はやてのごとく!~at the doll's theater~(後編) ◆IEYD9V7.46
ドサっという音が耳に届き、急な衝撃を受けた身体が悲鳴を上げる。
痛みを感じつつも、車椅子が倒れなくて良かったと思う。
周りを見渡すと、人工的に作られた建物の中だった。
暗く、無機質な空間が広がり、軽く見ただけでも、相当頑丈な作りであることが分かった。
「……う~ん」
微かに聞こえた声はトマ君のもの。気を失っているようだけど、命に別状はなさそうだ。
私の身体にも、目立った外傷はない。
気分はまだ相当悪いし、車椅子の持ち手がいくらかひしゃげてしまったけど。
どうやら、最後にとった手段はうまくいったみたいだ。
痛みを感じつつも、車椅子が倒れなくて良かったと思う。
周りを見渡すと、人工的に作られた建物の中だった。
暗く、無機質な空間が広がり、軽く見ただけでも、相当頑丈な作りであることが分かった。
「……う~ん」
微かに聞こえた声はトマ君のもの。気を失っているようだけど、命に別状はなさそうだ。
私の身体にも、目立った外傷はない。
気分はまだ相当悪いし、車椅子の持ち手がいくらかひしゃげてしまったけど。
どうやら、最後にとった手段はうまくいったみたいだ。
私、八神はやてとトマ君は生還した。
私たちを救ったのは一つの声。
聞き間違いなんかじゃない。
あのとき、確かに声が聞こえた。
レンちゃんの――。
聞き間違いなんかじゃない。
あのとき、確かに声が聞こえた。
レンちゃんの――。
「武装錬金、っていう声が……」
手に持った六角形の金属に目を向ける。
これを私が発動させたということは……レンちゃんは間違いなく、死んでしまったということだ。
認めなくちゃいけない。
だけど、私はもう落ち込まない、立ち止まらない。
レンちゃんが三度も救ってくれたこの命を、無駄にするわけにはいかない。
これを私が発動させたということは……レンちゃんは間違いなく、死んでしまったということだ。
認めなくちゃいけない。
だけど、私はもう落ち込まない、立ち止まらない。
レンちゃんが三度も救ってくれたこの命を、無駄にするわけにはいかない。
「レンちゃん、私、決めたわ。レンちゃんが救ってくれた命に見合う人間になるって。
きっと、みんなでこのゲームを終わらせるから……天国で、見といてな……」
きっと、みんなでこのゲームを終わらせるから……天国で、見といてな……」
静かに目を閉じて、黙祷する。
そんな私の背中に。
そんな私の背中に。
『わっ!? アナタたち誰ですか!? どうやってこの中に!?
というか、何で私の探知に引っかからないんですか!?』
というか、何で私の探知に引っかからないんですか!?』
聞きなれない声が響く。声のする方向を向くと――。
「――アリサちゃん!?」
『じ、実は私呪いの杖なんです! 声を聴いただけで、なんかもうすごいことになってしまいますよ!
じわじわ効いて何年も尾を引く恐怖の呪いですよ~さっさと立ち去ったほうが身のため…………、
もしかして、アリサさんの知り合いですか?』
『じ、実は私呪いの杖なんです! 声を聴いただけで、なんかもうすごいことになってしまいますよ!
じわじわ効いて何年も尾を引く恐怖の呪いですよ~さっさと立ち去ったほうが身のため…………、
もしかして、アリサさんの知り合いですか?』
妙に言語能力に長けたデバイスは無視する。
気がかりなのは、傷や火傷を負って意識がないアリサちゃんのほうだ。
気がかりなのは、傷や火傷を負って意識がないアリサちゃんのほうだ。
「なぁ、アリサちゃんは大丈夫なん!?」
『えーと、はい。応急処置は済ませたので命に別状はないです』
『えーと、はい。応急処置は済ませたので命に別状はないです』
ほっと胸を撫で下ろす。
(生きてて良かった……)
ヘルメスドライブの効果は顔と名前を知っている人間のもとに転移すること。
転移先の人間が生きているかどうかまでは分からないし、
そもそも死んでしまった人を対象に転移できるのかも分からない。
だから、こうして自分の眼でアリサちゃんの姿を確認できたのはうれしかった。
私がアリサちゃんのもとに転移した理由は一つ。
アリサちゃんには戦う力がないからだ。
魔法が使えないアリサちゃんを、こんな島で放っておくわけにはいかなかった。
自分にどこまでできるのか分からないし、私だってレンちゃんやトマ君がいなかったら
どうなっていたか分からない。
それでも、何も出来なかったとしても、アリサちゃんの傍についていてあげたかった。
(生きてて良かった……)
ヘルメスドライブの効果は顔と名前を知っている人間のもとに転移すること。
転移先の人間が生きているかどうかまでは分からないし、
そもそも死んでしまった人を対象に転移できるのかも分からない。
だから、こうして自分の眼でアリサちゃんの姿を確認できたのはうれしかった。
私がアリサちゃんのもとに転移した理由は一つ。
アリサちゃんには戦う力がないからだ。
魔法が使えないアリサちゃんを、こんな島で放っておくわけにはいかなかった。
自分にどこまでできるのか分からないし、私だってレンちゃんやトマ君がいなかったら
どうなっていたか分からない。
それでも、何も出来なかったとしても、アリサちゃんの傍についていてあげたかった。
「どうやら、頼れる人がおったみたいやね。……ありがとうな、変なデバイス」
『私の名前はカレイドステッキですよ! それに私は愉快型魔術礼装です』
『私の名前はカレイドステッキですよ! それに私は愉快型魔術礼装です』
よく分からない単語はやっぱり無視。
ふと思い立ち、私は気絶したままのトマ君に近づく。
あのまま死ぬなら謝ろうと思っていた。
だけど、今は違う意思を伝えるべきだと考える。
謝罪ではなく、感謝の念を。
ふと思い立ち、私は気絶したままのトマ君に近づく。
あのまま死ぬなら謝ろうと思っていた。
だけど、今は違う意思を伝えるべきだと考える。
謝罪ではなく、感謝の念を。
「……ありがとうな、トマ君。目、覚めたらもう一回言うわ。……今はゆっくり休んで」
自然と、笑みがこぼれた。
そうだ。私はまだ笑える。また、笑える。
みんなが力をくれるから。助けてくれるから。
周りを見回せば、アリサちゃん、カレイドステッキ、レンちゃんの武装錬金とカード、トマ君。
そして……。
そうだ。私はまだ笑える。また、笑える。
みんなが力をくれるから。助けてくれるから。
周りを見回せば、アリサちゃん、カレイドステッキ、レンちゃんの武装錬金とカード、トマ君。
そして……。
「あんたも一応……ありがとうな……」
私はトマ君が持っていた人形を手に取り、背中のボタンを押してみた。
ポチッと。
ポチッと。
『お前たちには感謝している。この力こそ、求めていたもの。
そのすべてが私のもとへと集まったのだ。私に逆らえるものはもういるまい!』
そのすべてが私のもとへと集まったのだ。私に逆らえるものはもういるまい!』
お礼を言ったらお礼で返されて、少し驚いた。妙にリアルで憎たらしい顔をしているけど、
やっぱりただの人形だ。押したボタンによってセリフが変わるらしい。
適当にボタンを連打してみた。
やっぱりただの人形だ。押したボタンによってセリフが変わるらしい。
適当にボタンを連打してみた。
『私を止めてみせよ!』
『は! ふん! は!』
『全てを砕けぇぇ!』
『馬鹿な!?』
『くっ、うっ、わぁ!?』
『この世にこれ以上の力があるとは……?』
『――真の力をみせてやろう!』
『は! ふん! は!』
『全てを砕けぇぇ!』
『馬鹿な!?』
『くっ、うっ、わぁ!?』
『この世にこれ以上の力があるとは……?』
『――真の力をみせてやろう!』
…………。
(あかん……この人形おもろいかも。このセンス、才能あるわぁ……)
……レンちゃん、ごめん。
ちょっと元気になりすぎたかもしれない。
ちょっと元気になりすぎたかもしれない。
【H-5/シェルター/1日目/真昼】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:腹部に浅い切り傷、魔力消費(小)、強い決意
[装備]:メイド服(防弾仕様・腹部に裂け目)、車椅子(持ち手やフレームがひしゃげているが動作に問題なし)、カード×4@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(はやてとレン)、自分の服、首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ、ヘルメスドライブ@武装錬金(夕方以降まで使用不可)
アビシオン人形@ハズレセット
[思考・状況] :この人形トマ君に返さんとな……。
第一行動方針:トマとアリサの様子を見ながら休憩。
第二行動方針:ヘルメスドライブが使用可能になったらなのは、フェイト、ヴィータと合流したい。
第三行動方針:ヘンゼル、イリヤ、レックスを止める。
第四行動方針:脱出手段を練る。
第五行動方針:何かあったらカードを使用。
基本行動方針:ゲームからの脱出。
※闇の書事件の数週間後ほど後から参戦。リインフォースⅡは未完成な時期。
※首領パッチソードの説明は読んでいません。馬鹿らしくなったので。
【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:腹部に浅い切り傷、魔力消費(小)、強い決意
[装備]:メイド服(防弾仕様・腹部に裂け目)、車椅子(持ち手やフレームがひしゃげているが動作に問題なし)、カード×4@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式(はやてとレン)、自分の服、首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ、ヘルメスドライブ@武装錬金(夕方以降まで使用不可)
アビシオン人形@ハズレセット
[思考・状況] :この人形トマ君に返さんとな……。
第一行動方針:トマとアリサの様子を見ながら休憩。
第二行動方針:ヘルメスドライブが使用可能になったらなのは、フェイト、ヴィータと合流したい。
第三行動方針:ヘンゼル、イリヤ、レックスを止める。
第四行動方針:脱出手段を練る。
第五行動方針:何かあったらカードを使用。
基本行動方針:ゲームからの脱出。
※闇の書事件の数週間後ほど後から参戦。リインフォースⅡは未完成な時期。
※首領パッチソードの説明は読んでいません。馬鹿らしくなったので。
【トマ@魔法陣グルグル】
[状態]:気絶。アズュール使用による若干の疲労、体力消耗。頬に赤い平手打ちの跡
[装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ
[道具]:基本支給品、ハズレセット(割り箸鉄砲、便座カバーなど)
[思考]:気絶中。
第一行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。
第二行動方針:店を開くのに適した場所を探す。できればどこかの建物に腰を据えたい。
第三行動方針:情報と物を集め、『首輪の解除』『島からの脱出』の方法を考える。
第四行動方針:ジュジュの安否が気がかり。
第五行動方針:できれば『首輪』の現物を手に入れたいんだけど……無理かな?
第六行動方針:できれば、トリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。
基本行動方針:ニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。
[備考]:
ハズレセットのうち、豆腐セット、もずくセット、トイレの消臭剤、根性はちまきを使用しました。
割り箸鉄砲の輪ゴムは、まだ残りがあります。
[状態]:気絶。アズュール使用による若干の疲労、体力消耗。頬に赤い平手打ちの跡
[装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ
[道具]:基本支給品、ハズレセット(割り箸鉄砲、便座カバーなど)
[思考]:気絶中。
第一行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。
第二行動方針:店を開くのに適した場所を探す。できればどこかの建物に腰を据えたい。
第三行動方針:情報と物を集め、『首輪の解除』『島からの脱出』の方法を考える。
第四行動方針:ジュジュの安否が気がかり。
第五行動方針:できれば『首輪』の現物を手に入れたいんだけど……無理かな?
第六行動方針:できれば、トリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。
基本行動方針:ニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。
[備考]:
ハズレセットのうち、豆腐セット、もずくセット、トイレの消臭剤、根性はちまきを使用しました。
割り箸鉄砲の輪ゴムは、まだ残りがあります。
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲によるもの、軽度)、
背中から出血(切り傷、深い)
上記の怪我は全て応急処置済み
疲労、睡眠
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、マシカルアンバーミサイル×7@メルティブラッド
[服装]:ナース服
[思考]:睡眠
[状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲によるもの、軽度)、
背中から出血(切り傷、深い)
上記の怪我は全て応急処置済み
疲労、睡眠
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、マシカルアンバーミサイル×7@メルティブラッド
[服装]:ナース服
[思考]:睡眠
※レックスは、はやてとトマを殺したのでご褒美がもらえると思っています。
≪113:君と共に弾幕を(前編) | 時系列順に読む | 116:誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程≫ |
≪113:君と共に弾幕を(前編) | 投下順に読む | 115:少女が歩けば勇者にぶつかる≫ |
≪090:狩人と獲物(前編) | レックスの登場SSを読む | 131:それぞれの限界、それぞれの転向 (前編)≫ |
≪103:不思議の国のアリスゲーム | 雛苺の登場SSを読む | 131:それぞれの限界、それぞれの転向 (前編)≫ |
≪111:Muddy Blood | 八神はやての登場SSを読む | 126:拝啓、地獄の釜の底から≫ |
≪082:世の中捨てたものじゃないから | トマの登場SSを読む | 126:拝啓、地獄の釜の底から≫ |
≪054:Alisa in Wonderland | アリサの登場SSを読む | 126:拝啓、地獄の釜の底から≫ |