花果山。
その下に小さな岩があった。
雷がそこに落ち、何かが飛び出す。
のび太「やあやあ、我こそは野比のび太! じゃなくて、石から生まれた石猿、孫悟空だい! 筋斗雲、来い!」
筋斗雲が飛来。
のび太はそれに乗って飛び去る。
のび太「(こいつに乗ってひとっ飛び。72通りの術を使い、どんな奴でも片っ端からやっつける! なんたって×2、めちゃめちゃ強い) ん? 出たな、化け物」
ジャイアン、スネ夫「ああっ。悟空!」
のび太「化け物、覚悟!」
スネ夫「ママ!」
ジャイアン「母ちゃん! 覚えてろ!」
ジャイアンとスネ夫は逃げていった。
のび太「べーっ。弱虫! あははは!」
声「これ、悟空よ!」
のび太「誰だ!?」
そこに現れたのはドラえもんだった。
ドラえもん「わたくしじゃ」
のび太「あははは! ドラえもん!」
ドラえもん「ドラえもん? そうではない。私は西方極楽に住むお釈迦様と申す……」
のび太「釈迦様? 俺に何の用だ!?」
ドラえもん「大層強そうなことを言っておるな?」
のび太「ああっ、強いとも。逆上がりと跳び箱はできないが、この筋斗雲で一気に地の果てだって飛んでいけら!」
ドラえもん「ほほう…… さすればワシの手のひらから飛び出せるかな!?」
手を伸ばすドラえもん。
のび太「それ手のひら? 大福餅じゃないの!? あははは! いいか? よーく見てろよ。宇宙の果てまで行ってみせる。それーっ!!」
ドラえもん「もう!」
のび太が筋斗雲で宇宙に飛び出す。
のび太「へっへ。そろそろ銀河系を抜けた頃、この辺までくりゃもんくあるまい。お? 何だ。あの惑星は!?」
のび太が惑星の前にたどり着く。
のび太「丁度いいや。ここに印をつけていってやろう」
のび太は抜いた毛を筆に変え、惑星に落書きをする。
のび太「丸書いてチョン、丸書いてチョン。ベロ書いて。釈迦様、びっくりするだろうな……」
のび太が帰ろうとするが………。
声「はっはっは!」
のび太「そ、そんな……」
のび太の前に立っていたのは巨大ドラえもんだった。
ドラえもん「悟空よ、お前の力はそんなものか? 惑星と思っておったのはワシの手のひらじゃ。この愚か者め!」
のび太は墜落し、岩の下敷きとなってしまう。
のび太「おい、出せ。こっから出してくれ…… 釈迦様、何てことするんだ!」
ドラえもん「勉強はしない、ママのいうことは聞かない、すぐに泣く、ドラえもんをいじめる。 その報いとして500年間そうやって苦行するが良いぞよ……」
のび太「ご、500年?」
ドラえもん「500年目に天竺に向かう三蔵と申すお坊さんがここを通る。その人のお供をして修行するが良いぞよ」
のび太「やだやだ! こっから早く出せ! このぉ!!」
やがてのび太は眠りにつく。
声「のび太さん! のび太さん!」
のび太「ううっ。ああっ! 三蔵様!」
のび太に声をかけたのはしずかだった。
しずか「のび太さん、何言ってるの? 出番よ」
スネ夫「早くしろよ!」
ジャイアン「お前、そんなところで寝てる場合かよ?」
のび太「スネ夫にジャイアンまで?」
一同「あははは!」
辺りを見ると周りは学校だった。
ジャイアン「早くしないと抜かすぞ!」
のび太「待って、待って。やあやあ、我こそは石から生まれた石猿、孫悟空だい!」
するとジャイアンの棒がのび太をどつく。
のび太「アイテ……」
ジャイアン「何がだいだ。お前が孫悟空の役のわけないだろう?」
スネ夫「のび太のセリフは村人その1『助けてくんろー』の一言でしょ?」
ジャイアン「のび太のセリフは抜かしまーす!」
のび太「そんな…… ドラえもん!!」
最終更新:2017年06月02日 19:44