人外×人間でハァハァするスレ 51-100
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- 876. ヤンマとアカネ 3/4 2008/12/24(水) 14:39:41 ID:Y3kUpMuS
- 文字数制限に引っ掛かったので訂正。3/3ではなく、3/4です。
「ヤンマ」
茜は椅子に腰掛けているヤンマの下両足の上に跨ると、濡れた複眼に手を滑らせ、水滴を指に付けて口に含んだ。
「ん…。まだちょっと、アリの味がする」
「そうか?」
ヤンマは刃のような歯が生えた口を開き、進化と共に発達した細長い舌を伸ばし、茜の指先を舐め取った。
「こっちはヤンマの味」
ヤンマの舌が巻き付いた人差し指を銜え、茜は暖かな舌を彼の冷たい舌に這わせた。
「茜、それは」
神経に直接訪れる刺激にヤンマが戸惑うと、茜はちゅぽんと音を立てて口から彼の舌を抜いた。
「だって、ここぐらいしか感じてくれる場所がないんだもん。その辺だけ不便だよね、ヤンマって」
「仕方ないだろう。外骨格の触覚は薄いんだ」
ヤンマは舌を解いて口の中に引っ込め、茜の手に軽く噛み付いた。
「やだぁ、それくすぐったい」
茜が手を引っ込めようとしたので、ヤンマは顎の力を少し強めて薄い皮膚に食い込ませた。
「水、浴びるんだろ?」
ヤンマはもう一つのバケツを拾って茜の控えめな胸元に傾けると、生温い水をたっぷりと浴びせかけてやった。
茜は体温よりも少し冷たい水の重みに、僅かに身を固くした。透き通った水はTシャツに吸い込まれ、ジーンズにも染み込んだ。
腹部と背を伝った水の流れは太股を辿り、股間に流れていき、小水を漏らしたかのように二人の真下に滴り落ちていった。
それを見た茜は赤面し、目を伏せた。水の感触に反応したのか、胸の小さな突起は硬く膨らみ、その存在感を示していた。
「やらしいことしないでよ。…虫のくせに」
「その虫に、毎度毎度欲情してんのはどこの誰だよ」
ヤンマは折り畳んでいた両中足を茜の裸の腰に回したが、三本の鉤爪を薄い肌に引っかけないように外側に曲げた。
手加減が出来なかった頃は度々爪先を引っかけてしまい、茜の肌にいくつものミミズ腫れを作ってしまった苦い経験がある。
ぐいっと両中足を曲げて茜の体を引き寄せ、密着させる。はあ、と熱い吐息がヤンマの触覚に掛かり、乳房が潰れされた。
Tシャツに染み込んでいた水が押されて流れ、新たな水滴がヤンマの胸に伝う。ヤンマは右上足を使い、透けた服を捲った。 - 877. ヤンマとアカネ 4/4 2008/12/24(水) 14:41:11 ID:Y3kUpMuS
- 「そりゃ、そうだけどさぁ…」
抵抗せずに上体を反らした茜は、ヤンマの前に膨らみかけの乳房を露わにした。
「下、脱がすぞ」
ヤンマは右上足の爪先と左上足の爪先で器用にジーンズのボタンを外すと、一気に下着ごと引き摺り降ろした。
「やだもうスケベぇ!」
薄膜のように水気を含んだ服を剥がされた茜は、腕よりも多少色の白い尻と太股が光の下に曝された。
「服に穴開けて突っ込んだら文句言っただろうが」
ヤンマは椅子の下をくぐらせて細長い腹部を持ち上げると、生殖器官を伸ばし、茜の生殖器官に触れた。
「ん、ふぁ、あぁ…」
先程の荒々しい狩りの様子とは打って変わった優しい愛撫に、茜は吐息を弾ませ、ヤンマの胸部に縋り付いた。
鋭利なはずの生殖器官で、柔らかく撫でてくる。肌を破らないように、切り裂かないように、慈しみすら込められている。
荒々しく狩りを行う彼も素敵だが、ひたすら優しい彼も好きだ。浅く入り口を探りはするが、すぐに奥へは入れてこなかった。
まだ、茜の潤いが足りないのだと判断したのだろう。気を遣わなくても良いのに、とは思うが、嬉しいから言わなかった。
茜の反応を窺いながら、先細りの生殖器官の先端を動かしていたヤンマは、熱く潤い始めた茜の割れ目の前を突いた。
「あくぅっ!」
充血した肉の芽を弾かれ、茜の下半身に痺れそうなほど強烈な甘い感覚が駆け抜けた。
「もういいだろ、入れるぞ」
ヤンマが低く囁くと、茜は目を潤ませながら頷いた。
「うん…入れてぇ…」
じゅぶ、と粘ついた水音が聞こえ、ヤンマの生殖器官の先端が茜の中に没し、水とは違う熱い液体が伝い落ちてきた。
「ちゃんと、奥までぇ」
茜が掠れた声を零すと、ヤンマは腹部を曲げ、ずぶずぶと生殖器官を彼女の中へと押し込んだ。
「俺もその方が好きだ。お前の中は、熱いからな」
「ヤンマぁ、好きぃ、愛してるぅ!」
茜はヤンマの頭部を抱き締めると、エメラルドグリーンの複眼に何度となくキスを落とした。
「本当に、喰わなくて良かったぜ」
目の前に押し付けられて歪んだ乳房に、黄色い舌を絡み付ける。硬くなった先端をにゅるりと撫でると、反応が増した。
熱に浮かされたように腰を動かす茜に合わせ、ヤンマも腹部を動かしてやり、彼女が求めて止まない快感を与えてやる。
すると、茜の中に差し込んでいる生殖器官が締め付けられた。と、同時に茜は軽く痙攣し、ヤンマに体重を預けてきた。
どうやら、達したらしい。ヤンマの胸に頭を預けてとろりと弛緩している茜の表情を見たヤンマは、生殖器官を引き抜いた。
生き物としての構造が違うため、ヤンマは達することが出来ない。というより、達してしまったら本当に命取りだからだ。
人間大に進化しても、昆虫は繁殖のために生殖行為を行う。生態系はメスが主体であり、オスは遺伝子を運ぶための器だ。
だから、生殖行為を終えたオスは間もなく一生を終えてしまい、メスの栄養源として捕食される以外の運命はないのだ。
非常に惜しいことだが、生きるためだ。そうは思っていても、陶酔しきった茜を見ていると、達したい気持ちになってしまう。
だが、死んでしまえば茜を守ってやることも愛することも出来なくなるので、ヤンマは生存本能と同等の欲求を抑え込んだ。
いつのまにか、腹部の精子嚢から生殖器官まで移動していた精子を再び精子嚢に戻し、ヤンマは生温い疲労に身を任せた。
体の上では、満足した茜が愛おしげにヤンマの名を呼んでいた。 - 878. 859 2008/12/24(水) 14:44:11 ID:Y3kUpMuS
- 今日はこれで精一杯。
これで少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
自サイトでも色々書いているけど、エロスに突っ走れないので発散出来て楽しかったw - 879. 名無しさん@ピンキー 2008/12/24(水) 18:58:29 ID:lZKcD/Tm
- 1日早いサンタさんが…!
昆虫と女の子はいいものだ、ミミズばれのくだりには本当に悶えた。
サイトがめちゃくちゃ気になる…のですが何かヒント等はありませんか? - 880. 名無しさん@ピンキー 2008/12/24(水) 21:25:58 ID:Nzk15s3d
- ヤンマかわいいよヤンマ
服がサンタさんになるくらい鼻血吹かせてもらいました。 - 881. 859 2008/12/24(水) 22:38:10 ID:Y3kUpMuS
- >879
オンノベの片隅で、異種族恋愛ばかりを細々と書いております。
鋼鉄男(要英訳)でぐぐれば出てきますが、移転しているのでURLを削ってからどうぞ。 - 882. 名無しさん@ピンキー 2008/12/25(木) 00:30:46 ID:Ep1rt/36
- サンタさんって本当にいるんだなぁ…
昆虫人間非常にもゆる!性質とかさらっと書いてるけど、それがリアルですごく良い
ところで海の悪魔さんにはどこの海に行けば会えますか?とりあえず供物になりたい - 883. 虫さんと女の子 2008/12/25(木) 02:28:59 ID:jmc+Y4cx
- 絵板の虫とおにゃのこに激しく萌えたのでクリスマスな小ネタ
「あったけー……人間ってホント羨ましい……」
甘えてくる猫のようにすりすりと擦り寄る私の恋人。
私の手を握る手があまりにも冷たく、びっくりして小さく「うわ」と声を上げる。
「手袋、買ったら?」
「手袋なんて買ったら、お前にもう二度と手を温めてもらえないだろ」
こんなこっ恥ずかしい台詞を素面で言うこの男、先の言葉からわかる通り、普通の人間ではない。
私も詳しくは知らないが、昆虫に限りなく近い人型の種族だそうだ。
黒いダイヤモンドみたいな眼がじっと私を見ている。
それと恥ずかしい台詞とのコンボ攻撃でつい視線を逸らしてしまう。
「そんな恥ずかしいこと、言わないでよ……」
「え、何で?」
「何でって……こっちが照れるからでしょ!」
きょとんと私を見る顔が可愛いな、……なんて思わないようにしている。
もしかしたらわかっててからかっているのかもしれない。元の生物の性質上、表情がないので何を考えているのかわからないから。
付き合い始めの頃はよくからかわれ、恥ずかしい思いをしたものだ。
「よくわからんが……まあとにかく、お前は温くてホントに最高だよ。
ま、それしかいいところないし」
「……私の魅力はそれだけなんかい!」
思わずツッコミの平手打ちを彼の眉間の辺りに入れた。
……友人らから漫才夫婦と呼ばれ、茶化されるのは私がツッコミを入れるから。
「馬鹿、そんな訳ないだろ?
この柔らかい肌やさらさらの髪、あんなところやそんなところも好きに決まってるじゃないか!」
「ち、ちょっと!こんな大声で!恥ずかしいよ!」
そして、彼がフォロー(?)を入れるので友人らからはバカップルと呼ばれ、呆れられる。
彼の顔を見るとひょこひょこ触角が揺れ、目がほんの少しだけ細められている。
笑っている。
「もう!わざとでしょ!」
「ははは……げ、雪だ」
怒る私を無視し、彼は暗く閉鎖的な空を見つめる。
ふわふわと落ちてくる白いものが見えた。 - 884. 虫さんと女の子 2008/12/25(木) 02:30:53 ID:jmc+Y4cx
- 「あー、今日寒いから……。積もるかもね」
さっきのお返しにちょっと意地悪に言ってみるが、彼は何も言って来ない。
不審に思って顔を見上げると、本来ならないはずの瞼が閉じかかっていた。
うつらうつらと頭が揺れ、今にも眠たそうだ。
今思い出したが彼はとても寒さに弱く、ある一定の温度になると急激に眠くなるんだそうだ。彼いわく動物の冬眠と同じらしい。
もっとも普通の冬眠と違い、一日の内半日寝るだけでいいらしい。昆虫人間の事情はよくわからないが。
最初見た時ぴくりとも動かないから死んでしまったのかと思い、揺すりながらわんわん泣いてしまった。
……ちなみにいまだにそのことが笑い話になったりする。
「ちょっと!?こんなところで寝ないでよ?」
「ああ……と言いたいが……、ごめ、も……無理……」
そう言って完全に瞼が閉じるのと、彼が私に体を預けたのはほぼ同時だった。
ずしりと彼の体重がかかり、足がふらつく。
私が倒れたら誰も私たちを助けてくれないだろうし、
何より真冬の公園でそのほら、えっと……勤しむカップルと間違えられかねない。
何とか根性で彼の重たい体をベンチまで引きずり、優しく座らせた。
「全くもう……」
人の苦労も知らずぐーぐー眠る彼に悪戯でもしてやろうかと考え、止めた。
覚醒した時にお返しされるのが目に見えたから。
ため息一つついて隣に座った。
じっと彼のほうを見ていると、彼の触角が寒そうにぴくぴく震えているのに気付いた。
私は慌てて彼の手を握りしめ、息を吹き掛けて温める。
やっぱり手袋は必要なんじゃ、と考えて彼の嬉いような恥ずかしいような妙なこだわりを思い出して悩む。
……私の手づくりの手袋ならどうだろう?
私の作った手袋で温かくなるから、一応私が温めていることになるはず……。
ふと思い付いた割に中々いい考えだ。
手袋を作った時に彼がどんな反応をするのか考えながら、持っていた携帯電話でタクシー会社に電話した。
電話を切った後もいろんな反応を思い浮かべたら笑いが込み上げてきた。
隣で眠る憎たらしくも愛しい異種の恋人のこめかみに淡いキスをして、
帰ったらクリスマスまでに頑張って編まないと、と計画を立てながらタクシーが来るのを待った。
もちろん、彼の冷えた手を温めながら。 - 885. 名無しさん@ピンキー 2008/12/25(木) 02:43:11 ID:jmc+Y4cx
- 以上です。
勢いと初めてなので変かもしれませんが、
反省はしません。とにかく萌えの赴くままだから後悔はない!
ケータイから失礼しました。
また何か思い付いたら書き込みたいと思います。
海の悪魔さんとヤンマさんカッコイイなあ……
強い人外は大好物です
二人の作者さんGJです。 - 886. 名無しさん@ピンキー 2008/12/25(木) 04:07:46 ID:Fbx6S35d
- すごくよかった!
続きも出来たら是非投下して欲しい - 887. 名無しさん@ピンキー 2008/12/25(木) 18:31:29 ID:JOwLSeRg
- やはり硬質人外は好みだなあ
- 888. 859 2008/12/25(木) 22:36:49 ID:s5dRQHe0
- 何やらヤンマが好評で嬉しいですw
883のもえらく萌えます。異種族の醍醐味は生態の違いですよね!
では、また投下。 - 889. ヤンマとアカネ 2 1/3 2008/12/25(木) 22:37:24 ID:s5dRQHe0
- 体を包む空気が次第に生温くなり、朝になったのだと知った。
突っ伏して眠っていたフローリングに、複眼の間に並ぶ三つの単眼が擦れ、間に入った砂粒が硬い音を立てた。
だが、すぐには意識は戻らない。フローリングに接している腹部が冷え切り、その中の心臓もまた冷えているからだ。
体温が戻らなければ、血流も戻らず、人間に比べれば矮小な脳に送られる血中酸素も乏しく、意識も戻らない。
折り曲げていた両前足を伸ばして身を起こすと、今まできつく縮こまっていた外骨格が動き出し、ぎぢ、と鈍く擦れ合う。
複眼が大部分を占めた顔を上げ、破れたカーテンの隙間から差し込む強烈な光に、複眼が眩みそうになってしまう。
だが、すぐに補正された。ヤンマは関節が固まってしまった下両足を伸ばし、立ち上がってから、彼女に気付いた。
破れたソファーの上では、毛布を被った茜が身を丸めていた。安心しきった顔で熟睡し、浅い呼吸を繰り返している。
毛布の端を両手で握り締め、唇の端が緩んでいる。ヤンマは彼女の傍に歩み寄ると、肩から零れた髪を一束掬った。
「呑気なもんだ」
茜の髪を持ち上げて口に含み、ぶつりと噛み切った。
「いつ俺に喰われるとも解らないってのに」
ヤンマの口の中には、茜の髪の切れ端が残った。喉の奥で丸めていた舌を伸ばし、髪を絡めて嚥下する。
「甘ったるい」
意識的な味か、或いは実際の味かは解りかねた。ヤンマは、彼女の頬に落ちた髪の束を鋭利な爪先で薄く撫でた。
「おい」
声を掛けてみても、茜の反応はない。爪先ではなく、爪の腹の部分で頬を叩いてみるも、目を覚ます気配はなかった。
無防備すぎて、逆に不安になる。ヤンマは口を開閉し、がちがちと噛み合わせた。人間で言うところの、舌打ちと同じだ。
起きている時は煩わしいほどまとわりついてくるからだろう、いざ眠って大人しくしていると歯応えがなくてつまらない。 - 890. ヤンマとアカネ 2 2/3 2008/12/25(木) 22:38:11 ID:s5dRQHe0
- 「さっさと起きろ。他の連中が起きて動き出しちまったら、狩りがやりづらくなる」
ヤンマは茜の肩を押して仰向けに転がしたが、茜は小さく唸っただけだった。
「うぅん…」
やはり、起きようともしない。ヤンマは辟易し、茜の体から毛布を剥ぎ取った。
「いい加減にしろっての!」
茜の体温が色濃く残る毛布を薄汚れた床に放り投げたヤンマは、直後、理由を悟った。
「ああ…そうだったな…」
ソファーに横たわる茜は、パンツしか身に付けていなかった。昨夜、汗を掻いたから、とそれ以外を全て脱いだのだ。
生憎、洗濯を終えている服は見当たらず、かといって夜中に洗濯を行えるような場所でもないので何も着なかった。
そして、そのまま今に至るというわけだ。ヤンマは投げ捨てた毛布を拾おうかと迷ったが、前足は彼女へと伸びていた。
朝日を浴びた薄い肌は白く光り、静脈が透けている。柔らかく盛り上がった女の膨らみを、三本の爪で掴んでみる。
だが、爪は立てずに寝かせ、腹で握り締めた。ヤンマの手に合わせて茜の乳房は歪み、刺激を受けて先端が尖った。
すると、茜が僅かに眉根を動かした。覚醒してはいないが意識はあるのだ、と知ったヤンマは、もう一つの乳房も握った。
「あふ」
条件反射で声を漏らした茜は、悩ましげに腰を捩った。
「何やってんだ、俺…」
頼りない手応えの乳房をひとしきり揉みしだいた後、ヤンマはふと我に返った。
「ふぇ」
すると、茜は瞼を上げた。目の焦点を合わせ、ヤンマの手元と自分の状況を確認した途端、しなやかな足が跳ねた。
「いーやあー!」
「おぐうっ!?」
茜がでたらめに放った蹴りがもろに顎に入り、ヤンマは仰け反ってしまった。
「馬鹿、馬鹿、馬鹿ぁ!」
茜は胸を隠して身を縮めると、涙を溜めながら喚き散らした。
「いじるんだったら、もうちょっと綺麗な時にしてよぉ! 汗と埃でべたべただし、髪も洗えてないから脂でてかてかなんだもん!」
「そんなの、どうでもいいじゃねぇか」
首関節の無事を確かめながら顔の位置を戻したヤンマに、茜は膨れた。
「嫌なものは嫌なの!」
うー、と眉を吊り上げる茜に、ヤンマは困惑して触覚を下げた。
「ああもう解ったよ、うるせぇな」 - 891. ヤンマとアカネ 2 2/3 2008/12/25(木) 22:38:45 ID:s5dRQHe0
- 「解ったんなら、あっち向いて! 服着なきゃならないんだから!」
「今更、見られて困る部分があるか?」
「気分の問題よ!」
「あーうぜぇうぜぇ」
かぶりを振りながら背を向けたヤンマに、茜は舌を出した。
「女心を理解しなさい!」
羽を震わすほどの金切り声に、ヤンマはまたがちがちと口を鳴らした。オンナゴコロとやらは、未だに解らないことだ。
大体、肌など見られて困るものなのだろうか。体を繋げたのは一度や二度ではないのだから、ヤンマは全てを見ている。
揉みしだいてしまった乳房もさることながら、性器と排泄器官すら見ているのだ。いい加減、開き直って欲しいと思う。
ごそごそと物音が繰り返された後、ようやく許されたので振り返ると、茜は昨日脱ぎ捨てたTシャツとジーンズを着ていた。
「じゃ、朝ご飯が終わったら洗濯するから、ヤンマも手伝ってよね」
「水場まで服の山を運べばいいんだろ。それで帳消しだ」
「そんなんじゃ足りないよ。食糧も大分減ってきたから、適当な店から発掘しなきゃならないんだもん」
「虫食えよ。ぶりぶりに太った幼虫でも捕ってやるから」
「あんなもん食えるわけないでしょ」
不意に真顔になった茜に、ヤンマはぎりぎりと口の端を擦り合わせた。
「お前の食糧探しは面倒なんだぞ。それでなくても、そういう場所は他の連中の餌場にされちまってんだから」
「いいじゃない、それは全部ヤンマが食べられるんだから」
「ま、そりゃそうだがな。んで、まずは朝飯か?」
「ううん、ヤンマ」
茜はかかとを上げて背伸びをすると、ヤンマの首に腕を回して引き寄せた。ヤンマも背を曲げ、身長を合わせた。
茜の唇が口に迫ってきたので、ヤンマはぎざぎざの刃を噛み合わせたような形状の口を開き、彼女を受け入れた。
外骨格に触れたのでは、何の意味もない。喉の奥で丸めていた体液が少し絡んだ舌を伸ばし、薄い唇に当てた。
そして、有無を言わさずに滑り込ませる。ん、と茜は小さく声を漏らし、口中を這い回るヤンマの舌に己の舌を絡めた。
息苦しくなった茜が唇を開くと、茜の舌を締め付けていたヤンマの黄色い舌が解け、粘液の糸を引きながら離れた。
「んふふ」
口元を押さえて頬を染めた茜に、舌を喉の奥に戻したヤンマは言った。
「じゃ、とっとと支度しろよ。俺も腹が減った」
「今日は何にしよっかなぁーん」
茜は足取りも軽く、キッチンに向かった。ガスも水道も電気もとっくの昔に切れているので、正確には倉庫なのだが。
キッチンに入った茜は、段ボール箱を探り始めた。その中には、廃墟から集めた缶詰めやレトルト食品が詰まっている。
人間が姿を消して数年が経過してしまった都市では、茜がまともに食べられるものといったら、それぐらいしかないからだ。
茜はテーブルに置いたランタンに火を付け、その上に水を張った鍋を載せると、レトルト食品のパックを入れて暖め始めた。
鍋の下で揺れる青い炎を見つめる茜の横顔を見つつ、ヤンマは舌に張り付いている茜の唾液を嚥下し、胃に流し込んだ。
無意識に、また口を鳴らしていた。だが、今度は不満や苛立ちを示す鈍い軋みではなく、歓喜を示す高い摩擦音だった。
付き合えば付き合うほど、喰うのが惜しくなる。 - 892. 859 2008/12/25(木) 22:41:12 ID:s5dRQHe0
- 通し番号ミスりました。891は3/3です。
二人の日常の一端というかです。結構のんびり暮らしています。 - 893. 名無しさん@ピンキー 2008/12/28(日) 01:42:16 ID:odYAYy4S
- エロがあるからには日常ほのぼのも併せて良いものだ、と思います。
ここ最近の大量虫投下に喜びを隠せない。 - 894. 名無しさん@ピンキー 2008/12/28(日) 04:03:06 ID:1+DhqOBi
- 虫系ならサガノヘルマーはどうよ?
個人的にはレゾレゾとか好みど真ん中なんだが。 - 895. 名無しさん@ピンキー 2008/12/29(月) 23:59:35 ID:l6vBE8Px
- 王蟲かわいいよ王蟲ハァハァ
最近気付いたんだが、霊とかスタンドとか透明人間とかの
実体を持たない人外(?)もイイものだ。
本体とは異なる確固たる意識を持ってたり、こっそり女の子にイタズラしちゃうような
お茶目さを兼ね備えてたらなおよし。 - 896. 名無しさん@ピンキー 2008/12/30(火) 20:02:46 ID:OHR7ggVp
- >>894
教えてくれてありがとう、めちゃくちゃ好みだった。
少しずつ集めていこうと思うよ!
たけしのXファイル見てたら異星人ハァハァになった。オカルト話は夢が広がる。
そしてAVPまた見たくなった。 - 897. 小ネタ ザリガニさんとの年越し 2008/12/31(水) 21:45:17 ID:spWsjLCS
- 投下します。
ザリガニと女の子です。
「はい、蜜柑あげる」
こたつでぬくぬくしている少女は蜜柑を、
同じくこたつに入って紅白を熱心に観ている男に渡そうとした。
「あ……ごめん、シザーはそのハサミじゃ剥けないよね」
彼女が蜜柑を引っ込めようとすると、シザーと呼ばれた人型のザリガニがそれを止めさせた。
彼女がシザーのほうを見ると、彼は少女の手の中の蜜柑を器用に奪い取った。
呆気にとられる少女を尻目にシザーは蜜柑の皮を剥き始めた。
しかし、彼の両腕両手は攻撃的なギロチンハサミになっているため悪戦苦闘している。
このままだと蜜柑自体がミンチになってしまうと判断した少女は彼の隣に移動する。
「もー!負けず嫌いなんだからー!
ほら、貸して。あたしが剥いてあげるから!」
少女がそう言うとシザーは不服そうにヒゲを動かした。
彼女はそれを見て苦笑し、ゆらゆらするヒゲを撫でた。
「負けず嫌いなとこ、嫌いじゃないよ。
でもね、無理そうだったら無理にしなくていいから!」
彼女は人の頭を簡単に潰せる大きく発達したハサミから蜜柑を取り、
少し潰れた蜜柑の皮を剥き始めた。
シザーは黙ってそれを見る。
「はいどーぞ、剥けたよ」
綺麗に薄皮まで剥いた蜜柑を少女は彼の口元に持っていく。
すると彼の口元から小さな管が出て、橙の蜜柑を啜る。
「美味しい?」
少女が小首を傾げて笑顔で尋ねるとシザーは無音で頷いた。
シザーは人型であるものの、声帯がないため声を発することができない。
しかし、通じ合う二人には言葉は不要だ。
「紅白終わったら二人で初詣行こうね」
シザーは静かに頷いて彼女を抱きしめた。
(来年もこうやって二人で年越ししよう) - 898. 名無しさん@ピンキー 2009/01/02(金) 01:07:48 ID:+x+sOkIM
- おお!
無口というか、喋らないタイプの人外君きたー!
いや良いね、触覚とか眼とか、身体の部位で
感情や表情が読み取れるタイプ良いね。 - 899. 名無しさん@ピンキー 2009/01/03(土) 04:30:06 ID:YaTIYQTm
- シザー可愛いよシザー
どうでもいいけど、ポケモンのシザリガー思い出した。 - 900. 名無しさん@ピンキー 2009/01/03(土) 14:32:39 ID:3J0ijYiM
- 新しい世界が拓きました。甲殻類に萌える日が来るとは・・・!
こういうフリーダムさも人外萌えの魅力だよなぁ。
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