「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ハーメルンの笛吹き-03

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上田明也の朝は遅い。
深夜には都市伝説「ハーメルンの笛吹き」と散歩に出るからだ。
最近、上田明也は悩んでいた。
「情報が不足しすぎている。」
自分たちはどこかの組織に所属しているわけでもないフリーの都市伝説&契約者。
もし居場所がばれて総攻撃された場合堪った物ではない。
「マスタ~、細かいこと考えてたら老ぅ~けまっすよ?」
この暢気な都市伝説はハーメルンの笛吹き。
最古の都市伝説でそれなりに力もあったはずなのにその暢気さが原因で能力は弱まっていた。
なんとかして安全を確保しつつこいつの知名度をあげなくては……

「ほら、難しい顔してないでキャラメル食べてください。」
「む、……うまい。ありがとよ。」
「えへへ……。」

現時点で手に入れられた情報は少ない
この町ではいくつかの都市伝説が争っていること
少なくとも二つの組織が争っているらしいこと
そしてハーメルンの笛吹きたる俺たちはどちらの組織にもあまり好ましく思われていないこと
あと……、夢の国とかいうフリーの都市伝説?が猛威を奮っていることか

嫌われてることは俺が沢山人間を殺して回って居たので仕方ないとも言えるだろう。
「善良な市民は殺さないように注意しているのになあ……。」
「命は等しく尊いのです。子供の命は尚更です。」
「お前が言うかい。」
「そりゃあもう。」

まずは狙われないようにする為にはどうするかを考えよう。
仕留めるのは、もしくは仕留めるには大変だと思わせれば良い。
フラフラ動いているフリーの都市伝説にそれほど大きな注目は集まらないだろう。
メルから貰った笛を吹いてみる。
そうすると何人かの子供が着いてくる。
なんでこんな夜中にこの笛に反応できる子供が居るんだか……?
それらの子供をいつも通り処理して
「The Man With The Whistles」と路地に大きく書いておく。
笛の男、我ながらすばらしい悪趣味である。
吐きそうになっているメルを抱えていつも通り家に帰るつもりだった。

ところで皆さん
●ッキーマウスってご存じかな?
もしくは●ィズニーと言っても良いかもしれない。
そういうキャラクター達が夜の町でパレードを為していたらあなたならどうする?

「なん……だ?あれは?」
それは正しく夢の国。
遭遇してしまったらしい。

勿論幾ら強くてもネズミはネズミ。
それなら俺たちの敵ではない、筈だった。
「ねぇ、あなた。パレードに入る?」
契約者らしい女が俺たちに声をかける。
「俺たちがそのパレードを指揮できるなら考えなくもない。」
「ハーメルンの笛吹き男は魅力だったんだけど……、残念。」
能力の相性的にかなり優位に立っている筈だが勝算はない。
大富豪のジョーカーをスペードの3で流すのとレベルは変わらない。
むこうはまだまだ手札があるがこちらにはスペードの3しかないのだ。
子供達はもう処分してしまった。
「あら……、残念。」
勝負は一瞬。
例のネズミが俺とメルに向けて突撃してくる。
引きつけて、引きつけて、引きつけて……

「……うごけない!?意外と強力ね。」
「ハハッ!夢を縛ろうだなんて無粋な都市伝説だね!」
相手が都市伝説だと動きを止めるので精一杯と言った所らしい。
すこしでも気を抜いたら……一瞬で仕留められる。
今、俺の都市伝説は足手まとい。
逃げるのが精一杯か……?
メルが本調子なら一撃決めて逃げ帰るくらいは出来ると思うんだが仕方があるまい。

「バウバウ!バウ!」
犬の声。
あれはプ●ート!
例のネズミのペットじゃねえか?
それ以外の夢の国の住人まで押し寄せてきた、それは正しく黒い軍勢。
まずは近くのネズミに向けて銃弾を叩き込んで、それからメルをたたき起こす。
黒い軍勢はもうすぐそこだ。

仕方がない。
夢の国の住人は子供を人質にしてれば攻撃できないのだろうが……、今はその子供がいないのだ。
いいさ、惜しくはない、見せてやろう。
「軍勢を扱えるのはお前らだけじゃないぜ。町一つを病と飢えに陥れた都市伝説の恐怖。
 悪魔と謳われ忌み嫌われた力、ここで見せてやる!」
敵が二つの組織のどちらかに属しているならこの技を出せはしない。
奥の手がばれたら俺たちはアウトなんだから。
しかし相手もフリーで情報が漏れないならばやれる……!
「ハーメルンの笛吹き、契約に則り、その力を全力解放する!」
明也とメルの周囲に現れるのは大量のネズミ。
蠢く黒と黒が真夜中の町をもっと黒にしていく。
戦いは永く続いた。
パワー不足は否めないとはいえ、町一つを効果範囲にするネズミの数は圧倒的。
エースであるミ●キーを欠いた夢の国の軍勢に簡単に劣ることはない。
夜が明ける寸前、ハーメルンのネズミ達が全滅する頃には、すでに俺たちは逃げる事に成功していた。

逃亡中にも重なるミッキ●の襲撃を回避しながら明也とメルはマンションの自室に到着した。
「強い……。今までの奴らとは全然違う。お前が本調子なら勝てると思うか?」
「無理ですよ、マスター。あんなの出力が違いすぎます……。」
「言っていられるだけ俺たちはマシだろ。見たか?」
「はい……。夢の国のパレードに居たのはネズミや犬やアヒルだけじゃなかった……。」
「そう、能力者も取り込まれていた……。」
「私達もああなってたかもしれない訳で……。」
「当面の課題だな、考える前にまずは布団を敷こう、な?」
深刻そうなメルを落ち着かせる為におどけてみた。
疲れを押し隠してメルに向けて笑う明也。
「それくらいは私がやりますよ。人間であるマスターが一番疲れているでしょう?
 無理しないで横になってください。」
「ありがとうよ、あのさメル。」
「なんですか?」
「これからも一緒に強くなろうぜ。」
「………はい!」
普段は弱いだけだと思っていたメルがその日の明也にとっては妙に心強く感じる。
久しぶりに家族の温かみ、みたいな物を思い出して明也はそのままゆっくり横になった。

【上田明也の協奏曲Ⅲ~ネズミの行進曲~ fin】


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