黒服Y 26
「ただいま戻りましたー」
髪をトリプルテールにした少女が部屋へと入ってきた
部屋が暗い
電気をつけ、手に持っている紙袋を机の上に置いた
部屋が暗い
電気をつけ、手に持っている紙袋を机の上に置いた
「む? No.0様、寝ちゃダメですー、眠くなるなら夜更かししないで下さいー」
ソファで仰向けに寝ている部屋の主、Y-No.0の体をゆさゆさと揺らす。一部が余計に大きく揺れている
Y-No.0は薄目を開けた。そして体を揺らしている手をいきなり掴みとった
Y-No.0は薄目を開けた。そして体を揺らしている手をいきなり掴みとった
「…………何を連れてきた?」
「? 何の事ですか?」
不思議そうに首を傾げ答えるトリプルテール
Y-No.0はそれを意識を集中させながら見つめている
Y-No.0はそれを意識を集中させながら見つめている
「誰かと会った?」
「特に変な人には会ってないと思うです」
「…………、ちょっと椅子に座って」
トリプルテールは頷き、椅子に腰を下ろした
Y-No.0は椅子の正面に立つと周りに結界を展開した
透明感のある薄紅色のもやが二人を覆う
Y-No.0は椅子の正面に立つと周りに結界を展開した
透明感のある薄紅色のもやが二人を覆う
「……もう少し濃度を上げとくか」
結界の力の密度があがる。大きさも一回り大きくなった
「私の、目を見て」
「はい」
Y-No.0はトリプルテールの頬に手を添え、顔を近づけていく
トリプルテールは正面に立つ少女の瞳を真っすぐに見つめている
熱を測るように額をくっつけ、瞳の中を覗き込む
トリプルテールの目は既に焦点を失い、Y-No.0の瞳を映しこんでいる
トリプルテールは正面に立つ少女の瞳を真っすぐに見つめている
熱を測るように額をくっつけ、瞳の中を覗き込む
トリプルテールの目は既に焦点を失い、Y-No.0の瞳を映しこんでいる
「……」
夢を媒介にして心を覗き見る
意識を目の内側へ、その奥へと移していく
意識を目の内側へ、その奥へと移していく
(……相変わらず綺麗だな)
素直でまじめな性格を表すように整っていて白くて綺麗で
(だからこそ、私の能力もよく効くのだけど)
(……ここじゃない。もっと奥へ……)
(……見つけた)
雪原の上に岩でも置いたように、明らかな異物があった
嫌な気配はそこから漂っている
嫌な気配はそこから漂っている
(これは……蛹、いや、卵のような?)
卵の中には良くないモノがいる
ねっとりと絡み付くような黒い感情が、ぐるぐると渦巻いている
これの中身が出てくれば、心は濁り腐ってしまう
ねっとりと絡み付くような黒い感情が、ぐるぐると渦巻いている
これの中身が出てくれば、心は濁り腐ってしまう
孵化する様子はないが、ほって置いてよいモノではない
(こんなモノで私だけのキャンバスを汚さないでほしい)
卵を結界で包み込み叩き潰した
砕かれた殻も中身も塵となって消えた
砕かれた殻も中身も塵となって消えた
歪な気配はもうしない
.
「ふぅ」
くっつけていた顔を離して息をつく
周りに張っていた結界を解いた
周りに張っていた結界を解いた
トリプルテールの目に光が戻り、Y-No.0を見上げる
「……どうでした?」
「んん、もうだいじょぶ、心配ないよ」
「……あぅ……すみません」
俯いた顔を顎に手を添えて上げさせる
猫にするように顎の下をくすぐる
猫にするように顎の下をくすぐる
「気をつけてね~、君はそういうの弱いんだから」
「……はい。あの、くすぐったいです」
Y-No.0は、くふふ、と笑うと手を止め、ソファに寝転んだ
そのまま寝息をたて始めた
そのまま寝息をたて始めた
「あっ! だから寝ちゃダメですって! 起きて下さい!」
「君に力使ったから眠いんだよ」
「えぅ、私のせいですか…? ぅ~ごめんなさいぃ~、でも起きて下さい~。夜更かしするから眠いんですー」
ゆっさゆっさと揺すられるが起きようとしないY-No.0
揺する手を捕まれ、ソファに引っ張りこまれるトリプルテール
揺する手を捕まれ、ソファに引っ張りこまれるトリプルテール
「さぁさぁ君もつかれたろ? くふ、一緒に寝ようじゃないか」
「午後は予定が入ってたはずです、寝たら、間に合わなく、なります」
暴れる少女を両腕でがっちり捕まえるY-No.0
結界も重ねているので暴れたくらいで抜け出せるはずもない
結界も重ねているので暴れたくらいで抜け出せるはずもない
「時間までに起きれば何も問題は……ない……さ……」
「うぅー……起きた事無いから言ってるのに……」
トリプルテールの少女は抜け出すことを諦めた
終わり