魔法少女俺(アニメ版)の第1話

この地球には悪しき「魔」が住みついている。
そして同時に、この地球には「魔」を屠る者が存在した。
その名は・・・魔法少女である!

謎の生き物「さきちゃん!西の方向に敵の気配ヌポ」
少女「OK,それじゃあ・・・行くよっ!」

羽根の生えた謎の生き物、マスコットのココロンを従えた、フリフリの衣服を纏った少女―――魔法少女さきが、地上に降り立った。

さきが、異形の怪物と相対する。
さき「ようやく出たわね・・妖鬼モョスウッチ!!」
モヨスウッチ「ギョベロボババンヌゥエッゲヘエー!!!」

ココロン「さきちゃん!気をつけるヌポよ!妖魔は何を言ってるかよくわからないけど、とにかく殺意を感じるヌポォ~!!」
さき「何を言ってるかよくわからないけど、よくわかったわ!!」
「ふっ!た―――っ!」

モョスゥッチ「ゴベロバッチョンヌウゴ――――ッ!!」
さきが飛び蹴りをしかけるも、モョスゥッチが口から吐いた光線で弾き飛ばされた。
さき「うわ――――っ!なんて攻撃・・・・」
ココロン「大丈夫ヌポ?・・・こ、これは!!」
光線を受けたさきの手が白黒になっていた。
ココロン「攻撃を受けたところが白黒になってるヌポォ!ある意味色指定が楽だけどもったいないヌポ!」

モョスゥッチ「ギョバ~~~~」
モョスゥッチが光線を乱射し、辺りが白黒になっていく。

ココロン「このままではマスイヌポ・・・」
さき「どうしたの!」
ココロン「画面が全て白黒になったら、白黒に慣れてない視聴者が「家のテレビが壊れたのに何て番組流すの!」とかクレーム電話がじゃんじゃんかかって、開始三分でこの番組は打ち切り!残り時間は美しい風景の映像を流すことになるヌポ~~~~!!」
さき「・・・・え――――っ!よし!あの技を使うよ!」
ココロン「ま・・・まさか、あの禁断の技を!?」

さきがステッキを出現させた。
さき「レインボーミラクルスーパーデリシャス、プリティ!ハイパー!レインボーアタ――――ック!!!」
さきがステッキから放った虹色の光線がモョスゥッチに炸裂し、モョスゥッチは大爆発した。
モョスゥッチ「ゴベロチョマァッムフンンゥア――――――ッ!!!」


さき「成敗!!」
ココロン「光学撮影費を惜しげもなく使いゴージャス気取った攻撃、貧乏性のさきちゃんらしい技なのスポォ~」

さき「うっ!!」
さきが膝をついた。
ココロン「さきちゃん!!」
さき「さっきの技の反動で力が・・えっ?」

電灯の上に豪勢な服を纏った少年が立っていた。
少年「戦いに全力で励み、そして伏す。魔法少女、君は美しい」
さき「あなたは・・・」
少年「傷ついた魔法少女は私が守る。そう、私が。とう!」
少年が飛び降り、さきの元に歩み寄ってきた。

さき「ピーチプリンス・・・!!」
ピーチプリンスがさきを抱え上げた。
さき「えっ、どうしてここに・・・ピーチプリンスは王国へと帰ったはずじゃ・・・」
ピーチプリンスが指を立て、自分の閉じた口を指さす。
ピーチプリンス「しっ・・・」
さき(は・・・はい~~~~~~っ)

さき(ピーチプリンス・・・貴女は一体何者なの・・・・?ああ、でも――――・・・しばらくは、まだこの腕の中に・・・)
ピーチプリンス「ピピピピ」
「ピピピピピピ・・・・」

目覚まし時計「ピピピピピピピ」
さき「・・・・・・・・・・・・・」
ベットで寝ていた少女、卯野さきが目覚め、
目覚まし時計を止めた。

さき「ちくしょう・・・・夢か・・・・!くう・・・・・っ」


第1話 魔法少女☆変身



母親のさよりが朝食の仕度をしている所に、さきが慌ただしく降りてきた。
さき「うわ―――!二度寝した――!もうどうして起こしてくれなかったの!?」
さより「起こしたわよ、何度も。でも、さき気持ち良さそうに寝てたから」
さき「今日の所は遠い場所なんだから、8時には絶対起こしてって言ったのに!もう時間無い。行ってきまーす!」
さより「さき、朝ご飯は?」
さき「いらなーい!」
さより「じゃあさき、これ持って行きなさい」
さき「サンキュー!」
さきが出て行った。
さより「行ってらっしゃい」
「・・・・丁度今のさきの頃に私は・・・」


さき「急げ急げ―――!」
皿ごと渡されたフルーツが盛られたパンケーキを食べながら、さきは走って行く。
さき「さあ、頑張るぞ―――!」


さきともう一人の少女、御翔桜世が街でライブをしていた。

さき「皆――――!!今日はマジカルツインのライブに来てくれてありがとう!!今日出たばっかりのシングル『ハチミツフラュシュ~変わるわね~』、よろしくね!」
桜世「よろしくね――」
しかし、二人のライブには人っこ一人来てなかった。
さき「・・・・・・・・・人っこ一人いない・・・・マネージャー・・・ひょっとしてこの辺りに戒厳令敷かれてたりとか・・・」

マネージャー 矢茂小波「いや、君達が人気ないだけだね・・・」
さき「ハッキリ言いますね」
(また部屋が自分で買った自分のCDの在庫で溢れてしまう・・・くすん)


司会「それでは今大人気のユニット、STAR☆PRACTICEの2人が登場でーす!」

桜世「兄さん」
さき「えっ!

さき達の後ろのテレビに、冒頭でピーチプリンス役(?)だった少年、御翔桃拾が映っていた。

MC「今日も桃拾くんはひたすらボーッとしてましたね」
司会「相方の兵衛くん、いつもこんなだと大変でしょ?」
兵衛「いやあ、これが桃拾の魅力ですし」
司会「桃拾くん、それが魅力って言われてるけど」
桃拾は無言で頷いた。
兵衛「ウチら、トークと歌は別ギャラなんで」
司会「そうなんだ、ギャラの取り分で揉めないでね」
MC「それではお二人に歌ってもらいましょう。曲は、「硝子の銀河」です!」

桃拾と兵衛が、EDテーマの「硝子の銀河」を歌い、
満員の観客達が大熱狂していた。

小波「あー!そういえば桜世ちゃんのお兄さんってこの黒髪の方の・・・桃拾だ!」
桜世が頷いた。
小波「いやーすごいよねぇ~あんなトップアイドルと兄妹なんてさあ。あれ?ってことは・・・・さきちゃんはスーパーアイドルの御翔兄妹と幼なじみか~」
さき「えっ」
さきはガラスにびったりとくっついてまで、桃拾を見ていた。
さき「幼なじみっていうか、小さい頃から私がついて回ってただけで・・・実はアイドルになりたいってキッカケもちょっとでも桃拾ちゃんに近づきたかったからなんです。そんな考え本当は不純ですよねっ。それにまだまだ桃拾ちゃんには全然近づいてませんけど・・・」
小波「いやー。ラブだね!ラブ☆パゥワ~だね!」
さき「もう、やだもう。何言ってるんですかもう!!」
さきが小波の肩を連続でしばいた。
小波「あっでもアイドルは恋愛禁止だからね!いきなり普通の女の子に戻る宣言とか涙の卒業演説とか、結婚発表とかだめだよ!」
さき「だ、大丈夫ですってば~!」
小波「ホントにー?」

桜世がさきの手を取った。
桜世「追い越してやろうよ、兄さん」
さきが笑みを返した。
さき(まだまだ頑張らなきゃいけない事はたくさんあるけど、ずっとこんな日が続けばいいなぁ・・・)


小波「それじゃさきちゃん、おつかれ――――」
さき「はい、おつかれさまで・・・・・」

さきの家の前でヤクザの様な風体の男が、家の扉を蹴りつけていた。
893?「ウラァ、出てこいやワレェ。ここにおるのはわかってるんやぞゴラァ。オルア!オラアァ!」

さき(ヤ、893・・・・・?ひ、ひえ~~~~~っ)
「あ・・・あの・・・うち・・・用・・・家・・・まちがえ・・・・?」
893?「おう、この家のモンか・・・・・?」
さき「ひえっ」
893?「ちょー話きかせてもらおうやないかオラァ・・・・」
さき(ヒ、ヒエェ~~~~~ッ)

小波「さきちゃん、さきちゃん!大丈夫!?」
桜世「一体何が・・・・!?」
小波と桜世は角に隠れながら様子を見ていた。
さき(ち、ちゃっかり隠れている・・・・)

さき「心配しないで!見ての通り全然平気だから!」
小波「ほ・・・ほんとに!?通報とか・・・」
桜世「・・・・」
893?「ア‘‘?」
男がさきを家の中に引きずっていった。
さき「大丈夫!!超大丈夫!!多分!!元気!!」

さき(元気なんて嘘です・・・)
ヤクザ?「おふくろさん・・・呼んでくれるか・・・?:
さき「オカーサーン早ぐ来てえ――――!」

さよりが来た。
さより「はいはい、何のご用?」
さき「お・・・お母さ・・・うちにヤのつく自由業の方が・・・・」
さより「・・・コーさん!・・・どうして、ここに・・・・」
893?「おう、久しぶりやのう・・・さよちん」
さより「帰って!私とあなたの関係はもう終わったはず」
さき(さ、さよちん?)
893?「ククク・・・甘いな・・・ワシから逃げられると思ったら大間違いやぞ・・・」
さき(ちょ・・・ちょっと――――――!!!この2人まさか・・・、まさかだよね・・・?)
「あの・・・お2人はその・・・どういう、そういう関係で・・・・・?そういう関係で・・・・・?」
さより「・・・・そうね、さきにはそろそろ話しておくわね・・・
お母さんね・・・実は魔法少女やってたのよ・・・」

さき「は?」
(元魔法少女)卯野さより「魔法少女だったんよ・・・・」
さき「は?」
さより「魔法少女、知ってるでしょ。昔、テレビでよく再放送してた・・・」
さき「いやいや、それはテレビの話・・・」
さより「中学生の時にコーさんにスカウトされて」
さき「コーさんて?」
893?「ワイのこっちゃコラァ」
さき(スカウトって・・・もっと別の何かのスカウトかと・・・)

さより「それからもうずっと魔法少女。今まで誰にも言えなかったけど・・・」
893?「ちなみにワシは、お供のマスコットや」
ヤクザ風の男が出した名刺には、
「魔法界 魔法少女マスコット部門 ココロちゃん」と書かれていた。
さき「嘘でしょ!!?名前かわいっ」
ココロ「パッ!と見てすぐわかると思うたんやけどな・・・語尾もついてるしなゴラァ」
さき(それ語尾だったの!?100人が見て100人がその筋の人だって言えると思うけど)

さより「ほら、お母さん先月腰痛めちゃったでしょ?寄る年波には勝てないっていうか・・・・」
さき「さ・・・最近までやっていたの!?想像できない・・・」
さより「そう、最近まで現役だったよ。でももう疲れちゃった」
ココロ「この辺じゃさよちんが一番のベテランさんやし。まぁ・・・この業界15過ぎたら完全にババァやからな!」
さき(厳しすぎる・・・今の発言でだいぶ敵作ったよ、あんた・・・・)

ココロ「でも、それやったらここのショバ守る魔法少女おらんようになるやろ?そやからもうちょい頑張ってもらわんと困るちゅうんや・・・・・ん?」
さき「ん?」
ココロがさきをじ――――――っと見つめる。
ココロ「ねぇ・・・好きな人とか・・・・いる・・・・?」
さき「いきなり!?そ、そりゃ年頃の女の子だし、ときめきやきらめきの1つや2つ・・・」
ココロ「年は?」
さき「じゅ・・・15」
ココロ「まっギリギリセーフやな、オラァ」
さき「はっ?」
ココロ「・・・・よっしや!ワシと契約して・・・魔法少女にならへんか?」
さき「えっ・・・はあ!?」

さより「よっしゃ!!さきちゃん、お母さんの腰の代わりに頑張って!!」
さき「ちょ・・・ちょっと!待て待て!おい!!」
ココロ「お前・・・魔法少女になったらあれやで・・・?ムッチムチのバインッバインやでオラァ・・・・」
さき「ウ・・マジか・・・」
ココロ「ノリ気やな!じゃあさっそく・・・」
さき「わーっ、今の違っ・・・・・タイム!!タイム!!!」

ココロ「この契約書にサインしてくれる?」

契約書 
私は、次の事項を遵守し、
全ての人々及び平和を守ることを
ここに誓約します・

  • 魔法界のルールに従い正義を
貫くこと。
  • 私情による魔法の乱用・悪用を
行わないこと。
  • みだりに己の正体を明かさないこと
(*特定の場合を除く)
  • 戦闘によって精神的・身体的に
どのような損害を被ろうとも
一切の文句を言わないこと。


さき「予想以上に生々しい・・・・全然マジカルじゃないじゃん・・・・」
「後でグッダグダ言われても面倒やからなオラァ」
さき「でも・・・すごい魔物?とか出るんでしょ?こういうの」
ココロ「大丈夫大丈夫!魔法少女っつーても最近は近所のチンピラやっつけたりするだけやから!妖魔なんて滅多に・・・・・・ん?」
ココロの腰の辺りから「デルデルデルデル・・・・」というアラームが鳴り出した。
ココロ「妖魔出ちゃった・・・」
さき「え――――――――っ!!!!」

ココロ「ちょうどええ・・・お前にも見せとくわオラァ」
さき(スマホで見れるんだ・・・・)
ココロ「妖魔の恐ろしさを!見んかい!おぞましい姿を!」
ココロのスマホには、モコモコとした可愛らしい生き物が映っていた。
さき「かわいい~。いやいやかわいい・・・っていうかこっちの方がマスコットっぽい気が・・・・」
ココロ「ペッ、バカかゴラァ!そんな仮初めの姿に決まっとるやろが!こいつらおもっくそムッムキになるでんよ!」
さき「ム・・・なんて!?」
ココロ「ムッキムキやで!!それに妖魔に通常の攻撃は通じひん・・・・倒せるのは特殊な力、魔法少女だけや」
さき「魔法少女・・・・・・あつ、誰か人が・・・・・」
桃拾が妖魔を抱え上げているのが、スマホに映っていた。
さき「っ!?)
ココロ「知り合いか?」
さき「ま・・・桃拾ちゃん・・・・・・!?」
(テレビの収録から帰ってきてたんだ・・・・そういえば動物好きだったもんな・・・うわあ!だんだん増えてきてる!)

ココロ「まずいなゴラァ・・・妖魔は人を異界へさらう」
さき「桃拾ちゃん!場所は!?」
ココロ「この先の神社の裏だオラァ!」
さき「わかった!」
さきが家から飛び出した。

さき「あっ違う!こっち!」

ココロ「・・・・あいつ・・・さよちん?」
さよ「あの子を・・・」
ココロ「ま、任せんかオラァ。悪いようにはせえへん」


さき(桃拾ちゃん、桃拾ちゃん、桃拾ちゃん、桃拾ちゃん・・・・!!)
「桃拾ちゃん!無事・・・・」

駆けつけたさきの眼前で、縛られた桃拾がムキムキになった5匹の妖魔に抱え上げられていた。
さき「ウワ―――――ッ手遅れだ―――――ッ!数もなんか増えてるし―――!」

ココロがさきに追いついた。

さき「桃拾ちゃん!」
ココロ「おい!あの異界ゲートに放り込まれたらゲームオーバーやぞコラァ!!」

桃拾と妖魔の進むすぐ前に、黒い穴が開いていた。

さき「近っ!」
ココロ「妖魔大量発生だぜオラア」」

さきがココロの首筋を掴んで、揺さぶる。
さき「お願い!どうやったらあいつら倒せるか教えて!!お願い!!」
さきの胸に、♡マークが浮かび、そこから光が溢れ出した。
ココロ(このラブパゥワ~指数は・・・マジか・!!)
さき「早く――――!」
ココロ「よっしゃ!!思いっきり好きな奴の名前を叫んで告れ!!」
さき「!?ハ・・・ハエア!!?なっ・・・なんそれ!!?」
ココロ「顔を赤くしてんじゃねえぞオラァ!あいつがいなくなってもいいのか!」

さきは幼かった日の、桃拾との思い出を思い返し――――
さき(よくない!!)
「わ、わたっ、私はっ御翔っ、桃拾ちゃんがっ、大好きだああ――――!!」
♡マークが強く輝き――――

桃拾「・・・・っ」

光の中で、さきの身体がムッチムチ―――いやムッキムキに変わっていく。
さき(何コレ・・・私、一体・・・・)

光によって、妖魔が弾き飛ばされた。

ココロ「やりおっった・・・」

次の瞬間、桃拾の前に、フリフリの衣装を纏った―――筋骨粒々の男が立っていた。

さき?「はっ・・・・・?」


(To be continued)

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最終更新:2019年07月21日 07:13