主人公は夏休み中にボランティアに精を出す陽歌と出会い、それを手伝いながら絆を深めていく。
その中でフードドライブは参加者の少なさから失敗に終わったが、2人は次のそれに備えてポスターやチラシで呼び掛けをしていた。
~8月30日・夜~
夜、陽歌が主人公の家を訪ねて来た。
陽歌「こんばんは……こんな遅くに連絡なしで来ちゃって、迷惑だったかな?」
陽歌「全然平気?よかった……すぅ~はぁ……よ、よしっ。
あ、あの……明日の夏祭りなんだけど……私と一緒に、行ってもらえないかな?
それとも……他の人と行く約束してる?」
陽歌「えっ、いいの?ホントに?ありがとう!
本当はこの夏休みの間ずっとね……(名前)くんと会う度に誘おうかなって思ってたんだ。
ぎりぎりだったけど……今日、勇気を出してよかった。
じゃあ無事に用事も済んだから帰るね。
明日のお祭り、すごく楽しみにしてるよ」
<8月31日>
~神社~
陽歌「あ、(名前)くん、こっちこっち!
あ、あの、こんばんは。来てくれてありがとう……
今日は、朝からそわそわして落ち着かなかったんだ。浴衣も着られたし、晴れてよかった」
陽歌「浴衣、すごく似合ってる?
あ、ありがとう。そう言ってもらえるとすごく嬉しいよ~
頑張って浴衣を着てきた甲斐があった……かな。
それにしてもすごい人手だね。今までで一番混んでるんじゃない?」
陽歌「今日ははぐれないようにずっとそばにいる?
あ、ありがとう。私も……今日はきみから離れないようにするね。
じ……じゃあ、まずはお参りしようか。神様にごあいさつしないと」
二人でお参りをする。
陽歌「……………………
……ねえ、きみはなにをお願いしたの?」
【[フードドライブの成功だよ]を選択】
陽歌「あ、私とおんなじだ~!
言葉に出さなくても同じお願いするなんて……私たち……心が通じ合ってたりするのかも……
な、なんてね……
それと、もうひとつお願いしたの。
私のお願いは、きみと過ごすこの夏祭りが素敵な思い出になりますように……だよ。
夏休みも終わっちゃうし、その中できみと一緒に過ごせる大切な日だから……
神様、私たちのこと見ていてくれるといいな」
陽歌「……あっ、ほたる!
2匹が寄り添うように葉っぱに止まってるよ。
ロマンチックで、きれいだね」
桃子「陽歌ちゃん先輩、こんばんは~」
朝比奈桃子と黒川凪子が現れる
陽歌「桃子ちゃん、ナギーも」
凪子「ん?キミも来ていたんだね。
ま、この夏最大のイベントだから当然?
これから花火の場所取りで河原に行くんだけど、一緒にくるかい?」
桃子「えへへ。花火、河原からだととってもよく見えるんですよ~」
陽歌「そっか、今日は花火が上がるんだっけ」
凪子「私らはもう行くけど。陽歌たちはどうする?」
陽歌「えっと……私たちはまだ……もう少し縁日を見て回りたい……かな?」
桃子「あや?だったら私たちもおつき合いしますよ~
お祭りはみんなで回った方が楽しいですもんね」
凪子「…………
あ~、でも早くしないといい場所がとられちゃうかもー
…というわけでぇ。私たちは先に行ってるから、気が向いたらきてよ
じゃあ桃子、行くぞー」
桃子「あやや~、凪子ちゃん先輩、待ってくださーい!」
陽歌「ナギー、気を利かせてくれたのかな?」
陽歌「2人と一緒じゃなくてよかったのかって?
うん。だって今日は……きみと2人でいたいから。
ねえ、あっちの屋台の方に行ってみない?」
縁日の方に行く
陽歌「縁日って、いろんなお店があるよね。金魚すくいに射的、型抜き……
あ、私輪投げをやってみたいな。(名前)くん、やってもいい?」
陽歌「おじさん、輪投げに挑戦しま~す」
陽歌「応援してくれるの?きみが見ていてくれたら心強いよぉ。がんばるね!」
陽歌「えいっ!
あ、はずれちゃった。もう一度、えいっ!
……うーん、うまく入らないなぁ」
陽歌「え?今度はきみもやってみるの?」
陽歌「あー、残念。はずれちゃったねー」
陽歌「え?もう一回挑戦する?ここまできたら後には引けない?
よ~し、今度は私が力一杯応援するよ~
がんばってね!」
陽歌「やったね!最後の最後で景品をゲットできたよ~
ご当地ゆるキャラの『みこしちゃん』のうちわだね」
陽歌「頑張ったわりには景品がいまいち?
そんなことないよぉ。2人で頑張って取った記念だもん。
ふぅ……輪投げに夢中になっていたら、なんだか暑くなってきちゃったよー」
陽歌「え?うちわであおいでくれるの?でも疲れちゃうよ?」
【[気にしないでまかせろ!]を選択】
陽歌「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな~」
陽歌「……わぁ、涼しい風がくるよー
夏の暑さを忘れそう。うちわ、もらえてよかったね」
陽歌「あ、そんなに息が切れるほど全力であおがなくてもいいから。
よーし、今度は私がきみをあおいであげるね。
ふふっ」
陽歌「ふぅ。なんだか喉が渇いちゃった。
おじさーん、ラムネ2本くださいな。
えっ?もう1本しか残ってないんですか?
じゃあ、その最後の1本ください」
陽歌「ふぅ、ビンが冷たくて気持ちいい~」
陽歌「1本しかないからはんぶんこにしよう?
う……うん。いいけど。
じゃあ、どっちが先に飲む?」
陽歌「お先にどうぞって……
いえいえ。ここはきみがお先にどうぞ。
あ、でも……きみが先に飲んだら、つまり私があとから飲むわけで……
それってつまり間接……」
陽歌「へっ?……う、ううん!なな、なんでもないよっ!
月がきいろできれいだな~
と、とにかくお先にどうぞ」
陽歌「あ、もういいの?
う、うん……じゃあ、遠慮なくいただきます。
んくっ……んくっ。
おいしい……炭酸がしゅわしゅわってして爽やか。
ラムネに入ってるビー玉も、飲む時にカラカラって鳴って涼しげだね。
夏って暑いけど、ふとした拍子に涼しさも感じられるのがいいよね」
陽歌「もっと涼しさを堪能する方法がある?
……って、急にどこいくの?」
陽歌「ここって、風車屋さん?
いろんな色の風車がいっぱい並んでるね~
きれい……」
陽歌「え?好きなのを私にプレゼントしてくれるの?
今日の思い出に……持っていてほしい?
あ、ありがとう……じゃあ、この赤い風車、いいかな?
なんだか、ありがとうしか言えなくてごめんね。
でも、きみの気持ち本当に嬉しいな。
ふふっ、この風車がクルクルまわったらとってもキレイだろうなぁ……
でも、今は風がないからまわらないね。
ふーっ、ふーっ。やっぱり息を吹きかけただけじゃ少ししかまわらないかぁ……
よーし。さっきのうちわであおいでみよっと。
ぱたぱたぱたー、まわれまわれー」
陽歌「えっ?口でぱたぱた言ってるのが可愛い?
あっ、つい……で、でも、ちゃんとうちわでもあおいでるよ?
ぱたぱたぱたー、まわれまわれー」
陽歌「ふー、なんだか熱くなってきちゃった…」
陽歌「代わってくれるの?ありがとう」
陽歌「わっ、急に風が?森がざわざわいってるよ?
はぁ、夜風がきもちいいね。火照った体が涼しくなるよ。
あっ、風車が回り始めた…きれいだねー。
きみがあおぎ始めたとたんに風が吹くなんて、神様がご褒美をくれたみたい。
きっと、私たちのことを応援してくれてるんだね。
私たち、風の神様に見守られてるのかも」
陽歌「えっ?なんの応援かって……ええっと、それは……
わ、私の口からは……言えない、かな……」
花火が上がり、陽歌を見据えたイベントCGに変わる
陽歌「あ、花火が上がったよ。
夏休みが始まった時は、こうしてきみと一緒に花火を見られるなんて思わなかったなぁ。
……きれいだね。幻想的で、とってもロマンチック……
えっと……もうちょっと、そばにいってもいいかな?」
陽歌の顔がさらに近付く
陽歌「暑くない?大丈夫?
こうしていると、2人でサウナに入ったことを思い出すね。
……ふふっ。あの時はきみがのぼせそうになって大変だったよ~」
陽歌「きみの家で雨宿りさせてもらった時のこと覚えてる?
ポスターやチラシが濡れちゃって大変で……私1人じゃどうしていいかわからなかった。
でもあの時、きみが一緒にいてくれたから……
あの時からかな、私にとってきみの存在がどんどん大きくなってきて……」
陽歌「……このまま花火が終わらないといいのに。そうすれば、いつまでもきみと一緒に……
勇気を出してきみを誘ってよかった。
お祭りに来て、一緒に花火を見て……夏の夜の夢を見てるみたい…だよ……」
陽歌「今、風のメロディが聞こえてきたよ。
心地よくて優しい風の音色。きっと素敵な歌が作れそう。
歌ができたら……いつかきみに聞いてほしいな」
<スタッフクレジット>
~軽音部部室にて~
凪子「やあ、(苗字)。陽歌なら、今日はいないぞ。
今度の日曜にフードドライブがあるだろう?
それまではボランティアに集中したいんだそうだ。
それが終わったらボランティア活動も一段楽して軽音部の活動に戻ってくるって言ってたな。
でも頼んでおいた新曲はまだできてないみたいだ。
ま、それはできてのお楽しみだねぇ」
夜の住宅街に移る
陽歌「ふぅ……やっと一段楽ついたね~
お疲れさまでした。
今日のフードドライブは大成功だったね。たくさんの人が来てくれたよ~
やっぱりポスターとチラシの効果があったみたい。雨の日に頑張ってチラシを配ってよかったな……
保育園の先生たちも喜んでくれたし、夏の間にいろんな体験ができてよかったって思ってるよ。
あ、そうそう。これ、保育園の先生からもらったんだ。
線香花火。よかったらどうぞって」
陽歌「なら花火をしに行こう?そうだね、行こっか」
河川敷で線香花火をするイベントCGに変わる
陽歌「線香花火なんて久しぶりだよ~
普通の花火もいいけど、線香花火が一番好きかも。
ちりちりって微かな音がして、柔らかい火花がぱちぱち爆ぜて……
もう夏も終わりなんだなぁ……って、ちょっぴり胸が切なくなるところも好きかな」
陽歌「……ん?どうしたの。今なにか言いかけた?」
陽歌「ナギーが新曲の完成を気にしてた?
実はね、新曲はもうできてるんだ。
だけど、にゅーろん☆くりぃむそふとの曲っぽくないから今回は発表しないことにしたの」
陽歌「え?どんな曲かって?それは秘密」
陽歌「……どうしても知りたいの?
うーん。きみにだけなら教えちゃってもいいかな。
私がこの夏休みに作った歌。それはね……
きみとの思い出が詰まった歌……だよ」
ここでBGMがED専用曲になる
陽歌「きみとの思い出を歌詞にしてメロディーにのせました。
だから……もし歌う機会があるとしたら、きっとお客さんは1人だけかな。
そう。この歌を唄う時はきっと、きみ1人のためだけに……」
陽歌「あ、あの……そんな風に見つめられたら恥ずかしいよ……
もう……落ちちゃいそう……」
陽歌「えっ?線香花火ならまだ残ってる?
あ…そうじゃなくてね……そうじゃなくて、その……
私がね……
あっ……う、ううん、な、なんでもないよっ。
や、やっぱり落ちそうなのは花火のことっ。
まだ……今のうちは、ね……」
終わり
最終更新:2020年07月14日 12:57