祭様。今、露出を強要されようとしていたところなので、助けてくださるとありがたい」
「強要ではないっ!!!幼女のタテ筋が見れるならば、5万くらいは出してもいいっ!!!」
「なにそれこわい」
「強要ではないっ!!!幼女のタテ筋が見れるならば、5万くらいは出してもいいっ!!!」
「なにそれこわい」
和装の少女は、なんとか男から逃げ出そうと、隙を窺っているようだ
言葉は淡々としていて冷静なようだが、かすかな焦りが見える
……大人相手にこのように迫られ、泣き叫ばないなど、強い子供だ
言葉は淡々としていて冷静なようだが、かすかな焦りが見える
……大人相手にこのように迫られ、泣き叫ばないなど、強い子供だ
ーーーーー大丈夫、司祭様、私達、寂しくなんかないよ
-----みんな一緒だから、大丈夫なの
-----心配しないで、ちゃんと、留守番してるから
-----みんな一緒だから、大丈夫なの
-----心配しないで、ちゃんと、留守番してるから
「………っ」
脳裏をよぎった記憶を、振り払う
今は、あの少女を助ける事に集中しなくては
今は、あの少女を助ける事に集中しなくては
「子供を相手にそのような事を強要するなど、許される行為ではありませんね」
「うるせぇ!!幼女は等しく俺のもの!!!すなわち、俺は許される!!!」
「うるせぇ!!幼女は等しく俺のもの!!!すなわち、俺は許される!!!」
ごそ、と
男が、懐から何か取り出す
あれは、茸………シイタケ………?
男が、懐から何か取り出す
あれは、茸………シイタケ………?
「知ってるか?シイタケってのは……ペンギンの肉なんだってよぉおおお!!!」
そう叫び……男が、シイタケを放り投げる
ぼぼぼぼん!!と
それらは、全て、人間ほどの大きさの巨大なペンギンへと変化した
ぼぼぼぼん!!と
それらは、全て、人間ほどの大きさの巨大なペンギンへと変化した
「………!?」
「何あれ、かぁいい」
「いけぇ!俺のペンギン兵!!」
「何あれ、かぁいい」
「いけぇ!俺のペンギン兵!!」
てっちてっちてっち
見かけはコミカルな巨大ペンギン
だが……
見かけはコミカルな巨大ペンギン
だが……
「ぎゃぴーーーー!」
「っく!?」
「っく!?」
ごがっ!!と、くちばしがカイザーに迫る
すんでのところで避けたものの……直撃を食らえば、相当なダメージを負うこととなりそうだ
すんでのところで避けたものの……直撃を食らえば、相当なダメージを負うこととなりそうだ
「ひひひっ!ペンギン兵は一匹じゃあないぜっ!!」
男が懐から、さらにしいたけを取り出す
ぼん、ぼん、ぼぼぼん!!
それは、次々と巨大ペンギンへと姿を変える
ぼん、ぼん、ぼぼぼん!!
それは、次々と巨大ペンギンへと姿を変える
「いけぇ!そいつを食らい尽くせ!」
「「「「ぎゃぴーーーーっ!!}」」
「「「「ぎゃぴーーーーっ!!}」」
カイザーに迫る巨大ペンギン
……相手が契約者であったならば
能力を隠す必要も、ない
派手な事は控えるよう言われているが………この程度の相手ならば!
……相手が契約者であったならば
能力を隠す必要も、ない
派手な事は控えるよう言われているが………この程度の相手ならば!
---ごぉう!!と
カイザーの足元に……蛇が、現れた
巨大な、炎をまとった……蛇が
カイザーの足元に……蛇が、現れた
巨大な、炎をまとった……蛇が
「んな……てめぇも契約者か!?」
「そういう事です……あなたの兵、焼き尽くさせていただきます」
「そういう事です……あなたの兵、焼き尽くさせていただきます」
目にもとまらぬスピードで、蛇が這う
周囲の雪を溶かしながら、蛇はペンギン兵達に襲い掛かった
燃え盛る巨大な体に巻きつかれ、ペンギン兵達が消し炭へと変わっていく
周囲の雪を溶かしながら、蛇はペンギン兵達に襲い掛かった
燃え盛る巨大な体に巻きつかれ、ペンギン兵達が消し炭へと変わっていく
「く、くそ……!?」
「悔い改めなさい、ならば、見逃しましょう」
「悔い改めなさい、ならば、見逃しましょう」
命まで、取るつもりはない
……数日後に、その命、散らせてしまうかもしれないが
せめて、数日だけでも、生き延びさせることは、できる
……数日後に、その命、散らせてしまうかもしれないが
せめて、数日だけでも、生き延びさせることは、できる
「……っだ、黙れぇ!!俺は特別な力を手に入れた!!俺は!何をやっても許されるっ!」
…駄目か
仕方ない、少し、痛い目に合わせて……
カイザーが、そう考えだした、その時
少女が、そっと、この場から逃げ出そうとしているのが、見えて
仕方ない、少し、痛い目に合わせて……
カイザーが、そう考えだした、その時
少女が、そっと、この場から逃げ出そうとしているのが、見えて
「……行け、ペンギン兵!!俺は、まだあったけぇもいけるっ!」
「………げ?」
「………げ?」
男が、再びシイタケを巨大なペンギンに変えて……少女に、襲い掛からせる
…やけになったか!?
…やけになったか!?
「危ないっ!!」
瞬間的に、元の姿に戻ったカイザー
3対の翼で超低空飛行して少女に接近し
3対の翼で超低空飛行して少女に接近し
せまる巨大ペンギンの嘴から、少女を護るよう………盾に、なった
ペンギンの、鋭い、巨大な嘴は
勢いそのままに、カイザーの体を貫こうとして
勢いそのままに、カイザーの体を貫こうとして
------ピシリ
「何ぃ!?」
「…!」
「…!」
ペンギンの、体が
瞬時に……凍りついた
ばきぃんっ………と、粉々に粉砕される
瞬時に……凍りついた
ばきぃんっ………と、粉々に粉砕される
「な………な」
「何やってんだ、カイザー」
「何やってんだ、カイザー」
さく、と
路地裏に入り込んだのは……メルセデス
冷たく、カイザーを見下ろしてくる
……男の事など、視界にすら入っていない
路地裏に入り込んだのは……メルセデス
冷たく、カイザーを見下ろしてくる
……男の事など、視界にすら入っていない
「余計な事に首つっこんでんじゃねぇよ。お前にゃ、派手にやってもらわないと駄目なんだからな」
「………」
「………」
ゆっくりと、近づいてくるメルセデス
その、威圧感に……「しいたけはペンギンの肉」の契約者は、恐怖を感じたのだろうか
若干洩らしつつ、この場を逃げ出そうとして
その、威圧感に……「しいたけはペンギンの肉」の契約者は、恐怖を感じたのだろうか
若干洩らしつつ、この場を逃げ出そうとして
がしり
メルセデスが、その頭を、掴んだ
メルセデスが、その頭を、掴んだ
「っひ……!?」
「忘れるなよ?お前の役目を」
「忘れるなよ?お前の役目を」
ぴしっ………!
男の、体が
じわじわと、凍りつき始める
男の、体が
じわじわと、凍りつき始める
「…ッメルセデス!殺す必要はないでしょう!?」
「餓鬼の前だから、ってか?………っは。相変わらず甘ぇな」
「餓鬼の前だから、ってか?………っは。相変わらず甘ぇな」
男を半分程凍らせた状態で、メルセデスは男から手を放した
……放置すれば、凍死する事だろう
ぐ、と
メルセデスは、強引にカイザーの腕をつかむ
……放置すれば、凍死する事だろう
ぐ、と
メルセデスは、強引にカイザーの腕をつかむ
「戻るんだろ?行くぞ」
「……わかって、います」
「……わかって、います」
俯き、されるがままに腕をひかれていくカイザー
…少女に振り返り、苦笑する
…少女に振り返り、苦笑する
「……驚かせてしまって、すみません。物騒ですから、急いで帰るのですよ?」
「謝罪の必要など、ない。謝るべきはこちらだ。助けてもらって感謝する」
「謝罪の必要など、ない。謝るべきはこちらだ。助けてもらって感謝する」
カイザーの言葉に、小さく笑ってくる少女
大人びた少女だ
近頃、年甲斐もなく無邪気な少年少女ばかり相手にしてきたせいか、逆に新鮮だ
大人びた少女だ
近頃、年甲斐もなく無邪気な少年少女ばかり相手にしてきたせいか、逆に新鮮だ
「…………」
カイザーと少女の、やり取りに
メルセデスは、少女に警戒するような視線を向けて
メルセデスは、少女に警戒するような視線を向けて
きゅう、と
どこか、楽しげに少女が笑った事実に、カイザーは気づかない
ただ
どこか、楽しげに少女が笑った事実に、カイザーは気づかない
ただ
(……死にぞこないましたね、また)
と、誰にも悟られぬよう、自嘲するのだった
to be … ?