首をかしげているカイン
えぇと…と、悠司は悩む
どう、カインに説明したものか、と
えぇと…と、悠司は悩む
どう、カインに説明したものか、と
悠司のその悩みを察したのだろうか
アガレスが、カインに告げる
アガレスが、カインに告げる
「司祭様、カラミティ卿が、ある程度未来を予知できるのは知っておるじゃろ?」
「……あぁ、そんな事を言っているのを、聞いた事がある。本人は、「カケラを見るだけ」と言う、よくわからない言い方をしていたが…」
「まぁ、どうやって未来を知り得ているかはともかく、ある程度の余地が可能なのは事実。そうやって知り得た未来で、司祭様が危険な目にあっている未来を見たようでのぅ」
「……あぁ、そんな事を言っているのを、聞いた事がある。本人は、「カケラを見るだけ」と言う、よくわからない言い方をしていたが…」
「まぁ、どうやって未来を知り得ているかはともかく、ある程度の余地が可能なのは事実。そうやって知り得た未来で、司祭様が危険な目にあっている未来を見たようでのぅ」
だから、悠司に頼んだのだ、とアガレスはカインに説明した
どうやって、悠司と接触したのか、その辺りはぼかして
どうやって、悠司と接触したのか、その辺りはぼかして
アガレスの言葉に、そうか、とやや深刻そうに俯くカイン
……また、カラミティに迷惑をかけてしまった
カラミティだけではない
悠司や他の悪魔達にまで迷惑をかけてしまっている
………その事実を、カインは申し訳なく考えているのだ
……また、カラミティに迷惑をかけてしまった
カラミティだけではない
悠司や他の悪魔達にまで迷惑をかけてしまっている
………その事実を、カインは申し訳なく考えているのだ
「…すまない、悠司。危険な事に巻き込んでしまって」
「あ、い、いえ、僕は大丈夫です」
「あ、い、いえ、僕は大丈夫です」
申し訳なさそうなカインに、慌ててそう答える悠司
カインを助けたい、と言う願いは、悠司とカラミティの共通のもの
決して、強要されたものではないのだ
そこだけは、誤解を与えないようにしたい
カインを助けたい、と言う願いは、悠司とカラミティの共通のもの
決して、強要されたものではないのだ
そこだけは、誤解を与えないようにしたい
……と
気絶しているグザファンを、八つ当たりするようににゃんにゃん小突いていたフラウロスが、何かに気付いた
にゃ?と、それを引っ張り出す
気絶しているグザファンを、八つ当たりするようににゃんにゃん小突いていたフラウロスが、何かに気付いた
にゃ?と、それを引っ張り出す
「にゃ、こいつ、こんなもん持ってるにゃ」
「え?それは……ロザリオ?」
「え?それは……ロザリオ?」
そう
それは、銀製のロザリオ
カインが身に着けているロザリオと、同じデザインの物だ
つまり、これは
それは、銀製のロザリオ
カインが身に着けているロザリオと、同じデザインの物だ
つまり、これは
『この人は、「教会」関係者で確定、と言うことですね』
そのロザリオは、「教会」所属の証だ
悠司に渡された「組織」の資料でも、そうなっていた
このグザファンだけでも、確保して「組織」に引き渡すべきかもしれない
悠司に渡された「組織」の資料でも、そうなっていた
このグザファンだけでも、確保して「組織」に引き渡すべきかもしれない
「……え?おかしいぞ」
グザファンが身に着けている、ロザリオ
それを見て、カインが、やや驚いたような声を上げた
悠司は、首をかしげる
それを見て、カインが、やや驚いたような声を上げた
悠司は、首をかしげる
「カインさん?どういう事ですか?」
「…「教会」のロザリオは、聖別されている。悪魔が身に着けられるはずがないのだが」
「聖別……ですか?」
「…「教会」のロザリオは、聖別されている。悪魔が身に着けられるはずがないのだが」
「聖別……ですか?」
ピンとこない悠司
ストラスが、説明する
ストラスが、説明する
「まぁ、この国風に言うと「清める」ってところかな?清めた塩でお祓いとか、するんだろう?」
『幽霊が清められた塩に弱いなどとは言いますね…なるほど、それと同じようなものですか』
『幽霊が清められた塩に弱いなどとは言いますね…なるほど、それと同じようなものですか』
なるほど、それならば、悪魔のグザファンが、「教会」のロザリオを身に着けているのはおかしい
が
が
「にゃ、これ、聖別されてないにゃ」
つんつん
爪先で、ロザリオをつつくフラウロス
猫そのものの姿になっているフラウロスがそういっても説得力はないかもしれないが
確かに、悪魔のフラウロスが、平気でそのロザリオに触れることができている
……すなわち
このロザリオは、聖別されていないと言うことになる
爪先で、ロザリオをつつくフラウロス
猫そのものの姿になっているフラウロスがそういっても説得力はないかもしれないが
確かに、悪魔のフラウロスが、平気でそのロザリオに触れることができている
……すなわち
このロザリオは、聖別されていないと言うことになる
「なら、ますますおかしい。「教会」製のロザリオは、全て聖別されているはず」
「このデザインのロザリオは全て、と言うことですか?」
「このデザインのロザリオは全て、と言うことですか?」
そうだ、と悠司の言葉に頷くカイン
じ、と悠司は、そのロザリオに視線を落とした
……よくよく見れば、かなり複雑なデザインだ
複製するのは、難しそうである
じ、と悠司は、そのロザリオに視線を落とした
……よくよく見れば、かなり複雑なデザインだ
複製するのは、難しそうである
これは、「教会」製のロザリオに間違いないのだろう
カインがそう、認識しているようだし
…なのに
聖別されていない?
カインがそう、認識しているようだし
…なのに
聖別されていない?
「それって、まずいんじゃないかな?」
「ストラスさん、どういう事?」
「聖別されてない「教会」製のロザリオが出回ってるって事は、さ。「教会」内部に悪魔とかが入り込んでいても、わからない可能性があるって事じゃない?……いや、悪魔のボクがこういうのも、おかしいとは思うけどね」
「ストラスさん、どういう事?」
「聖別されてない「教会」製のロザリオが出回ってるって事は、さ。「教会」内部に悪魔とかが入り込んでいても、わからない可能性があるって事じゃない?……いや、悪魔のボクがこういうのも、おかしいとは思うけどね」
それは
内部に、敵対する存在が入り込んでも気づかずに
内部から、じわじわと浸食されている可能性がある、事実
内部に、敵対する存在が入り込んでも気づかずに
内部から、じわじわと浸食されている可能性がある、事実
カインと悠司が、その重大性を認識したのと
………彼らがいる場所から、さほど離れていない、距離で
地上から天に向けて、稲妻が走ったような
そんな光と轟音が、辺りにまき散らされたのは………ほぼ、同時で
地上から天に向けて、稲妻が走ったような
そんな光と轟音が、辺りにまき散らされたのは………ほぼ、同時で
その光も、轟音も、カイン達のもとへと否応なしに届いて
学校町で起きている異常
その危険性を、さらに強く警告されたようにすら、錯覚した
学校町で起きている異常
その危険性を、さらに強く警告されたようにすら、錯覚した
to be … ?