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連載 - 我が願いに踊れ贄共・彼は閃光のごとく-08e

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 エイブラハムの持つ能力について、出来る限り詳しく教えてほしい
 ローゼのその言葉に、ロリスは頷いた

「…わかった。安全な場所に移動してから、伝えよう」
「……そうですわね」

 ロリスが、エイブラハムを裏切った情報が伝わっているからだろうか
 彼らの子飼い達が近づいてきている
 その気配が、ローゼとレクイエムにもわかった
 不安げにロリスに寄り添っているチェリーに、ローゼは笑いかけた

「大丈夫ですわ……少し、眠っていただきましょう」
「眠らせるだけですむ連中ならば、良いのだがな」

 住宅街の、角々から
 それらは、姿を現した

 緑柱石のように輝き、外面に無数の目がある車輪のような生き物達

「主イェスよ、われらに きよきみ顔向け、聖霊をくだして 導きをたまえ……」

 それと、柔らかく歌う、無数の小柄な天使達
 緑色の炎を纏う車輪のような生き物が、突進してくる

「《フォトン・ウェーブ》!」
「《トゥーバ・ミールム》!」

 ローゼとレクイエムの攻撃が、広範囲へと一気に放たれる
 小柄な天使はその攻撃を受けて消えていくが、車輪のような生き物は物ともせずに突進してくる

「っち、この見た目……座天使か!?」
「そうだ……少し、目を閉じろ」

 ぱちっ、と
 ロリスの手元を、電流が走る
 ローゼ達が目を閉じるのと同時、ロリスは手元に雷を生み出した
 生み出したのは、ほんの一瞬
 座天使へと放った訳でもない
 ただ、雷による激しい閃光は、座天使の全身についている無数の目をくらませた

「今の内に!」

 座天使がローゼ達を見失っている内に、走り出す
 先ほどの小柄な天使達が再び現れ見下ろしてくるが…攻撃してくる気配は、ない

「何だ、あの連中は……斥候役か?」
「エフェメラエ、だと思います……彼らに、戦闘能力はありません。あなたがおっしゃる通り、斥候役かと…」

 レクイエムの呟きに、チェリーが答える
 そうなると……あれを振り払わないと、逃げ切れないか

「……ラドゥエリエル、と呼ばれる天使が、あれを生み出す。どこかに契約者がいるはずだが」
「厄介だな…!使役している存在ならば、使役されている存在が活動できる範囲は!?」
「…そもそも、エフェメラエは短命……長時間存在できる訳でもない。活動範囲もさほど広くない」

 ならば
 使役している存在も、傍にいるはず

「お前達、飛べるか?」
「………多少は」
「ロリスを抱えて飛ぶくらいなら、できます」
「それなら、飛んで移動した方が良さそうですわ~」

 頷き……チェリーは、背中から純白の天使の翼を生やした
 ロリスも、背中に一瞬ばちばちと電流が走ったかと思うと、それは翼のような形へと変わっていく
 ローゼは赤い翼を背中に出現させて飛びあがり、レクイエムもその後を追う

「……あそこかっ!」

 いた
 羽ペンと紙片を手に、歌っている男の姿
 その口元から小さな天使が生まれ、それは瞬時に小柄な天使へと成長していっている
 あれが、ロリスの言ったラドゥエリエルの契約者だろう
 見つかった事に気付いたのか、それは慌てて逃げ出そうとする

「逃がすかっ!」

 レクイエムの放った悪霊が、ラドゥエリエルの契約者に襲い掛かる
 かぷかぷと噛み付かれ、能力発動に集中できなくなったのだろう
 男はエフェメラエを生み出せなくなっている

「……便利な能力だ」
「お前達天使には、あまり言われたくないな」

 …どちらもどちらか
 レクイエムは、小さく苦笑して

 一同は一度、安全な場所まで移動する事にしたのだった




to be … ?





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