「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・救世主候補-09b

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 …目の前で倒れた、その姿に
 思考が、白く染まる
 倒れこみ、苦しげに血を吐き出す、その姿に
 思考が、怒りで染まる


 ------もう、いい
 適当に痛めつけて、情報を聞き出すつもりだったが

 もう
 どうでも、いい


 影守が何か言っているが、聞こえない
 聞いている暇はない

 あの餓鬼が、煩く笑っている
 あぁ、もう、黙れ
 黙らないのならば、俺が黙らせてやる


 力を、一点に集中する
 呼び出していた彼女たちの力を、己の手元に集める

 …この手の方向の能力は向いていない
 辰也からは、そうはっきりと言われた
 ………ハンニバルからも、そう指摘されたことがある

 わかっている
 わかっては、いるが

 それでも
 俺は、力がほしかったから
 体に負担がかかろうが、無茶だろうが
 この力を引き出す方法を知ったからには

 この力
 使わせてもらう


「………っ!?」

 直希が、レティの苦い水を飲み込まされ、倒れ
 苦しげに血を吐き出し始めた、直後
 天地が召喚していたモンスの天使たちの姿が、消えた
 ただの一人を残して、その姿が消えて

 天地の、手元に
 光が、集まり始める

「…あれは」

 ……天地は、「モンスの天使」を伝承通り…とは、姿が違うが…大量の天使を召還する方向で解釈し、能力を使っている
 だが
 今、天地が使おうとしている、それは…

(……モンスの天使の「武器」を召還する、解釈?)

 影守は、そう判断した
 都市伝説は、契約者の解釈次第で、伝承に従いながらも能力の方向性を変えることがある
 だが、契約者の相性などの問題から、一つの方向性に絞られると、他の方向性に開花させるのは難しい場合がある
 例えば、人型なり獣型なり、都市伝説を「個」として召喚したり使役したりするタイプは、自身は都市伝説の特殊能力を施行できない、と言う場合も多い
 天地が、まさにそのパターンだ
 モンスの天使を召還し、使役する
 天地自身には、戦闘能力はなかった

 しかし
 天地は今、まさに……攻撃手段を、手に入れている

「なぁに?なぁに?レティに、そんなおもちゃで攻撃するの?」
「……黙れ、糞餓鬼」

 じろりと、天地がレティを睨みあげる
 手元に集まった光は、天地の手の動きに合わせ、弓と矢へと変化した
 光の弓矢を引き絞り、天地はレティに狙いをつける

「---きゃはははははははっ!!そんなのじゃ、レティはやられないよっ!」

 無邪気にレティは笑い、水を操る
 どす紫色になったその水は、大量に集まり、まるで巨大な多頭の蛇のような形に変わる

「死んじゃえ、苦いお水を飲んじゃえ溶けちゃえっ!!」

 猛毒の水が、辺りを溶かしながら迫ってくる
 影守は舌打ちして、希達と共に後退しようとした
 友也も、倒れている直希の体を抱え上げようとしている

 だが
 天地は動かない

 巨大な猛毒の水の大蛇越しに
 レティに、狙いをつけて


 弓矢が放たれる
 モンスの天使の、普段、天地が大量に償還する天使達の
 その攻撃力全てがまとめられた、その光の矢は
 まっすぐに、まっすぐに放たれて

 その、矢は
 巨大な猛毒の水の大蛇の中央を貫通し、消滅させ

「-------ぇ」

 きょとん、としている、宙を飛んでいた、レティの小さな体に
 容赦なく、突き刺さった




 ---かしゃん、と
 血に濡れた、薔薇の装飾が施されたネックレスが、地面に落ちてその装飾を雪の上に散らせる
 まるで、薔薇が散り落ちたかの、ように








to be … ?









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