【魑魅魍魎(ちみもうりょう)】
様々な土地に存在する悪しきものたち。人間の「いきぎも」や「あばらぼね」を好んで食べるという。「魑魅」は地上に住み、「魍魎」は地上と地獄のあいだの世界に住むとも語られる。
「魑魅」と「魍魎」は古代中国では、それぞれ別の妖怪であるとされている。日本では鎌倉時代から広く知られるようになったようであり、「魑魅」から「魍魎」が生まれるともいわれている。
【魍魎(もうりょう)】
魍魎は「いきぎも」が特に好きだといい、地獄へ落ちてゆく亡者(もうじゃ)たちをつかまえて、そのきもをムシャムシャと食べてしまうという。『百鬼夜行』では地上に現われた姿が描かれている。
【人炙り(ひとあぶり)】
山奥の高い木の上に、まるで火で炙られたかのような痕跡が見られることがある。これは魑魅魍魎が奪い獲って来た「いきぎも」を炙った跡だとされる。
【草野姫(かやのひめ)】
万の草の神。野槌(のづち)とも呼ばれる。霧の神、暗闇の神、惑わしの神などを生んだとされることから、妖怪変化を生む神とみなされ、野槌自体も次第に妖怪視された。神話には草野姫を蛇とする記述は見られないものの、配偶神である大山祇(おおやまつみ)を蛇体とする説があることから、草野姫も蛇体の神であると考えられている。
【疫神(えきじん)】
疫病をひろめる存在。においの強いものは苦手であると考えられていた。反面、強いにおいのものが多すぎると多く寄ってくるともいわれる。
【窮鬼(びんぼうがみ)】
人間に不幸や貧乏をひろめる。破れたきたない衣服を着て、青黒い頭巾をつけていると語られる。東京都には馬方の荷物の上にいつの間にか見知らぬ老人が乗っており、金持ちの庄屋の家の前で下りるのを見たが、数ヶ月後にはその庄屋の家が落ちぶれていたといった伝説がある。
【うわん】
夕暮れどきに古い寺から「うわん」と大声をあげて出現する。墓場の主だとされる。すぐに「うわん」と答えないと引きずりこまれてしまう。
最終更新:2021年04月11日 17:45