三味線の音が、小さく響く
何か演奏している、と言うよりは、音を確かめているような、そんな雰囲気
夕暮れの公園で、どこかさみしげに音が鳴る
何か演奏している、と言うよりは、音を確かめているような、そんな雰囲気
夕暮れの公園で、どこかさみしげに音が鳴る
「相変わらずだな、この街は」
ぺんっ、と、ベンチに腰掛け三味線を鳴らしながら、鬼灯はそう口にした
あぁ、と、すぐ側の自販機でジュースを買いながら直斗は頷く
あぁ、と、すぐ側の自販機でジュースを買いながら直斗は頷く
「ずーっと昔に、鬼灯が最初に来た頃とも変わってないか?」
「……あぁ。町並みはさすがに変わったが………色々と、相変わらずだ
「そうか………あ、鬼灯はどれにする?」
「適当な茶でいい。甘ったるい飲み物は、どうにも苦手だ」
「わかった……ほら」
「……あぁ。町並みはさすがに変わったが………色々と、相変わらずだ
「そうか………あ、鬼灯はどれにする?」
「適当な茶でいい。甘ったるい飲み物は、どうにも苦手だ」
「わかった……ほら」
ぽい、と直斗が放り投げた茶の缶を、ありがとな、と受け取る鬼灯
一旦三味線を置くと、プルタブを開けて中身を口にする
一旦三味線を置くと、プルタブを開けて中身を口にする
「なー、鬼灯。今回は、どれくらい学校町にいるんだ?」
「んー?………まぁ、「今回の件」が片付くまで、だな」
「そうか。憐とかにも、顔見せてやってくれよ。会いたがってたし」
「おぅ、そのうち、な」
「必ずだぞ。憐泣かしたら、遥とか灰人がうるせーからな?」
「んー?………まぁ、「今回の件」が片付くまで、だな」
「そうか。憐とかにも、顔見せてやってくれよ。会いたがってたし」
「おぅ、そのうち、な」
「必ずだぞ。憐泣かしたら、遥とか灰人がうるせーからな?」
適当に返事を返した鬼灯に、念押しするように直斗はそう告げた
それでも、鬼灯はへいへい、と適当な返事を返してくる
それでも、鬼灯はへいへい、と適当な返事を返してくる
……三年前と変わらない
鬼灯は、いつでもこうだ
基本、なんでも適当に受け流し、適当に流れ流れていくように、「見える」
実際そうである面もあればそうでもない面もあり、本質を他人に掴ませようとは、なかなかしない
………その鬼灯になついたのは自分達であるのだが、もうちょっと、対等に見てくれてもいいだろうに、と不満を感じなくもない
鬼灯は、いつでもこうだ
基本、なんでも適当に受け流し、適当に流れ流れていくように、「見える」
実際そうである面もあればそうでもない面もあり、本質を他人に掴ませようとは、なかなかしない
………その鬼灯になついたのは自分達であるのだが、もうちょっと、対等に見てくれてもいいだろうに、と不満を感じなくもない
(まぁ、仕方ねぇよな。鬼灯から見りゃ、俺達なんて餓鬼みてぇなもんなんだし……)
みたいな、どころか、まだ高校生に過ぎない彼らは、鬼灯から見れば本当に子供でしか無い
とうの昔に「飲まれて」いると言う彼は、百を超える年月を生き続けているのだ
「将門から見りゃ、俺だって餓鬼みてぇなもんだろうがな」と鬼灯本人は言っていたが、それでも、直斗達から見ればずっとずっと大人で、遠い
とうの昔に「飲まれて」いると言う彼は、百を超える年月を生き続けているのだ
「将門から見りゃ、俺だって餓鬼みてぇなもんだろうがな」と鬼灯本人は言っていたが、それでも、直斗達から見ればずっとずっと大人で、遠い
「……ん、どうした、坊や」
あぁ、ほら
やはり、子供扱いだ
やはり、子供扱いだ
「坊やじぇねーっつの………:
と、返事を返そうとして………感じた気配に、直斗は表情を引き締めた
鬼灯も、気づいたのだろう、顔を上げる
鬼灯も、気づいたのだろう、顔を上げる
赤が、近づいてくる
ひらりと揺れる、赤いマント
ひらりと揺れる、赤いマント
「…最近増えてんだよな、赤マント。面倒くせぇ」
「へぇ、そうなのか?………例の、赤いはんてんと一緒のやつとは別個体っぽいな」
「へぇ、そうなのか?………例の、赤いはんてんと一緒のやつとは別個体っぽいな」
鬼灯が、立ち上がる
その手には、いつの間にか、刀が
その手には、いつの間にか、刀が
「すぐに片付けてるから、坊やは下がってろ」
「……おぅ」
「……おぅ」
……こうして守られる立場になるのも、子供扱いのままの理由だろうな、と思いながら
直斗はそっと、鬼灯の邪魔にならないように距離をとった
直斗はそっと、鬼灯の邪魔にならないように距離をとった
「……あぁ、そうだ、直斗」
「何?」
「前に龍哉が言ってた奴。「とりあえず大丈夫」だ。今んとこ、「アレ」の影響は受けてないように見える」
「そうか、鬼灯が言うなら、だいたい間違いないかな」
「信用してもらえて何よりだ。まぁ、気になったら、お前も確認しとけ。ただ、敵になるかそうじゃないかは断言できないから、一人で接触するなよ?」
「りょーかい…………敵にならないことを祈っとくよ、一応」
「何?」
「前に龍哉が言ってた奴。「とりあえず大丈夫」だ。今んとこ、「アレ」の影響は受けてないように見える」
「そうか、鬼灯が言うなら、だいたい間違いないかな」
「信用してもらえて何よりだ。まぁ、気になったら、お前も確認しとけ。ただ、敵になるかそうじゃないかは断言できないから、一人で接触するなよ?」
「りょーかい…………敵にならないことを祈っとくよ、一応」
誰もいなくなった公園
残っていた赤い切れ端は、そのうち、最初から存在していなかったかのように、さらさら崩れて消えていった
残っていた赤い切れ端は、そのうち、最初から存在していなかったかのように、さらさら崩れて消えていった
to be … ?