この展示室では山や林にいる妖怪たちを集めている
【山爺(やまじじい)】
山の中に住んでいるという妖怪。とてつもない大声を発するノドを持ってるといい、どちらのほうが大声を出せるかと人間に勝負を挑んできたりした。(香川県)
単眼の大男で体は鼠色の毛に覆われている。歯がとても強く、獣も頭からバリバリと食べてしまう。(高知県)
【山チチ(やまちち)】
山にいる大きな妖怪。人の通る道に足跡だけを残して通行している。姿を直接目撃する事はほとんど無い。(徳島県)
【蝿山姥(はえやまんば)】
山姥が田の刈り取り時期になると里に現われて邪魔をした。焼け石を焼飯(おにぎりを焼いたもの)と偽って与え殺したところ、蝿の大群が里を襲うようになった。数年後、蝿はかたまりになって死んだ。蝿を埋めたところからは山葡萄がたくさん生えたという。(埼玉県)
【手長(てなが)】
ある程度標高のある山にいくつか伝説が残る。山の中腹の土の中に魚介類の痕跡などがあることと結びついて、長い手を用いて海でそれをつかんで食糧としていたとも語られる。(関東地方北部)
【天狗の遊び木(てんぐのあそびぎ)】
不用意に切ると山中で大ケガをしたりすると語られている。何十年もただ真っすぐに生えているような古い巨木では無く、太くちょうど人間一人が腰かけられる程の二又がある木が、「天狗の遊び木」であるとされることのほうが多い。(石川県、群馬県)
【狸の砂撒き(たぬきのすなまき)】
風が少しも吹いていないのに、木々が凄い突風に吹きあおられて鳴る音がして人間を驚かすと言う。(京都府)
【スンデ】
山の神の日とされている日に山に入ってしまうと、スンデに遭ってしまうと語られている。(長野県)
【木挽坊(こびきぼう)】
山の中でザイコンザイコンと木をノコギリで切る音を鳴り響かせて来る。木の倒れる音もするが、どこにも切られた木は存在しない。ムジナが起こすとされる。(長野県)
【手杵返し(てぎのがえし)】
山でこつこつと音を立てる魔物。音だけの妖怪で姿は見えないとされる。(高知県)
【ごんじゃ】
体が丸太のように寸胴で太い怪蛇。山道をころころと転がってくる。(三重県)
【笠の魔物(かさのまもの)】
山の中で背の小さい人物が、山で仕事をしている男に「笠を口に入れてみせる」と話しかけてくる、試させてみるとぺろりと笠を丸のみしてしまう。すごいと褒めていると次には男を飲み込んでしまった。(高知県)
【児の脚(このあし)】
山姥に追いかけられた男を助けてくれたという小さい児童。片方の足を切って投げるとそれが犬になり山姥に咬みついた。
【かぼちゃ蝿(かぼちゃばえ)】
小さな南瓜(かぼちゃ)の実ほどの大きさの蝿。凄い羽音を立てて峠道で旅人を追い掛けておどしたりした。危害を直接加える事は無いようである(長野県)
【いろたて草(いろたてくさ)】
ドッカを好んで食べていた無能な大男が橋から落ちて死に、その橋のたもとに野生のドッカが生えるようになった。春に必ず毒々しい色の草が生えては泥のように溶け消え、そこからドッカは生えた。明治中期に山が拓かれてからはドッカも生えなくなった。(茨城県)
【まめざま】
夏、里芋や甘藷の雑草とりをする時などに稀に畑で見ることがあったという妖怪。葉よりも小さく、足の裏をなめて来た。(群馬県)
【無名雉(ななしきぎし)】
神々のもとで忍者のように動き回るキジ。相手の言動をそのまま盗み取って来て報告をする。天邪鬼のことであるとも言われる。
最終更新:2022年05月09日 23:24