エーデマルク王国


由来 スオラ古語で『荒れ地』『何もできない野原』を意味することば。
地理的特徴 全体的に寒冷、特に南部へ行けば行くほどグランダシアクォーテラの影響を受けて平均気温が低い。他三国とは天然の要害を国境線にしており、北部は山地(と言っても標高最高1000メートル弱)でノルフェルト王国と、北東部は広葉樹林地帯でインレ大公国と、南東部は針葉樹林地帯でスオラ自治州と分かれている。ほとんどが平野か森林で、ノルフェルト王国との国境線の山地より高い山はない。冬の間は雪が降り続けるため、全国的に雪化粧となり、特に寒い日は都市でも積もることがある。
政治形態 エーデマルク連合王国の長としてエーデマルク王国国王が連合王国の行政権を掌握している。王国議会とは別に連合王国議会を有しており、立法機関の頂点も司法機関の頂点も集中している。連合王国軍本部も王国首都ルンドホルムにあり、連合王国軍の統帥権はエーデマルク王にあるとされる。また、インレ大公もエーデマルク王が兼務する同君連合制も採っている。
しかし、エーデマルク王の権限はあくまでエーデマルク法典およびエーデマルク連合王国議会の監督のもとにあるとされ、現在の第3王朝の王は原則として議会が議決した法の施行や施策の執行の決定しか行なっていない。王が議会、ひいては民衆を無視した結果内戦を繰り返してきた歴史があるため、専制君主的な振る舞いは認められず、問題のある王は即時交代が求められ、最悪王朝そのものが打倒される。首都ルンドホルムでは過去に何度も無能な王を廃位に追い込むための暴動が発生しており、軍事力で弾圧するとその王朝には滅亡フラグが立つ。むしろ王は時代によっては議会の加熱を防ぐ抑止力として存在している状態。その上で、エーデマルクにおける政治的責任はすべてエーデマルク王が負うことになっている。
現在の君主は第3王朝レーヴ朝5代目グスタヴ2世。陸軍に在籍していた経歴をもつが、今のところ議会に従順で無謀な要望を出してくることはないこと、軍隊や特定の宗教を優遇するそぶりはないことから、民衆からのウケはわりと良い。『昼行灯』『朴念仁』というあだ名がついてはいるが、一部はスオラ内戦を終結に導いた王としてその能力を認めているようないないようなむしろもっと強気でいってもらいたいような、とりあえず支持率はそんなに低くはなさそうなので、玉座から引きずり下ろされる可能性はあまりない。
主要構成民族 エーデマルク系6割弱、スオラ系2割前後、その他クレスト系を始めとする複数の民族を抱えている、連合王国の縮図。連合王国の比率と王国の比率はだいたい一致する。
外交情勢 基本的には連合王国に準ずる。ただし、慈亞とは特に関係が深いがどういう関係なのかあまり突っ込んで聞かれたくないらしい。スオラと直接交戦した主体はこのエーデマルク王国本国である。
主要産業 首都ルンドホルムは政治の中心地であると同時に経済の中心地でもある。湾をめいっぱい利用した国際港が作られており、普段は貨物船や観光用の客船で賑わっていて、エアスター大陸との中継貿易で多大な利益を得ている。また、ルンドホルムは有事には軍港となり、近くの海軍施設から軍艦が現れる。港の他にも、ソールリュース宮殿やクロスヘム大聖堂、国会議事堂や貴族の邸宅の立ち並ぶ高級住宅地、大聖堂周辺やルンドホルム港周辺市場、ルンドホルム大学など、さまざまな施設が立ち並んでおり、思い切り観光地状態。煉瓦と石畳の街並みに雪化粧は美しくロマンティックであるといわれている、寒さに耐えられればだが。
寒さや栄養に乏しい土、森林の野性動物による田畑荒らしなどのため、農業が得意でなく、一次産業はもっぱら漁業で、グランダシアと海産物に関する協定を結んでいる。冬場の手工業から発展した服飾関連業と軍事関連の重工業も盛んだが、重工業はエアスター大陸からの資源や技術の輸入に頼っているところがあるため、少々危ない橋を渡っている。
経済情勢 全体的に見れば豊かな方かもしれないが、連合王国内で相対的に見ると実はインレ大公国やノルフェルト王国より経済的に不安定。資源、特に食料自給率の低さに由来するものと思われる。人的資源こそすべてで、教育や軍事に予算を割いている分王族や貴族もさほど優雅な暮らしができるわけではない。生活水準の上下差は少なくても、連合王国内で見れば格差の大きい方で、首都ルンドホルムにはいわゆるスラム街もないわけではない。
文化的特徴 のちのエーデマルク人となるひとびとが最初に辿りついたといわれるルンドホルムを有しており、当初はステラクス系のひとびとが圧倒的多数派だったはずだが、寒冷地に適応するためクレスティンのひとびとの教えを乞うてきた歴史があるので、建築物や衣服などはクレスティンの影響を強く受けている。石畳の街並みに襟の高い上着が目立つ。食べ物も豚や魚の肉を食べるのが主流で、ノルフェルト王国から食用の肉を一番輸入しているのはこのエーデマルク王国。麦を原材料とするやたらと強い蒸留酒があるのも特徴的だが、これだけはステラクスから持ち込んだものがエーデマルクの寒さでパワーアップしたものと考えられる。
スオラ人と衝突したり交流したりしてきた歴史もあるので、スオラの要素も多分に含まれる。
あらゆる宗教の祭りが行なわれ、毎月のように何かをやっているため、観光には面白いかもしれない。
身分制度 王侯貴族は存在するが、身分というより職業。王は法による束縛と民衆の支持率に左右され、世襲制とは言ってもかなり簡単な手続きで譲位が行なわれてしまう。貴族は王が国に貢献したと認めた者(主に国会議員と軍人)に授ける爵位で判断される。エーデマルク王国内である程度の土地の取得や減税で融通を受けるなどのメリットもあるが、逆に国事行為への無償での参加を義務付けられたり社会貢献などの点で民衆から圧力をかけられたり最悪の場合議会から貴族の位を剥奪されて社会的に公開処刑も同然の憂き目にあったりするなど、デメリットも大きく、なりたがる者はあまりない。
宗教 現在のエーデマルク王室は代々聖隷教経典派であり、国民も聖隷教を信仰している者が比較的多いが、あくまで比較的の話であり、全体ではおそらく多く見積もっても4割。ステラクス三柱信仰・スオラ由来の土着の精霊や小人への信仰・雪人神話・その他移民は自らの出身地での民族宗教(特にクレスト人の聖隷教クレスティン正教会とヤギホ人の拝火教とアガデスタ人のアガダ信仰が強い、移民ではないがサハラトヌや慈亞からもいろいろ持ち込まれている)などが入り乱れており、熱心な聖隷教信者は少ない。収拾がつかないので互いに触れないようにしている。中には思い切って無神論者であると主張したり特定の宗教に帰依しなかったりする者もあってしっちゃかめっちゃか。
教育水準 連合王国内でもっとも高い。厳密に就学年齢や就学期間を定めているわけではないが、各都市・各村の教会や社殿を中心に児童へ国が定めた複数種の書物を読了させ知識を習得させるよう通達が出されている。職人の家庭では夏場の早朝や夕方、農民の家庭では冬場の昼間に子供を学ばせる親が多い。さらに高度な教育を受けたい者は都市の学習塾に入学し、その上を目指す者はルンドホルム大学で講義を受講することになる。
ルンドホルム大学は国立で王国を挙げての運営がなされており、世界中から研究者を募って研究費を援助するとともに教育分野を担うことを依頼している。大学も入学や卒業に厳密な区切りはなく、師事した研究者の判断で学位が授与される形式を採っているため、老いも若きも一緒くた状態だが、とりあえず十代後半から二十代前半の男性が多い模様。この中から未来の連合王国の政治経済を担う者たちが輩出される。
現在、議会では児童への義務教育の導入について議論されている。議論は一応導入に前向きな方向へ進んでいる。
担当者 しゃしゃ



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年01月08日 22:12