「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・咎負い人-20a

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 それは
 彼らが来日して三日目、日が傾き始めたころ

「エイブラハム様」
「おや、どうしました?メルセデス」
「……「淫魔」が、見つかりました」

 悪魔の報告に
 子羊の皮をかぶった山羊は、酷く楽しげに笑って

「そうですか…では、始めましょうか」

 かくて
 悪意は動き出す



 下された命令
 …カイザーは独り、悩んでいた

 何故
 何故、メルセデスの提案に、即座に「No」と答えられなかった?
 悪魔と取引などできないと
 何故、断れなかったのだ?

 メルセデスの提案は、カイザーの心を強く揺さぶった
 自分ではなく、まだ幼いリュリュやマドレーヌ、レティやクラリッサと言った少年少女達を引き合いにだされたからだ
 あの子供達は……今回のエイブラハムの作戦で、確実に捨て駒にされるだろう
 あれは、そういう作戦だから
 あの子供達を救いたい
 だが、カイザーにはその手段はない
 しかし、メルセデスには、その手段があるのだ

 悪魔の囁きに耳を貸すわけにはいかない
 一度囁きに耳を貸してしまった自分は、もう二度と悪魔の囁きに耳を貸すわけにはいかない
 悪魔と取引するわけにはいかない
 そもそも、悪魔が約束を守るはずがない

 ……だが


『今回は嘘じゃあない。お前が堕天するならば、約束を護ってやる』


 あの酷く冷たい、氷のような色の眼差しを向けて
 あの男は、断言したのだ


『その証として。エイブラハム・ヴィシャスの弱点を教えてやる』


 弱点を知った
 だが、自分にはどうにもできない
 自分には、その弱点を突ける能力がない
 確かめようがないのだ、それが真実か否かを
 …カインならば、その能力がある
 だが、巻き込むわけにはいかない

「…神よ」

 あぁ
 私は、どうすれば良いのでしょうか?


「カイザー」
「相談に乗ってー」
「…リュリュ、マドレーヌ。どうしたのです?」

 リュリュとマドレーヌが、カイザーに駆け寄ってきた
 じ、と真剣に見上げてくる

「作戦、けっこーするの?」
「この街、焼いちゃうの?」
「……そうなります」

 むー、と考え込む双子
 …改めて、カイザーを見上げて
 こう、告げてきた

「「助けたい子がいるの」」



 神よ
 私などに、何ができるでしょう?

 せめて、せめて
 この目の前の、幼き迷える子羊達を
 悪魔達の悪意から、御守りください




to be … ?







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