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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・拷問狂と鳥使い-06c

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 血の匂いが、充満している
 クラリッサは、固く拳を握りしめ、鳥についばまれ続けているトライレスを見つめていた
 頭の中では、先ほど、トライレスからかけられた言葉がぐるぐると回っている

「………い。嘘な訳、ない……」

 そんな、中
 クラリッサは俯き、ぶつぶつと呟き続けていた

「……エイブラハム、様が………嘘をつくはずが、ない………っ」

 自分に、言い聞かせるように
 何度も何度も、クラリッサは自分に言い聞かせる

 そうだ
 あの方が嘘をつくはずがない
 嘘をつく理由なんて、ないはずだ

 それに

「…シモネッタ、だって………そうだ、って、言ったんだから……っ!」

 そうだ
 シモネッタだって、認めてくれたのだ
 トライレスが、先祖の仇であることを
 そして、トライレスを殺すなど不可能だ、と嘲笑われていた自分を、シモネッタは元気づけてくれたのだ
 彼女がいなければ…きっと、途中で心折れていた
 シモネッタと言う友人がいたからこそ、自分はここまでやってこれたのだ

 魔女の言葉に耳を貸すものか
 騙されてなるものか

 自分に言い聞かせるように、呟き続けるクラリッサ
 その時


「----っかは!?」


 何かが、自分達のところまで弾き飛ばされてきた
 クラリッサは、びくりと体をはねらせて、そちらに視線を向ける

「…あなた、は」
「……っ、あの時の……!」

 そうだ
 自分とシモネッタが道に迷っていた時、道を教えてくれた少年だ
 手に、炎の鞭を持っている……この少年も、何らかの契約者だったのだろうか?
 傷ついている
 何者かと、戦闘した?
 ………誰と?
 その答えは、すぐに見つかった

「あらン、クラリッサ、調子はどうかしらン?」
「………シモネッタ」

 傷ついた少年を追いかけるように姿を現したシモネッタ
 鞭を構えた、戦闘状態

「……何…してるの?」
「私?エイブラハム様の命令を、忠実にこなしていたのよン♪」

 クラリッサの問いに、笑いながら答えるシモネッタ
 …エイブラハム様の、命令?
 さぁ、と顔を青くするクラリッサ
 自分達に与えられている命令は、目的の障害となる存在を殺せと言うこと

 何故、シモネッタがこの少年を、目的の障害であると判断したのかは、わからない
 ただ、このままでは……少年は、シモネッタに殺される!

「あぁ、安心してねン、クラリッサ。あなたの邪魔はしないから…」
「…ま、待って、シモネッタ」
「どうしたのン?」

 クラリッサの言葉に、首をかしげるシモネッタ
 今にも、鞭を鳴らしそうだ

「……その子が、エイブラハム様の目的の障害になるとは、思えない………見逃して、あげて」
「あらぁン?見かけで判断するのは禁物よぉン?」
「……彼は、私たちに親切にしてくれた」

 だから、助けてあげたい
 クラリッサは素直にそう考える

「駄目よぉン。小さな芽でも、つんでおかなくちゃぁン♪」
「……でも」
「もう」

 渋るクラリッサの様子に、シモネッタはため息をついた
 …どこか、見下したような表情になって、続ける

「何もわかっていない、お馬鹿な子。ほんの一度優しくされただけでほだされてどうするのン?」
「…わ、私は…」
「そんなんだから………私達にも、騙されるのよン?」

 ………え?
 何、を?

「…騙される…?シモネッタが、私を、騙す?」
「あら、本当に気づいていなかったのねン?」

 信じられない
 そんな表情で見つめてくるクラリッサの様子に、シモネッタはくすくすと笑う
 その、邪悪さに……クラリッサは、気づいてしまった
 ぞくりと、悪寒を感じる

 シモネッタの視線は、ちらりとトライレスに向いた
 鳥についばまれ続け、動かないトライレスに
 その様子から、もう助からないと判断したのだろうか
 こう、告げてきた

「本当に、お馬鹿な子。何も知らずに、自分の先祖の仇が本当は誰なのかも気づかずに、自分の先祖が逃がした女を殺すのよン」
「-------っ」

 シモネッタの、その言葉が
 クラリッサの心を、抉る

「………嘘」
「嘘じゃないわよン。あなたの先祖を殺したのは、トライレスじゃない」
「…嘘、嘘。だって、エイブラハム様だって…」
「本当、どこまでもお馬鹿なのねン」

 くすくす、嘲笑い続けるシモネッタ
 いやいやと、信じないとでも言うように首を振り続けるクラリッサに、追い打ちをかけるように続ける

「魔女を逃がしたなんて知れたら、あなたの先祖は逆に魔女だと言われたでしょうねン?」
「違う、違う…………」
「魔女裁判にかけられて、苦しい思いをしたでしょうねン?……エイブラハム様に殺されたことを、あなたの先祖は光栄に思うべきだわン。苦しまずに死ねたのだからっ!!」

 嘘
 嘘、嘘、嘘、嘘、嘘………!

 これ以上聞きたくないと言うように、耳をふさぐクラリッサ
 嘘だ
 そんなはずが、ない
 エイブラハムも、シモネッタも、自分の事を騙していただなんて
 そんなはずが、ない……!!

「ほら、そうやって、都合の悪いことは聞こうとしない。だから、真実に気づけない…………お馬鹿で可哀想なクラリッサ!!あなたは先祖の想いに背いて、私たちにつきあって人を殺し続けたのよぉン」
「ぁ…………あ…………」

 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

「あなたの手は血で汚れた、あなたの先祖が逃がした魔女も死のうとしている…………どこまでもお馬鹿で可哀想な子。本当、扱いやすい子だわぁン。だから、エイブラハム様も、あなたを利用しようとしたんでしょうねぇン」

 シモネッタの口から語られる、「真実」
 その一つ一つが、刃のようにクラリッサの心に差し込まれる
 差し込まれた刃は、クラリッサが信じていた虚像を、一つ一つ、粉々に打ち壊していく

 今まで信じていた、絶対の真実
 それを……粉々に、打ち砕かれて

「-------っ嫌ぁあああああああああああああああっ!!??」

 絶叫し、顔を覆うクラリッサ
 その様子を見下して、シモネッタはけらけらと、高らかに笑った

「やぁっと聞けたわぁン、その悲鳴!やぁっと見れたわぁン、その絶望の表情っ!!うれしいわぁン。その声を聴きたくて、その顔を見たくて、今までグズなあなたに付き合ってあげたんだからぁン」

 けらけら笑い続けるシモネッタ
 その顔は、邪悪そのもの
 背中から生えている紫色の炎の翼が、一瞬、堕天したかのようにどす黒く染まった

「あぁ、あなたが壊れたら、カイザーはどうするかしらン?あいつは、子供に甘いからぁン………あなたが壊れたのを知ったら、どれだけ傷つくかしらぁン!?あぁ、楽しみだわぁ。ちょっとエイブラハム様に重宝されてるからって大きな顔をしているあいつが傷つくなんて、とっても愉快でうれしいわぁ!!」

 ひとしきり笑ったシモネッタ
 泣き叫び続けるクラリッサから視線を外し、少年……裂邪へと、視線を向けた

「…さぁ、あなたの悲鳴も聞かせてぇン?クラリッサの悲鳴と二重奏よぉ!!」

 楽しげに、楽しげに笑って
 シモネッタは、高らかに鞭を鳴らしてみせたのだった


 自分は、なんてことを
 泣き叫び続けるクラリッサ

 自分は
 先祖が助けた人を……殺してしまった?

 鳥達は、クラリッサが能力を制御しきれなくなって、すでに離れていった
 後には、血塗れのトライレスが残っている

 ふらふらと、トライレスに近づくクラリッサ
 ……肉塊になりかけているトライレス
 まだ、かすかに呼吸しているようだった

 だが、このままでは死ぬだろう
 確か、彼女は若い女性の血液で己の体を再生させていたはず
 ……ついばまれすぎて、血が足りなくなったのだろうか
 再生が、始まっていない

「……血……」

 若い女の、血
 それが、あれば………

 そろそろと、クラリッサは懐から小さなナイフを取り出した
 波打つ刃の、小さなナイフ

 トライレスの傍らに膝をついて
 クラリッサは、そのナイフを………己の首筋に、当てた

「………ごめんなさい」

 謝って許されることではない
 わかっている
 それでも、彼女は精一杯の謝罪を、その短い言葉に込めて

 ざくり
 ナイフで、己の首筋を切り裂いた
 頸動脈が傷つけられ、血が噴射される
 それは、シャワーのようにトライレスに降り注いでいった

「……ごめんな、さい………カイザー、司祭………」

 からん、と力の抜けていくてから、ナイフは落ちて
 クラリッサは、トライレスの肉体が再生していく様子にほっとして
 最後に、小さく呟いて……意識を、暗闇の底へと手放したのだった







to be … ?





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