「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-13

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 北区、とある占い師が出店を開いてたテント。その、今はもうもぬけの殻のテントを見て、≪夢の国≫の契約者は首をかしげる。
「あれ? お姫様たちいなくなっちゃった?」
 ≪夢の国≫の契約者はそうひとりごちる。そこに彼女を呼ぶ声が響いた。
「そこまでだ、≪夢の国≫」
 彼女が振り返るとそこには人形を持った青年、少女、電話をかけている黒服の男、外人、女の子という奇妙な取り合わせの一行がいた。
「あなたたち」
 その一行のうちの二人を見て彼女はぼんやりと、何かを思い出すかのように呟く。
「や、≪夢の国≫の契約者。一年チョイぶり?」
 その二人のうちの一人、青年が気さくに声をかける。
「お久しぶりです」
 もう一人の、黒服も声をかける。
 その声を受けて彼女は二人を思い出すことができた。そう、彼等にはかつて致命傷を与えたはずで、
「生きていたんだ?」
 多少の驚きが滲む声、その疑問の声に青年――Tさんは笑いながら言う。
「誰かさんが見逃してくれたおかげでね」
「?」
「すぐに思い出させてやるさ」
 何のことを言っているのか彼女にはよく分からない。黒服の方も電話をしまい、彼女にまっすぐ視線を向けて、
「正気に戻っていただきます」
 と言う。幾人かに似たようなことを言われた記憶があるが、やはり彼女にはよく意味は分からない。しかし、彼等がかつては邪魔者だったことを覚えており、
「邪魔、しないでよ」
 ≪夢の国≫の契約者はテントに背を向けてパレードを彼等に行進させた。
 迫るパレードを見て青年は手を前に差し出す。その手は光り輝いていて、
「破ぁ!!」
 気合いと思しき声と共にパレードの半数が消滅した。
「なんで邪魔をするの?」
 直後にパレードは追加される。近くの林の中から、木の裏側から、賑やかな気配と共に狂ったパレードは際限なく増加し、彼等に迫って行く。
「やはり契約者が近いと増加速度も半端ではありませんね」
 手に持つ銃から光線を放ちつつ黒服。彼の放つ光線は確かにパレードの構成員の体を欠損させていくが、
「ちょっと! ぜんぜん倒れないわよ!」
「再生能力も補正済みか!」
 赤い靴の女の子と異国風の男が近寄った住人を叩き潰す。
「北区の結界地帯なら安全だと思ったんだが、悪いな」
 そう赤い靴の女の子と異国風の男に言って青年が白光を纏った石を投擲する。山なりのコースを描いたそれはパレードの上空を大きく通り過ぎ、
「この石が急加速して≪夢の国≫の契約者を撃てば、幸せだな」
 呟くと同時に石が急加速で彼女を襲う。しかし、
「当たらないよ」
 彼女の姿がパレードの影に隠れた一瞬の間に消え失せ、
「死んで、ね?」
 青年の横にナイフを振りかぶって現れた。
「お兄ちゃん!」
 青年の肩につかまった人形の警告の声に青年が反応、しかし≪夢の国≫の契約者は至近におり、彼女の振り下ろすナイフは反応しつつも回避しきれない青年の腕を抉り――
「そうは問屋が卸さねえってな!」
 取る前に唐突に、何もないと思われた空間から現れた少女に≪夢の国≫の契約者ごと背後から羽交い絞めされ、止められた。
「っ!」
「よし、黒服さん!」
 少女――青年の契約者が全身に身につけたパワーストーンを砕け散らしながら叫ぶ。
 黒服は青年の契約者の言葉に反応、懐からいくつかの石を取り出し、
「無駄だよ」
 瞬間、≪夢の国≫の契約者の姿はパレードの壁に阻まれた更に奥にまで移動していた。
「んな!? マジに瞬間移動!?」
 少女が彼女を羽交い絞めにしたまま驚きの声を上げる。その少女へと黒服を差し向けようと≪夢の国≫の契約者が指示を出そうとした瞬間、
「っつ!」
 突然自身を襲った痛みに膝を折った。
「なんだ?」
 そう言いつつ少女が≪夢の国≫の契約者が倒れないように羽交い絞めにしたまま持ち上げていると、≪夢の国≫の契約者は腕を抑えつつ、
「っ、みんな、戻る、よ」
 言ったと同時にその場からパレードごと、
「きえた、の」
「これは」
「おい、Tさん」
「あの女は?」
 人形、黒服、異国風の男、赤い靴の女の子。皆、その場で動きを止め、呆然と、ついさっきまで≪夢の国≫の契約者と青年の契約者がいた場所を見つめながらもらす。
「一応作戦通りだが最悪の路線沿いか。出来ればこの場で彼女を正気に戻してもっと対策を取りたかったんだが。さて、どう転ぶか、な」
 軽い口調とは裏腹に青年は悔しそうに両の拳を握り締めた。

 秋祭り二日目、日は既に落ち、満月がぼんやりと辺りを照らしていた。



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