お前には怖いモノはないのか、と子供に尋ねた
怖いものなんてない、と子供は笑う
怖いものなんてない、と子供は笑う
「クロ兄とか、師匠達がいるから。怖いものは何もないぞ」
この子供は、どこまで悪魔を信じるのか
元人間と言うだけあって、どこまでも愚かしい
元人間と言うだけあって、どこまでも愚かしい
「クヌートだっているんだし。寂しくもない。師匠達に拾われて、俺は幸せなんだ」
命を得た兎のヌイグルミを抱きしめながら、子供は笑う
老いる事を忘れた子供は、無邪気に笑う
老いる事を忘れた子供は、無邪気に笑う
だが
本当に、幸せなら
その奥に隠した「寂しい」と言う感情は何だ
本当に、幸せなら
その奥に隠した「寂しい」と言う感情は何だ
自ら命を吹き込んだ友を持とうとも
人間との関わりをほとんど持つことができなかったこの子供は
無意識に、人間との関わりを求めているのか
人間との関わりをほとんど持つことができなかったこの子供は
無意識に、人間との関わりを求めているのか
だからこそ、人間の里に下りるのだろう
人間の「友」を持つと言う願いを捨てきれず
人間と関われる機会を求めて
人間の「友」を持つと言う願いを捨てきれず
人間と関われる機会を求めて
「………偽りで本音を隠す事しかできないんだな、人間は」
あなたが言うのですか?と言ってきたゴモリーの言葉を無視する
悪魔が本音を隠すのは当たり前だが、俺は現すべき本音だけは、全て表に出し続けているつもりなのだから
悪魔が本音を隠すのは当たり前だが、俺は現すべき本音だけは、全て表に出し続けているつもりなのだから
fin