銀河パトロール ジャコの最終回

+1話:銀河パトロール任務完了!   DB0



ジャコ「新しい似顔絵もぜんぜん似ていないじゃないか!タイツもそう思うだろ?あんなによくみろと言ったのに!地球人の感覚はどうなっているんだ」
タイツ「・・・・・わかったって!似てない、ぜんぜん似てないからさっさと寝ろよ」

翌日・・・・・

タイツは海で泳いでた。
大盛「なんだ、泳いでるのか、海ボウズに気をつけろ、尻をなめられるぞ」
タイツ「え?」
大盛「ところでジャコはどこだね?」
タイツ「ほらあそこだよ。海ボウズって?」

ジャコは岩場の上に立っていた。
大盛「なんだ、あいつまだ似顔絵で落ちこんでるのか?」
タイツ「ちがうよ、地球にきた本来の目的のために見張るんだって。なあ、海ボウズってなんだよ」
大盛「本来の目的・・・・・・そうか!そういえばおそろしいヤツがやってくるとか言ってたな。すっかりわすれていたが・・・・・まさかホントだったのか・・・・・・!?」

タイツが海から上がった。
タイツ「おそろしいヤツってなんだよ!海ボウズより気になるじゃん」
大盛「地球人を滅ぼしにくるって話だ。ジョーダンだとおもっていたが・・・・・」
タイツ「え~~~~~~~~~!?どんなヤツ?」
大盛「きかなかった・・・・・なんでも本部のレーダーがその宇宙人の星から飛行物体の発射を捉え、ルートを計算したら地球だったらしいが・・・・」

タイツは岩場を登った。
タイツ「しょ・・・」
「おいジャコ!」
ジャコ「なんだ」
タイツ「おそろしい宇宙人がやってくるってホントか!?」
ジャコ「ああ計算ではこのあたりにな。だからここに不時着した。計算によればそろそろ隕石のように落ちてくるはずだ」
タイツ「もちろんやっつけてくれるんだろ!?」
ジャコ「やってくるヤツがまだ小さければ倒せるが成長したヤツだとムリだ」
タイツ「え――――――っ!!どうすんだよ」
ジャコ「どうする・・・・って、わたしは逃げて地球人は滅びるだけのこと」
タイツ「・・・・・・・・」
「小さいヤツだといいな」
ジャコ「そういうことだ」


タイツ「おそいな、地球をそれたんじゃないか?」
ジャコ「だったらラッキー」
タイツ「どうでもいいけど、あんたのスーツいい素材だね。ピッタリだ」
ジャコ「とうぜんだ、スーツではなく素肌だからな」
タイツ「げ――――――っ!!あんたそれなにもはいてないわけ!?」
ジャコ「悪いか」
タイツ「・・・ずっとノーパンだったんだ・・・!」
ジャコ「下品なことをいうな!わたしの星ではふつうのことだ!」
タイツ「・・・・・え?じゃああんた、オシッコはどこから・・・?」

ジャコの頭から液体が噴き出し、タイツの額にかかった。

ジャコ「ここからだ」

タイツ「かかったじゃないか―――――っ!!!」
ジャコ「!」
タイツがジャコを突き飛ばし、ジャコが海に落ちた。

大盛「?」

ジャコ「なっ、なにをするかっ!」
そう言うジャコの後ろで、一つの光が空から落ちていた。

ジャコ「こんな重大なときに・・・!!」
泳いで戻るジャコの後ろで、その光が地上に落ちていた。

ジャコ「いま宇宙人が落ちてきたらどうするんだ!!見逃してしまうじゃないか!!」
タイツ「サイテーなことするからだろ!」
ジャコ「サービスで地球にきてやったのに・・・・」


大盛「・・・・・こないようだな、見逃したんじゃないのかね?」
ジャコ「超エリートのわたしが見逃すはずがない。どうやら運よく軌道をはずれたようだな」
「よろこべ!危機は回避されたようだ」
タイツ「ほんとか!ラッキ―――――!だったらあんたの宇宙船でロケットの島まで送ってくれないか。じいちゃんに借りたボートと荷物が置いたままだ」
ジャコ「銀河パトロールをタクシーのように使うつもりか」
タイツ「なんだよ、あたしのおかげで飛べるんだろ」
大盛「よし、わたしもつきあおう」

ジャコ達が宇宙船で移動する。
大盛「どころでジャコ、その危険な宇宙人というのはどんなヤツだったんだ?」
ジャコ「やつらの目的は多くの星を乗っ取ることだが、おそろしいのは戦闘そのものを好む邪悪な宇宙人だということだ。銀河パトロールでさえ太刀打ちできず絶滅爆弾も効かない」
「地球のようなたいした戦力を持たない人間が支配している星にはたいてい子供を送り込みジワジワと人間を減らしていく・・・・」
「やつらは子供時代が長い、青年になるまで幼児体型のままで相手を油断させる。その後、一気に戦闘に向いた体形に成長し、以後ほとんど老化せずにずっと暴れ続けるのだ」
「見たところ地球人にそっくりだ、シッポがあること以外は」
大盛「へ~~~~~おそろしいな・・・・で、なんという宇宙人かね?」

ジャコ「惑星ベジータのサイヤ人だ」
タイツ「強そうな名前じゃないね、ははは。まあどっちにしても地球にこなくてよかったよ」


しかし、その宇宙船は先程地上に落ちていた。

武術の達人、孫悟飯の家。
宇宙船に乗っていたサイヤ人の子供――――カカロットが机に乗って、食べ物を食べていた。
悟飯「おいこら!もっとおちついて食え。あんなに暴れた後でよくそんなに食えるな。それにしてもおめえ、なにものがさっぱりわからんが、小さいくせにおっそろしく強ぇなあ、わしが武術の達人でなきゃあぶねぇとこだったぞ。だけど躾はろくにされてねえようだな。もし帰る家がねえんだったら、ここでいろいろ教えてやろう」
「名前がわからねぇからわしがテキトーにつけちゃうぞ。そうだな・・・・・空からやってきたから・・・・悟空ってのはどうだ?孫悟空」


大盛とタイツがボートで船着き場に戻った。
タイツ「あれ?ジャコまだもどってない」
大盛「おかしいな、とっくに着いているはずだが」
タイツ「あ、もどってきた」

宇宙船が着地した。
タイツ「おそかったじゃん、寄り道でもしてたのか?」
ジャコ「え?ああ、ちょっとな」
タイツ「・・・なあじいちゃん、この宇宙船の重力コントロールを参考にして装置を売り出せば、空金ぶんぐらいカンタンに稼げるよ」
ジャコ「そうか!」
大盛「バカをいっちゃいかん、重力コントロールなんてわたしの専門外だよ」
「原理もよくわからんのに売れば、すぐにボロを出す。やがて地球外のテクノロジーだってことがバレてしまうぞ。たいいち設備がない、設計だけをこっそり売るにしても、信用出来る会社なんてわたしは知らんよ」
タイツ「・・・・・・信用できる会社か・・・・・・・う~~~~ん、どうしようかな・・・・・」
大盛「そのことはあきらめるんだな。わたしが別の発明でもして少しずつ稼いでやるさ」

タイツ「カプセルコーポレーション・・・って知ってるだろ?」
大盛「え?ああ、もちろんだ、西の都にある世界一の資産家、天才ブリーフ博士の大企業だろ?それがどうした?」
タイツ「ブリーフ博士なら、絶対に信用できるぞ」
大盛「たしかに評判は「いいがぜったいとは言えんだろ。たいいちそう簡単に会ってもらえるともおもえんよ」
タイツ「パパだよ、あたしの」

大盛「ええ――――――っ!?タ、タイツくんはカプセルコーポレーションの御令嬢か・・・・・!!」
ジャコ「?」
タイツ「できればバレたくなかったよ」
ジャコ「ようするにタイツの家はすごい金持ちということか?」
タイツ「あんたのためにしょうがなく告白したんだから。でも特別扱いなんてするなよ」
ジャコ「しませんよ、タイツさん」
タイツ「・・・・・・・」
大盛「し・・・・しかしブリーフ博士ならすごいロケットが作れただろうに、なんでタイツくんはなんであぶないロケットに・・・・?」
タイツ「パパはロケットなんてカンタンすぎて興味ないんだよ」

タイツ「すぐに向かうからたぶん夕方には着くって。」
大盛「え!?きょうの夕方!?たいへんだ、いろいろ準備をしなくては!」
タイツ「だいじょうぶだよ、金持ちすぎて逆にぜんぜん気を使わなくてもいい人たちだからさ」
大盛「人たち?」
タイツ「ママと妹もくるみたい。ひさしぶりだし宇宙人にも会いたいんじゃない?」
大盛「・・・・・お父さんとお母さんはだいじょうぶだとしても・・・妹さんは学校でしゃべったりしないかね?」
タイツ「歳の離れた妹で5歳だからまだ学校に行ってないよ。しかも超天才だから空気を読むさ」
ジャコ「おまえ資産家の娘なのになぜ家を出てアルバイトをしたり、こんなみすぼらしい島にきたりする」
大盛「・・・・・・・」
タイツ「SF作家だって経験は必要さ、大金持ちにはこんな暮らしなかなか想像できないからね。ここは最高だよ、なんといっても宇宙人はいるし、それに老人と宇宙人だけならいくらあたしがかわいくてもおそわれたりしないだろうからさ」
大盛「・・・・・・・」
ジャコ「・・・・・・」


やがて、ブリーフ達の乗る飛行機が着水した。
ジャコ「おお!大金がやってきた」
タイツ「下品な言いかたやめろ」

飛行機から、ブリーフとその妻、そしてタイツの妹のブルマが出てきた。
大盛「ブリーフ博士遠いところにようこそ」
ブリーフ「おお!あなたが宇宙人ですな!」
大盛「・・・・・いえ、わたしは大盛博士ともうします」

ブルマ「ねえちゃん!」
タイツ「ようブルマ!ひさしぶりだね」

ブリーフ「大盛博士?時空工学の権威ですな」
大盛「こ・・・光栄です」

ブリーフ婦人「タイツちゃんハロー!お元気?」
タイツ「ママと妹のブルマだ」
ジャコ「妹は背が低いな、気に入ったぞ」

ブルマ「あなたが宇宙人?」
ブルマは銃を構えていた。

ジャコ「ふふん、ただの宇宙人だとおもったら大マチガイだぞ」
タイツ「またか・・・・」

ジャコ「わたしは銀河の平和を守る、選ばれし超エリート・・・・銀河パトロール隊員、ジャコだ!」
ブルマ「・・・・・」
ブリーフ婦人「まあステキ!」

ブリーフ「おおっ!この大きなダンゴムシみたいなのが宇宙船ですな!」
大盛「すごいですよ」
ブリーフ婦人「ザコさん、あなたこども?」
ジャコ「ジャコだ!そしてオトナだ!」
「いかん!みんな宇宙船のことは後だ!ニュースがはじまるぞ!」
タイツ「え?ニュース?」

大盛「きたないところですが、どうぞ」
ブリーフ「えっ!きたないのですか!?」
タイツ「ブルマ」
ブルマ「あたしは宇宙船をみてる」

ブリーフ婦人「これどうぞ、ズコックのプラモデルですのYP」
大盛「え?」
ブリーフ「ほう、こりゃうまい!」
タイツ「ニュースがどうしたんだよ」
ジャコ「まあみてみろ」

宇宙船が浮かんだ。
ブルマ「うお——っ、浮いた!かっちょい————!」

キャスター「午後6時になりました、ニュースの時間です」
ジャコ「いいぞ」

キャスター「本日正午ごろ、話題のスーパーエリートさん本院が、なんとつつぜんテレビ局を訪問し撮影を要求しました」
「ごらんください、こちらが局のロビーでポーズを決めるスーパーエリートさんです。彼はこの後すぐに立ち去ってしまいましたが、いったいなぜこのような行動に出たのかは謎のままです」

タイツ「・・・・・・あきれた・・・これが寄り道だったんだ」
大盛「・・・・・どうしてもあの似顔絵はプライドがゆるさなかったようだな・・・・・」


ブルマ「あった!」

タイツ「おーいブルマ、ゴハンだぞ」
ブルマ「あ———い」
ブリーフ「どうだった?ブルマ、反重力装置は」
ブルマ「すごかった!やっぱりレベルがちがうよ。でもパパよりあたしの発想に近かったよ」
大盛「え!?も、もしかしてもうメカニズムがわかったのかね!?」
ブルマ「アンテナがこわれてたでしょ?ついでになおしておいたよ」
大盛「エエッ!?ア、アンテナを!?」

大盛「ホントだ!!い、いったいどうやって・・・!?」
ブルマ「ぶつけたあとがあってさ・・・で、あの屋根がこわれてたでしょ?もしかしてそれが原因かな、とおもって探したらパーツがあったんだよ」
大盛「・・・・・・な・・・なるほど・・・・」

タイツ「なんだよ~~~~~!交信できるんなら、もう空金いらなかったんじゃないか~~~~~」
ブルマ「空金なんてなんに使うつもり?」
タイツ「エネルギーだよ、この宇宙船は空金で動くんだ。月にぶつけてその部分を落つとこしちゃったらしいから苦労してたんだよ。空金はめちゃめちゃ高額だからさあ」

ブルマ「もしかして機関部の修理してあったところ?あれはエネルギー源じゃないよ。たぶんパワーを金属に溜めておく特殊な装置。だからこわれてもしばらくはコントロールできたんじゃないかな、きっとタンク係数がおなじくらいの金属ならなんでもいいとおもうよ」
「空金とおなじぐらいなら、たとえば銅とか・・・」
大盛「銅!・・・・1キロ400円ほどだ・・・・」

タイツ「400円・・・・・」
大盛「・・・・・わたしは専門外だと言っただろ・・・」
タイツ「大金なんて必要なかったじゃん!」
ジャコ「おまえがつまらない意地を張らずに最初から家族をご招待すればよかったんだ!」
大盛「・・・・・5歳・・・・」

ブリーフ「重力コントロール装置の社会への貢献度ははかりしれない!報酬はどれぐらいをお望みかな?」
ジャコ「もう大金は必要ないのでいらない。地球のおカネがいっぱいあっても、わたしには意味がないからな」
「オーモリとタイツで少しだけもらっておけ。いろいろ世話になったからな」

タイツ「・・・・・・」
ジャコ「なんだ」
タイツ「あんた、たまにはそういういいこと言うんだね」
ジャコ「・・・・・」

ブリーフ「ところで無断でコピーするわけにはいかん。ライセンス契約はどうすればいいかね?」
ジャコ「え?」
「ちょうどアンテナがなおったので、本部にきいてみよう」

ジャコ「きいてみたがよろこべ、わたしの宇宙船はかなり古いタイプなのでタダでいいそうだ」
ブリーフ「あ、そう」
大盛「・・・・おまえ、もしかしてそれほどエリートじゃないな・・・・」

ジャコ「ところでおまえ、さっきから持っているそれはなんだ?」
ブルマ「光線銃、あたしが作ったんだよ。もしかしてあなたが悪い宇宙人だとやばいからね、撃ってみようか」
ジャコ「ははは・・・そういうところは5歳なんだな」

ブルマの光線銃が海に撃たれ―――、大爆発を起こした。

ブリーフ「ところでタイツ、大学はたのしいかね?」
タイツ「このまえも言ったけど16歳のときに卒業したよ」
ブリーフ婦人「大盛さーん、ビールのおかわりどちらー?」
ジャコ・大盛「「・・・・・・・・」」

ジャコ「おまえ、銀河パトロールに入隊する気ないか?」
ブルマ「考えておく」


大盛「2日後・・・使命を終えたジャコはお気に入りのミルクとチーズをいっぱい積み込んで帰っていった・・・」
「・・・その後、カプセルコーポレーションからほんのお礼ということで1000億ゼニーもの大金が送られてきた。こっちではなんと1500億円だ!その一部でわたしは正式にその島を買い取ることができた・・・・・」
「そしてずいぶんの月日が流れた。あいかわらずタイムマシンは完成しないが今では失敗しても笑ってすませるようになった」
「島のようすもわたしの人間嫌いも少しだけ変わった。ここが気に入り、たびたび遊びにきていたあの固茹警部もなんと今はこの島の住人だ。驚いたことに彼は家事がていねいだし料理も信じられないほどうまいので、正直タイツよりずっとありがたいかも・・・」
「そしてそのタイツは望み通りのSF冒険小説家になった。ふだんの彼女からは想像できない文才と強引にジャコに案内させたいくつかの星の取材のおかげでなかなかの人気作家になったが、ジャコをモデルにした『宇宙ポリス チャコ』だけはあまり評判がよくなかっつたようだ・・・」
「ジャコはどうやらガーフルフレンドができたらしい。この前ひさしぶりに地球にやってきたとき、デートで撮ったという写真をみせてくれたが正直どっちがどっちだかわからなかった・・・たぶんちょっと小さい方がジャコだとおもう・・・」
「そういえばこの前、タイツの妹のブルマがやってきた。16歳だがやっぱりとっくに大学も卒業し、今は大学に頼まれて特別講師をしているそうだ。その夏休みを利用して旅に出ている途中で立ち寄ったらしい・・・」

タイツ「やっほー」
ブルマ「みんな元気———?じいちゃんも生きてたね!」
大盛「変人一家だな、わざわざボートでこなくてもいいのに」

大盛「7個揃えるとどんな願いもかなうというふしぎな球を探す旅だと言っていた・・・すでに集めた2個の球を見せてもらったが、ブルマは地球には存在しない物質なので宇宙からやってきたものだと推理していた・・・」
「なんだかずいぶん怪しい話だが、広い宇宙にはそんなふしぎな球も存在するんだろうか・・・・」


悟空「大漁大漁!」
成長したカカロット・・・孫悟空が巨大な魚を抱えていた。


ジャコ「♪ゴーゴーロケット、ロケットゴー♪」
ジャコは葉月アンの歌を歌いながら、宇宙船を操縦していた。

大盛「こんどジャコがやってきたらきいてみよう・・・・」


(————おわり————ブルマと孫悟空の球探しの話はコミックス『ドラゴンボール』を読んでね!(CM))

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最終更新:2020年05月07日 19:30