…目の前で倒れた、その姿に
思考が、白く染まる
倒れこみ、苦しげに血を吐き出す、その姿に
思考が、怒りで染まる
思考が、白く染まる
倒れこみ、苦しげに血を吐き出す、その姿に
思考が、怒りで染まる
------もう、いい
適当に痛めつけて、情報を聞き出すつもりだったが
適当に痛めつけて、情報を聞き出すつもりだったが
もう
どうでも、いい
どうでも、いい
影守が何か言っているが、聞こえない
聞いている暇はない
聞いている暇はない
あの餓鬼が、煩く笑っている
あぁ、もう、黙れ
黙らないのならば、俺が黙らせてやる
あぁ、もう、黙れ
黙らないのならば、俺が黙らせてやる
力を、一点に集中する
呼び出していた彼女たちの力を、己の手元に集める
呼び出していた彼女たちの力を、己の手元に集める
…この手の方向の能力は向いていない
辰也からは、そうはっきりと言われた
………ハンニバルからも、そう指摘されたことがある
辰也からは、そうはっきりと言われた
………ハンニバルからも、そう指摘されたことがある
わかっている
わかっては、いるが
わかっては、いるが
それでも
俺は、力がほしかったから
体に負担がかかろうが、無茶だろうが
この力を引き出す方法を知ったからには
俺は、力がほしかったから
体に負担がかかろうが、無茶だろうが
この力を引き出す方法を知ったからには
この力
使わせてもらう
使わせてもらう
「………っ!?」
直希が、レティの苦い水を飲み込まされ、倒れ
苦しげに血を吐き出し始めた、直後
天地が召喚していたモンスの天使たちの姿が、消えた
ただの一人を残して、その姿が消えて
苦しげに血を吐き出し始めた、直後
天地が召喚していたモンスの天使たちの姿が、消えた
ただの一人を残して、その姿が消えて
天地の、手元に
光が、集まり始める
光が、集まり始める
「…あれは」
……天地は、「モンスの天使」を伝承通り…とは、姿が違うが…大量の天使を召還する方向で解釈し、能力を使っている
だが
今、天地が使おうとしている、それは…
だが
今、天地が使おうとしている、それは…
(……モンスの天使の「武器」を召還する、解釈?)
影守は、そう判断した
都市伝説は、契約者の解釈次第で、伝承に従いながらも能力の方向性を変えることがある
だが、契約者の相性などの問題から、一つの方向性に絞られると、他の方向性に開花させるのは難しい場合がある
例えば、人型なり獣型なり、都市伝説を「個」として召喚したり使役したりするタイプは、自身は都市伝説の特殊能力を施行できない、と言う場合も多い
天地が、まさにそのパターンだ
モンスの天使を召還し、使役する
天地自身には、戦闘能力はなかった
都市伝説は、契約者の解釈次第で、伝承に従いながらも能力の方向性を変えることがある
だが、契約者の相性などの問題から、一つの方向性に絞られると、他の方向性に開花させるのは難しい場合がある
例えば、人型なり獣型なり、都市伝説を「個」として召喚したり使役したりするタイプは、自身は都市伝説の特殊能力を施行できない、と言う場合も多い
天地が、まさにそのパターンだ
モンスの天使を召還し、使役する
天地自身には、戦闘能力はなかった
しかし
天地は今、まさに……攻撃手段を、手に入れている
天地は今、まさに……攻撃手段を、手に入れている
「なぁに?なぁに?レティに、そんなおもちゃで攻撃するの?」
「……黙れ、糞餓鬼」
「……黙れ、糞餓鬼」
じろりと、天地がレティを睨みあげる
手元に集まった光は、天地の手の動きに合わせ、弓と矢へと変化した
光の弓矢を引き絞り、天地はレティに狙いをつける
手元に集まった光は、天地の手の動きに合わせ、弓と矢へと変化した
光の弓矢を引き絞り、天地はレティに狙いをつける
「---きゃはははははははっ!!そんなのじゃ、レティはやられないよっ!」
無邪気にレティは笑い、水を操る
どす紫色になったその水は、大量に集まり、まるで巨大な多頭の蛇のような形に変わる
どす紫色になったその水は、大量に集まり、まるで巨大な多頭の蛇のような形に変わる
「死んじゃえ、苦いお水を飲んじゃえ溶けちゃえっ!!」
猛毒の水が、辺りを溶かしながら迫ってくる
影守は舌打ちして、希達と共に後退しようとした
友也も、倒れている直希の体を抱え上げようとしている
影守は舌打ちして、希達と共に後退しようとした
友也も、倒れている直希の体を抱え上げようとしている
だが
天地は動かない
天地は動かない
巨大な猛毒の水の大蛇越しに
レティに、狙いをつけて
レティに、狙いをつけて
弓矢が放たれる
モンスの天使の、普段、天地が大量に償還する天使達の
その攻撃力全てがまとめられた、その光の矢は
まっすぐに、まっすぐに放たれて
モンスの天使の、普段、天地が大量に償還する天使達の
その攻撃力全てがまとめられた、その光の矢は
まっすぐに、まっすぐに放たれて
その、矢は
巨大な猛毒の水の大蛇の中央を貫通し、消滅させ
巨大な猛毒の水の大蛇の中央を貫通し、消滅させ
「-------ぇ」
きょとん、としている、宙を飛んでいた、レティの小さな体に
容赦なく、突き刺さった
容赦なく、突き刺さった
---かしゃん、と
血に濡れた、薔薇の装飾が施されたネックレスが、地面に落ちてその装飾を雪の上に散らせる
まるで、薔薇が散り落ちたかの、ように
血に濡れた、薔薇の装飾が施されたネックレスが、地面に落ちてその装飾を雪の上に散らせる
まるで、薔薇が散り落ちたかの、ように
to be … ?