世界には、当たり前のように化け物じみた者達が存在しているのだ、と知ったのは10歳の時だった
その日、自分は父と母と一緒に祭りに出かけていて
大好きなヒーローの写真がプリントされた袋のわたあめを買ってもらった自分は上機嫌で、両親と手を繋いで歩いていた
暗い夜道も、両親が一緒ならば、何も怖くはなかった
家まで後少し、と言うところで、アレが現れさえしなければ
その日、自分は父と母と一緒に祭りに出かけていて
大好きなヒーローの写真がプリントされた袋のわたあめを買ってもらった自分は上機嫌で、両親と手を繋いで歩いていた
暗い夜道も、両親が一緒ならば、何も怖くはなかった
家まで後少し、と言うところで、アレが現れさえしなければ
「私、綺麗?」
にたりと笑った、その女の口は耳元まで裂けていて
自分をかばった両親の首から、真っ赤で暖かなものが噴き出していって自分を汚したあの瞬間は、決して忘れる事はないだろう
自分をかばった両親の首から、真っ赤で暖かなものが噴き出していって自分を汚したあの瞬間は、決して忘れる事はないだろう
風を切るような音が音があたりに響く
振り回される鎌は、こちらの首を切り落とさんとするかのように大振りで何度も振り下ろされた
振り回される鎌は、こちらの首を切り落とさんとするかのように大振りで何度も振り下ろされた
「ったく、鬱陶しい!」
彼、角田 慶次はその攻撃を全て、ギリギリのところで避けていた
余裕ぶっている訳ではない、本当にギリギリなのだ
彼の契約都市伝説は、どちらかと言うと遠距離戦闘に向いているものであり、このような近接戦闘向きではない
そのせい、と言うべきか否か、彼は接近戦闘能力はかなり低いのだ
本来なら、こうなる前に仕留めるのであるが、今回は仕方ない
新作DVDでも借りに行こうと家を出て歩いていたら、いきなり背後から「私、綺麗?」と話しかけられてしまったのだから
全く、任務外の時に襲い掛かってくるのは、かんべんしてほしいものだ
余裕ぶっている訳ではない、本当にギリギリなのだ
彼の契約都市伝説は、どちらかと言うと遠距離戦闘に向いているものであり、このような近接戦闘向きではない
そのせい、と言うべきか否か、彼は接近戦闘能力はかなり低いのだ
本来なら、こうなる前に仕留めるのであるが、今回は仕方ない
新作DVDでも借りに行こうと家を出て歩いていたら、いきなり背後から「私、綺麗?」と話しかけられてしまったのだから
全く、任務外の時に襲い掛かってくるのは、かんべんしてほしいものだ
「とりあえず、だ。襲ってきたのはそっちなんだし、正当防衛だよな!」
己の契約都市伝説を具現化する
現れたのは、一匹のカブトムシ
出現したそれは、慶次の意思にしたがって、ぶぅん!と、口裂け女に向かって一直線に飛んでいった
現れたのは、一匹のカブトムシ
出現したそれは、慶次の意思にしたがって、ぶぅん!と、口裂け女に向かって一直線に飛んでいった
あるところで、バイクで事故を起こして死んでいる男が発見された
いや、正確には事故を起こした訳ではなかった
死体の脳天には、ヘルメットを貫通するほどの穴が開いていた
ショットガンで撃ちぬかれたかのようなその傷跡を調べると、そこに埋まっていたのは一匹のカブトムシだった
いや、正確には事故を起こした訳ではなかった
死体の脳天には、ヘルメットを貫通するほどの穴が開いていた
ショットガンで撃ちぬかれたかのようなその傷跡を調べると、そこに埋まっていたのは一匹のカブトムシだった
それが、「カブトムシと正面衝突」と呼ばれる都市伝説である
バイクの運転中にカブトムシと正面衝突し、男は死んでしまった……そんな都市伝説
角田 慶次はそれと契約し、自在にカブトムシを召喚できるようになった
そして、そのカブトムシは、弾丸を超えた速度で相手に向かって飛んでいき…………
バイクの運転中にカブトムシと正面衝突し、男は死んでしまった……そんな都市伝説
角田 慶次はそれと契約し、自在にカブトムシを召喚できるようになった
そして、そのカブトムシは、弾丸を超えた速度で相手に向かって飛んでいき…………
「ーーーーーっぎ」
口裂け女の脳天にそれが命中し、血が、頭のなかに詰まっていたものがぶちまけられた
一撃必殺にふさわしい威力
今回のように、相手の攻撃を避けながらでは、急所を狙いにくいのが欠点か
もっと、鍛えなければ
一撃必殺にふさわしい威力
今回のように、相手の攻撃を避けながらでは、急所を狙いにくいのが欠点か
もっと、鍛えなければ
「あー、くそ、新作、まだ残ってっかな……」
このくらいの相手なら、報告の必要もあるまい
慶次は息絶えた口裂け女を無視して、さっさとDVDレンタル店へと駆けて行った
倒れた口裂け女は、そのうちさらさらと崩れていって。まるで最初からこの世に存在していなかったかのように、この世から消滅した
慶次は息絶えた口裂け女を無視して、さっさとDVDレンタル店へと駆けて行った
倒れた口裂け女は、そのうちさらさらと崩れていって。まるで最初からこの世に存在していなかったかのように、この世から消滅した
「貴方は、貴方のお母さんとお父さんを殺した存在が憎い?」
どこかおばさんめいた、黒いスーツを着た女は、自分にそう問いかけてきた
憎い、と、自分はそう頷く
目の前のこの女によってあの口裂け女は殺されたけど、それでも憎しみは消えなかった
憎い、と、自分はそう頷く
目の前のこの女によってあの口裂け女は殺されたけど、それでも憎しみは消えなかった
「そっか………じゃあ、おばちゃんのところに、来る?あぁいう怖いのと戦えるように、おばちゃん、色々教えてあげるから」
優しく笑って伸ばされた血塗れのその手を、自分はしっかりと掴んだ
行き場のない憎しみを発散する方法が欲しかった
そして、それを与えてくれる眼の前の存在は、たとえ血塗れでも聖母のような存在だった
行き場のない憎しみを発散する方法が欲しかった
そして、それを与えてくれる眼の前の存在は、たとえ血塗れでも聖母のような存在だった
憎しみをカブトムシの形に変えて、弾丸のごとく発車する
あの日消えなかった憎しみは、もう二度と消えることはないのだ
あの日消えなかった憎しみは、もう二度と消えることはないのだ
to be … ?