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連載 - ジェットばばあ-02

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ジェットばばあ-02


 日も落ち始めた夕暮れの街角。
 一人の男が何やら手元の物を弄っている。

 それはパズルのような物だった。
 ソフトボールくらいの正二十面体を変形させながら何かの形へと変えていく。

「……でっ、出来たぁぁぁ!!」

 やがて男の歓声が上がる。彼の手元には熊の形に変形した物体が鎮座していた。
 嬉々とした表情で男はそれを高々と掲げて叫ぶ。

「さぁリンフォン! 俺の気に入らない人間を片っ端から吸い込m「どきなどきなぁぁぁぁ!!!! ジェットばばあのお通りだよ!!!!」げべぇぇぇぇ!」

 ドカッ

 なにやらよからぬ事を言おうとしていた男はたまたま通りがかったジェットばばあにひかれてしまった。

 数メートルは宙を舞って地面に叩きつけられる男。
 なんとか気を失わなかったものの顔を上げる頃には既にばばあは視界から消えていた。

「な……何だ今のは……」

 あまりに突然だったので理解が追いつかない男。

 とりあえず謎の老婆にぶっ飛ばされた事だけは理解が出来たようだ。

「……丁度いい、いきなり沢山吸い込むのは不安だったしな」

 立ち上がり、不気味な笑いを浮かべると男は再びリンフォンを掲げる。

「最初の獲物は今のばばあだ! リンフォン!」

 男の叫びに応じるようにリンフォンから黒い光がほとばしる。
 それはまるでブラックホールのように獲物、つまりジェットばばあを引き寄せた。
 リンフォンの中心にあるという地獄へ引きずり込むために。

 ズリズリズリズリズリズリズリズリ

「おぉぉぉ!? なんじゃあ?!」

 やがて何処からかジェットばばあが引きずられるようにやって来た。

「人を跳ね飛ばした罰だ! 地獄に落ちろ!」

「ええい! 邪魔をしおってぇぇぇ!」

 勝ち誇る男と走りの邪魔をされて怒るばばあ。
 両者の視線が交錯したその瞬間、

 勝負は決まった。


 突如急降下したハヤブサが男の後頭部にキッツイ蹴りを入れ
 思わずリンフォンを取り落としてしまった男の頭を老婆が掴み膝! 膝! 膝ぁ!

 五秒間の惨劇であった。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

「シャー!!」

「ヒィィィィィ!!」

 夕飯時のマックで男を脅す老婆、肩にはハヤブサ。
 あの後、目を覚ました男に説教垂れるべく近場のマックまで引きずって行ったのである。


「いいかい!? 今後許可なくコイツを使ったらタダじゃおかないからね!」 シャー!

「いや本当マジすいませんでした」 ヒィィィィィ

 結局、男はばばあの許可なくリンフォンを利用する事を禁じられてしまった。

「だいたいねぇ、そんな陰気な都市伝説なんか持つから性根が曲がるんだよ!」

 周りの視線など無視してハンバーグをパクつきながら説教するばばあ。
 ソファーの上に正坐して泣きじゃくる男。
 チキンナゲットをつつくハヤブサが更に注目を集めていた。




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