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連載 - とある組織の構成員の憂鬱-28

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 …金髪の、シルバーアクセサリーをじゃらじゃらと身につけた青年が、じと目で黒服を睨んでいる
 どうやら、この黒服がついに過労で倒れ、それを見知らぬライダーが連れて行った場面を、目撃したらしかったのだ
 秋祭り会場に戻って早々、黒服はこの青年に捕まって、責められていた

「だから、あの時休めって言ったろ?」
「…流石に、あの場所はどうかと思います」

 あの時、連れて行かれた若干いかがわしいホテルを、「首塚」組織で一部拠点として使っていることを知らない黒服としては、こう答えるしかない
 青年の善意はありがたいのだが、あれは、ちょっと

「そうか?んじゃあ、将門様んとこで…」
「…それこそ、勘弁してください」

 平将門のお膝元でゆっくり休むなど…どんな度胸、自分にはない
 そこまで、図太い神経は持ち合わせていないのだ
 休むどころか、神経が磨り減る事は間違いない

「でも、休めよ?絶対、休めよ?お前が休む気ないんだったら、ベッドに縛り付けてでも寝かせるからな」

 じろり
 青年は、強い意思を込めて、そう言って来た
 …その気迫が、周囲にも伝わったのだろうか
 若干、周囲がざわついたような

「祭当日に倒れたら、元も子もないだろ?……それに」

 …ふ、と
 青年の視線が、優しげな、そして、心配そうなものに、変わる

「…お前の事、心配なんだからな」
「……すみません」

 申し訳なく、思う
 この青年を、自分が煩わせてしまっている事実に
 自分には、そんな価値などないのだ
 …所詮、「組織」の歯車でしかないのだから
 そこまで、心配しないでくれ

「今夜は、流石に少し休みます…当日に、備えなければなりませんから」
「そうか?…俺が見ている前で休めよ。ちゃんと見張ってるからな」

 …それはそれで、休めないような…
 ……まぁ、そうでもしないと、この青年は休んだ事を信じてくれないかもしれない
 妙な所で、心配性だから

「わかりました…秋祭りの事について、将門公に伝えなければならない事もありますしね」
「あぁ、そうだな……あ、その事だけどよ。「怪奇同盟」が、力貸してくれるってよ。やばくなったら、墓に逃げ込めば「夢の国」から護ってくれるってよ」
「…「怪奇同盟」が、ですか?」

 …まさか、アレが手を貸してくれるとは
 「怪奇同盟」にとっても、「夢の国」は敵だ、という事なのだろうか
 ……「夢の国」との戦いで、「怪奇同盟」も手を貸してくれるというのなら、心強い
 「怪奇同盟」は、強い結界を扱う能力の者がいると、聞いた事があるから

「伝えていただき、ありがとうございます…後で、Tさんにも伝えておきます」
「……あんな奴に、伝えなくてもいいだろ」

 Tさんの名前を出すと、青年はムっとした表情を浮かべた
 …どうにも、この黒服がいつも以上に過労を背負い込む原因となったTさんが、気に食わないようである
 子供っぽい、その嫌い方に、黒服は苦笑する

「そんな事を言ってはいけませんよ。あの人は、「夢の国」と真剣に戦おうとしているのですから」
「……でもよぉ」

 納得行かない様子の青年
 黒服は、困ったように青年を見つめた

「…とにかく。今の作業が終わりましたら、少し休みます……場所を、提供してくださるのですか?」
「ん、あぁ。「首塚」の拠点が一箇所、傍に在るから、そこに連れて行ってやるよ」

 ありがとうございます、と
 青年の好意に、黒服は小さく、頭を下げた



 …なお
 二人のやり取りを聞いていた周囲の中に、多大な誤解を与えた子とを
 二人は、ほんの少しも、自覚していないし気付いてもいないのだった


 終






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