|NO MAN'S LAND|(背景紺色、文字白色)
とある霧が深い夜の森林。
ボスニア軍の兵士らが歩いていた。
兵士「ここはどこだ、わかるか」「さっぱりだ」「少なくとも敵側とは違う。」「なあ、霧が晴れるまで待った方がいい、今、進んだら危険だ」「お前の心もとない案内じゃコーヒーを飲むのも危険だよ」「霧が濃い、頑張ろう」「聞いたか、この状況でも前向きだぜ、とことん楽天家だ」「楽天家と悲観論者の違いを?」「悲観論者は今を最悪と思い、楽天家は次を最悪と思う」「お前がジョークを言っても笑えないんだよ。お前が賢くないからだ」「賢かったらこんな所に来るもんか、軍の司令官か国連職員になってる。レストランの経営者か、タバコか。」
兵士らはタバコを吸う。
兵士「自分のを吸ってくれおれのが減っちまう」「吸わせろよ」
チキ「俺はマザー・テレサか」
すると兵士の隊長が戻ってくる。
隊長「気でも触れたのか、敵に見つかる」
チキ「霧で足元も見えないぜ」
隊長「たばこを消せ、消すんだ」
チキ「髪はどうした」
兵士「肝の据わった男だ。初の前線へ赴く途中で居眠りなんか、近頃の若いやつは…」
チキ「何だ?」
兵士らが物音に気づく中、隊長が再び戻ってくる。
チキ「ガイド、ここはどこだ」
隊長「そろそろ目的地だ。じき夜が明けたら楽になる、夜間に交代班を前線に案内するのは初めてなんだ」
チキ「ツイてるぜ」
兵士たちがじっと待つ中、夜が明ける。
チキ「おい、おい、見ろよ。」
朝になったのを見た兵士らは起きあがる。
先にはセルビアの国旗がたてられており、戦車がやってくる。
隊長「まずい」
隊長がそれを言うのもつかの間、戦車の攻撃で頭を貫かれ射殺される。
兵士「逃げろ!」
戦車の攻撃にボスニアの兵士が逃げようとするのも次々と殺され、他の兵士らは全速力で攻撃から逃れようとする。
残ったチキとツェラは戦場から逃げようとするが攻撃の爆風のはずみで塹壕の中に入る形で倒れる。
セルビアの戦車は撤退する。
最終更新:2017年07月07日 21:54