「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-35

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 かしゃり
 甲冑の音が鳴り響く
 夜の墓場というものは一種独特の、人を寄せ付けぬ雰囲気と言うものがあるのだが…
 その若武者は、そんなものは気にした様子もなく、キャリアウーマン風の女性を引き連れ、歩いていた
 かしゃり、かしゃり
 若武者が歩くたびに甲冑の音が鳴り響き、この空間の雰囲気を、ますます不気味なものへとかえる

 …かしゃりっ

 若武者が、足を止めた

「……居るか?盟主よ」

 虚空に向かって、若武者は声をかける
 返事は、帰ってはこずに
 …代わりに

【♪~ 裂けた胸の傷口に 溢れ流れる PAIN In tha dark ~♪】

 キャリアウーマン風の女性の携帯に、着信が入った
 女性はすぐに携帯をスーツの内ポケットから取り出し、応対する

「はい…………将門様、お電話ですわ」
「あぁ」

 女性は、若武者……将門に、携帯を手渡す

『何か、ご用でしょうか?』

 携帯から聞こえてきた声は、落ち着いた女性のもの
 ニヤリ、将門は笑みを浮かべた

「…くくくっ、用がなければ呼び出しはせぬわ」
『まぁ……そうですけれども』

 やや、途惑ったような様子の声
 …何故、わざわざ、将門から出向いて接触を図ってきたのか?
 その意図を、察しかねているようだ
 電話から聞こえる女性の声には、警戒の色が混じっている

「まぁ、そう警戒する事はなかろう?「夢の国」との戦い、「怪奇同盟」も活躍したそうではないか。お前たちの結界のお陰で、一般の連中に戦う姿を見せずにすんだわ」
『それは良いのですが……所構わず、雷を落とすのはやめてくださいね』
「くっくくくくく!大地を揺らした訳ではないのだ、別に良かろう?」

 …まったく、と
 受話器の向こうから聞こえてきたのは、小さなため息

『…それで、本題は?』
「あぁ、それだが……お前たちは、「組織」とは敵対しているか?」

 …遠まわしに聞くのではなく、直球で、そう将門は「怪奇同盟」の盟主に、そう尋ねた
 やや、沈黙した後

『…そうだったら、どうなさるのですか?』

 返って来たのは、答えではなく、質問

「くくくくっ、「組織」と敵対しているかどうかで、今後、協力しあう事があるかどうかが決まるからなぁ?」

 楽しげに、将門は笑う
 …「組織」に対する祟りは、ある程度はなされている
 しかし、いまだ「組織」がこちらを管理下におこうと、無駄な足掻きを続けているらしい事も、事実
 ……だからこそ、いつでもまた、祟りを実行できるように
 また、こちらの配下たちを護る為にも、味方は多い方がいい

 …己の元にやってきた者の中には、戦う術を持たぬ者とて、大勢いるのだ
 「組織」からの保護を訴えてきた者とて、少なくはない
 だからこそ、力を、味方を、増やす事が必要なのだ

 沈黙が続く
 ややあって、「怪奇同盟」の盟主は静かに答えてきた

『…私たちの役目は、人に害なす都市伝説と戦う方がに、情報を提供する事。人に害なす都市伝説を、監視する事……「組織」と積極的に敵対しあう理由はありませんが。仲良くできる存在では、ないでしょうね』

 今回が、特別なのだ
 「夢の国」と言う、あまりに大きすぎる存在
 それとの戦いがあったからこそ、手を組むはずなどない「組織」「怪奇同盟」「首塚」の三つが協力しあった
 この状況が、終われば、また、以前のような状態に戻るだけだ

「ふむ、そうか……ならば、「組織」と敵対する事になったならば、この「首塚」が手を貸そうぞ。貴様等が我等に害をなさない限り、その約束は護る」
『…約束、ですか』
「あぁ、そうだ。我は約束は破らんぞぉ?」
「そうよぉ、将門様は、約束は破らないわぁ」

 傍で話を聞いていたキャリアウーマンも、くすくす微笑み、将門の言葉に続く
 どこまでが本気なのか?
 そう尋ねられたならば、こう答えよう
 全てが本気であり、本音であると

 「組織」と敵対するならば、自分たちは手を貸す
 それは、相手がこちらに害をなさない限り、永遠に続こう

 それが、今の「首塚」の在り方だ

『……あなたも、大分、思考が落ち着かれたのですね』
「くっかかかかかかかかか!!長く存在しすぎたからな、我は。やれ祟り神だの英雄だの、人間共は好き勝手に我の事を噂する。その結果が、これよ」

 はたして、彼は祟り神か?
 それとも、英雄の幽霊か?

 …それは、もう、誰にもわからない
 ただ、「首塚」に付属する呪いの、祟りの噂が、将門に力を与え続けている
 ただ、それだけなのだ

『…こちらとしても、貴方方とは敵対するつもりはありません………「首塚」が人々に害をなさないのであれば、私たちも、あなたたちとは敵対しません』
「うむ、わかった……まぁ、「首塚」の者と、言えど、我の信念に背く者が居たならば……それは、好きにしてもいいがなぁ?」

 慈悲深いのか、薄情なのか
 どうにもよくわからぬ言い草で、将門はそう言い切った

 …最後に
 酷く、酷く楽しげな顔をして、将門は「怪奇同盟」の盟主に告げる

「…我は、お前のように我を恐れぬ女は好きだ。我の嫁にでもなるか?」
『……謹んでお断りさせていただきます』
「くっかかかかかかかかかか!!そうか、残念だなぁ?」

 くっくっく、と将門は笑って、携帯をキャリアウーマンに返す
 通話を切り…キャリアウーマンは、少々拗ねた表情を浮かべる

「…将門様ったらぁ、私と言う者がいながら、まだ、妻を求めますのぉ?」
「む?……あぁ、しまった。嫁が嫌なら愛妾がいいか、と聞き忘れたな」

 問題点はそこではない
 キャリアウーマンの背後に浮かぶ生首はそう思ったが、口に出さない
 この祟り神は、どうにも時代の感覚がズレたままだ

「…では、「首塚」に戻るぞ。宴会への招待状を送らなければならんからな」
「はい、では、彼女を呼びますね」

 キャリアウーマンは携帯を弄り、「フィラデルフィア計画」を呼びよせる
 …数秒後、その場に鉄の箱が現れ……若武者たちは、墓場の前から、姿を消したのだった


to be … ?



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