この展示室で生き物ではないすがたをもつ妖怪たちを集めている

【刀の祟り(かたなのたたり)】

刀剣の祟りによってシンケイ(精神を病むこと)になることがあると武家階級では良く言われていた。どういう行為が刀剣の祟りを呼ぶのかは未詳。(宮崎県)

【怪長持(かいながもち)】

ふたが自然に開いたり、バタバタと音をたてて開いたり閉じたりしたという長持*1。なかに収められた品々が霊を持っているとも、長持自体が化け物となったものともいう。

【付喪神(つくもがみ)】

器物が百年の時代を経過すると「付喪神」になるとされる。「ツクモ」は白い色の草で、それを年老いた者の白髪に見立てたことから「ツクモガミ」という言葉は古いものを示すようになったとされる。『付喪神』という絵物語では、多くの器物たちが付喪神となって人間を襲うが、最後には剃髪をして仏になったとされる。

付喪神の秘訣

百年を経過していなくとも付喪神になることの出来る日というものが存在する。それは節分*2の夜で、この日は陰陽の均衡が複雑に移り替わることから、奇妙な事象が発生可能な日であると考えられていた。


【塵塚怪王(ちりつかかいおう)】

捨てられた塵(ちり)から生まれた妖怪。付喪神たちの王であるともいえる。妖怪たちの詰まった大きな箱を所持している。

【鐸(さなぎ)】

『古語拾遺』に「鉄鐸(サナギ)」とある。鉄鐸の古称。銅鐸なども含まれてたようである。諏訪神社(長野県)では、神を呼ぶための鐸が「佐奈岐」とおなじく称されている。

最終更新:2022年05月22日 01:43

*1 長持とは衣裳などを収納する長方形の箱

*2 現在の「節分」は二月だが太陰暦の時代は大みそかを意味していた