「だからぁ。あの子ってば、女心がわかってないのよねぇ」
…秋祭りも近くなってきた日の、うららかな昼下がり
ホテルのケーキバイキング会場にて、女が二人
一人は、スーツ姿に眼鏡をかけたキャリアウーマン風の女性
もう一人は、長い黒髪の、二十代前半と思わしき女性
ホテルのケーキバイキング会場にて、女が二人
一人は、スーツ姿に眼鏡をかけたキャリアウーマン風の女性
もう一人は、長い黒髪の、二十代前半と思わしき女性
ぱくぱくぱくぱく
主に食べているのは、キャリアウーマン風の女性
ケーキ一つ一つのサイズはさほど大きくないものの、既に10個以上は食べている
主に食べているのは、キャリアウーマン風の女性
ケーキ一つ一つのサイズはさほど大きくないものの、既に10個以上は食べている
「…あらぁ?どうかしたのぉ?フィラちゃん」
「……あなたまで、その呼び方はやめてくれる?」
「……あなたまで、その呼び方はやめてくれる?」
キャリアウーマンの言葉に、フィラと呼ばれた女性は嫌そうに顔をゆがめた
御免なさいねぇ?とキャリアウーマンはくすくすと微笑む
ふわり、キャリアウーマンの傍に浮いている…他の客には見えていないであろう、頭だけの少女の幽霊が、おろおろと申し訳なさそうな表情で、フィラと呼ばれた女性…「フィラデルフィア計画」の契約者を見つめている
御免なさいねぇ?とキャリアウーマンはくすくすと微笑む
ふわり、キャリアウーマンの傍に浮いている…他の客には見えていないであろう、頭だけの少女の幽霊が、おろおろと申し訳なさそうな表情で、フィラと呼ばれた女性…「フィラデルフィア計画」の契約者を見つめている
「それよりも、いいの?」
「何がぁ?」
「…決戦が近いって言うのに、こんな事してて」
「何がぁ?」
「…決戦が近いって言うのに、こんな事してて」
「大丈夫よぉ。私たちってば、戦闘向きじゃないしぃ」
「…………」
「…………」
じ、と
どこが?というように、見つめられ、キャリアウーマンはくすくす、笑う
どこが?というように、見つめられ、キャリアウーマンはくすくす、笑う
「私とこの子の能力ってば、下準備が必要なのよぅ。それに、お洋服を着てる相手じゃないと駄目だしぃ…さらに言うと、洋服をハンガーにかけて壁際にかけてなきゃ駄目だからぁ」
しゅんとしている生首の幽霊…ハンガーの生首
それの頭を、キャリアウーマンはよしよし、撫でてやっている
……キャリアウーマンの言うとおり、ハンガーの生首の能力には制限が多い
壁際に、ハンガーにかけられた服…そこに、彼女の生首が出現し、それを見た相手が、彼女が出現した服を着る
…何とも、制限が多い
一応、契約により壁際じゃなくても、ある程度よくなったけど
ただし、発動すれば強力なもの
ある意味で戦闘向きだが、ある意味で制限のせいで戦闘向きではない
何とも、不便なのである
それの頭を、キャリアウーマンはよしよし、撫でてやっている
……キャリアウーマンの言うとおり、ハンガーの生首の能力には制限が多い
壁際に、ハンガーにかけられた服…そこに、彼女の生首が出現し、それを見た相手が、彼女が出現した服を着る
…何とも、制限が多い
一応、契約により壁際じゃなくても、ある程度よくなったけど
ただし、発動すれば強力なもの
ある意味で戦闘向きだが、ある意味で制限のせいで戦闘向きではない
何とも、不便なのである
「ほらぁ、『夢の国』の主戦力って、マスコットとか黒いパレードでしょぉ?…服とか、どうしろってのよぉ」
「さらに言うと、住処が定まっていないのに、服を壁際のハンガーにかけているとは思えない?」
「そう言う事ぉ」
「さらに言うと、住処が定まっていないのに、服を壁際のハンガーにかけているとは思えない?」
「そう言う事ぉ」
あむ、と
キャリアウーマンは、またケーキにぱくつく
甘さを味わう様子は、幸せそうだ
キャリアウーマンは、またケーキにぱくつく
甘さを味わう様子は、幸せそうだ
「だからぁ。同胞への連絡終えちゃったら、ほぼ、やる事がないのよねぇ……あ、あなたは、まだ結構忙しかったかしらぁ?」
「まぁ、私は能力が必要とされたら呼び出されるだろうし…今は呼ばれてないから、いいんだけど」
「まぁ、私は能力が必要とされたら呼び出されるだろうし…今は呼ばれてないから、いいんだけど」
…ここのケーキバイキングの代金は、このキャリアウーマンのおごりだし
それを思い出して、フィラデルフィア計画の女性も、取ってきていたケーキに食いつく
うん、せめて元は取らないと
それを思い出して、フィラデルフィア計画の女性も、取ってきていたケーキに食いつく
うん、せめて元は取らないと
「決戦の時、あなたはどうするの?」
「将門様のお傍にいるわぁ」
「将門様のお傍にいるわぁ」
何気なく尋ねたフィラデルフィア計画の質問に、キャリアウーマンはあっさりとそう答えた
その答えに、フィラデルフィア計画の女性は、小さく首をかしげる
その答えに、フィラデルフィア計画の女性は、小さく首をかしげる
将門の傍にいる、という事は…すなわち、戦いの場に出るという事
…戦闘向きではない、と、自分で、そう言っていた癖に
わざわざ、戦いの場にでる?
…戦闘向きではない、と、自分で、そう言っていた癖に
わざわざ、戦いの場にでる?
…くすくすくす
キャリアウーマンは、どこか妖艶に、微笑む
キャリアウーマンは、どこか妖艶に、微笑む
「…せめて、将門様の盾になるくらいは、できるかもしれないでしょぉ?」
「いざとなったら、将門様のために、死ぬと?」
「そう言う事ぉ」
「いざとなったら、将門様のために、死ぬと?」
「そう言う事ぉ」
女二人、ケーキを食べながらの会話にしては、何とも物騒
しかし、キャリアウーマンは、まるでそれが当たり前のことのように
くすくす、笑いながら言うのだ
しかし、キャリアウーマンは、まるでそれが当たり前のことのように
くすくす、笑いながら言うのだ
「私、死ぬ時は将門様のお傍で、って決めてるからぁ」
それは、強い忠誠心と
恋慕に似た、思いゆえ
それゆえに、彼女は将門に全てを捧げている
恋慕に似た、思いゆえ
それゆえに、彼女は将門に全てを捧げている
……自分と同じように、都市伝説と契約していた同僚は、「組織」に消された
あまりにも目立って人を殺してしまったし…私利私欲で、快楽的に人を殺すようになってしまっていたから、それは仕方ない事だったのだろう
しかし、彼女はそれを割り切る事ができずに
「組織」に対し、恨みのような、しかし、どこかぼんやりとした感情を抱いていた
そんな彼女を拾ったのは、将門だ
あまりにも目立って人を殺してしまったし…私利私欲で、快楽的に人を殺すようになってしまっていたから、それは仕方ない事だったのだろう
しかし、彼女はそれを割り切る事ができずに
「組織」に対し、恨みのような、しかし、どこかぼんやりとした感情を抱いていた
そんな彼女を拾ったのは、将門だ
『来るが良い。あの「組織」を嫌うならば、我の下に来い……我の復讐を、手伝うがいい』
その圧倒的な存在感と、力に
一瞬で、魅了された
一瞬で、魅了された
そして、誓ったのだ
自分は、将門様のために生きよう
将門様の為に死のう
自分は、将門様のために生きよう
将門様の為に死のう
…それが、自分の人生の目標なのだ
「私にとって、「首塚」の組織は家族みたいなものだしぃ。少しはお役に立たなきゃねぇ」
くすくす、キャリアウーマンは笑う
フィラデルフィア計画は、それにどう答えたらいいのかわからないのか、曖昧な表情を浮かべつつ…ケーキに手を伸ばす
フィラデルフィア計画は、それにどう答えたらいいのかわからないのか、曖昧な表情を浮かべつつ…ケーキに手を伸ばす
「首塚」組織の女が二人
秋祭りの決戦に向けて、ホテルのケーキバイキング会場にて、鋭気を養っているのだった
秋祭りの決戦に向けて、ホテルのケーキバイキング会場にて、鋭気を養っているのだった
終
おまけ
(…そうよ、「首塚」の組織は…私にとって、家族みたいなものよ)
将門様に、今、目の前にいる「フィラデルフィア計画」
「幸運の眉毛コアラ」少年、「日焼けマシンで人間ステーキ」のチャラけた青年、技の「厨2病」
「死人部隊」の中年に、「一年生になったら」の子供
あとは、え~と…誰がいたっけ?
とりあえず、家族なのである
「幸運の眉毛コアラ」少年、「日焼けマシンで人間ステーキ」のチャラけた青年、技の「厨2病」
「死人部隊」の中年に、「一年生になったら」の子供
あとは、え~と…誰がいたっけ?
とりあえず、家族なのである
…そう、それに…
(…毎度毎度、チャラ男は美味しい子だわぁ。子供に優しいからショタとの組み合わせもいけるしぃ、技の「厨2病」や将門様相手限定だったら、受けでもいいかしらぁ?…でも、本命はやっぱり黒服よねぇ。敵味方同士の組織所属というシチュエーションだし、明らかにあの子は黒服を意識しまくってるしぃ………それにあの黒服さん、美味しい事に最近女体化もしてたみたいだしねぇ…残念ながら元に戻ったみたいだけど………ふふふふふふふふ、いいわ、萌えだわ!!「首塚」組織は萌えの宝庫!!本当素晴らしいわぁ。次のイベントはチャラ男×黒服で、黒服女体化中のネタ!!!)
ッカ!!!と
一瞬で、妄想を膨らませたキャリアウーマン…否、貴腐人
己の契約者の邪で腐な妄想を感じ取り、ハンガーの生首はびびくん!!と怯えたのだった
一瞬で、妄想を膨らませたキャリアウーマン…否、貴腐人
己の契約者の邪で腐な妄想を感じ取り、ハンガーの生首はびびくん!!と怯えたのだった
今度こそ終わっちまえ