かしゃり
甲冑の音が鳴り響く
夜の墓場というものは一種独特の、人を寄せ付けぬ雰囲気と言うものがあるのだが…
その若武者は、そんなものは気にした様子もなく、キャリアウーマン風の女性を引き連れ、歩いていた
かしゃり、かしゃり
若武者が歩くたびに甲冑の音が鳴り響き、この空間の雰囲気を、ますます不気味なものへとかえる
甲冑の音が鳴り響く
夜の墓場というものは一種独特の、人を寄せ付けぬ雰囲気と言うものがあるのだが…
その若武者は、そんなものは気にした様子もなく、キャリアウーマン風の女性を引き連れ、歩いていた
かしゃり、かしゃり
若武者が歩くたびに甲冑の音が鳴り響き、この空間の雰囲気を、ますます不気味なものへとかえる
…かしゃりっ
若武者が、足を止めた
「……居るか?盟主よ」
虚空に向かって、若武者は声をかける
返事は、帰ってはこずに
…代わりに
返事は、帰ってはこずに
…代わりに
【♪~ 裂けた胸の傷口に 溢れ流れる PAIN In tha dark ~♪】
キャリアウーマン風の女性の携帯に、着信が入った
女性はすぐに携帯をスーツの内ポケットから取り出し、応対する
女性はすぐに携帯をスーツの内ポケットから取り出し、応対する
「はい…………将門様、お電話ですわ」
「あぁ」
「あぁ」
女性は、若武者……将門に、携帯を手渡す
『何か、ご用でしょうか?』
携帯から聞こえてきた声は、落ち着いた女性のもの
ニヤリ、将門は笑みを浮かべた
ニヤリ、将門は笑みを浮かべた
「…くくくっ、用がなければ呼び出しはせぬわ」
『まぁ……そうですけれども』
『まぁ……そうですけれども』
やや、途惑ったような様子の声
…何故、わざわざ、将門から出向いて接触を図ってきたのか?
その意図を、察しかねているようだ
電話から聞こえる女性の声には、警戒の色が混じっている
…何故、わざわざ、将門から出向いて接触を図ってきたのか?
その意図を、察しかねているようだ
電話から聞こえる女性の声には、警戒の色が混じっている
「まぁ、そう警戒する事はなかろう?「夢の国」との戦い、「怪奇同盟」も活躍したそうではないか。お前たちの結界のお陰で、一般の連中に戦う姿を見せずにすんだわ」
『それは良いのですが……所構わず、雷を落とすのはやめてくださいね』
「くっくくくくく!大地を揺らした訳ではないのだ、別に良かろう?」
『それは良いのですが……所構わず、雷を落とすのはやめてくださいね』
「くっくくくくく!大地を揺らした訳ではないのだ、別に良かろう?」
…まったく、と
受話器の向こうから聞こえてきたのは、小さなため息
受話器の向こうから聞こえてきたのは、小さなため息
『…それで、本題は?』
「あぁ、それだが……お前たちは、「組織」とは敵対しているか?」
「あぁ、それだが……お前たちは、「組織」とは敵対しているか?」
…遠まわしに聞くのではなく、直球で、そう将門は「怪奇同盟」の盟主に、そう尋ねた
やや、沈黙した後
やや、沈黙した後
『…そうだったら、どうなさるのですか?』
返って来たのは、答えではなく、質問
「くくくくっ、「組織」と敵対しているかどうかで、今後、協力しあう事があるかどうかが決まるからなぁ?」
楽しげに、将門は笑う
…「組織」に対する祟りは、ある程度はなされている
しかし、いまだ「組織」がこちらを管理下におこうと、無駄な足掻きを続けているらしい事も、事実
……だからこそ、いつでもまた、祟りを実行できるように
また、こちらの配下たちを護る為にも、味方は多い方がいい
…「組織」に対する祟りは、ある程度はなされている
しかし、いまだ「組織」がこちらを管理下におこうと、無駄な足掻きを続けているらしい事も、事実
……だからこそ、いつでもまた、祟りを実行できるように
また、こちらの配下たちを護る為にも、味方は多い方がいい
…己の元にやってきた者の中には、戦う術を持たぬ者とて、大勢いるのだ
「組織」からの保護を訴えてきた者とて、少なくはない
だからこそ、力を、味方を、増やす事が必要なのだ
「組織」からの保護を訴えてきた者とて、少なくはない
だからこそ、力を、味方を、増やす事が必要なのだ
沈黙が続く
ややあって、「怪奇同盟」の盟主は静かに答えてきた
ややあって、「怪奇同盟」の盟主は静かに答えてきた
『…私たちの役目は、人に害なす都市伝説と戦う方がに、情報を提供する事。人に害なす都市伝説を、監視する事……「組織」と積極的に敵対しあう理由はありませんが。仲良くできる存在では、ないでしょうね』
今回が、特別なのだ
「夢の国」と言う、あまりに大きすぎる存在
それとの戦いがあったからこそ、手を組むはずなどない「組織」「怪奇同盟」「首塚」の三つが協力しあった
この状況が、終われば、また、以前のような状態に戻るだけだ
「夢の国」と言う、あまりに大きすぎる存在
それとの戦いがあったからこそ、手を組むはずなどない「組織」「怪奇同盟」「首塚」の三つが協力しあった
この状況が、終われば、また、以前のような状態に戻るだけだ
「ふむ、そうか……ならば、「組織」と敵対する事になったならば、この「首塚」が手を貸そうぞ。貴様等が我等に害をなさない限り、その約束は護る」
『…約束、ですか』
「あぁ、そうだ。我は約束は破らんぞぉ?」
「そうよぉ、将門様は、約束は破らないわぁ」
『…約束、ですか』
「あぁ、そうだ。我は約束は破らんぞぉ?」
「そうよぉ、将門様は、約束は破らないわぁ」
傍で話を聞いていたキャリアウーマンも、くすくす微笑み、将門の言葉に続く
どこまでが本気なのか?
そう尋ねられたならば、こう答えよう
全てが本気であり、本音であると
どこまでが本気なのか?
そう尋ねられたならば、こう答えよう
全てが本気であり、本音であると
「組織」と敵対するならば、自分たちは手を貸す
それは、相手がこちらに害をなさない限り、永遠に続こう
それは、相手がこちらに害をなさない限り、永遠に続こう
それが、今の「首塚」の在り方だ
『……あなたも、大分、思考が落ち着かれたのですね』
「くっかかかかかかかかか!!長く存在しすぎたからな、我は。やれ祟り神だの英雄だの、人間共は好き勝手に我の事を噂する。その結果が、これよ」
「くっかかかかかかかかか!!長く存在しすぎたからな、我は。やれ祟り神だの英雄だの、人間共は好き勝手に我の事を噂する。その結果が、これよ」
はたして、彼は祟り神か?
それとも、英雄の幽霊か?
それとも、英雄の幽霊か?
…それは、もう、誰にもわからない
ただ、「首塚」に付属する呪いの、祟りの噂が、将門に力を与え続けている
ただ、それだけなのだ
ただ、「首塚」に付属する呪いの、祟りの噂が、将門に力を与え続けている
ただ、それだけなのだ
『…こちらとしても、貴方方とは敵対するつもりはありません………「首塚」が人々に害をなさないのであれば、私たちも、あなたたちとは敵対しません』
「うむ、わかった……まぁ、「首塚」の者と、言えど、我の信念に背く者が居たならば……それは、好きにしてもいいがなぁ?」
「うむ、わかった……まぁ、「首塚」の者と、言えど、我の信念に背く者が居たならば……それは、好きにしてもいいがなぁ?」
慈悲深いのか、薄情なのか
どうにもよくわからぬ言い草で、将門はそう言い切った
どうにもよくわからぬ言い草で、将門はそう言い切った
…最後に
酷く、酷く楽しげな顔をして、将門は「怪奇同盟」の盟主に告げる
酷く、酷く楽しげな顔をして、将門は「怪奇同盟」の盟主に告げる
「…我は、お前のように我を恐れぬ女は好きだ。我の嫁にでもなるか?」
『……謹んでお断りさせていただきます』
「くっかかかかかかかかかか!!そうか、残念だなぁ?」
『……謹んでお断りさせていただきます』
「くっかかかかかかかかかか!!そうか、残念だなぁ?」
くっくっく、と将門は笑って、携帯をキャリアウーマンに返す
通話を切り…キャリアウーマンは、少々拗ねた表情を浮かべる
通話を切り…キャリアウーマンは、少々拗ねた表情を浮かべる
「…将門様ったらぁ、私と言う者がいながら、まだ、妻を求めますのぉ?」
「む?……あぁ、しまった。嫁が嫌なら愛妾がいいか、と聞き忘れたな」
「む?……あぁ、しまった。嫁が嫌なら愛妾がいいか、と聞き忘れたな」
問題点はそこではない
キャリアウーマンの背後に浮かぶ生首はそう思ったが、口に出さない
この祟り神は、どうにも時代の感覚がズレたままだ
キャリアウーマンの背後に浮かぶ生首はそう思ったが、口に出さない
この祟り神は、どうにも時代の感覚がズレたままだ
「…では、「首塚」に戻るぞ。宴会への招待状を送らなければならんからな」
「はい、では、彼女を呼びますね」
「はい、では、彼女を呼びますね」
キャリアウーマンは携帯を弄り、「フィラデルフィア計画」を呼びよせる
…数秒後、その場に鉄の箱が現れ……若武者たちは、墓場の前から、姿を消したのだった
…数秒後、その場に鉄の箱が現れ……若武者たちは、墓場の前から、姿を消したのだった
to be … ?