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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花鳥風月-05

最終更新:

Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
様々な出来事がありつつ、長かった夏休みが終焉を迎え、
中央高校にて、新学期がスタートした





――――――――のだが、





「どうなってんのよあたし達の学校はぁっ!?」

始業式のあった日の放課後
制服姿で南区の繁華街を歩きながら、彼女―――紅坂 百花は叫んだ

契約者になると、都市伝説や他の契約者の気配が分かる事があるという
彼女はまさにそのパターンなのだが、その所為で色々ショックを受けていた
久しぶりの学校は、都市伝説の気配で充満していた
入学した4月から7月までの4ヶ月、よくもこんなところで普通に授業を受けたりしたものだと自分を感心した
まず、契約者の数が多すぎる
それは先輩だったり同級生だったり、はたまた教師だったり
果ては校長先生までが契約者である

「荒神先生、高元先生、後樹先生、エトセトラ、エトセトラ……出道校長まで契約者だったなんて……」
「ま、まぁ、そうじゃなくてもこの町は都市伝説が多かったし、仕方ないと思うけど;」
「現実は受け入れるべきだぞー」
「あんた達は何とも思わない訳!?」
「始めは僕も驚いたけど、すぐに慣れるよ」
「気にしても仕方ないしな」
「ハァ、あんた達は楽天家過ぎだと思う………」
「でも神経質だとすぐに疲れちゃうの」

横から口を挟んだのは、制服姿の蒼樹 月夜だった
実は彼女、今学期から中央高校に転校してきたのだ
しかも偶然、百花達と同じクラス
因みに彼女には都市伝説の存在をきちんと話しているので、その話題に関しては何ら問題は無い
まだ、彼女自身の契約都市伝説の事は話していないのだが

「少しくらい神経質になっても良いと思うんだけどなー!?」
「「「何で???」」」
「もう良いわよ知らない!!」

何故か怒り出す百花に、全員が首を傾げた
ふと、月夜が視線を反らすと、新しいおもちゃを見つけた子供のように、ぱっと笑顔が輝いた

「月夜、どうしたの?」
「えへへへ♪」

ちょいちょい、と指で何かを指し示す
全員がそちらを向くと、ファッション専門店のショーウィンドウの前で、カップルが仲睦まじく話していた
カップル、とは言え、年齢はまだまだ子供だった
少年の方は中学生くらいで、学校帰りだろうか、制服姿だった
少女は青い髪の小学校高学年のように見え、どちらかというと兄妹のようだったが、会話の内容は正しくカップルのものだった

「ミナワならこれとかも似合いそうじゃん」
「えぇ~!? こ、こここれもやっぱり派手すぎますよぉ///」
「お前なぁ、女の子は一度くらい着飾った方が良いぞ?」
「で、でもぉ……こ、これ結構高いですよ?」
「値段は気にするな、お前が喜んでくれたら何でも買うよ」
「……い、やっぱりダメです、ご主人様に悪いですから……」
「んー、いつも控えめな値段の服しか選ばないから、どうかなーと思ってたんだけどなぁ…
 ま、いっか、お前は服の値段関係無く、何着ても可愛いし♪」
「ひゃんっ/// も、もぉ、人前ですよ?///」
「いーじゃんいーじゃんスゲーじゃん、もう慣れたっしょ?」
「うぅ……そ、それはそうですけどぉ///」

聞こえるようにわざとやってるのか、その場にいる人間の半数が「もげろ」と言いたくなる光景
玄鳥も風音も、月夜につられて思わず笑みを零した

「なんだか、こっちまで和やかになるよね、人が仲良くしてるところって」
「そうだな……なぁ、百花はどう思ッ」

だが百花は違った
その表情、目つき、オーラ、何もかもを漢字2文字で表すとしたならば、それは間違いなく“嫉妬”
10年以上も付き合いのある想い人に未だに心中を明かしていない彼女からすれば、
それは一種の挑発行為、否、宣戦布告のように思えた
必死に宥めようとする玄鳥達の声も聞かず、腕を撥ね退けてずかずかと2人に近づいていった

「そこの2人ィ!!」

少女はびくっと跳び上がって少年に隠れながら、
少年は平然とした様子で少女を庇うように百花を見た

「…中央高校の花の女子高生さんが俺達に何か用ですか?」
「さっきから見てたらイチャイチャイチャイチャと! 苛つくのよ!」
「はっはぁ~ん、さては姉ちゃん彼氏いない歴=年齢か?
 それで年下の俺が彼女とイチャラブってるのを見て逆恨みと
 そういうの、DQNって言うんだけど、知ってる?」

少女が止めようとするが、少年は「大丈夫大丈夫」と逆に制止する
爆発寸前だった百花の怒りが、とうとうビッグバンを起こした

「ああああああああ!! もう良いわ、あんたも契約者なんでしょ!? 戦いなさい!!」
「「はぁ!?」」

これには外野にまわっていた玄鳥と風音も度肝を抜かれた

「へぇ、姉ちゃんも契約者か、都市伝説は引かれ合うってのはマジだな、それ自体が都市伝説ってレベルで」

少年はその場にしゃがみ込むと、己の影に手を突っ込んだ
ぎょっとする百花に構わず、中からベルトを取り出し、腰に巻いて金色の四角い物体を掴む

「ご、ご主人様、宜しいんですか?」
「下がってろミナワ、ご指名は俺だ」
「ふん、子供だからって容赦しないわよ!」
「お、おい百花、本気でやるのか!?」
「黙って見てなさい! こいつだって、あのおっさんと爺さんの仲間かも知れないでしょ!?
 契約者全員が味方だなんて限らないのよ! それを皆気楽に考えちゃって!
 あたしが正義だってこと、分からせてやるんだから!!」

ペンダントを手に取り、握りしめる百花

「光の力を秘めし杖よ、真の姿を我の前に示せ。契約の下、百花が命じる……封印解除!!」

ひょい、と軽く手の中のものを投げると、ペンダントが「ロータス・ワンド」として顕現し、
百花は再びそれを掴んでくるりと回して構えた

「暗闇より出でし者達を、閃光の力を借りて掻き消さん!
 紅き花、ここに咲く! 我が名は魔導少女クリムゾンブロッサム!!」

約2名が頭を抱えて呆れている
そして約2名―――月夜とミナワは目を輝かせていた

「わお、結構面白そうな都市伝説じゃん
 俺としては遊んであげたかったんだけどなー、お前は俺を怒らせた」
「はぁ?」
「俺がこの世で最も嫌いな言葉は――――――――“正義”だ!!」

手に取った金色のパスを空中に投げる
それが落下してベルトのバックルの真ん前に来た瞬間、ぴたりと宙に止まり、
《レイヴァテイン》という電子音声が流れ、バックルの水晶体が黄金色に輝く

「……変、身」

パスが一瞬だけ植物の枝のような形を取ると、直後に金色の液体に変わり、少年の身体を包み込んだ
徐々にそれは、各部に鋭利な刃物の装飾が施された眩い鎧となった

「わあ、綺麗なの♪」
「え、あれも都市伝説なのか?」
「信じられない……あんな都市伝説聞いた事ないよ……」
(変身か……良いわね、考えておこうかしら)

暫しそんなことを考えてから、彼女は蓮の杖の先端に光を宿した

「光よ、命の輝きよ、世を覆う闇を振り祓え! 『トゥキャプミィ・レウォルフ』!!」

杖を振りかぶり、百花は少年に向かって先制攻撃を仕掛ける

「ウヒヒヒヒヒ、挨拶は真っ向から受けようか……『真・黄昏地獄拳』!!」

少年は右手で拳を作ると、黄金色の雷光を走らせ、迫る百花の攻撃を攻撃で返した
爆破音と痺れるような衝撃が広がり、2人は互いに吹き飛ばされるがすぐに態勢を整える

「くぅっ! 罪無き人々に害をなす者よ、罪無き世界の平和を脅かす者よ!
 今こそその悪に染まりし穢れた心を、身体を、魂を、光に変えて闇に融けなさい!
 我は汝を裁き、汝に罰を与える者なり!」

杖の先端に光が凝縮され、それが大きな光の花を咲かせる

「舞い散れ、『イャル・レウォルフ』!!」

ばっ!と光の花が散ったかと思えば、花弁が光の刃となり、軌跡を描いて少年に向かう
しかし少年は、鋭い爪で空を裂くように腕を振ると、衝撃波を発生させて刃を相殺させる

「っ!? ふ、防いだ!?」
「ヒハハハハハハ! そんなもんかぁ? 攻撃ってのは……こうすんだよぉ!!」

両掌を内側にして合わせ、胸の前に構えると、掌の間にエネルギーの塊が発生する
それを頭上に大きく振りかぶり、

「滅ぶのはお前だ! 『クェーサー』!!」

フリースローの要領で光弾を投げつける
咄嗟に、彼女は呪文を唱えて光の盾を作り出し、攻撃を防いだ
繁華街のド真ん中で激しい爆風が生まれる
光の盾は彼女を守ったが、光弾の威力が強すぎたのか、ぼろぼろと崩れてしまった

「っ……『スィギア・レウォルフ』を破壊するなんて、やるじゃない」
「ウヒヒヒヒヒ、「レイヴァテイン」の破滅の力を受け切る奴は初めてだぜ
 何だろうな、あんたと戦ってると凄く楽しい気分だ、ぜぇ!!」

少年は拳を振り上げ、百花に飛びかかった

「それは奇遇ねぇ……あたしもおんなじ気持ちよ!!」

百花もまた、光を纏った「ロータス・ワンド」を叩きつけた
ぶつかり合う拳と杖は再び激しい衝撃を生み出した
玄鳥達も、立っているのがやっとだ

「うぐっ……つ、玄鳥、あいつら止められないのか!?」
「そうしたいんだけど……他の追随を許さないって、こういうことじゃないかな……!」
「うぅ、2人とも頑張って欲しいの!」
「「何で!?」」

互いにまた間合いを取る百花と少年
ところが、百花の表情からは疲労の色が見え始めた
少年は顔こそ見えないが、呼吸が荒いのが分かる

「ヒ、ヒヒヒ……次が正念場だな」
「そうみたいね……これで、終わらせる!」

少年は全身に雷光を纏い、地面を蹴って高く跳び上がって、煌めく雷光を伸ばした右脚に集中させる
百花は呪文を唱え、杖の先に眩い光の力を集約させ、巨大な蓮の花を咲かせる

「『究極!ゲシュペンストキック』!!!」
「百花繚乱! 『グナブ・ギブ・レウォルフ』!!!」

今日一番の、町全体を震わせる程の爆音が轟き、爆発を生み出した
がちゃ、と金属音を鳴らして煙の中から落ちてきた少年は、落下直後に鎧が元のパスに戻った
百花もその場でへたり込んでしまい、手から零れ落ちた「ロータス・ワンド」はペンダントに戻ってしまう

「っはぁ、はぁ………あ、あんた……結構、やるじゃ、ない………」
「……ヒハハハハハハハ……姉ちゃんも、な」
「ご主人様!」「「百花!」」「百花ちゃん!」

各々が、己の心配する者の元へと駆け寄った
支えられながら、よろよろと2人は立ち上がる
と、少年が最初に口を開いた

「よし、もういいだろ……出て来いよおっさん!」
「おっさん?」
「……何故私をおっさんと呼ぶのだ?」

建物の陰から、黒いマントの男が、巨大なゴキブリの怪物を連れて現れた

「あれは確か……ケセド!」
「誰だあのおっさん?」
「知らないの」
「……コホン、コクマーの報告通り、確かに人数が増えてる……そちらの2人は報告に無いが」
「仲間だって言いたいなら俺達は違うぞ、今戦ったところだ」
「ふん、まぁいい……人間共に虐げられたその憎しみを解き放つがいい!」
「モエルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥワァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
「くっ、こんな時に……いい加減にしなさいよね!」

百花はもう一度、「ロータス・ワンド」を顕現させた
が、戦闘の直後である為、身体がふらついている

「無茶しちゃダメだぞ百花、ここは俺が――――」
「ううん、あたしがやらなきゃ……」
「すっげぇ、なんかザケンナーみたい。何の都市伝説だろ」
「ナケワメーケにも見えますね」

『ザケンナー』、そして『ナケワメーケ』
その言葉の意味を知っているのは他でもない、『プリキュア』視聴者のみである

「っね、ねぇねぇ! 『プリキュア』見てるの!?」
「へ? あ、うん、毎週見てるよ」
「なぁんだぁ、早く言ってくれたら良いのにー! 『スイート』最高よね、メロディ超最高!」
「ほぅ、俺はキュアビート一択だな、ミューズは露出が少なすぎる」
「リズムも良くないですか? あの決め台詞、私は好きですよ♪」
「あー『気合のレシピ、見せてあげる』っていう奴? いいよねあれも! でもあたしはやっぱり『ここでやらなきゃ女が廃る』に惚れたわー♪」

さっきの戦闘は何処へやら
百花はかなり嬉しそうに、少年と少女と3人で『プリキュア』の話で盛り上がっていた

「……モエルーワ?」
「…構わん、殺れ」
「そうだ姉ちゃん、ここであったも何かの縁、いっちょ“あれ”で片付けない?」
「え、もしかして、“あれ”ですか?」
「良いわね“あれ”! やろうやろう!」
「「「“あれ”って?」」」

百花は「ロータス・ワンド」に光を溜める
少年は再び「レイヴァテイン」を呼び出し、それをステッキにして先端に雷光を纏わせる
少女は何処からともなく先端にリング状の装飾が施された青い杖を手にした

「「「駆け廻れ! トーンのリング!」」」

3人同時に、杖で大きく円を描き、
百花は白い光、少年は黄金の雷光、少女は七色のシャボン玉で大きな輪を作り出した

「「「プリキュア! ミュージックロンド!!!」」」

3つの輪は地平を走り、ゴキブリの怪物を捕縛して、フラフープのようにくるくると独りでに回る
それを見た後、3人はまたも同時に、杖を頭上に上げ、振り下ろす

「「「三拍子! 1、2、3……………フィナーレ♪」」」
「モッ…モエルゥゥゥゥゥゥゥゥワ―――――――――――――――」

本日何度目かの花火が上がった
怪物はその姿を消し、爆煙の中からゴキブリが現れ、路地裏の中に消えていった

「…………久々の戦闘なのに出番これだけか……」

何故か哀愁を漂わせながら、彼はすぅっと消えていった

「やったぁ! そうよ、やっぱり『プリキュア』を愛する者に悪い奴なんていないのよ!」
「そうそう、『プリキュア』最高! 『プリキュア』万歳!」
(こいつら……どんな神経してるんだぞ;)
「…あ、ご主人様、お時間が…」
「マジ? あうち、もうこんな時間か。またね姉ちゃん、今度会ったらミューズの正体について語ろうや」
「楽しみにしてるわ! あ、あたし、紅坂 百花っていうのー!」
「俺は黄昏 裂邪! じゃあなー百花の姉ちゃん!」

互いに名乗り、手を振って別れを惜しむ2人
こうして、奇妙であり且つ混沌とした友情が、芽生えたのだった

「…ところで、さっきの技って何なの?」
「ハァ!? じゃあ今からあたしの家で『プリキュア』観賞会よ!」


   ...続く











「ぐえっ、レクイエムさん、マジすいませんでした」
「やりすぎだ馬鹿者!! 少しは働く身にもなれ!!」


   ...今度こそ続く

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