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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花鳥風月-04

最終更新:

Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「―――――――で、都市伝説は強くなったり長生きしたりする為に、人間と契約するの! 分かった?」
「うん、分かったぞ」
「……ホントに分かってるの?」
「うーん、やっぱり全然分かんないぞ」
「どっちよ!?」
「あはは; まぁ、仕方ないよ、僕も最初は全然分からなかったし;」

明くる日、百花は玄鳥と一緒に、風音に都市伝説について教えていた
今日3人が集合したのは玄鳥の家である
この日は彼の両親は朝から外出していた為、百花の両親のような冷やかしを受けずに済んだのだった
という裏話はさておき、都市伝説講座は意外にも難航していた
ご存じの通り、風音は少し頭の中身が可哀想な事になっているのもあるが、
元より風音は覚える事が苦手だったりする……とは言え、金銭が絡むと物覚えが良くなるのだが

「もっけけけけ! くノ一の姉ちゃんも馬鹿だし乳デケェしで最高だなァ! 派ァ手に気に入ったぜェ!」
「…小僧、下品な発言は慎め」

因みに、今回は玄鳥の家なので、コロとモッケも参戦している
と言っても、喧嘩しかしていないが

「あァん? 俺が何言おうが勝手だろうがクソ爺!!」
「軽々しい発言で相手の心を傷つける事もあるのだ、それくらい分かれ」
「テメェ今日という今日は焼き殺してやらァ! 覚悟しやがれ!!」
「おーやれやれー」
「やめなさいっ!? あんたも煽って無いで止めなさいよ!?」
「ほ、ほらコロ、モッケ、ご飯あげるから」

何処から持ってきたのだろうか、玄鳥は2匹の生魚を摘んでコロとモッケに食べさせる
2羽は静かになり、嘴をいっぱいに広げて、上を向いて生魚を丸呑みにする

「………………………ングング」
「………………………ングング」
「「あ、可愛い」」
「食べてる時は大人しいんだけど…;」
「ゴクッ……あ゙ー美味かった。けどよォ、偶にゃネズミとか食ってみてェもんだけどなァ」
「ね、ネズミなんて食べるの?」
「我々フクロウは猛禽類であるが故、致し方ない」
「ん? ネズミならあるぞ、買ってこようか?」
「…萌黄野さん、ネズミなんて何処かに売ってるの?」
「売ってるぞ、ペットショップで1匹1000円くらいで」
「それハムスターでしょ!? やめなさいよ!」
「何で?」
「単純に可哀想でしょうがっ!?」
「………あ、あぁそっかぁ」
「えぇそうよ、全く風音ったら」
「日本に野性のハムスターいないから、まずいかも知れないからな」
「あんた馬鹿ぁ!?」

風音の相変わらずの抜けた発言に、思わず苦笑する玄鳥
と、何かを思い出したように、彼は顔を上げた

「そうだ、萌黄野さん」
「ん?」
「昨日、百花やコロ達を見ても、殆ど驚いてなかったように見えたんだけど……もしかして、都市伝説の事知ってた?」
「そういえばそうね、私は初めて見た時腰が抜けそうだったけど」
「いやぁ、最初は俺も驚いたぞ、電柱のお化けが出た時は
 でも百花と白鷺が不思議な力使ってたから、最近は皆持ってるもんだと思ったぞ」
「何かそれ大きな誤解っ!?」

盛り上がっている時、ピンポーン、とインターホンが鳴った

「はーい…ごめん、ちょっと待ってて」
「うん、その代わりにこの子達借りるわよ」

コロとモッケの羽毛をもふもふし始める百花と風音を背に、
玄鳥は部屋を出て階段を下りていき、玄関に着くと靴を履いてドアを開けた

「すみません、お待たせ致しましt」
「くろぴーーーーーーー♪」

瞬間、玄鳥の目の前が真っ暗になった
ばたんっ、と勢い良く玄関先で倒れた事と、何かに抑えつけられて息ができない事だけは分かる
苦しい
彼は助けを求めるように、右手で床を叩いた

「騒がしいわね、何があったのよ玄鳥ッ……っ!?」
「白鷺ー、コロとモッケに餌あげても良いかッ……っ!?」

音を聞いて駆けつけた百花と風音は絶句した
目の前には、派手な白いドレスを着た、自分達と同い年くらいの見知らぬ少女が、玄鳥に伸しかかっていたのだ
しかも、玄鳥はその顔を少女の豊満なバストで抑えつけられており、呼吸が困難になっていそうだった

「ムグッ、ムムムグゥ~~~~~!!??」
「くろぴー♪ とっても会いたかったの♪」
「「きゃあああああああああああああ!?」」

すぐさま少女を引き離し、手際良く玄鳥を救出する2人
けほっ、こほっ、と彼は数回咳をした後、数回深呼吸してようやく落ち着いた様子だった

「ッハァ、ハァ………し、死ぬかと思った;」
「く、くろぴー、大丈夫なの?」
「あんたがやったんでしょうが! 一体誰なのよあんたっ!?」
「月夜、何で君がここに……?」
「えへへへ、くろぴーに会いたくて来ちゃったの♪」
「…白鷺、知り合いなのか?」
「紹介するよ、僕の従姉妹、蒼樹 月夜(アオキ ツキヨ)

きょとんとした表情で、少女―――月夜は可愛らしく唸りながら、首を傾げる

「くろぴー、この人達は誰なの?」
「あ、俺は萌黄野 風音だぞ」
「……あたしは紅坂 百花、玄鳥の幼馴染よ」

風音は陽気に、百花は陰気に自己紹介する
じーっと、月夜は百花の顔を見ていた

「………何よ、文句ある?」

何故か不機嫌そうに返す百花
実際、今の彼女は不機嫌だった
彼女としては、別に好意を抱いている相手に従姉妹が居ようが構わないのだが、問題は月夜という人物なのだ
現れて早々、玄鳥に抱きついて押し倒したかと思えば、
自他共に認めるつるぺたボディである自分の目の前でその胸の大きさを自慢するかのような行為
全てが百花には気に食わなかった
その怒り、妬み、嫉みが溢れ出した結果が、この修羅の顔である

(うわぁ………こんな百花見た事ないぞ……)

彼女の幼馴染である風音でさえドン引きするレベル
そんな痛々しい視線を送りつけられた当の本人は

「…………ぐすっ……」
「「「え?」」」
「ふえええええん、この人怖いの、怖いのー!!」

盛大に泣き出した

「うわっ、ち、ちょっと、別に泣かなくてもっ……」
「あーぁ、百花が泣かしちゃったぞー」
「うるさいっ!?…あーもーあたしが悪かったわよ!」
「えっと、ここじゃ難だし、とりあえず部屋に連れて行こうか;」






数分後、再び玄鳥の部屋
月夜がようやく泣き止んだ頃に、百花が目を反らしながらも申し訳なさそうに口を開いた

「あの、その……さっきはごめんね
 でも、あんたまだ玄鳥には謝って無いし、それだけは、その、はっきり言っておくべきだと思うな」
「ひっぐ……うん、ごめんなの、くろぴー……」
「いや、気にしないで。それより、いらっしゃい」
(今言うのか;)
「ありがとぉ……あ、コロたんにモッケちんも、こんにちは」
「ホー」
「ホー」

もふもふと、2羽の頭を無邪気に撫でる月夜
「ん?」と声に漏らしながら、百花はこっそりと玄鳥に耳打ちする

「ねぇ、あの月夜って子は契約者じゃないの?」
「え………えっと…ちょっとややこしい話になってくるんだけど、厳密に言えば……」
「なぁ、月夜は何処から来たんだ?」
「北海道のお家からなの。この町に別荘を建てたから、暫くこっちにお引っ越しするの
 それで、くろぴーに会いたくて勝手に抜け出してきちゃったの」
「おぉ、遠路遥々ご苦労様だぞ」
「……別荘?」
「あ、まだ言ってなかったね
 月夜は、蒼樹財閥の御令嬢さんなんだ」
「蒼樹財閥ぅ!?」

その名を聞いて、百花は盛大に腰を抜かした
ぎょっとした表情で、首を傾けながら風音が問うた

「百花、トレーニングしてるか? 足腰弱すぎるぞ」
「っちょ、驚かないの!? 蒼樹財閥よ蒼樹財閥!
 世界にその名を轟かせる超大金持ちよ!?」
「へぇ、金持ちなのか、凄いぞ月夜」
「えへへへ、なんだか照れちゃうの」
「うわぁ、馬鹿ばっか…逆に驚いた私が馬鹿みたいに思えてきたわ
 ところで気になったんだけど、何で『くろぴー』なの?」
「あぁ、『玄鳥』って『玄い鳥』って書くでしょ?
 それで、『くろ』と鳥の鳴き声を合わせて、『くろぴー』って呼ばれてるんだ」
「へぇ…………何か良いわね」

ぼそっと呟いたが、それを玄鳥に聞かれそうになって若干焦る
と、その時、またふと何かに気づいたような顔をする百花
ほぼ同時に玄鳥も、同じ事を思い出した

「あんた逃げ出してきたの!?」
「それってまずいんじゃない!?」
「んー、大変なの?」
「大変に決まってんでしょ! 家族とか、御令嬢さんならボディガードみたいな人が探し回ってるよ、きっと!」
「じゃあ、見つからないようにこの町を探検したいの♪」
「あらそーなの? それじゃあ皆で南区に行きましょうkってアホかぁ!?」
「そ、そうだよ、お父さんやお母さんが心配するから…」
「ならケーキでも食べに行くか?」
「わーいケーキなのー♪」
「やったー!またケーキだー♪」

玄鳥は頭を抱えた





     †     †     †     †     †     †     †





結局、南区のデパートで半日以上遊んでしまった4人
既に日は沈み、月は出ているようだが雲に隠れて今は拝めない
今日は風音も玄鳥も、百花の所為で財布が寂しくなる事は無かった
それもその筈、全て月夜がクレジットカードで支払ってしまったからだ
奢ると言い出した者が奢られるのも如何な物かと思うが、風音は小さい事は気にしない性質なので問題無い

「月夜、どうだった?」
「うん!とっても楽しかったの♪」
「そっか、喜んで貰えて何よりだぞ」

上機嫌に真っ白な日傘をくるくる回しながら、月夜は満面の笑みで答えていた
そんな姿を見て、百花はしみじみと

「…なんか、お金持ちのお嬢様って、ひん曲がってて最低な奴ってイメージあったけど…月夜はそうじゃないね」
「まだ小さい内から、お金よりも大切なものを知って育ったからね、月夜は」
「お金より大事なもの?」
「百花だって、沢山持ってるでしょ?」

ん~、と考え込んでしまった
暫くして、「あぁ、」と納得したような声をあげると、玄鳥に柔らかに肘鉄砲を当てた

「ところで、もう夜だけど、何で日傘差してるの?」
「あ、それは――――――――」
「おやおや、御友人が1人増えておるのぅ、ふぉっふぉっふぉ」

しわがれた声
黒いローブを着た老人が、突如4人の前に現れた

「ッ……こ、コクマー!?」
「じーちゃん、また来たのか!」
「? 誰なの?」
「すっごく悪い人だから、月夜は安全な場所に逃げて!」
「もう前置きは要らんじゃろう、手短に往かせて貰う」

コクマーは左手を差し出し、指を2本立てて呪詛を唱える
ふわり、彼の傍に青白く輝く人魂のようなものが現れた

「死して尚この地に彷徨い続ける憐れな魂……其方に新たな肉体を与えよう」

人魂は一点のずれも無く、月夜が持っていた傘に融け込んだ

「きゃあっ!?」

驚きの余り、日傘を空中に投げる月夜
それは突風に煽られて更に高くへ舞い上がると、光を放ってその形を変える
開いた状態で巨大化し、白かった傘布が真っ黒に染まり、2枚の毛むくじゃらの翼が生え、2つの目が怪しく輝いた
傘の心棒はぐにゃりと波打つようにしなやかに曲がって、持ち手の部分にも毛が生えて尻尾のようになる

「バァァァァァァァリバリダァァァァァァァァァァァァァ!!!」
「か、怪物………!?」
「ほっとんど昨日とおんなじシチュエーションじゃない、デジャヴュ?
 ていうか今度は何よ、カラスの都市伝説!?」
「あれは………多分、「モスマン」だよ!」
「苔男か?」
「『MOSS』じゃなくて『MOTH』! ふざけてないで、行くわよ皆!」

百花はペンダントを手に取り、「ロータス・ワンド」を顕現させる
玄鳥は指笛を吹いて、「コタンコロカムイ」のコロと「たたりもっけ」のモッケを呼び寄せる
風音は忍者の構えを取って、「忍法」で手元に手裏剣を出現させる

「え、え? み、皆……?」
「月夜、ここでじっとしてて! コロ、月夜をお願い!」
「心得た!」
「っしゃァ! 行くぜ姉ちゃんよォ!!」
「言われなくてもやるわよ!」
「了解だぞ!」

黒い炎、白い光、そして手裏剣が上空の化物に向かって飛んでゆく
化物は漆黒の翼を煽いで突風を生み出し、全てを弾き返した
その強い風は、地上の百花達のところにまで吹きつけた

「くぅっ………す、すごい風…………!」
「ふぉっふぉっふぉ、下りてやるが良い」
「バリバリダァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

主人の命令に従い、化物は高度を下げると、その尻尾を使って地面を強く叩きつけた
辺りにアスファルトの破片が飛び散る

「光よ、命の輝きよ、世を覆う闇を振り祓え! 『トゥキャプミィ・レウォルフ』!!」
「「忍法」はこんなことも出来るんだぞ! 『忍法 一刀両断』!!」
「もっけけけけけけ!! 『怪火・灼焔地獄』ゥ!!」

百花は光を宿した杖を振るい、化物にぶつけようとするが、長い尾で弾き返されてしまう
風音は「忍法」で何処からともなく刀を出現させ、振りかぶるが寸での処で躱され、同様に壁に叩きつけられた
モッケの攻撃は翼で受け止めるが、僅かにダメージを与えた程度であり、その直後に吹き飛ばされてしまった

「くはぁっ!?………こ、こいつ…………!
「昨日のよりも、遥かに強いぞ…!?」
「ちィっ…んなの洒落になんねェ!」
「ふぉっふぉっふぉ、儂が本気を出せばもっとスムーズに行ったのじゃが…
 まぁ良い、続けるのじゃ」
「百花! 萌黄野さん! モッケ!」
「み、皆が……お、お願いコロたん! 私は良いから、百花ちゃん達を守ってあげて!」
「し、しかしそれでは………」
「安心せい、誰も守らせはせぬ」

化物の赤い目がぎらりと光る
直後、コロが小さく唸ったかと思えば、彼が作り出していた結界が破裂するように消えた

「ッ!? こ、コロ!」
「す、まない………「モスマン」の呪いが………」
「バリバリダァァァァァァァァァァァ!!!」

撓る尻尾を振り上げ、強く叩きつける
玄鳥は咄嗟にコロと月夜を抱き寄せて回避し、事無きを得た

「痛っ………つ、月夜、コロ、大丈夫?」
「う、うん、私は―――――――くろぴー後ろ!!」
「えっ!?」
「遅いのぅ、頂きじゃ」

雲が晴れ、月の光に照らされた、尻尾を振り上げる化物
玄鳥は逃げようとしたが、脚を怪我した事と、月夜やコロを置いていけないという良心がそれを阻害する

「玄鳥ぇ!!」
「白鷺!!」

百花達の、涙を交えた声が空しく響く
老人が怪しくほくそ笑んだ時、高々と構えられた尻尾が勢いよく振り下ろされた









「――――――――――どうして?」








ぴたり、化物の尻尾の動きが止まる
正確には、“止められて”いる

「むぅ………?」

コクマーの表情に僅かな曇りが見え始める
その視線の先には、尻尾を止めた張本人が立っていた
白いドレス、耳元までの黒い髪、豊満な胸―――――蒼樹 月夜だったのだ

「え……つ、月夜?」

百花も風音も驚きを隠せなかった
ただ、玄鳥と2羽のフクロウは、その表情を歪める

「…………どうして、なの?」

月夜がまた口を開く、と同時に尻尾を掴んだ腕に力が入る
その雰囲気は、先程のような無邪気なもので無く、邪悪と言っても過言でないくらいにどす黒かった

「どうして、玄鳥を虐めるの?
 どうして、私の玄鳥を傷つけようとするの?
 玄鳥が貴方に何か悪い事をしたの?
 証拠は? いつ? 何年何月何日何時何分何秒?
 答えられないの? ねぇ、はっきり言ってよ
 どうして私から光を奪おうとするの?
 どうして私の大好きな人から光を奪おうとするの?
 玄鳥を虐める人は、傷つける人は、大っ嫌いなの」

言葉を重ねる毎に、徐々に徐々に腕の力が強くなっていき、
遂にはそのか細い指が尻尾に喰い込むまでに及んだ
そして

「玄鳥を虐める人は皆…………死んじゃえばいいの」

力を込め、思いっきり腕を引く月夜
びちゃり、僅かに滑りを伴った深紅の体液が辺りに飛び散り、甲高い叫び声が轟いた

「バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!???」
「うるさい」

彼女はその見た目とは裏腹に途轍もない跳躍力を発揮し、化物の頭上に来たかと思えば、
夜の闇の如き禍々しいオーラを放つ拳を、化物の眉間と思しき場所に叩き込む
飛行していた化物は、さっきまで己が百花達にやっていたように 地面に叩きつけられた
尻尾を失いバランスを崩しながらも、もう一度離陸を図るが、今度は左の翼をもがれた

「これでもう大人しくしてくれる?」

月夜はにんまりと、満月の笑みを浮かべ、拳を振りかぶり、
そのまま力任せに化け物の眉間を殴りつけた

「死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ!!!!!」

何度も、何度も、何度も何度も何度も、怒りと憎しみのままに殴り続ける
化物の身体から血が噴き出し、真っ白だったドレスが真っ紅に染まる

「な……何よ、あの子…………う、うぷっ」
「あれも、都市伝説なのか……?」

呆然とその光景を眺めながら、各々疑問を投げかける2人
そんな事も構わず、月夜はぐちゃり、ぐちゃりと既に虫の息となった化け物を殴り続ける
じゅる、と頬に飛んだ血飛沫を舐め取った

「うふ、うふふふふふふ………悪い子はもっともっともぉっとお仕置きしなくっちゃなの
 ……んー、でも、玄鳥に汚い血がかかったらいけないの…
 そぉだ、ここにこのゴミのお墓を作ってあげたら―――――――――」

ぎゅっと背後から抱きしめられ、彼女の手と言葉が止まった

「……………………ぅ、ぁ」
「月夜、もう、やめて……僕は、大丈夫だから」

玄鳥が優しく、そして悲しげに、彼女にそう囁いた
月夜は血で赤く染まった拳を解き、だらりと腕を下ろす

「く…ろ、ぴー………」

力が抜け、気を失い倒れそうになった彼女を、そのまま玄鳥が抱き止めた
そっと彼女の頭を撫でた後、百花に向かって叫んだ

「百花!今だ!」
「あ、お、OK!」

立ち上がり、すぐさま「ロータス・ワンド」に光を宿す百花

「聖なる光よ、善なる輝きよ
 憎悪、怨恨、悲哀、殺意、邪悪なる意思を全て討ち祓い、その者の心を清め洗え!
 百花繚乱! 『グナブ・ギブ・レウォルフ』!!」

お決まりの呪文を唱え、蓮の花の光弾を弱り果てた化物に命中させる
化物は光に包まれ、「モスマン」の魂を浄化し、元の日傘に戻った
ただ、ぼろぼろになっていて使い物にならなさそうだったが

「…………成程、これはとんだ誤算じゃったのぅ………じゃが、これから楽しめそうじゃわい」

ぶつぶつと独り言を零し、老人の姿はその場から消えた
構う事無く、百花は風音と共に玄鳥達の元に駆け寄った

「玄鳥! 大丈夫!?」
「うん、ちょっと脚を擦り剥いただけだよ」
「月夜は……?」
「疲れて眠っちゃったみたい。そっとしておこう」

すぅ、すぅ、と寝息を立てる月夜のその顔は、今朝と同じく無邪気なものだった
百花はとうとう、玄鳥に疑問をぶつけた

「…ねぇ、月夜の契約都市伝説って何なの?」
「僕も分からないんだけど……多分、「月の光を浴びると気が狂う」、だと思う」
「あー、そういえば月が出た瞬間に性格が変わったぞ」
「それで、夜も傘を持っていたのね」
「ううん、“持たせてた”んだ」
「「え?」」
「蒼樹嬢には、何故か能力発動中、つまり月の光を浴びた後の記憶は無いようなのだ」
「初めて知った時はビックリしたけど、止める方法があるから、
 僕があれこれ事情をつけて、何とか暴走するのを防いでたんだけど……」

玄鳥の言葉が止まる
もう一度、百花は月夜に向けて視線を落とした
恐ろしい―――――――心から、彼女はそう思った

(この子も、玄鳥のこと……………)

いつか、最悪の形で彼女と向き合う日が来るんじゃないか
首を左右に振って下らない考えを払拭し、やや上ずった声でようやく口を開く

「ほ、ほら、いい加減もう帰ろうよ
 月夜だって、血塗れのままじゃ可哀想だし」
「そ、そうだ、でも家に着替えなんて……」
「着替えなら、俺が持ってくるぞ」
「え? あたしの方が家近いじゃない」
「でも、百花の服、月夜じゃ入らないと思うぞ?」
「胸が小さくて悪かったわねっ!?」

ははは、と笑いつつ、風音は民家の屋根を跳びながら一度自分の家に向かった
2人のやり取りを見て、何とか玄鳥も心が落ち着かせて、百花と共に月夜を抱えて自宅へと歩き出した
この後、玄鳥の両親が月夜を見て双方共に気絶してしまったのはまた別の話

   ...続く

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