【鬼ごっこ 第四話「かぞくごっこ その3」】
「まずは都市伝説っていうのはね。」
「はぁ……。」
「人々の噂が恐怖などの感情エネルギーを利用して姿を持ったもの。
もしくは人々の噂で生まれた感情エネルギーが噂の対象に定着することによって力を得たものです。」
「はぁ……。」
「人々の噂が恐怖などの感情エネルギーを利用して姿を持ったもの。
もしくは人々の噂で生まれた感情エネルギーが噂の対象に定着することによって力を得たものです。」
目の前でホワイトボードを使い一生懸命私に授業をする子供。
名前は斎藤始くん、まるでどこぞの新選組のような名前だ。
もしかして新選組ブームのころに生まれたのだろうか。
名前は斎藤始くん、まるでどこぞの新選組のような名前だ。
もしかして新選組ブームのころに生まれたのだろうか。
「都市伝説は自らを維持するために人の感情エネルギーを奪い取ります。
その手段として人を殺したりするわけです。」
「感情エネルギーを奪うのに殺すの?」
「殺すというよりは死の恐怖を抱かせてその恐怖によって力を増すというべきですね。」
「なるほど……。」
「ただし普通に人の血肉を食っても栄養にはなるらしいです。」
「へぇ……。」
「なにか質問とかありますか?」
「そうだなあ、私を襲ったあの蜘蛛はなんだったの?」
「師匠の話によれば土蜘蛛だかみたいです。しかも原典の。」
「ゲンテン?」
「最初の一匹ですよ。」
「そのゲンテンってのはすごいの?」
「はい、原典と呼ばれる都市伝説は特別です。
基本的に同種の中では最強の一体と考えても良いでしょう。
“種”としての都市伝説のエネルギーが原典には集まりますから別の個体が手に入れたエネルギーでも一定の割合がそちらへ流れ込みます。」
「へぇ……。」
「ちなみに日本で原典が確認されたのは“鵺”、それに“ハーメルンの笛吹き”ですね。
他の物は基本的に大人しく過ごしているか既に退治されたかみたいです。」
「ナルホドねえ。」
その手段として人を殺したりするわけです。」
「感情エネルギーを奪うのに殺すの?」
「殺すというよりは死の恐怖を抱かせてその恐怖によって力を増すというべきですね。」
「なるほど……。」
「ただし普通に人の血肉を食っても栄養にはなるらしいです。」
「へぇ……。」
「なにか質問とかありますか?」
「そうだなあ、私を襲ったあの蜘蛛はなんだったの?」
「師匠の話によれば土蜘蛛だかみたいです。しかも原典の。」
「ゲンテン?」
「最初の一匹ですよ。」
「そのゲンテンってのはすごいの?」
「はい、原典と呼ばれる都市伝説は特別です。
基本的に同種の中では最強の一体と考えても良いでしょう。
“種”としての都市伝説のエネルギーが原典には集まりますから別の個体が手に入れたエネルギーでも一定の割合がそちらへ流れ込みます。」
「へぇ……。」
「ちなみに日本で原典が確認されたのは“鵺”、それに“ハーメルンの笛吹き”ですね。
他の物は基本的に大人しく過ごしているか既に退治されたかみたいです。」
「ナルホドねえ。」
ホワイトボードには中心に大きく“原典”と書かれ、そこに向けて個体A、個体Bと書かれた丸から矢印が伸びている。
あれが恐らくエネルギーの流れなのだろう。
あれが恐らくエネルギーの流れなのだろう。
「そういうのを退治するのが陰陽師の人達って訳?」
「はい。でも陰陽師だけがそれを退治するとは限りません。」
「え?」
「都市伝説の要素を自ら身体に埋め込んで都市伝説と共に生きている人達も居ます。
というか今ではそっちのほうが主流ですし。」
「そんなことできるの?」
「ええ、そういう人達のことを契約者と言います。」
「えー、じゃあ契約して都市伝説と戦った方が良いんじゃないの?」
「そうでもないんです。」
「どうして?」
「はい。でも陰陽師だけがそれを退治するとは限りません。」
「え?」
「都市伝説の要素を自ら身体に埋め込んで都市伝説と共に生きている人達も居ます。
というか今ではそっちのほうが主流ですし。」
「そんなことできるの?」
「ええ、そういう人達のことを契約者と言います。」
「えー、じゃあ契約して都市伝説と戦った方が良いんじゃないの?」
「そうでもないんです。」
「どうして?」
始くんは小さくため息を吐いてこういった。
「都市伝説と契約するということは都市伝説になるということ。
自らも自我を失って人を襲うようになるリスクがあります。」
自らも自我を失って人を襲うようになるリスクがあります。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
薄暗い部屋をチープな光が疾駆して、やたらと薄っぺらい音楽がゆさゆさと太ったメロディーラインで汚い汗を飛ばしている。
ああ、汚い。
薄汚い。
皆、うつろな顔でヘラヘラと笑って、本当に腹のたつ奴らばかりだ。
髪を汚らしく染めた男と肩がぶつかる。
ああ、汚い。
薄汚い。
皆、うつろな顔でヘラヘラと笑って、本当に腹のたつ奴らばかりだ。
髪を汚らしく染めた男と肩がぶつかる。
「何処見て歩いてんだよ!」
「…………。」
「おいなんか言えよ!」
「…………。」
「…………。」
「おいなんか言えよ!」
「…………。」
まっすぐに男の目の中に指を差し込む。
「ぎゃあああああああああああああ!」
「ゲーム、スタート。」
「ゲーム、スタート。」
背中を割って蝙蝠の翼が生える。
顔面の皮膚を割って醜い顔が汚れた光にさらされる。
歯が抜け落ちて牙が伸びる。
俺は手元のiPodのスイッチを押してショスタコーヴィチの交響曲第5番4楽章をかける。
逃げ惑う人の群れ。
一人だって逃がしやしない。
目の中に突っ込んだままだった指に力を込めると手の中の光はあっさりと消えていった。
ああ、五月蝿いよ。この美しい音楽を邪魔しないでくれ。
光の奥にある脳髄をかき回すとすぐにうるさい声はやんだ。
顔面の皮膚を割って醜い顔が汚れた光にさらされる。
歯が抜け落ちて牙が伸びる。
俺は手元のiPodのスイッチを押してショスタコーヴィチの交響曲第5番4楽章をかける。
逃げ惑う人の群れ。
一人だって逃がしやしない。
目の中に突っ込んだままだった指に力を込めると手の中の光はあっさりと消えていった。
ああ、五月蝿いよ。この美しい音楽を邪魔しないでくれ。
光の奥にある脳髄をかき回すとすぐにうるさい声はやんだ。
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「契約したら皆そうなっちゃうの?」
「人によりけりです。
まあ何と相性が良いなんて分からないのであんまりやらないほうが得策です。
ただ生まれつき都市伝説と契約するための心の器、あるいは容量が大きい人っていうのは居ます。
ただしそういう人であればあるほど人間性は薄くなっていくそうです。」
「ナルホドねえ。契約にも相性が有るんだ。」
「都市伝説だって契約者が使えないと見たら平気で裏切りますから。
契約の相性については後でお話しますね。」
「怖い怖い、安易に契約しちゃ駄目だね。」
「そういうことです。」
「じゃあ陰陽師の人達ってそういう暴走した契約者とか人を襲う都市伝説と戦うの?」
「まあ大体そんな感じです。」
「ふーん……。」
「でも契約者に限って言えば本当に怖いのは暴走した人々ではありません。
そういう人間を抑えつける方法は陰陽道にはいくらでもあります。
わざと人間と契約させて暴走させてから封印する術も有るくらいです。」
「へえ、じゃあ怖いのってやっぱり都市伝説単体?」
「いいえ。」
「人によりけりです。
まあ何と相性が良いなんて分からないのであんまりやらないほうが得策です。
ただ生まれつき都市伝説と契約するための心の器、あるいは容量が大きい人っていうのは居ます。
ただしそういう人であればあるほど人間性は薄くなっていくそうです。」
「ナルホドねえ。契約にも相性が有るんだ。」
「都市伝説だって契約者が使えないと見たら平気で裏切りますから。
契約の相性については後でお話しますね。」
「怖い怖い、安易に契約しちゃ駄目だね。」
「そういうことです。」
「じゃあ陰陽師の人達ってそういう暴走した契約者とか人を襲う都市伝説と戦うの?」
「まあ大体そんな感じです。」
「ふーん……。」
「でも契約者に限って言えば本当に怖いのは暴走した人々ではありません。
そういう人間を抑えつける方法は陰陽道にはいくらでもあります。
わざと人間と契約させて暴走させてから封印する術も有るくらいです。」
「へえ、じゃあ怖いのってやっぱり都市伝説単体?」
「いいえ。」
少し溜めてから始くんはハッキリと言った。
「都市伝説の欲望と自らの“無意識の欲望”が完全に合致している人間です。
そういう人間は飲まれない、盃は酒を湛えますがその逆は無いでしょう?
そういう人間にとって契約とは人間の身に過ぎた欲望を完遂させるための手段でしか無い。」
「へえ……」
「完全な理知を保ったまま人外の力を発揮する。
これが一番怖いと言われています。」
そういう人間は飲まれない、盃は酒を湛えますがその逆は無いでしょう?
そういう人間にとって契約とは人間の身に過ぎた欲望を完遂させるための手段でしか無い。」
「へえ……」
「完全な理知を保ったまま人外の力を発揮する。
これが一番怖いと言われています。」
始くんは少しだけ震えていた。
私は彼の手をとってどうしたの?と尋ねた。
彼はなんでもありません、と首を振った。
私は彼の手をとってどうしたの?と尋ねた。
彼はなんでもありません、と首を振った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「或る日寂しい少女が蝶々を採りに行った」
苦しそうに部屋中の人々が喉を押さえる。
祈るかのように、静寂が広がっていく。
病をふりまくだけ。
それだけの能力だ。
僕のジーナ・フォイロの力は。
祈るかのように、静寂が広がっていく。
病をふりまくだけ。
それだけの能力だ。
僕のジーナ・フォイロの力は。
「誰にも愛されないから一人ぼっちでいった」
砕けていく砕けていく砕けていく砕けていく
泣いている泣いている泣いている泣いている
ああ神様見てください
この世はかくも無情です
この世に救いなど無いのです
見ているのですね神様
見ていて無視していらっしゃるのですね
解りました神様
あなたが見てみぬふりするならば無視できぬほどに私が彩りましょう
この世界を美しく彩りましょう
曲は既にサビに入っていた
泣いている泣いている泣いている泣いている
ああ神様見てください
この世はかくも無情です
この世に救いなど無いのです
見ているのですね神様
見ていて無視していらっしゃるのですね
解りました神様
あなたが見てみぬふりするならば無視できぬほどに私が彩りましょう
この世界を美しく彩りましょう
曲は既にサビに入っていた
「ほら彼女の屍が朗々と唄い出した」
おかしい
非常におかしい
でも素晴らしい
死は等価値だ
誰もがこの“死に至る病”の前では無力なんだ
非常におかしい
でも素晴らしい
死は等価値だ
誰もがこの“死に至る病”の前では無力なんだ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「契約して都市伝説の力を得るとしても人によってどんな力が手に入れられるかは違います。
おおざっぱに分けて6つ。」
「どんなの?」
「強化系、変化系、放出系、操作系、創造系、特質系、この6つです。
強化系は肉体や物体を丈夫にしたり性能をあげたりします。
“ロールスロイスは壊れない”とかですね。
変化形は物体を別の物体に変えることができるもの。
“鵺”はこれです。
放出系は何かを撃ち出したりするものです。
“花子さん”の中でも水鉄砲とかは正にこれでしょう。
操作系は操る系統の能力です。
“はないちもんめ”とかそうですね。
創造系は何かを作り出すことができます。
“河童の薬”とかみたいなのですかね。
特質系はよく分からないものの総称です。
今あげた例は本当に一部で、同じ都市伝説と契約しても全然別の能力が発現する場合もあります。」
「なるほど……勉強しててえらいね。」
「えへへ……。
ちなみに先ほど話した心の器が大きい人は適正を無視した無茶が一定の割合で効くそうです。」
おおざっぱに分けて6つ。」
「どんなの?」
「強化系、変化系、放出系、操作系、創造系、特質系、この6つです。
強化系は肉体や物体を丈夫にしたり性能をあげたりします。
“ロールスロイスは壊れない”とかですね。
変化形は物体を別の物体に変えることができるもの。
“鵺”はこれです。
放出系は何かを撃ち出したりするものです。
“花子さん”の中でも水鉄砲とかは正にこれでしょう。
操作系は操る系統の能力です。
“はないちもんめ”とかそうですね。
創造系は何かを作り出すことができます。
“河童の薬”とかみたいなのですかね。
特質系はよく分からないものの総称です。
今あげた例は本当に一部で、同じ都市伝説と契約しても全然別の能力が発現する場合もあります。」
「なるほど……勉強しててえらいね。」
「えへへ……。
ちなみに先ほど話した心の器が大きい人は適正を無視した無茶が一定の割合で効くそうです。」
照れてる。
可愛い。
可愛い。
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「カハッ……ごホッ!ごホッ!」
「あんれぇ?まだ生きてる。」
「たす……け、て。誰か。」
「あんれぇ?まだ生きてる。」
「たす……け、て。誰か。」
不思議だな、俺のジーナ・フォイロで死なない人が居るなんて。
都市伝説の気配はしない。
偶然か、能力を解くのも忘れて少女の側に近寄る。
都市伝説の気配はしない。
偶然か、能力を解くのも忘れて少女の側に近寄る。
「大丈夫かい?」
「あなた……誰?何処に居るの?暗くて何も見えない。」
「あなた……誰?何処に居るの?暗くて何も見えない。」
非常用の照明のせいで部屋はすっかり明るくなっている。
毒で失明したのか。
このままほうっておくのも哀れだな。
毒で失明したのか。
このままほうっておくのも哀れだな。
「死にたくない、死にたくない、私まだ死にたくない。」
小さな命が震えている。
生きていることの何が楽しいかは知らないが興味深い。
生きていることの何が楽しいかは知らないが興味深い。
「誰?」
「死にたくないんだろ?」
「うん」
「助けてやる」
「死にたくないんだろ?」
「うん」
「助けてやる」
おそらくしばらく空気の新鮮なところで寝かせておけば毒は抜けるだろう。
俺の毒はそれほど万能という訳ではないのだ。
継続して吸わせ続けないと死なない、少々不便なものなのだ。
俺の毒はそれほど万能という訳ではないのだ。
継続して吸わせ続けないと死なない、少々不便なものなのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「次にこの国に存在する都市伝説集団についてです。」
「陰陽省以外の?」
「はい。」
「たとえばどんなのがあるの?」
「まず【組織】、これはわりかし最近出来たものですが勢力は大きいです。
元々フリーでなおかつ強大な都市伝説達が集まってできた自警団みたいなものですから。
ぶっちゃけ仕事奪われ気味です。
次に【警視庁密葬課】。
国の意向を受けて国にとって邪魔な都市伝説を秘密裏に始末する人達。
陰陽省とは同じ国家機関の筈なんですが基本的に仲は悪いです。
柄が悪い人達ばっかりで怖いです。
あとは西洋の【教会】、息は長いのですが最近は日本に手はあまり伸ばしてきてませんね。
韓国では何やら盛んみたいですが。
その他にも【第三帝国】とか色々有るみたいです。
また密葬課を除いた多くが日本における活動拠点を学校町に設定しています。」
「学校町?」
「はい、“特異点”と呼ばれる都市伝説の大量発生地です。
心の力もたまりやすいので都市伝説は皆集まっているみたいですね。」
「へえー。」
「ここは混沌としているが故にある意味で治安は安定しています。
どんなに悪いものが出ても自浄作用が働いて消し飛ばされるんですよ。
私たち陰陽師は自浄作用のあまり働かない他の地方の人々を守るのが基本です。」
「なるほど、中々勉強になったなあ。」
「陰陽省以外の?」
「はい。」
「たとえばどんなのがあるの?」
「まず【組織】、これはわりかし最近出来たものですが勢力は大きいです。
元々フリーでなおかつ強大な都市伝説達が集まってできた自警団みたいなものですから。
ぶっちゃけ仕事奪われ気味です。
次に【警視庁密葬課】。
国の意向を受けて国にとって邪魔な都市伝説を秘密裏に始末する人達。
陰陽省とは同じ国家機関の筈なんですが基本的に仲は悪いです。
柄が悪い人達ばっかりで怖いです。
あとは西洋の【教会】、息は長いのですが最近は日本に手はあまり伸ばしてきてませんね。
韓国では何やら盛んみたいですが。
その他にも【第三帝国】とか色々有るみたいです。
また密葬課を除いた多くが日本における活動拠点を学校町に設定しています。」
「学校町?」
「はい、“特異点”と呼ばれる都市伝説の大量発生地です。
心の力もたまりやすいので都市伝説は皆集まっているみたいですね。」
「へえー。」
「ここは混沌としているが故にある意味で治安は安定しています。
どんなに悪いものが出ても自浄作用が働いて消し飛ばされるんですよ。
私たち陰陽師は自浄作用のあまり働かない他の地方の人々を守るのが基本です。」
「なるほど、中々勉強になったなあ。」
その時突然ドアがノックされる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「やれやれ、一旦仕切りなおしといこうか。」
「そこまでだ!」
「そこまでだ!」
俺が殺戮を中止して少女を外に運びだそうとしたまさにその時、
部屋の中に黒服の男達が入り込んでくる。
部屋の中に黒服の男達が入り込んでくる。
「警視庁密葬課だ、ジーナ・フォイロの契約者、日本政府の命令でお前を殺しに来た!
その少女を開放して楽に死ね。」
その少女を開放して楽に死ね。」
男達の叫び声に怯えた少女は俺にしがみついてくる。
見ればまだ子供だ。
ちょっと背伸びしてこんなところに来てみたら巻き込まれたってところか。
哀れだ。
こんな哀れな少女は助けねばならない。
見ればまだ子供だ。
ちょっと背伸びしてこんなところに来てみたら巻き込まれたってところか。
哀れだ。
こんな哀れな少女は助けねばならない。
「断る。お前らのような奴らの手にこんな子供を渡すわけにはいかん!
他ならぬこの俺が彼女を助けると決めたんだ!」
他ならぬこの俺が彼女を助けると決めたんだ!」
黒服の男達が銃弾を俺に向けて放ってくる。
驚いたな、サブマシンガンなんて持っているのか。
俺はコウモリの翼を広げてそれを防ぐ。
俺のジーナ・フォイロは殺しに殺したお陰で既に大量の力を溜め込んでいる。
驚いたな、サブマシンガンなんて持っているのか。
俺はコウモリの翼を広げてそれを防ぐ。
俺のジーナ・フォイロは殺しに殺したお陰で既に大量の力を溜め込んでいる。
「なっ!?」
「邪魔だよオジさん達、俺はね。この子を助けるんだ。
毒の充満したこの部屋から…………ね。」
「邪魔だよオジさん達、俺はね。この子を助けるんだ。
毒の充満したこの部屋から…………ね。」
自分が毒を放っていることなんて忘れたかのように俺は言い放つ。
「くそっ!戦闘に入る!」
黒服の男達はそれぞれに異形へと変化して俺に向けて襲いかかってくる。
「危ない!」
背中に抱えていた少女を前につきだしてみせる。
男たちの動きが一瞬止まる。
その隙にジーナ・フォイロの持つ魔眼の力で動きを止める。
その間に全身に毒が回り、のた打ち回る男たち。
男たちの動きが一瞬止まる。
その隙にジーナ・フォイロの持つ魔眼の力で動きを止める。
その間に全身に毒が回り、のた打ち回る男たち。
「After all, you are only human.」
苦しみ悶える男たちを蹴り飛ばし俺は少女と共に外に出る。
能力を解いて路地裏に少女を寝かせる。
まだ苦しそうだ。
だがしばらく観察させてもらおう。
俺の毒で死なないなんて面白い。
能力を解いて路地裏に少女を寝かせる。
まだ苦しそうだ。
だがしばらく観察させてもらおう。
俺の毒で死なないなんて面白い。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「どうしたんです?」
ノックの主人はたちばなさんだった。
彼は携帯電話を持って私に渡す。
彼は携帯電話を持って私に渡す。
「君のお兄さんからだってさ。」
「え、蓮お兄ちゃんこっち帰ってきてるの!?」
「近所のお兄さんだっけ?」
「うん、私がまだ小さい時から海外飛び回ってて何をして暮らしてるかも今一分からないの。」
「え、蓮お兄ちゃんこっち帰ってきてるの!?」
「近所のお兄さんだっけ?」
「うん、私がまだ小さい時から海外飛び回ってて何をして暮らしてるかも今一分からないの。」
私は電話をとって懐かしい声を聞く。
「あ、お兄ちゃん!?」
「よう茉莉、元気にしてるか?」
「うー……ん、まあね。」
「よう茉莉、元気にしてるか?」
「うー……ん、まあね。」
ここで疑問が一つ。
お兄ちゃんは私のこの状況を知っているのだろうか?
お兄ちゃんは私のこの状況を知っているのだろうか?
「そうか、それなら良いんだよ。
今お兄ちゃんは日本に戻ってきてて久しぶりに日本一周旅行しちゃってまーす。」
「おみやげよろしくね!」
「おう、ところで茉莉。」
「なに?」
「お前さ、ある日超能力に目覚めたらどうする?
お前がそうならなくても良い。
朝起きたらいきなり超能力が当たり前の世界になってたら……お前ならどうする?」
「えーいきなり何言ってるの?」
今お兄ちゃんは日本に戻ってきてて久しぶりに日本一周旅行しちゃってまーす。」
「おみやげよろしくね!」
「おう、ところで茉莉。」
「なに?」
「お前さ、ある日超能力に目覚めたらどうする?
お前がそうならなくても良い。
朝起きたらいきなり超能力が当たり前の世界になってたら……お前ならどうする?」
「えーいきなり何言ってるの?」
心臓を握られたかのような感覚。
この人はいつも無自覚に核心を突いてくる。
この人はいつも無自覚に核心を突いてくる。
「答えを聞きたいなあ」
「解んないよそんなこと。」
「そっか。」
「解んないよそんなこと。」
「そっか。」
急に声から感情が脱落する。
「After all, you are only human.」
口癖だ。
早口すぎてなんと言っているのか分からないのだが。
毎回電話を切る前にはポツリと言うのだ。
早口すぎてなんと言っているのか分からないのだが。
毎回電話を切る前にはポツリと言うのだ。
「それじゃあな。」
「うん!」
「うん!」
後ろを振り返る。
始くんがたちばなさんに“しっかり説明できていたみたいだな”と褒められていた。
まるで親子みたいだった。
始くんがたちばなさんに“しっかり説明できていたみたいだな”と褒められていた。
まるで親子みたいだった。
【鬼ごっこ 第四話「かぞくごっこ その3」 to be continued】