……さて
どう、答えたらいいものやら
「怪奇同盟」より、避難場所として使ってもいい、と言われていた墓場
そこに入り込み、休憩をしていたのはいいのだが…
…まさか、こんな話を持ちかけられるとは
どう、答えたらいいものやら
「怪奇同盟」より、避難場所として使ってもいい、と言われていた墓場
そこに入り込み、休憩をしていたのはいいのだが…
…まさか、こんな話を持ちかけられるとは
「…私と契約、ですか?」
「あぁ」
「そうよ」
「あぁ」
「そうよ」
青年と少女が、同時に頷いてきた
…確かに、自分も都市伝説である
人との契約は、可能だ
だが…
…確かに、自分も都市伝説である
人との契約は、可能だ
だが…
「…二人とも、多重契約になるのですよ?危険すぎます」
多重契約
しかも、二人とも、属性が違いすぎる
そのリスクは高い
しかも、二人とも、属性が違いすぎる
そのリスクは高い
「だから、俺たち二人が、お前と契約するんだよ。それなら、リスクを分散できるしな」
「……まさか、その前に。この馬鹿が他の都市伝説と多重契約してリスクを高めるとは思わなかったけど」
「……まさか、その前に。この馬鹿が他の都市伝説と多重契約してリスクを高めるとは思わなかったけど」
じろり
少女に睨まれて、青年はそっぽを向いている
…まぁ、あの場は、そうしなければ危なかったとは言え…
……確かに、多重契約のリスクは高まっている
少女に睨まれて、青年はそっぽを向いている
…まぁ、あの場は、そうしなければ危なかったとは言え…
……確かに、多重契約のリスクは高まっている
「…大丈夫だよ。俺は都市伝説に飲み込まれたりしない」
く、と
青年は、黒服をじっと、見つめてきた
少女もまた、黒服を見つめてくる
青年は、黒服をじっと、見つめてきた
少女もまた、黒服を見つめてくる
「……私だって、そうよ。そう簡単に、飲み込まれるもんですか」
「…ですが」
「…ですが」
…二人が、そう言ったとしても
黒服は、契約を躊躇してしまう
……自分にとっても、それは悪い話ではない
だが、しかし
それによって、この二人に、都市伝説に飲み込まれるリスクを背負わせるのが、嫌だった
黒服は、契約を躊躇してしまう
……自分にとっても、それは悪い話ではない
だが、しかし
それによって、この二人に、都市伝説に飲み込まれるリスクを背負わせるのが、嫌だった
しかし
少女も、青年も、決して引き下がろうとしてくれない
強い強い意思を持って、黒服と契約しようとしているのだ
少女も、青年も、決して引き下がろうとしてくれない
強い強い意思を持って、黒服と契約しようとしているのだ
「あなたの力になりたいのよ……あなた、今のまま「組織」にいたんじゃ危ないわ。今回の件で嫌というほどわかったでしょ?」
「俺達と契約すれば、「組織」を離れても、お前は消滅しないかもしれない。あんな「組織」とっとと見限って、俺たちと契約した方がいい」
「俺達と契約すれば、「組織」を離れても、お前は消滅しないかもしれない。あんな「組織」とっとと見限って、俺たちと契約した方がいい」
決して引かない、強い意志
…これを前に、自分はどうすればいいのだろうか
…これを前に、自分はどうすればいいのだろうか
「………」
黒服は、静かに考える
…自分は、明日、Tさんの手伝いをすることになっている
…「夢の国」の大元へと、殴りこむ手伝いを
二人と契約すれば、自分も何かしら、能力が付属、もしくは強化される可能性がある
そうすれば…「夢の国」の大元との戦いに、自分も、少しは助力できるだろうか…?
…自分は、明日、Tさんの手伝いをすることになっている
…「夢の国」の大元へと、殴りこむ手伝いを
二人と契約すれば、自分も何かしら、能力が付属、もしくは強化される可能性がある
そうすれば…「夢の国」の大元との戦いに、自分も、少しは助力できるだろうか…?
「…わかりました」
はたして
自分などが、未来あるこの二人に、そんなリスクを背負わせてもいいものかどうか…
悩みながらも…彼は、決断した
サングラスを外し…直接、二人を見つめる
自分などが、未来あるこの二人に、そんなリスクを背負わせてもいいものかどうか…
悩みながらも…彼は、決断した
サングラスを外し…直接、二人を見つめる
「…私などと、契約して、くださいますか?」
真っ直ぐに、真っ直ぐに、青年と少女を見詰める
黒服を見つめ返したまま…青年も、少女も、同時にはっきりと頷いて
黒服を見つめ返したまま…青年も、少女も、同時にはっきりと頷いて
その瞬間に、黒服と二人との契約は、成立した
「----っ!?」
二人に、多重契約のリスクがのしかかった事を、黒服は理解する
特に……やはり、青年の方が、その重圧に押しつぶされかけている
一つが「厨2病」と言う多重契約が成功さえすればリスクが少ない都市伝説とは言え…やはり、三つ同時は、危険すぎたか
しかし、もはや契約は始まっている
止める事は、できない
特に……やはり、青年の方が、その重圧に押しつぶされかけている
一つが「厨2病」と言う多重契約が成功さえすればリスクが少ない都市伝説とは言え…やはり、三つ同時は、危険すぎたか
しかし、もはや契約は始まっている
止める事は、できない
…契約が、終了した
少女も……青年も
人間の、ままだ
…都市伝説に、呑み込まれてはいない
その事実に、黒服はほっとした
少女も……青年も
人間の、ままだ
…都市伝説に、呑み込まれてはいない
その事実に、黒服はほっとした
そして
同時に理解する
自分が、何者だったのか
同時に、青年と少女も理解する
この黒服が、何者なのか
同時に理解する
自分が、何者だったのか
同時に、青年と少女も理解する
この黒服が、何者なのか
「…お前」
「…「組織」の黒服なだけじゃ、なかったのね…」
「……そのようです」
「…「組織」の黒服なだけじゃ、なかったのね…」
「……そのようです」
苦笑する
何故、今まで気づかなかったのか?
…いや、きっと、気付くべきではなかったのだろう
もし、気付いていたら、自覚していたら…自分は、「夢の国」に飲み込まれていただろうから
何故、今まで気づかなかったのか?
…いや、きっと、気付くべきではなかったのだろう
もし、気付いていたら、自覚していたら…自分は、「夢の国」に飲み込まれていただろうから
三人は、理解した
この黒服は、「組織」の黒服であると同時に…「夢の国」の黒服であるのだと
この黒服は、「組織」の黒服であると同時に…「夢の国」の黒服であるのだと
かつて、人間であった頃
彼は「夢の国の地下トンネル」と「夢の国の地下カジノ」と契約していた
そんな彼の前に、正気を失った「夢の国」が現れる
彼は「夢の国の地下トンネル」と「夢の国の地下カジノ」と契約していた
そんな彼の前に、正気を失った「夢の国」が現れる
彼は、「夢の国」を正気に戻そうとした
元の「夢の国」に戻そうとした
「夢の国」に飲み込まれようとしていた少女を、助けようとして
…そして、失敗してしまった
元の「夢の国」に戻そうとした
「夢の国」に飲み込まれようとしていた少女を、助けようとして
…そして、失敗してしまった
二つの「夢の国」関連の都市伝説と契約していた彼
そのまま死亡しては、「夢の国」に飲み込まれる危険性があった
…「夢の国の黒服」になってしまうところだった
しかし、「夢の国の地下カジノ」が彼との契約を解除した事により、「夢の国」とのつながりが一つ、なくなって
…彼は、「夢の国の黒服」にはならずにすんだ
代わりに、彼は「組織」の黒服へと変わり果てたのだ
そのまま死亡しては、「夢の国」に飲み込まれる危険性があった
…「夢の国の黒服」になってしまうところだった
しかし、「夢の国の地下カジノ」が彼との契約を解除した事により、「夢の国」とのつながりが一つ、なくなって
…彼は、「夢の国の黒服」にはならずにすんだ
代わりに、彼は「組織」の黒服へと変わり果てたのだ
だが、一度は「夢の国の黒服」になりかけた
そのせいで、彼は完全な「組織」の黒服ではなかった
「夢の国の黒服」が、半分混じっている
だから、「組織」の端末で行方を終えない
「組織」の完全な管理下におかれていなかったのだ
だからこそ…今まで、裏切り行為に近い行為を行っても、消されずにすみ続けた
そのせいで、彼は完全な「組織」の黒服ではなかった
「夢の国の黒服」が、半分混じっている
だから、「組織」の端末で行方を終えない
「組織」の完全な管理下におかれていなかったのだ
だからこそ…今まで、裏切り行為に近い行為を行っても、消されずにすみ続けた
もし
契約前に、その事実を自覚しては…彼は、「夢の国の黒服」へと、完全に変化してしまっただろう
それほどまでに、かつての彼は、「夢の国」との関わりが深かったから
契約前に、その事実を自覚しては…彼は、「夢の国の黒服」へと、完全に変化してしまっただろう
それほどまでに、かつての彼は、「夢の国」との関わりが深かったから
しかし
彼は、契約してその事実に気付いた
だから、「夢の国」に飲み込まれはしない
今の彼は、二つの都市伝説が混ざり合った、非常に奇妙で、稀有な存在
「組織」の黒服であると同時に、「夢の国の黒服」と言う…非常に特殊な存在になっていた
彼は、契約してその事実に気付いた
だから、「夢の国」に飲み込まれはしない
今の彼は、二つの都市伝説が混ざり合った、非常に奇妙で、稀有な存在
「組織」の黒服であると同時に、「夢の国の黒服」と言う…非常に特殊な存在になっていた
「二人とも、大丈夫ですか?」
「問題ないわよ」
「あぁ、俺もだ」
「問題ないわよ」
「あぁ、俺もだ」
…若干、青年の方は顔色が悪いが…
どうやら、大丈夫そうである
改めて、ほっとした
どうやら、大丈夫そうである
改めて、ほっとした
「すみません…私のせいで、あなたたちに、危険なリスクを背負わせてしまって」
「謝る必要なんてないわよ。私たちがしたくて、あなたと契約したんだから」
「謝る必要なんてないわよ。私たちがしたくて、あなたと契約したんだから」
照れ隠しするようにそっぽを向きながら、少女はそう言う
あぁ、と青年も頷く
あぁ、と青年も頷く
「これで、お前を少しでも危険から遠ざけられるなら、問題ねぇよ」
にんまりと
嬉しそうに、青年は笑ってきた
嬉しそうに、青年は笑ってきた
「これで、俺たちは運命共同体だろ?」
「…そう、言うのでしょうかね?」
「…そう、言うのでしょうかね?」
苦笑する
これも、契約の効果なのだろうか
幾分か残っていた疲労が、少し消えている
…これならば、明日、Tさんの力になれそうだ
これも、契約の効果なのだろうか
幾分か残っていた疲労が、少し消えている
…これならば、明日、Tさんの力になれそうだ
「…ありがとうございます」
サングラスを外した状態のまま…黒服はやんわり笑って、二人に礼を述べたのだった