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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-53

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「はい………で、場所は?……………南区の……うん」

 食後の、後片付け
 洗い終わった食器を拭きつつ、青年は何やら電話で誰かと会話していた
 …どうしたのだろうか?
 何気なく耳を傾ける少女だが、細部がよく聞こえない

「…なら、急いだ方がいいな……………りょーかいっ、今から向かう」

 通話を切った青年
 食器はもう全て片付け終わったようで、急いでキッチンから出てくる

「どこか行くの?」
「あぁ、ちょっとバイトで」

 ……バイト?
 さっきの電話の話か?

「すぐ片付けて戻るから。それまでに黒服が帰ってきたら、夕食、温めて出しておいてくれよ」
「えぇ、わかったわ」

 それじゃあ、と家を出て行った青年を見送る少女
 …こいつが帰ってくる前に黒服が帰ってきてくれればいいな、とこっそりと考えているのだった


 ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ
 何やら、建物を建設中のそこに響く無気味な笑い声
 びゅんびゅんと、それは飛び回る

『キャキャキャキャキャキャキャキャキャ!!!!』

 カン高い少女の声
 飛び回っているのは、それなりの大きさのアンティークドールだ
 美しいくるんくるんとした巻き毛の金髪がわさわさと動き、その愛らしいはずの顔は、不気味に歪んでいた

「ったく…!飛び回ってんじゃねぇよ!!」

 そのアンティークドールの攻撃をかわす青年
 急に入ったアルバイト
 …「都市伝説退治」のアルバイトである
 「組織」などの、一部組織からの仕事とはまた別に、そう言う仕事は存在するのだ
 その手の組織等とは関係なく、「都市伝説」の存在を知り、その被害を受けている人物から依頼を受けて、その都市伝説を倒す
 大抵、そう言う依頼を持ってくるのは金持ちが多く、めったに来ない仕事ではあるが、稼ぎのいい仕事だ
 本日の相手は、呪われた人形
 あの飛び回っているアンティークドールだ
 どうにも、手に入れた相手に呪いをかけるタイプのようだ
 呪われた人形系統の都市伝説だろう
 …あぁいう奴は、大抵ぶっ壊せば呪いは解ける

『きゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!!!』

 笑いながら飛び回り続けるアンティークドール
 ぎらり、その両手に無数のナイフを持ち、青年に襲い掛かってくる!

「っの……!」

 壁に立てかけられていた鉄パイプに手を伸ばす青年
 その一本を無造作に掴み、じゅう…と、能力で熱する
 けたけた、飛び回り続ける人形
 動きが速すぎて、いつもの能力で熱する事ができない

 …だから、よく狙え
 タイミングを見計らって……

 …っひゅん!と
 熱した鉄パイプを投げつける青年

『きゃきゃっ!?』

 ーーーーごすっ!!と 
 鉄パイプは、人形を貫いた
 ざんっ!!と、そのまま壁に縫い付けられる人形
 じゅうぅううう…と、熱された鉄パイプの熱が、人形を苦しめる

「…捕まえた!」
『きゃきゃきゃ……っ!』
「観念しやがれ」

 がしり
 その人形の顔を掴む
 じゅううううううううううっ、と焼けていく人形
 絶叫が響き渡る
 大きめとは言え、人形だ、大きさはたかが知れている
 アンティークドールはあっさりと焼き尽くされて……そして、初めから何もなかったかのように、消えうせた

 …数秒後、青年の携帯に電話がかかってくる

「はいよ……お、元にもどったのか………うん、良かった」

 依頼主からの報告を聞いて、ほっとする青年
 あの人形に呪われていたのは、子供だ
 呪いのせいで苦しんでいたようだが…青年が人形に攻撃を加えている間に、呪いは解けたらしかった
 危ない状態になっていたのが、持ち直したそうだ
 …子供の犠牲が出ずにすんだ
 その事実にほっとする

「はい、それじゃあ、振込みはその口座に…………はい、それじゃあ」

 ……よし
 これで、今回の仕事は終了だ
 大して苦戦する相手じゃなくて良かった

「…さて、と。とっとと帰るか」

 黒服は、もう帰っているだろうか?
 そんな事を考えつつ、青年はこの場を離れようとして…

「…………」

 ぴたり
 足を止めた
 かすかに感じる気配

「…誰だ?」

 あまり、友好的な気配ではない
 青年は、警戒して辺りを見回す
 建設途中の建物、身を隠す場所はいくらでもある
 どこだ?どこにいる?
 気配を探り、いつでも攻撃できるよう、腰から下げているチェーンに手を伸ばそうとした…その時

 ざわり
 背中を駆け抜けた悪寒
 現れた気配に視線をやると、そこにいたのは、黒尽くめの……ガスマスクの、男

「マッドガッサー!?」

 以前、戦った事のある都市伝説
 しかし、それとは別の個体
 ……まさか、以前黒服を女に変えたマッドガッサーか!?
 ぶしゅううっ!と発射された、ピンク色のガス
 気づくのが、遅れた
 ---対処しきれない!?

「---っ!?」

 思い切り、ガスを吸い込んでしまった
 ぐらり、内部に生まれる熱
 体が、一瞬重くなったような錯覚を覚える

「っし!!やった!いまだ!」
「任せとき!!」

 マッドガッサーの背後から現れたのは、若い女性
 明るい茶色のポニーテールを揺らし、ハリセンを構え…ガスが薄れていく中に、突っ込もうとする
 …しかし

 ------がすっ!!と

 女性とマッドガッサーの間を…一本の鉄パイプが、通り抜けていった
 勢いよく投げられたであろうそれは、壁に突き刺さり大きな音を立てる

「………」
「………」

 …恐る恐る
 2人は、自分たちの間を通り抜けていった鉄パイプを見つめた
 熱されたのか、真っ赤になっている鉄パイプ
 ……一歩間違ったら、自分たちに刺さっていた
 続けて、2人はその薄れていったガスの中心を……見つめた

「…やってくれんじゃねぇか」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 激しい殺意
 そこには、青年が……否、元青年が立っていた
 大きすぎず、小さすぎず膨らんだ胸、若干小柄になった体格
 美しい、というよりは、可愛らしいという印象の若い女性の姿が、そこにあった
 間違いなく、「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者が、女性になってしまった姿である

「…な、何かヤバそうやで?」
「ぐ……せ、戦略的撤退だ!!」
「待ちやがれ!!」

 逃がすか!
 ボコして、元に戻る方法を吐かせてやる!!
 いや、黒服からユニコーンの角の粉末をもらえばすむ話だが…迷惑はかけたくない
 自分の油断で、こうなってしまったのだ
 自分であいつぼボコして、元に戻る方法を聞き出す!
 逃げ出す二人を追いかける元青年
 しかし…逃げ足が早い
 ちょろちょろと動き回り、あっと言う間に建物の外に逃げてしまった
 逃がしてたまるか!!
 彼も、それを追いかけて外に飛び出し

「--っうわ!?」
「…っと」

 ぼすんっ!
 誰かにぶつかった
 顔をあげて…青年は、驚く

「え、あ……黒服!?」
「!あなたですか…」

 …何故、黒服がここに!?
 女性になってしまった姿を見られて、青年は慌てる
 ……黒服には、見られたくなかったと言うのに!

「っマッドガッサー!あいつがここから出て行ったはずなんだが!」
「いえ…見ていません。どうやら仲間がいるようですので、そちらの協力を得て逃亡したのかもしれません……大丈夫ですか?どこにも、怪我はありませんか?体調に異変は?」

 元青年を気遣い、心配そうにそう言ってくる黒服
 う……と、元青年は押し黙る
 また、黒服に心配をかけてしまうとは

「大丈夫だよ、女になっちまった以外は、何も問題ない」
「…なら、良いのですが……少し待ってください、今、ユニコーンの角の粉末を出しますから」

 そう言って、ジェラルミン製の鞄を開ける黒服
 かちゃり、粉末の入った小さな瓶を、黒服は取り出し…


 ------ひゅんっ!!と
 何かが、黒服の目の前を、駆け抜けた


「っ!?」
「黒服っ!?」

 それに半ば吹き飛ばされる状態になった黒服の体を、慌てて支える青年
 …黒服の手にあった、ユニコーンの角の粉末が入った瓶が………ない!?

「ひ~~~~っひっひっひっひっひっひっひ!!」

 夜空に響き渡る笑い声
 月の前に現れる、不気味な影

「ひっひっひっひっひ!!そう簡単には戻させないよぉ!!」

 それは、箒にまたがる魔女だった
 黒服が持っていた小さな瓶を奪い、それは高らかと笑っている

「…返していただきますよ」

 すちゃり
 スーツの内側から、銃を取り出す黒服
 元青年も能力を発動しようと、魔女を睨みつけ…

「ひっひっひ!ざぁあああんねんでしたぁ!魔女はぁ、奪い取ったものはぜぇったい返しませぇん!!」

 笑いながら、杖を振った魔女
 その直後

「---っ!?」
「黒服っ!」

 突然、激通を覚えたようにうずくまった黒服
 元青年は、魔女から視線をそらして黒服を支えようとする

「…ッ駄目、です、あの魔女を、逃がしては…」
「ひ~~~~~~~っひっひっひっひっひぃ!!」

 無気味に響く笑い声
 慌てて顔を揚げると、魔女の姿は最早空の彼方
 元青年の能力は、届かない
 …逃げられて、しまった

「っく、黒服、大丈夫か?」
「大丈夫、です……どうやら、あれは「魔女の一撃」だったようですね…」

 うめきながら、鞄からが間の油を取り出している黒服
 そして…申し訳無さそうに、元青年に謝る

「…申し訳ありません。先ほど奪われたのが、私が所持していた最後の「ユニコーンの角の粉末」です…」
「え……それじゃあ」
「…元に戻る手段が、今、我々の手元にはありません。至急、ツテを当たっては見ますが…」

 …黒服の表情から、見て
 恐らく、その望みは薄いのだろう
 ……恐る恐る、元青年は自分の体を見下ろす

 揺れる胸
 体格も、多分、ある程度女性らしくなってしまっている
 いや、胸さえ何とかすれば…晒しで巻くとかすれば、バイトの方は何とかなりそうではあるが
 しかし…体力が落ちているであろう事は、予測できる

「…いや、俺はいいんだ。「ユニコーンの角の粉末」が何とか手に入るまで待てばいいんだし…………ほっといても、時間経てば戻るかもしれないし」
「ですが…」
「……御免、俺のミスで。お前をそんな状態にさせて」

 しゅんとする元青年
 自分のミスのせいで、自分は女性の姿になってしまって
 …そして、黒服は、すぐに回復するとは言え、攻撃を受けてしまって

「……私は問題ありませんよ。それよりも、今は、ご自分のことを考えてください」

 蝦蟇の油で復活し、起き上がった黒服
 気遣うように、元青年の頭を撫でる
 うー、と納得いかないと言うか…自分を、許せない元青年
 だが、後悔しても仕方がない
 今の問題は…これから、どうしていくか
 ただ、それだけなのだ




 to be … ?





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