「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モデルケース-09

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匿名ユーザー

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 眼前に迫る岩肌をまるでこの世の出来事ではないかのように小竹は見つめていた。すべてがスローモーションに感じる。人は死の間際、刹那の時間が大きく引き伸ばされるといわれている。小竹は現在進行形でその現象に直面していた。
 しかし、できることは何もない。このスローは永遠ではないし、この時間の中を自由に移動できるわけでもない。岩肌に車が激突する。車体はゆっくりとひしゃげていく。フロントガラスにはゆっくりと細やかな線が入り始めた。
 『死』の一文字小竹の頭の浮かび上がる。だが、今更死を恐れるほど小竹は未練を持ち合わせていなかった。その最後こそ失速したものの、駆け足で走り抜けた人生だったと自負している。幸せだったかと聞かれれば、結婚し、理解ある夫ゆえに働くことができ、子も息子娘とでき、ともに結婚し、孫もできた。最後に床で囲まれながらではないにしろ、走りながら死ぬなんて自分らしい。幸せな人生だったと自覚して死ぬことができる。
 小竹には死を受け入れる準備はとっくの昔からできていた。

『おい、あんた!』

 死に向かう小竹を邪魔するがごとく何者かが語りかかけてくる。甲高いが老人特有の声色で、小竹と違い声はあまりしゃがれていない。声はすぐ近くから聞こえた。小竹は声が聞こえるほうへ目をやる。目をやった場所はすぐ隣の座席。そこには何も乗っていないはずだった。
 乗っていないはずの席に、これ見よがしにふんぞり返るように座っている存在を彼女は発見した。その存在は手入れなどしていないかのように荒れた灰色の髪、まっさらなランニングシャツにクリーム色のチノパンを履いている。その存在はパッと見れば老人で、よく見れば老女であることがわかる。
 小竹はすぐに気が付いた。この老女こそが、さっきまで自分たちのとなりを走っていた存在なのだと。この老女の、ババアのせいで自分たちは死ぬのだと。

『お~よかったよぉ。こっちに気が付いてくれてぇ」
「あんたの……」
『ん?』

 不思議と声は出せた。驚くほど頭の中は冴えわたり、もはやボケなど治っている。死ぬ間際だからだろうか。それとももう死んでいて、これは自分が見ている夢だからだろうか?それはわからない。声が出せるだけで体は動かすことはできない。ならば、あふれる胸の激情を小竹は言葉に出すしかない。

「あんたが現れなけりゃ娘は!直美は死なずにすんだんだぁ!!」

 自分が死にはもはや逃れることなど出来ないことだ。ずいぶんと前からわかっていた。納得していた。受け入れていた。だが、だが娘が死ぬのは納得もしてないし受け入れられない。この老女が現れなければ娘は死ぬことはなかっただろう。いつも通り家に帰り、いつも通りの日常へと帰っていけたはずだ。
 そんな小竹の激情など我関せずといった風の顔を老女はし続けている。ずいぶんと冷めた顔をして小竹を見つめ、口を開いた。開いた口は歯も見えず、舌も見えず、見据えることができない闇のように黒く見えない。

『そいつは悪かったよ。でもさぁ。あんた居たからしょうがないじゃぁあないか』
「あ、あたし……が?なんのことだい!?」

 老女の言葉によって、小竹の心に少なからず動揺が走る。

『都市伝説って知ってるかぁい?口裂け女とか人面犬とかああいうのさ。あたしもその都市伝説でね。ターボババアっていう都市伝説なのさ』
「そいつがなんだって~んだぁ?」
『ここの交通量は最近とんと少なくてねぇ。都市伝説ってやつはうわさされないと生き残れないのさ。でも!!』

 老女、ターボババアが目を見開き小竹に体を近づける。

『契約すれば話は別さね。その存在を確立することができるのさ』
「け、契約?」
『もちろんあんたにもメリットはあるさぁ!悪い話じゃない。なぁ、契約してくれないかい?出なけりゃここに来た意味がない』
「な~にを言ってんだい!わけがわからん!」

 小竹の叫びにターボババアの言葉が返される。

『あんたに惹ぃかれたぁあ!!ぅあんたに引ぃき寄せらぁれた!!会って!見て!分かった!』
「……な、なんだいそりゃぁ」

 目の前のお化けは自分に引き寄せられたのだという。なんなのだそれは。自分が引き寄せたのかこの化けものを。もしそれが本当なら、

「それがほ~となら、あたしのせいで直美は死んだってのかい……?」



モデルケース『ターボババア』⑤



「メーター見る限りまだ450キロですよね?」
「もう振り切ってるよ。上限たくさんね」
「上限いっぱい?」
「それそれ。目測で換算するとわかるが、もう600を超えて、700に入ったわね」

 いかにも口裂け女という格好をした口裂け女ジュリアナは、困惑気味に麦野に訊ねていた。彼女の知識では車とは上限速度までしか出せないものということになっている。450と書いてあれば、450キロまでしかでない。それがジュリアナの中にある車の知識であった。しかし、車は自分の上限速度をはるかに超え、700キロという異常すぎるスピードを出して走っている。驚かないわけがない。それでも麦野は平然とした顔をしていた。
 ジュリアナにはそれがわからない。

「なんでそんなにもスピードが出てるか不思議じゃないんですか?」
「いや、およその原因はわかってるつもりよ」

 麦野は口元を釣り上げる。

「私たちが死ににくいせいだ」
「死ににくい?」
「このソアラの力は強力だ。でも、坂本君以外は私たちだって負けてないわ。正直なところただ車で事故したぐらいじゃ死にはしない。ジュリアナ。あなたもでしょう?」
「そりゃそうですけど」
「ソアラも私たちを乗せてそう感じたんでしょう。だったらどうしますか?決まってる。殺せるぐらいの力を出す」
「なるほど」

 麦野がミラーを覗き込む。後方にいた小竹はすでにずいぶんと近い距離を走っている。話している間にもソアラの速度は出続け今では800キロに達しようとしている。しかし小竹も尋常ではない。小竹の速度もすでに700キロを超えている。その加速度はソアラなど比ではない。いずれ追い付かれるのも時間の問題だろう。

「すでに何度かブレーキを踏んでいるのだけど一切効かない。さすがだよ。しかし、この調子なら勝てるかもしれない。今のターボババアを見る限りもとのままでじゃ勝てなかっただろうし」
「おい麦野さんよ……。ターボババアなんかおかしくねぇか?」

 これまで口を開かなかった坂本が急に喋る。その様子に麦野は意識を意識をしっかりターボババアに向けるべく、ミラーを注視する。そして気がついた。

「Jesus Christ!!」

 坂本が何に反応したのか。ターボババアがどんな存在なのか。それを一目で確認できるほどの変化をターボババアは起こしていた。


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 走る小竹はその瞳を爛々と輝かせ突っ走っていた。その顔はもはや年相応には見えず、人によっては30代とも見間違うかもしれないほど生気に満ち満ちている。これまで小竹は幾度も走り、何百キロもの速度を出してきた。しかし、今以上の速度を出したことなど一度もなく、自分の速度の最高値を上回ろうとなお追いつけぬ対象に会うのは初めてだった。速さは自分との比較対象があればあるほど引き立つものだと小竹は考えている。だからこそ、自分の速さを自分に知らしめるために幾度も車を抜き去っていた。
 しかし、何度も繰り返せばそれはただの作業となってしまう。自分より格下の存在を抜き去っても高翌揚をほとんど得られないようになってしまった。そんな折に現れたのが白いソアラに乗った麦野たちであった。ソアラは予想よりも早く、いや、それをはるかに超えて走り続けている。
 獲物が速ければ速いほど、小竹の心は熱く滾った。その滾りは小竹のすべての感情を一つにした。

「あれを抜く!抜く!抜く!抜く!ぬぅううううううくぅうううううううううう!!!!」

 眼前の対象物を抜き去ることこそすべて、それ以外が一切の不純物。しかし、小竹の力はそれを良しとはしなかった。

『小竹、待ちなってこたけぇ!!』
「あああああぁん!?」
『これ以上のスピードは出せないよ!』
「はあぁ!?何言ってんだいこれからって時にぃ!?」

 いや、良しとはできなかった。

『限界なんだよぉ!これ以上のスピードにゃあんたの体はたえらんねぇのさ!』
「なんだってぇ!?」
『だからぁ!これ以上力を貸すのはできないよ!死なれちゃ困るからねぇ』
「ふ~ざけんじゃないよぉ!!」

 感情のすべてが怒りに変化し、そのすべてはターボババアへと向けられる。それは人一人が出しうる最大限の気持ちの荒ぶり。普段から小竹の体内に潜み、シンクロしているターボババアはその感情の波になす術もなく呑み込まれた。この感情を物理的に具現化したのなら、このあたり一帯は残らず焦土と化しているだろう。
 そんな感情をダイレクトに受けたターボババアはそれでもなお力を制御し続ける。肌が焼けつき、髪が乱れてもなおその制御を手放したりはしない。こんな思いをするのなら、契約を打ち切り、別の人間と契約しなおせばいいとターボババアは頭の片隅で考える。しかし、それ許さぬ月日が、小竹とターボババアの間に流れていた。ヵ月数年の付き合いではない。それだけの時が経てば、どんなものにでも情は移る。特に、ターボババア自身が小竹に惹かれ契約を迫ったのだ。これ以上の人間には出会えぬと。
 今制御を崩せば小竹は死ぬだろう。ここまで力を出していれば、急に力弱めても、これ以上力を入れても、小竹は死ぬ。ターボババアは小竹を殺したくはなかった。だからこそ、絶え間ない苦痛の波を耐え、制御を続けている。
 しかし、小竹はにはそんな思いは伝わらない。伝わるわけがない。

「目の前の車一つ抜けなくて何がターボババアだぁ!!あたしがなんでお前みたいなババアと契約した思ってるんだい!?お前みたいなくそったれな化け物と!!」

 小竹の怒りは次第に憎悪へと変質していく。

「自分の娘を殺した仇となんで契約したと思ってる!!??速いからさ!!!あたしゃ娘と一緒に死ぬより速さを選んだ!!お前を選んだぁあああ!!!なんでだぁ!?」

 不意に小竹の耳から血が流れ始める。その血は風により後ろへ流れ飛んで行った。それだけではない。目から、鼻から、口から、股から、血が流れ始める。

「速いからだぁ!!あたしは肉親より速さを取ったぁ!!だからあたしは負けちゃい~けないんだぁ!!負けらんないんだよぉお!!」

 その憎悪の力か、はたまた所以もわからぬ速さえの執着ゆえかはわからない。しかし、小竹の感情はターボババアの制御を振り切り、力を自分のほうへ奪い始めていた。しかし、ターボババアが言っていたように小竹はすでに限界であった。限界とは、容量の限界。『都市伝説』が『契約者』に与える力。それが水だとすれば、容量はさながらコップだろう。そのコップの空き以上は入れることができない。そしてそのコップはひどく脆い。少しでも水が零れ落ちようものならすぐさま壊れて砕け散ってしまう。これ以上水を注げばすぐにでも小竹というコップは砕け散ってしまうだろう。

「死んでもいい!!勝つ!!抜く!!あああ!勝つために死んでやるぅ!!」
『…………死なせてたまるかぁっってんだぁあ!!!』

 ターボババアは憎悪の波から手を伸ばし、飲み込まれかけていた自分自身を引き上げる。

『恨まれて結構さぁ!!ただあたしゃあんたの速さに対する執着に惚れ込んでんのさ!!あんた以上は二度と見つからない!!あんた以外は楽しくない!!あたしゃターボババア!!』

 小竹は感じた。これまでのようにターボババアが自分の中にいるのではない。ターボババアの手が、足が、体が、顔が、その視界、音、すべてが小竹と一つに重なっていく。壊れかけていたコップが変質していく。

『車を追い抜く都市伝説!!」
「ババア、あんた……』

 これまで、ターボババアは単純に小竹に力を貸していただけであった。しかし、今は違う。小竹にターボババアの力を使わせるのではない。ターボババア自身が自分の意志によって力を操っている。その力を小竹に向け、小竹の肉体を変質させた。小竹の速く走るという意思に沿い、小竹の体は人間を離れていく。肌に皺はなくなり、より前傾姿勢へ、腕が動くことはなくなり、平たく変化し風をつかみダウンフォースにより体を地面へ押さえつける。服はいつの間にか脱ぎ去られている。小竹の体はもはや人とは言えぬ体へと変化していた。地面を走る人型飛行機とでもいうべきだろうか。
 体の変質はターボババアの力によって行われたが、その意思自体は小竹によるものだった。いまや小竹とターボババアは完全に近い状態で合一していた。小竹の考えることはターボババアの考えること。その逆もまた然り。その肉体はターボババアとの合一によって人ならざるものへと変質を遂げるほどの異を得ている。

「は、ははははははははあはははははははああああ!!!!』

 小竹はそれをすべて理解し、走った。大きく笑いながら、笑顔で走る。それがなんと幸せなことか。それがなんと心地よいことか。ターボババアはひた走る。風を切り、アスファルトを砕き、散らし、その目を前へ。


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「素晴らしい!あれがターボババア!」
「うわー。一体化しちゃってますよあれ。肉体レベルで。ああいうのすると精神も変質したりするんですよ」

 坂本には信じられなかった。小竹の体の変質が。頭の中にある言葉が駆け巡る。

「あ、あんなの、人間じゃねぇよ。化け物じゃねぇかよ……」

 坂本の体に怖気が走る。しかし、そんなことは前の二人は気にしていない。

「なんて速さだ!もう2秒もしないうちに並走されるわ!」
「え、あれ何キロ出てるんですか!?てかこの車も!」
「ほら見ろ!並ばれた!もっと早く走れこのソアラ!こんな速度で私が殺せると思っているの!?馬鹿め!」

 ソアラの速度も、ターボババアの速度もまだまだ上がる。外から聞こえてくるのは風の轟音と随分と楽しげな笑い声。速度が上がることによって発生する死の恐怖と、肉体すら変質する都市伝説の力。死を眼前にしてもなお一切怯えを、それどころかそれを楽しんでいる目の前の女。坂本にはすべてが狂って見える。

「なん、なんであんたそんなに楽しそうなんだよぉ。なんで俺を巻き込んでんだよぉ」

 自然と、弱気になってそんな言葉が漏れた。その問いかけは、以外にも返事が返ってきた。

「私は君が使えると思った。だから巻き込んでいる」
「お、俺が使える?」
「ああ、そうですけど。使えるようになるためにはもっと都市伝説を知らないといけない」

「君もきっと、楽しいと思える時が来るさ。これ以上の命の危険がこれから先も待っているんだから」



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「それで、結局ターボババアとはどうなったんですか?」
「負けたよ。ターボババアは車を追い抜く都市伝説だからね。変質した後のターボババアは私たちがスピードを増すたび、それよりも速くなるという概念と化していた。そんなものに勝てるわけがない」
「それって反則じゃないですか?純粋なスピード勝負で勝てるわけありませんよ」
「そういう都市伝説がいるっていうのが見れただけでも収穫なのよ。私にとってはね」

 本を漁ることすらやめ、二人は隣り合い壁に背を預けすっかり話しこんでしまっていた。開けられた窓から外を見ればすでに日は落ち始めている。それが今日の探索が終わりだということを告げていた。 

「ところで、私とターボババアを見たと言っていたけれど、いつ見たのかしら?」
「ああ、ちょうどそのころにですね。私家族と一緒に温泉旅行に行ってたんですよ。その時にです。
私がちょうど帰るとき、最後に温泉に入っていたんですけどそこに麦野さんが入ってきました」
「……すごいわね。とっても記憶力がいいのね。光輝君に見習わせたいぐらいだわ」
「そんな。でも、自分でも不思議なくらいあなたは印象に残ってたんです。なぜだかわかりませんけど。そしてその帰りにターボババアを見たんです。
姉といっしょに」
「なるほど。偶然ではあるけれど、それも立派な縁ね」

 麦野は立ち上がり背中とお尻の埃を払う。そして篤子へと手を差し出した。ありがとうございますと一礼し、その手を取って篤子も立ち上がる。麦野が埃を払ってくれたが、えらくお尻を重点的に、ソフトに触ったのが篤子は気になった。
 きちんと施錠を施し家を出る。探索はまた明日することとなった。二人とも元来た道を歩いていく。来た時よりも二人は明るくしゃべっている。しかし、ふと篤子の顔に影が宿る。思い出したのだ。自分がここへ来た理由。麦野へと近づいた理由を。

「麦野さん。一つおたずねしてもいいですか?」
「ん?どうしたの改まって」

 麦野が篤子へと足を止め向き直る。篤子も足を止め、その瞳を見つめる。

「麦野さんは今回この街で起こった口裂け女事件での被害者の、共通点ってわかりますか?」
「……私は、眼鏡をした女の子って大好きよ」
「きゅ、急になんですか!?」

 篤子は眼鏡を抑え、少なからず動揺する。

「そんな大好きな人の質問だから、答えてあげよう」

 口は冗談のようなことを発するが、その顔は真剣そのものへと変化した。それを確認し、篤子は唾をのむ。なぜだかわからないが、変な予感がした。

「被害者の共通点は、彼ら、あるいは彼女らが契約者。あるいは契約者候補という点だ」
「け、契約者!?契約者候補!?まさかそんな!」
「いや、間違いない。私は口裂け女の被害者の死体を見たけど、そのうち3人が契約者だったわ」

 その事実に篤子は動揺した。契約者などという非現実的なものが、町に3人もいるとことに。

「契約者候補っていうのは、経歴から予測できる。これは単純に経験則ではあるけれど結構な割合で当たるわ。まぁ、契約なんて万人ができるんだから万人が契約者候補って言えるけどね。
どうして口裂け女が契約者や契約者候補を知っていて、彼らを狙ったのかはさすがに知らないけれどね」

 篤子の頭に、よみがえるのは共通点に自分たちが含まれていたというもの。まさか、

「私も、契約者候補、なんですよね。坂本さんがナオコにそう言ってたって」
「そうね。契約者に近い位置の人は結構な確率で契約者候補になりやすいわ。同年代は感化されやすいから特にね」
「近い位置って……」

 足元がふらついた。予感がする。

「今までの君の様子から見て、知らなかったようだけどあなたの友人のクワムライトコは契約者だ。そして、そのイトコさんはまだ生きている」

 足から感覚がなくなり、そのまま落下するかのように腰が落ちた。そのまま地面に尻が落ちる。冷たく、はいずりまわるような感覚が臀部を刺激する。

「君たちが見た死体は都市伝説によるものね。ドッペルゲンガーだわ。同じのを前に見たことがある。あれはたぶんそのイトコさんの契約したものではないと思うけれど……って
聞いてるの?もしもし?もしも~し」

 篤子はただ茫然とその場にへたり込んで宙を見た。

 (伊斗子は、生きている)





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