この展示室では生き物のすがたをもつ妖怪たちを集めている
【化け猫(ばけねこ)】
主人・飼い主が留守の間に食料や飲料水に尾を振って毒をまぜようとしたりする。その行動を家に飼われている鶏が人間に知らせようとする昔話も各地に存在する。
【白犬(しろいぬ)】
『古事記』には雄略天皇十三年に、火炎の中から馬のように大きい白犬が飛び出したという記録が見られる。古代中国では白犬の胆は陰龍(いんりゅう)あるいは瓠汁(かくじゅう)と呼ばれ、薬とされていた。
【山鼬(やまいたち)】
イタチに似るがとても大きい。栗色をしており顔は黒いという。
【桑つみ狐(くわつみぎつね)】
桑の葉っぱをつむ作業の人々の中に混じって動き回り、人数よりも多くの人がいる気配を感じさせたとされる。(福島県)
【虎狸(しばおり)】
頭の小さく狐に似ているという狸。年を取ったシバオリは人を妖すという。(愛媛県)
【すいごしごへえ】
鶏小屋などを荒らすとされていた怪獣。どのような姿をしているかはわからないとも言われるが、古い狐であるとも言う。ジュズダマの実を撒いておくと近寄らない。(香川県)
【すなすべり】
名称のみが伝わる野獣。詳細不明。
【白い鳥(しろいとり)】
怪火のようなもの。三つ並んで飛ぶ。(兵庫県)
【ひが鼠(ひがねずみ)】
むやみにネズミの穴を塞ぎ潰したりすると夜中になってバケモノが壁の中から話しかけてくると言われた。(滋賀県)
【海獺(うみおそ)】
海獺が年を取るとトドというものに変化するとされる。アシカのことであるという。
【溝計(みぞげ)】
むかし、浅尾の丹四郎という男が毛ぬきでヒゲを抜いていたところ、誤って皮膚をちぎってしまい、その皮を庭先に捨てた。その後しばらくしてその皮を捨てたあたりから不気味な縞模様のついた虫が毎年春になると出るようになった。本来は「溝毛」か。
最終更新:2021年04月09日 21:55