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24個のオオギリ裏技集

このページは、大喜利天下一武道会主催の松澤氏による24個のオオギリ裏技集 (大喜利でのよくある回答パターン集) をまとめたものです。
お題と回答の例は、元の記事とは異なる例を使っています。


概要

「24個のオオギリ裏技集」は大喜利を以下の3パーツに分解し、「発想系15個+表現系9個=計24個」の「武器」として整理した記事。
  • お題に沿う(制約を守る)
  • 斬新な発想をする(発想力)
  • 的確に表現する(表現力)
裏技の使い方のコツ
この本が言いたい「使い方」のコツとしては、以下の3つ。
  • 24個は“全部覚える”より、自分に合う2〜3個を主武器化して磨く。
  • テクは複合すると強い("1. 逆"×"2. 極端化"、"3. ネタ"×"18. キャラ目線のセリフ"、など)。
  • 最終的に面白いのは、同じ武器でも人格が透けるところ(作者の大喜利観)。
最重要「お題に沿う」
  • お題は「制約」の集合
    • 例えばお題が「4月からデビューするアイドルへアドバイスをしてください」であれば、回答は「新人アイドル」への「アドバイス」というのが制約
  • "お題の意図に合っているかギリギリ" でも、こじつけ理由が自分にあればOKというスタンス。
  • ただし、お題無視 ("15. お題いじり" など) は "たまに" の飛び道具で頻繁に行うべきでない。

発想編(ウラワザ1〜15)

1. 逆 (常識の反転)
大喜利における再頻出パターン。常識を反転(読む/読まない、突っ切る/黄で止まる)するケース。(→常識の反転)
お題の意図がすでに「逆」のずらしを含んでいる場合もある。(例「ギャルの医者。どんなの?」など回答で "逆" を誘発させる)
反転させるものとしてよくあるのが以下の要素。
役割逆転型の逆
本来その人・役割が「する側/守る側/管理する側」であるものを、される側・守られる側・管理される側に反転すること。
  • 「プロ意識が、友達の距離感に反転」「職業や立場が対立する相手の役割を演じる」など
ルール運用の方向性の逆
法律・校則・マナー・規則などの「目的」を無視して、字義通り・形式的に逆転させて運用すること。(→制度ずらし型)
判断基準・評価基準の逆
社会的に共有されている評価基準そのものをひっくり返す。
感情・態度の逆
場面に対して "出るはずの感情" を裏返す。(→感情テンプレずらし型)

常識の反転のお題と回答の例。
お題「几帳面すぎる弁護士とは?」
回答「几帳面すぎて、相手の主張に穴があるとそれを塞ぐ」
弁護士は通常「相手の主張の "穴" を見つけてそこを突いて、相手のロジックを崩す」が本来の役割(常識)です。
ですが几帳面な性格ゆえ「不完全な状態を放置できない」ことから、その逆(穴を塞ぐ)を行ってしまうというずらしを入れたものです。

2. パラメータの極端化
ある対象についての常識を出発点にし、特徴・パラメータを一方向に思い切ってスケールアップ (誇張) すること。(→極端化)
パラメータは「大きさ/規模/人数/時間/性格/能力/文化」など。
  • 物理的スケールアップ (測定可能な値。数や規模)
  • 概念のスケールアップ (時間、能力、文化・文明など)
  • キャラクターのスケールアップ (性格)
3. 元ネタ利用 (イメージの借用)
映画・漫画・あるある・芸能人のイメージを借りる。(→フォーマット転用型)
※ポイントは「当てはめるだけ」でなくお題に沿わせて「加工」すること。

お題と回答の例。
ゲーム化
お題1「几帳面すぎる弁護士とは?」
回答1「法の番人に立ち向かう前に、セーブポイントでHP/MPを回復しておく」
裁判をゲームの世界に置き換えたもの。
「几帳面≒慎重」なゲームプレイをする人は、重要な戦いの前にはセーブを怠らないというのが元ネタ。
恒例行事
お題2「春一番は強い風。春五十二番は何が起きる?」
回答2「ヤマザキ春のパン祭り、ファイナルシーズン」
春の恒例イベントとパワーワードによる押し切り。

4. 役割固定/場所固定 (暗黙設定の具体化)
お題に明示がない所を勝手に設定して広げる。設定の追加や強化を行う。(→暗黙設定の具体化)

お題と回答の例
設定の強化
お題「陽気な弁護士。どんなの?」
回答「新しい証拠が提出されると、サンバのBGMを流して踊りだす」
→サンバ=ブラジル人的な「陽気な」という設定を強化する
設定の追加
お題「嫌な美容室。どんなの?」
回答「来店したときの挨拶が "チョリーッス"」
ギャル設定を追加

5. 俯瞰 (俯瞰・神の視点)
俯瞰・神の視点とは、お題が求めている対象や状況を当事者視点から切り離し、より高い位置・遠い距離から眺める存在として発言させる手法です。
当事者の感情・目的・常識を一度すべて捨てることで「言うはずのないこと」「言う必要のない真実」が口に出てしまい、構造的なズレによる笑いを生みます。

解説・実況・アナウンス的な語り口になりやすく、特に アナウンス系・スピーチ系・注意喚起系のお題 と相性が良い。
6. 盲点の特徴 (レール外し)
お題が無意識に敷いている思考レールから一段外れ、誰もが知っているのに、その文脈では見ないことにしている性質や、行為の副産物として生まれる状態を拾う発想法です。

7. 詳述化する (ピン留め)
お題や回答の中で 曖昧なまま通過している要素を一部だけ切り出し、そこに具体・数字・条件などを与えて固定する技法。
8. 喜怒哀楽プラス (感情付与)
お題や状況に対して 「その対象がどのような感情状態で存在しているか」 を回答側で明示・固定し、観客が「どの感情で笑えばいいか」を迷わず一意に辿れるようにする技法。

9. 面白い絵面 (視覚支配)
笑いの根拠を「論理」や「意味理解」ではなく、読み手の脳内に一瞬で立ち上がる光景そのものに置く技法。

10. 強い思いこみ (俺ルールの正当化)
俺ルールの正当化とは、解答者の持つ個人的な思い込み・価値観・美学・内部ルールを、あたかも社会的に共有されている常識・評価基準であるかのように前提として提示する発想法です。
この技法では、「思い込みをゴリ押しすること」そのものを否定せず、むしろバカバカしさとして正面から肯定します。
11. 不条理 (因果の不在)
原因と結果をつなぐ "因果関係そのもの" を破壊する発想法です。
「なぜそれをすると、そうなるのか?」この問いに一切答えられない状態を作ることで、観客が理由を想像できない、補完も比喩解釈もできないという地点に強制的に置かれます。
つまりずらしではなく、つながっていない不条理さから生まれる笑いです。
12. 日常に引き戻す (世界観リセット)
お題が持つ「非日常的・大事件的・ファンタジー的な設定」に乗らず、それを 生活者の目線・日常の感覚で受け止めてしまうことで、お題と解答の間に強いギャップ(温度差)を生み、笑いを誘う技法。
13. 2重の裏切り (フェイク落ち)
オチだと思わせた地点そのものをフェイク(偽物)にし、観客が一度“理解・納得したつもり”になった後で、本当のオチによってツッコミの方向を裏切る技法。

14. 小ボケ列挙
細かいボケを複数入れる
※必然性づくりが命(ランキング形式、ゲーム形式など)。

15. お題いじり
お題そのものをツッコむ。わかりにくいお題の場合など(苦し紛れになりがちなので少なめ推奨)。

表現編(ウラワザ16〜24)+基礎原則

表現の原則は以下の2つ。
  • 不要な表現は削る(核心をぼかさない)
  • 長文はオチ語を後ろへ(落語的な配置)
16. キーワード省力
核ワードを言わずに匂わせ、読者に気付かせる(謎解き快感)。

17. 語尾の動詞ひねり
文末を珍しい動詞で締めて引っかける(乗る→またがる等)。

18. キャラ目線のセリフ (セリフ化)
キャラ名+セリフ化(口調で一発キャラ立ち)。

19. ストーリーに仕立てる
脚本/小説化(ネット向き・削ぎ落とし必須)。

20. 同フレーズ繰り返し
わざとクドくして笑いにする。

21. 蛇足をつける
余計な一文が笑いになる(原則「削る」への逆張り技)。

22. リズミカル
語感・反復・5/7拍などで気持ちよくする。

23. 前置き
主観の一言でパワー増幅(まさかの/そのための〜 等)。

24. パワー単語 (パワーワード)
  • 造語(自然に意味が通る新語、または意味不明で押す)
  • 既存のパワーワード(耳慣れない単語をストックして生大喜利の武器に)

評価軸回答の型の対応表

松澤氏の24の裏技は「発想法」ではなく「評価軸ブースター集」であると言える。
特に強く意識されている軸はズレ幅期待管理力解像度圧縮率の4つで「どの軸を意図的に伸ばすかを選べる」武器集になっている。

実践的な使い方として「裏技を回答を作るテクニック」として扱う、ではなく「伸ばしたい評価軸に対応する裏技を選ぶ」とするのが良い。
例えば、

① 発想系ウラワザ(1〜15)対応表
No 裏技 主に伸ばす評価軸 副次的に影響 対応する回答の型 解説(評価軸視点)
1 ズレ幅 / 期待管理力 破壊力 / 初見性 世界観反転型 観客の「常識的期待地点」を反転させる。ズレが直感的なので伝達速度も速い
2 極端化 強度 / 破壊力 解像度 / 記憶残留度 極端な具体化型 常識を物理限界まで押し出すため、一発の笑い強度が高い
3 元ネタ利用 初見性 / 納得感 知識依存率 / 期待管理力 フォーマット転用型
/ 言語ずらし型
文脈共有があるほど伝達速度が跳ねるが、知識依存率が上がる
4 役割固定・場所固定 キャラ立ち / 解像度 主語安定度 / 情報量 キャラ付与型 /
制度ずらし型
「どこで・誰が」が一気に定まるため、世界が立ち上がる
5 俯瞰 ズレ幅 / 納得感 ステップ数 / 情報量 世界観反転型 当事者視点を捨てることで、構造的ズレを生む
6 盲点の特徴 初見性 / かぶり耐性 記憶残留度 言語ずらし型 他人が触らない特徴を突くため、被りにくい
7 詳述化 解像度 / 情報量 強度 極端な具体化型 情報を足すことで映像が鮮明になる(ただしノイズ量情報量の管理が必要)
8 喜怒哀楽プラス 感情方向性 / 記憶残留度 強度 キャラ付与型 /
感情テンプレずらし型
「どんな感情で笑うか」を一意に固定できる
9 面白い絵面 破壊力 / 解像度 強度 極端な具体化型 理屈を超えて即座に映像で殴るタイプ
10 強い思い込み 期待管理力 / 破壊力 キャラ立ち もっともらしい嘘型 主張が断定的なほどツッコミが明確になる
11 不条理 ズレ幅 / 破壊力 初見性 世界観反転型 論理を破壊するため納得感は下がりやすい
12 日常に引き戻す 期待管理力 / 伝達速度 分かりやすさ 感情テンプレずらし型 非日常お題に日常温度をぶつけることでギャップ笑い
13 二重の裏切り 記憶残留度 / 支配力 ステップ数 フォーマット転用型 読解後に「構造ごと」記憶に残る(ネット向き)
14 小ボケ列挙 情報量 / 支配力 強度 フォーマット転用型 世界観を一気に場の共通土台にする
15 お題いじり 破壊力 ズレ幅 言い切り型 お題そのものを破壊するためリスク高

② 表現系ウラワザ(16〜24)対応表
No 裏技 主に伸ばす評価軸 副次的に影響 対応する回答の型 解説
16 キーワード省力 圧縮率 / 記憶残留度 ステップ数 言い切り型 観客に補完させることで "理解した快感" が生まれる
17 文末動詞ひねり 初見性 / 伝達速度 ノイズ量 言語ずらし型 最後の1語でトリガーを作る
18 キャラ目線のセリフ キャラ立ち / 主語安定度 解像度 キャラ付与型セリフ化 主体がブレず、誰の発言か即分かる
19 ストーリー化 情報量 / 解像度 記憶残留度 フォーマット転用型 成功すれば強いが、ステップ数が増えやすい
20 同フレーズ繰り返し トリガー明確度 強度 言い切り型 笑い所を一点に集中させる
21 蛇足をつける 破壊力 ノイズ量 感情テンプレずらし型 「要らなさ」自体が笑いになる逆張り
22 リズミカル 伝達速度 強度 フォーマット転用型 音で理解させるため反射的に笑わせやすい
23 前置き 期待管理力 トリガー明確度 もっともらしい嘘型 解答者の主観が期待を操作する
24 パワー単語 強度 / 初見性 記憶残留度 言語ずらし型 単語単体で場を取れる (→パワーワード)


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最終更新:2026年01月10日 12:59