はらはら、はらはらと
何か、羽毛のようなものが降り注いでくる感触
羽毛のようなそれはふんわりと暖かく、優しく
何か、羽毛のようなものが降り注いでくる感触
羽毛のようなそれはふんわりと暖かく、優しく
「………まな?」
呼んできた声は、かつてそう呼んできた声よりもう少し成長した声だった
…昔からそうだった。優や晃、神子の事はそのまま呼んでいたが、他の面子の事は「なお」とか「はる」と少しだけ縮めて呼んできていた
怖がりで臆病ではあったけれど、信じた相手には人懐っこかった
それは、三年ぶりに会って、話し方も雰囲気も、「表向き」が全て変わっても同じだった
そうして
…昔からそうだった。優や晃、神子の事はそのまま呼んでいたが、他の面子の事は「なお」とか「はる」と少しだけ縮めて呼んできていた
怖がりで臆病ではあったけれど、信じた相手には人懐っこかった
それは、三年ぶりに会って、話し方も雰囲気も、「表向き」が全て変わっても同じだった
そうして
「………っ」
「あ、ま、まだどっか痛い?大丈夫?どこ、痛い?」
「あ、ま、まだどっか痛い?大丈夫?どこ、痛い?」
はらはら、はらはらと
輝く羽根が舞い散る
憐の「ラファエル」の能力によるものだろう
この舞い散る羽根にも治癒の力があると知ったのは、目の前で怪我した誰かを見て憐がパニックになり、能力を暴発させた時だった
あの時、怪我をしたのは誰だったか………
輝く羽根が舞い散る
憐の「ラファエル」の能力によるものだろう
この舞い散る羽根にも治癒の力があると知ったのは、目の前で怪我した誰かを見て憐がパニックになり、能力を暴発させた時だった
あの時、怪我をしたのは誰だったか………
「少年、ストップー。本格的に私の仕事がなくなると言うか、一歩間違ったらこの治療室が君の羽根で埋まるからやめよう?」
……聞き覚えあるようなないような大人の男性の声
ようやく意識がはっきりしてきて、目を開く
こちらを見下ろし、泣き出しそうな顔をしている憐と、目があった
やはり、背中から「ラファエル」としての天使の翼が出ている
先程まで……否、今現在まで降り注いでいる羽根は、やはり憐の治癒の羽根だったようだ
それは、まるでこちらを埋めるように降り注ぎ続け………
…………………待て
ようやく意識がはっきりしてきて、目を開く
こちらを見下ろし、泣き出しそうな顔をしている憐と、目があった
やはり、背中から「ラファエル」としての天使の翼が出ている
先程まで……否、今現在まで降り注いでいる羽根は、やはり憐の治癒の羽根だったようだ
それは、まるでこちらを埋めるように降り注ぎ続け………
…………………待て
「憐、待て、待った。埋もれる。窒息する」
「窒息はせんと思うけれど、ふっわふわのものに埋もれたある意味幸せ状態かもしれんよ?」
「そこのおっさんは憐を止めたいのかもっと能力使わせ続けたいのかどっちだ!?」
「窒息はせんと思うけれど、ふっわふわのものに埋もれたある意味幸せ状態かもしれんよ?」
「そこのおっさんは憐を止めたいのかもっと能力使わせ続けたいのかどっちだ!?」
先程にも聞こえた声の男性に、相手が誰かも確認せずにツッコミを入れた
がばっ、と起き上がる。体の痛みは消えている。が、急に起き上がったせいか、くらり、目眩がした
がばっ、と起き上がる。体の痛みは消えている。が、急に起き上がったせいか、くらり、目眩がした
「まな、まだ寝てないと……」
「いや、憐、大丈夫だ」
「いや、憐、大丈夫だ」
えぅえぅと泣き出しそうになっている憐の様子は、昔と何も変わっていない
……何年経とうとも、その根っこはそのままなのだろう
……何年経とうとも、その根っこはそのままなのだろう
「……本当に?本当に、大丈夫?我慢とか、していない…?」
「していない。大丈夫だ。そこまで心配しなくてもいい」
「していない。大丈夫だ。そこまで心配しなくてもいい」
そうだ、憐は昔から心配しすぎだ
……いや、昔よりも、心配性になっているような?
……いや、昔よりも、心配性になっているような?
「………なら、いいんだけど」
うつむくその顔と、喋り方は、昔と同じかそれ以上に弱々しく
「……………咲季さんみたいにいなくなってしまうのは…………嫌だよ」
そう呟いた声は、小さく、震えていた
「……あの少年は、本当に怖がりであるねぇ」
ちくちくと、美亜用の服を作りながらそう口にした「先生」
…なお、彼女の体のサイズは測っていない。「目測でわかっているから大丈夫」との事だが、そちらの方が大丈夫じゃないのではないだろうか
…なお、彼女の体のサイズは測っていない。「目測でわかっているから大丈夫」との事だが、そちらの方が大丈夫じゃないのではないだろうか
「怖がりにも程があると思うけど……後、服は穴だらけなだけだから別に作らなくとも」
「失った恐怖が大きすぎたから仕方ないのだろうね。そしてお嬢さんの服に関しては、年頃のお嬢さんがそんなボロボロの服ではいかんよ……っと、できた」
「失った恐怖が大きすぎたから仕方ないのだろうね。そしてお嬢さんの服に関しては、年頃のお嬢さんがそんなボロボロの服ではいかんよ……っと、できた」
す……と、「先生」が完成させた服
それは腰部がコルセット状になっているハイウエストの暗色のスカートに、白いブラウス
腰のクビレを際立たせ、胸が大きい場合ボンキュッボンを強調させ、ブラウスで清純な雰囲気を醸し出させる………
それは腰部がコルセット状になっているハイウエストの暗色のスカートに、白いブラウス
腰のクビレを際立たせ、胸が大きい場合ボンキュッボンを強調させ、ブラウスで清純な雰囲気を醸し出させる………
ごがすっ!!
「普通の服にしろっつったろ」
「はっはっは。我が弟子よ、後頭部踏みつけられると流石にちょっと痛いぞ」
「はっはっは。我が弟子よ、後頭部踏みつけられると流石にちょっと痛いぞ」
みししっ、と灰人に後頭部踏みつけられている「先生」の様子に、「あぁ、いつもこうなんだな」と謎の納得をした美亜であった
to be … ?