アナタは恋をしたことありますか?
思春期の女の子は、みんないろいろと大変なんです・・・・
とある中学校。
あゆみ(・・・・5,4,3,2,1)
チャイムが鳴り、生徒達が教室から出て行く。
その中には、5人の(美)少女のグループがあった。
江ノ本慧(中2)「だーかーら!好きでもない男に告られてもメーワクなだけなんだって!」
別所小宵(中2)「そだねー、あたしもお兄ちゃん以外のヒトから好きって言われても嬉しくないもん」
土橋りか(中2)「まーだ小宵のブラコン話かよ~~~~~」
千倉名央(中2)「でもモテルってうらやましいよねぇ?あゆみちゃん」
有原あゆみ(中2)「うんっ、あたしも一度でいいから愛の告白されてみたい!」
「そしたら無条件でソッコーつきあっちゃうのになあ—---♡」
慧「はあ~~~?マジでぇ~~~?」
あゆみ「だって愛するより愛される方が幸せだと思うんだもん!」
りか「やれやれ」
慧「けど、他にもつきあうのに大切な要素あるでしょ?ビジュアルとか!」
りか「ほっほーう、江ノ本は男を顔で選んでるワケだ。なるほど」
慧「なによっ」
りか「べーつーにー」
ふと後ろをみたあゆみが冷や汗を流す。
慧「絶対見た目はじゅうよ・・・」
りか「ひっ!!」
あゆみ達の前に、高校の制服を着た、野獣の様な厳つい形相の男が立っていた。
慧(うっ、ひゃあは~~~~~~~~っ!!!ななな、何なのこの怪物!!21世紀によみがえったオニ?)
小宵「(い、一応高校の制服着てるけど)
名央(・・・・・・・・!)
あゆみ(どどどどど、どうしよう。ずっとこっち見てるよ~)
りか(かっ、絡まれる前に早く逃げないと・・・・)
野獣男「・・・・・・・」
野獣男がズボンのポケットに手を入れた。
あゆみ(ぎゃあ!!)
慧(何!?何を出す気なの!?ナイフ?スタンガン!?それとも・・・・っ)
野獣男がポケットから取り出した物をあゆみの目の前に出した。
あゆみ「きゃああああああ!!」
「きゃーーっ、きゃーーっ、やめて許して、殺さないでぇぇ~~~~~っ!!」
野獣男が差しだしたのは手紙だった。
りか「え」
慧「て、手紙・・・?」
小宵(あ・・・あゆみちゃん、それ何?)
りか(わかった!決闘の申し込みだ!!)
あゆみ「恐ろしいこと言わないでくれる!?ほら違う・・・」
有原あゆみ様
好きです。つきあってください。
財津操(ざいつ みさお)
操「へ、返事、あとでいいから・・・・・」
野獣男こと、操は顔を赤らめながら、帰って行った。
あゆみは傍にへたり込んだ。
りか「・・・・ぷっ」
小宵「あは・・・・」
慧「きゃははははっ」
「よかったじゃんあゆみ、『愛の告白』だよ!!」
りか「見てこのラブレター!!あの図体でかっわいい字!」
慧「あんな怪物に告られるなんてサイアクー!軽々しいことは口に出来ないもんよねーっ!!」
あゆみ「わ、笑いごとじゃないよぉぉ~~~~~」
慧「ほら早く追いかけてオーケーの返事言わないと!」
あゆみ「やだっ!!あんな化け物とつきあえるわけないでしょお!?」
名央「けどあゆみちゃん・・・断ったら逆に何されるかわからなくない?」
あゆみ「うっ・・・・」
りか「・・・・・・たしかに」
慧「何とかなるって!返事はあとでいいって言ってたし・・・とにかく帰ろっ」
あゆみ「こ・・・腰が抜けて立てない・・・」
夜。あゆみの部屋。
あゆみ「うわあぁん。あたし一体どうすればいいのぉ~~~~~~っっ!!」
(もし断ったら多分絶対怒りまくる。そしたらあの体格だもん。下手すれば殺されちゃう!)
「だっ、だからって・・・・っ」
(あの男のカノジョになんて・・・・)
「いやっ!!無理無理あんなのとつきあったら、何されるか—--ってそれじゃどっち選んでも、あたしの未来真っ暗じゃん!!」
(それならいっそ・・・この際開き直ってつきあってみる?恋人なら大切に扱ってくれるかもしれないし。とりあえず死は免れるかも・・・・)
(でも、あたす耐えられるのかな・・・、大きい手、大きい口。そしてそれらの武器であたしは—-多分×××も・・・・って何考えてんのわたし)
そこに、あゆみの兄の有二が入ってきた。
有二「おい、あゆみ」
あゆみ「きゃ—----っ!!年頃の妹の部屋にノックなしで入るな—----っ!!」
有二はあゆみに部屋の外へ殴り飛ばされた。
有二「あいぃ・・・ぐはっ」
「ふっ、ふみまひぇん・・・・あゆみが全然夕飯食べてねーから心配になって・・・」
あゆみ「あたしの心配・・・・そうだね!お兄ちゃんなら解決してくれるかも!!」
有二「だろ?」
あゆみ「あのねっ、思い切りぶっとばしてほしい奴がいるの!」
有二「誰だ?クラスの男子か?」
あゆみ「ううん、財津操って高校生♡」
有二「!!」
「あゆみ、その名前を安易に声に出してはならぬ・・・・」
あゆみ「え?ぶっとばす話は?」
有二「バカ!あゆみは兄ちゃんの命惜しくないのか!」
あゆみ「じゃあお兄ちゃん、あゆみの心配」
有二が部屋の外に逃げた。
あゆみ(お兄ちゃんのスカタン!!そりゃ戦っても勝てるとは思ってないけど)
「~~~~~もうこうなったら、寝る!!」
あゆみ(朝になったら、全部夢だったなんてことにならないかな・・・・・)
翌朝。登校するあゆみの後ろに操が付いていた。
幼稚園児「うわーん、あのひとこわいよー」
あゆみ(なんて、なるわけないか。なぜ朝から現れる?)
慧「えーじゃああれから下校の時間だけじゃなくて登校の時もあの男毎日ついてくんの!?」
あゆみ「そ~~~~^なの~~~~~、おかげでストレス溜まりまくりだよ。夢の中までアイツに追いかけられるんだから。あたしこのままじゃ睡眠不足で死んじゃうかも」
慧「だからそれは野獣クンへの返事をずっと保留にしてるからでしょ?もうつきあえ!そしたらウチらの中で初の彼氏持ちじゃん!わあうらやましーー」
あゆみ「ひっどーーーい!何よその薄っぺらいセリフ!!他人事だからそんなテキトーな意見くらいしか言えないんだ、この老け顔中学生—--」
慧「ちょっとお!誰が老け顔だ、コラ大人っぽいって言っ・・・」
怒った慧が読んでた雑誌を引き裂くと同時にあゆみが机に倒れふした。
慧「あゆみ!?」
あゆみ「らめ・・・・今の大声で力使い果たしちゃったみたい。うう、急激に睡魔が・・・なんだかもうねむいんだ・・・・」
慧「ダメだって!次、溝口の数学だからブチ殺されるって!!」
男子「・・・・・・・」
あゆみ「もう死ぬーー」
慧「バカ!死ぬなっ」
二人の後ろの席の男子が立ち上がって、近寄った。
男子「具合悪いなら、僕が保健室まで連れてこうか?」
慧「ほへ?そ・・・そーね、ほらあゆみ、保健室行こう!」
あゆみ「だから動く力ないんだってば~~~~~」
男子「・・・しょうがないなぁ―――」
「よっ」
男子があゆみをお姫様抱っこで持ち上げた。
あゆみ「ひゃああああ!?」
男子「暴れないでよ、落っこちゃうだろ!?」
あゆみ「だだだ、だってお姫様だっこなんて・・・・っ」
男子「おんぶしてもいいけど、それじゃその有原さんのむっ、胸が・・・あたる」
あゆみ「あっ、じゃっお姫様だっこでいいです!!」
クラスメイトたち「エロくね?」
「なんだなんだ」
「うひゃー」
「アイツらできてんの」:
あゆみ(あたし・・・ずっと誰かから愛されることばっか夢見てたけど)
(アレ(操)は問題外)
(女の子ってきっとこうして恋に落ちるのね!!)
男子「僕、将来救急隊員になりたいんだー。だからほっとけなくて」
あゆみ「まあなんて堅実な♡」
あゆみ(救急隊員の妻になるには何を学べばいんだろ。子供は男一人、女一人がいいなぁー)
男子「何ブツブツ言ってんの?もう着いたけど」
あゆみ「えへへ、ホントありがとう財・・・・・は!」
(財・・・津・・・くん?)
財津衛「それじゃお大事に!」
あゆみ(「財津」・・・「財津」って・・・・!!)
「ね、ねぇ財津くん!ままま、まさか・・・財津くんって高校生のお兄さんがいたりなんかしたり・・・する?」
衛「うん、全然似てないのによくわかったね。アニキは僕と違って大柄だし天パだし」
あゆみ(あっ)
衛「もしかして名字でわかったのかね。「財津」ってこの辺じゃウチだけだからー」
あゆみ(悪夢だ)
あゆみが倒れた。
衛「わあっ!有原さん!?」
校医「きゃー」
あゆみ(それじゃもし財津くん(弟)と結婚したら、あたしあの男と義兄妹になっちゃうってこと!?せっかく走り出したこの恋なのに、結局あたしはアイツから逃れられない運命なの!!?)
あゆみ「うーんうーん、いやあああ、あたしが何したっていうのお~っ」
衛「すっごくうなされてますね」
校医「救急車呼んだ方がいいのかしら・・・・」
その後、慧とりかが保健室に来た。
慧「あゆみと財津くん、クラス中で噂になってるよ――――」
あゆみ「えーーっ、うっそーーん、やっだーーん、困っちゃうう。でへへー」
りか「全然困ってナイナイ!ほれ、スクバ」
あゆみ「だって噂になってもいいモン!財津くん優しいし、カッコいいし、頼もしいし♡」
慧「財津くんはあっさり否定してたけどね。なに、アンタほれてんの?」
あゆみがベッドから転げ落ちた。
慧「だからこの話題は明日からはもう誰も語らないと思われます!」
あゆみ「うるさいよぉ、バカァーー」
りか「ちょっとちょっと!今はそっちの「財津」よりも。アッチの「財津」のことを考えるべきじゃね?」
あゆみ(校門を出て右に真っ直ぐ。10メートル、50メートル。信号を左に曲がって、その先に・・・)
そこに操が待っていた。
あゆみ(出~~~~~た~~~~~、ひーえー)←いまだ慣れない人
慧「てか全然似てないよねーーーー、財津姉弟!」
りか「DNAの不思議だな」↑・←最初に比べればだいぶ慣れた人達
りか「そろそろあの野獣クン何とかしてよね、あゆみ!」
慧「そうそう!野獣クンが恐ろしくて、一緒に帰らなくなった小宵と千倉のためにも!」
「じゃ」
慧・りか「「健闘を祈る!!」」
りか「ウチらこっちなんで」
慧とりかが離れた。
あゆみ(そうだよね。あたし一人が困ってるんじゃないもん、みんな困ってるんだもん。友達のため・・・って考えれば大丈夫!言えるよね?頑張れるよね!?)
「あのっ!!」
操「・・・・・あぁ?」
あゆみ(ひ、久々まともに顔見たけど・・・やっぱりコワイ!!!)
(うっ・・・・・何で?なんであたしだけこんな怖い想いしなくちゃならないの・・・・!?(何でこの人、あたしのこと好きになっちゃったの・・・?)
あゆみは泣き出した。
あゆみ「めっ、メーワクなんです!そーやって毎日ついてくるの!!カオはコワイし、体はデカイし。へ・・・返事は気持ちが固まったらこっちから伝えに行くのでっ、だからもうお願いだからついてこないでくださいっ!!!!」
「はあ・・・っ」
(逃げろっ)
あゆみがその場から駆け出し、操は立ち止まっていた、
あゆみ(これでも走るのはクラスで二番目に速いんだから!!)
「こっ、ここまで来れば・・・」
操はついて来なかった。
あゆみ「・・・・・」
(追ってこない・・・・・そりゃ確かについてくるなって言ったけど)
(ちょっと・・・!なんであたしが罪悪感感じてんの?)
不良(バーカー)「はぁーーーいお嬢ちゃん。痛い目見たくなかったらちょっと一緒に来てくれる?」
あゆみの背後に立った男が、あゆみの背中にナイフをつき付けていた。
とある廃工場。あゆみは柱に縛り付けられ、その周りを4人の不良達が囲んでいた。
あゆみ(う・・・嘘、なにこの展開)
不良(ボーズ)「よーやくあの野郎を倒せる日が来たなっ!!」
不良(ヒゲ)「ちゃんとメール読んだかな、操のヤツ」
不良(バーカー)「てかアイツも中2のガキに惚れるなんてどーかしてるぜ。あのツラでヘンタイだよなーーー」
あゆみ(やっぱり、あの人絡みでさらわれたんだ。しかもコッチの人のがカッコイイときたよ)
不良(ボーズ)「けどよー、何で今日はこのコ一人で帰したんだろうな。いつも絶対見送ってたのに」
不良(バーカー)「は?さ、さあ途中でクソでもしたくなったとか?」
あゆみ(・・・・・・)
不良(ボーズ)「オッ、オマエなー!このコが自分の弱みになるってわかってるくせにノコノ便所探してたのか、このヴァカ!!アホ!」
不良(バーカー)「るせ—--っ!!オマエ突然襲ってくる便意ナメんなよ!臨界点に達した時のあの辛さ知らんのかっ」
あゆみ「あの人なら来ないよ!!」
不良(ボーズ)「な、何だよ急にっ!」
あゆみ「だってあたし、ひどいこと言っちゃたんだもん!!絶対怒ってる!あたしのことなんか助けにくるわけがないよおおーーーっ!!」
不良「何?痴話ゲンカってヤツ?」
不良「おいおい、操がこねーとイミねーんだけど。どーすんのよー」
不良「あーもー泣くなよ・・・操はアンタのことまだ好きだって。絶対助けに来る!だからいい加減――・・・」
そこへ、飛び込んできた操のドロップキックが不良(ボーズ)に炸裂した。
不良「みっ、操・・・・!!!」
操「約束通り来てやったんだ。放してもらおうか・・・・・その・・・・あっ、あゆっ、あんゆ、・・・あっ、あいっおっ・・・~~ちゃんを!!!」
不良(ヒゲ)「恥ずかしくて名前も呼べんのかいっ。純情なヤツめっ」
あゆみ(やっぱり強い!!さあ!攻撃開始よ、野獣クン・・・)
不良(バーカー)「バカヤロー!これからが人質の本領発揮なんだよ!!」
あゆみ「はい?」
不良(バーカー)がナイフであゆみのスカートを切り裂いて、パンツを露わにした。
不良(バーカー)「ほれ♡」
あゆみ「あっ、きゃ~~~~~~~~っ!!!」
操「どわあああああ!!??」
操は顔を手で覆った。
あゆみ(あ、アホか・・・・)
不良(バーカー)「オマエが抵抗したらこのコの大事な部分丸出しにしちゃうぜ?俺だって中坊の女子相手にこんな非道なことしたくねーからよー」
不良(サングラス)「だから黙って殴られてくれや」
不良(サングラス)が操の顔面を殴った。
不良(バーカー)「やれやれー!操の無敗記録を俺達で止めるんだーーー!!」
不良達が操を一方的に殴りつける。
あゆみ(・・・あたしが捕まったりしてなければ、あの人きっと勝てるのに、あたしが彼を追い払ってなければこんなことにならなかったのに)
「バカァ!!あたしのことは気にせずちゃんと反撃してよ!!アンタ強いんでしょ!!?だからコイツらこんな卑怯なやり方でしかケンカ売れないんでしょ—---っ!!!」
操「だ、だけど」
不良(バーカー)「はっはー、そうだぜ!!無駄口叩く子はおしおきだ。みんなにもっとよく見てもらえオラ」
あゆみの裏拳が不良(バーカー)の顔面に炸裂した。
不良(バーカー)「は・・・・・はっ、鼻が」
不良(ヒゲ)「お、おい!!オマエどーやってその縄・・・!」
あゆみ「ああコレ、もともと縛り方がゆるかったの。でも逃げ切る自信がなかったら動けないフリしてたんだよね」
操「・・・・・それじゃあ反撃開始だな」
不良たち「「「「ぎゃああああああああああ」」」」」
操は不良たちを倒した。
操「だ、だいじょーぶ・・・・か・・・・?」
あゆみ「もう!!ホントこわかったんだからあ!!!」
あゆみの回し蹴りが操の顔面に炸裂した。
あゆみ(いったぁ、渾身の一撃がっ)
操が倒れた。
あゆみ「え・・・・」
不良(ヒゲ)「た・・・っ、倒した・・・・」
不良(ボーズ)「今まで誰も勝てたことねーのに」
不良(サングラス)「操が選んだ女だけある・・・ってことか」
不良(バーカー)「じゃあ一番強ぇのは、こ・・・・このコ・・・?」
不良たち「「「「おそれいりました!」」」」
あゆみ「え、あ」
操(あ、あゆみちゃんのパンツ見えた・・・♡)
思春期の女の子はいろいろ大変なんです。
でも男の子もいろいろと大変なのかもしれませんーーー
あゆみ「そんなワケないでしょお~~~~っ」
衛「あ、兄貴のあとを追ってみたら・・・・有原さん最強・・・!」
最終更新:2018年08月16日 19:42