超獣戦隊ライブマンの第48話

※ ここまでのあらすじは超獣戦隊ライブマンの第47話をご覧ください。


ケンプ「誰か、助けてくれ!!」

武装頭脳軍ボルトのドクター・ケンプが、ボフラー戦闘機の編隊に追われている。
爆撃にさらされ、吹き飛ぶケンプ。
ボフラー戦闘機は執拗にケンプを追いかけ続ける。


ライブマンの基地・グラントータスのモニターにその光景が映し出される。

丈「どうなってんだ、ケンプが追われてるぜ!?」
めぐみ「逃げ出したのよ。千点頭脳になったら脳を獲られるとわかって、ケンプもボルトから逃げ出したんだわ…… 行きましょう、助けに!」
鉄也「何言ってるんですか!? あいつはビアスの一番の信奉者、一番の悪党じゃないですか!」
純一「今頃になって、助けてくれって言っても、遅いですよ……」

ケンプ(月形剣史)、マゼンダ(仙田ルイ)、オブラー(尾村 豪)がボルトに参加した日、鉄也と純一の兄・姉を射殺したのはまさしくケンプだった。
それを知るだけに、丈とめぐみは何も言い返せない。
モニターの向こうではケンプがなおも爆撃にさらされ、悲痛な叫び声をあげている──。

勇介「どんな悪い奴でも、命は重い…… 見殺しにはできないんだ! 行こう!」

勇介が丈とめぐみを促し、外に飛び出す。
鉄也と純一はしばし迷っていたが、やがて後を追う。

コロン「気をつけてね」


爆撃を受け、ケンプが崖から落下。

ケンプ「くそっ!」

偶然近くに生えていた蔦を掴んで踏みとどまるケンプ。
しかし、攻撃はなおも続く。



誕生!! 少年王ビアス!



レッドファルコンの乗るジェットファルコンとボフラー戦闘機の空中戦が開始される。
次々に撃墜されていくボフラー戦闘機。
ケンプのもとに丈たち4人が駆け付ける。

ケンプ「誰か、助けてくれ!!」
丈「ケンプ、しっかりしろ!」

丈が手を伸ばす。

ケンプ「丈、頼む、助けてくれ!」

ボフラー戦闘機が丈たちを攻撃する。

めぐみ「早く、ケンプ!」

必死の形相で蔦を登り、這い上がるケンプ──。



陽が沈み、勇介たちが誰もいない廃屋にケンプを匿う。
ケンプが勇介に土下座する。

ケンプ「ありがとう…… ありがとう! こんな俺を助けてくれて…… なんと言っていいのか! 今さら許してくれとは言わない。でも、俺も苦しかったんだ……! わかってくれ! 本当の、本当の俺を…… 俺という男の、本当の姿を……」

泣き崩れるケンプを睨みつける鉄也。
勇介たちは顔を見合わせ、どうするべきか考え込んでいる。
やがて勇介が笑顔でケンプに手を差し伸べ──その瞬間、ケンプの目が鋭く光った。
ケンプの服を破ってコードが伸び、5人に突き刺さる。

ライブマン「うわーっ!!」「きゃああっ!!」「ぐっ!!」

ケンプが立ち上がり、高笑いする。

勇介「ケンプ……!!」
ケンプ「バカめ、まんまと騙されたな!」
丈「正気か、お前!? 脳を奪られちまうんだぞ!?」
めぐみ「マゼンダの…… 悲しい最期を忘れたの!?」
ケンプ「黙れ! マゼンダはビアス様の真の弟子ではなかったのだ。真の弟子ならば、心から愛し、尊敬するお方のためには全てを投げ出せるはず!」

勇介たちも苦しみながらも立ち上がろうとする。

ケンプ「脳を捧げるということはな、ビアス様の中に生きるということなのだ。この世で最高の天才、世界を支配する最高のお方の中に!!」

ケンプがコードから電流を流す。苦しむ5人。
5人が動かなくなったのを見て、ケンプがコードを戻す。

ケンプ「ドクター・ケンプ、ついにここに、宿敵ライブマンを倒したぞ!!」

ケンプの報告を受け、ヅノーベースにいる大教授ビアスが感嘆する。

ビアス「おお…… ドクター・ケンプ、千点!!」

ケンプの得点表がついに千点になった。
ボルトの宇宙船がケンプを迎えに来る。

ケンプ「ビアス様のお迎えが来たぞ……」

宇宙船に向かってゆったりと歩いてゆくケンプ。
1人、目を覚ました勇介が、その背中を見つめる──それはまるで、あの運命の日の再現。


宇宙船の中からガードノイド・ガッシュが現れた。球体状のカプセルを小脇に抱えている。
丈たち4人も目を覚ますが、ダメージが大きく、身動きさえままならない。
ケンプがガッシュに跪く。

ケンプ「偉大なるビアス様。ドクター・ケンプ、今、この身を捧げましょう」

ガッシュがケンプの頭にカプセルを被せる。
カプセルが黄金の光を発し、ケンプが苦しみだす。

ケンプ「う、うおぉ…… うああっ、うわあぁ──っっ!!」
めぐみ「ケンプ! お願い、やめて!!」

傷ついた体を起こし、ケンプに駆け寄る5人。

めぐみ「やめて……!!」

やがて、カプセルがケンプの頭から外れる。
恍惚の笑みを浮かべてケンプが倒れ──そして、再び立ち上がった。
狂ったように笑いながら、脳を失ったケンプの体が炎の如く揺らめく真っ赤な光に包まれ、頭脳獣へと変貌を遂げてゆく。

恐獣ヅノー「頭脳獣・恐獣ヅノー!!」

その姿はケンプの獣人態・恐獣ケンプに似ているが、頭と胸に付いている顔がより恐ろしい形相になっている。

勇介「ケンプ…… そこまで人間を捨て去ったとは……」
恐獣ヅノー「我が心は、我が脳と共に、ビアス様の中に生きるんだ。我が肉体は不要!」

ガッシュ、ケンプの脳髄の入ったカプセルを持って宇宙船内に戻っていく。

恐獣ヅノー「急げ! ガッシュ、ビアス様がお待ちかねだ」
勇介「ビアスに渡してはならん!」

恐獣ヅノーが触手を放ち、5人を拘束。さらに電撃を浴びせる。
丈たちが倒れ伏す中、勇介が渾身のジャンプで恐獣ヅノーを飛び越え、触手を振りほどいて宇宙船へ走る。

丈「俺たちにかまうな! 急げ、勇介!!」

頷く勇介。
宇宙船のタラップが閉じる寸前、勇介が再び渾身のジャンプで宇宙船にすべり込む。
宇宙船がヅノーベースへ向けて飛び立つ。


ヅノーベースの最奥部にある大教授ビアスの秘密の部屋「ヅノールーム」には、千点頭脳となった人間の脳髄が入るカプセルが12個、ビアスの玉座を円形に囲む形で並んでいる。
カプセルの1つは、まだ空のまま。
ガッシュがヅノールームにケンプの脳髄の入ったカプセルを運び込む。

ビアス「おお…… ついに揃ったか、最後の千点頭脳!!」

身を震わせて歓喜を表すビアス。
ガッシュがカプセルを開くと、その中でケンプの脳髄が呼吸するかのように蠢いている。

ビアス「おお…… なんと若く、なんと新鮮でなんと美しい頭脳だ……」

一方、勇介はヅノーベースの中をさまよっていた。


ビアスが空のカプセルにケンプの脳髄を容れ、「Dr.KEMP」のラベルを貼る。

ビアス「ドクター・ケンプよ、手伝っておくれ…… 私の世界征服作戦を!」

ガッシュがヅノールームから退室。
勇介はビアスを探す。

ビアス「この世を治めるのは、真の天才・大教授ビアス!」

ビアスが無数のコードが付いたヘッドギアを被り、スイッチを押す。
謎の装置が光り、カプセルの中の脳髄が動き始める。

ビアス「今こそ地球を支配してみせる!! ギガブレインウェーブ、スタート!!

ビアスを囲む12個のカプセルから脳波エネルギーが放出され、ビアスのヘッドギアを通して増幅され、ヅノーベースから地球に向けて照射される。


ギガブレインウェーブを浴びた地球の人々が次々に倒れていく。
人々は顔面蒼白のまま跪き、宗教家に祈りを捧げる信者めいてビアスを称え始めた。

「ビアス様……」「ビアス様……」

街中で、畑で、海岸で──人々から浴びせられる熱狂を一身に受け、ビアスがゆっくりと目を閉じる。

丈「ビアス様……」
めぐみ「ビアス様……」

あろうことか、ギガブレインウェーブの影響は、恐獣ヅノーに倒された丈たち4人にも及んでいた。

鉄也「ビアス様……」
純一「ビアス様……」

鉄也と純一も、ボルトへの復讐心を完全に忘れてビアスを称える言葉を繰り返している。
その様子を見てほくそ笑む恐獣ヅノー。


勇介「ビアス! ビアスはどこだ!!」

ヅノーベースをさまよう勇介の耳に、ビアスの高笑いが響く。
その方向を目指す勇介。


地球では、丈たち4人を救うべく、恐獣ヅノーの前にコロンの操縦するライブロボが飛来していた。

コロン「人間を操ることができても、ロボットの私は操れなくてよ! ライブロボビーム!!」

ライブロボビームが恐獣ヅノーに炸裂。

コロン「みんな、コロンよ! 目を覚まして!」

ライブロボの中からコロンが呼びかけるが、ギガブレインウェーブに操られる丈たちの耳には届かない。

丈たち「ビアス様……」「ビアス様……」


ビアスがライブロボの出現を察する。

ビアス「私はこの世の神。全知全能の神に逆らうとは、身の程知らずのロボットめ……! 恐獣ヅノー、神に逆らいし者を倒せ!!」

ヅノーベースから光線が放たれる。
光線を浴びて恐獣ヅノーが巨大化し、ライブロボに襲い掛かる。
ライブマンが3人あるいは5人で動かさないとライブロボは真の力を発揮できない。恐獣ヅノーの猛攻の前に、手も足も出ないライブロボ。

コロン「私1人じゃダメだわ…… みんな、助けて!!」

しかし、コロンの声は丈たちには届かない。
恐獣ヅノーの攻撃でライブロボが倒れ、コロンが投げ出される。
勝利を確信したビアスが丈たち4人に命令を送る。

ビアス「コロンを、破壊せよ」


コロン「みんな!」

コロンが丈たちに駆け寄るが、4人は顔面蒼白のまま立ち上がってコロンに迫る。
後ずさるコロン。


勇介は、もはや無人と化したヅノーベースの広間に来ていた。

勇介「ビアスーっ!!」

広間のモニターに、丈たち4人がビアスに命じられるままコロンを襲う映像が映る。

コロン「や、やめて! みんな、私よ、コロンよ! やめて!!」

コロンの首を締め上げる丈。

勇介「おのれ、ビアスめ……!」

広間に大量のジンマー兵が突入し、勇介を襲う。
さらにガッシュが現れ、勇介を銃撃。

勇介「ライブマン!!

勇介がレッドファルコンに変身し、ファルコンセイバーでガッシュに斬りかかる。

ファルコン「ビアスはどこだ!?」

広間を飛び出すレッドファルコン。
ガッシュがジンマー兵を引き連れて後を追う。


地球では丈たち4人がコロンを抱えてどこかに移動し始めた。

コロン「や、やめて! みんな、やめて!!」


立ちはだかるジンマー兵を切り捨てながらレッドファルコンが走る。

ファルコン「ビアスはどこだ!?」


丈たち4人がコロンを崖から落とそうとする。

コロン「目を、目を覚まして……」


ガッシュが剣を抜き、レッドファルコンとつばぜり合いを繰り広げる。
レッドファルコンの胴を切り裂き、さらに銃撃を浴びせるガッシュ。
しかし流れ弾がヅノールームの扉に当たり、そのショックで扉が開く。
傷ついた体をおして、レッドファルコンがヅノールームに突入する。

ビアス「誰だ!?」
ファルコン「レッドファルコン!」
ビアス「おのれ……!」

ついにビアスとレッドファルコンが相対した。

ファルコン「貴様が大教授ビアスか!!」

ビアスが左手から光線を放つ。
レッドファルコンはそれをかわし、ファルコンセイバーでビアスの胴を貫く!

ビアス「うああっ!! あ…… あぁ……」

ヅノールームの機械がショートし、ギガブレインウェーブの照射が止まる。


間一髪、地球の丈たち4人が洗脳から目覚めた。

純一「いったい、俺たちはどうしたんだ?」
めぐみ「あっ、コロン!」

めぐみが丈たち4人に放り捨てられたコロンを抱き起こす。

めぐみ「コロン! ねぇ、あたしたちはいったい?」

巨大恐獣ヅノーが丈たちに迫る。

純一「ああっ!」
鉄也「恐獣ヅノーだ!」
丈「ライブロボで戦うんだ!」

丈たちとコロンがライブロボに乗り込む。

コロン「早く!」


胴を貫かれたビアスが、口からエクトプラズムを吐いてレッドファルコンに反撃する。
空中に舞い上げられ、地面に叩きつけられるレッドファルコン。
直後、ビアスが苦しみだし、やがてその顔が醜く老いてゆく。

ファルコン「ビアス……!? そんなに老人だったとは!」

老いたビアスは自力で立つこともできない。

ファルコン「いったい貴様はいくつなんだ。本当は何者だ!?」

ビアスに迫るレッドファルコンの背後からガッシュが襲ってくる。
レッドファルコンはそれを素早くかわし、ライブラスターを撃った!
ヅノールームが爆発し、千点頭脳の入ったカプセルが次々に倒れる。

ビアス「あぁ…… 脳が…… 脳がぁ!!」

ヅノールームの奥に飾られていた、若き日のビアスの写真を収めた額縁が傾く──。


地球ではライブロボと恐獣ヅノーの戦いが続く。
が、レッドファルコンを欠くライブロボはいまだに不利。

バイソン「ライブボクサー!!」

ブラックバイソンの呼び出しでライブボクサーが飛来。

ライブマン、コロン「合体・スーパーライブディメンション!!」「完成! スーパーライブロボ!!

ライブロボとライブボクサーが合体、スーパーライブロボとなる。
飛びかかる恐獣ヅノーをパンチで吹き飛ばすスーパーライブロボ。

ライブマン、コロン「スーパービッグバースト!!

とどめのスーパービッグバーストが恐獣ヅノーの胴を貫く。
大爆発──!!


ビアス「フフフハハハハ…… 私の科学が、こんなものだと思ったら大間違いだ!」

ビアスがガッシュを押しのけてレッドファルコンに迫る。
身構えるレッドファルコン。

ビアス「全人類が滅びようとも…… うぅ…… この私は、決して滅びん!!」

倒れ込むようにケンプの脳髄の入ったカプセルを抱くビアス。

ビアス「愛しいケンプよ。我に、若さを与えたまえ……」

するとケンプの脳髄が光を発し、ビアスにエネルギーを注いでいく。
やがて立ち上がったビアスは──なんと、少年の姿に変わっていた。

ファルコン「お前は!?」
少年王ビアス「少年王ビアス!!」
ファルコン「少年王ビアス……!?」
少年王ビアス「僕は必ず世界を支配してみせる!」

少年王ビアスの右手に携えられたケンプの脳髄から光線が放たれる。

ファルコン「うおぁぁっ!!」

直撃を受け、吹き飛ぶレッドファルコン。
勝ち誇る少年王ビアスの背後で、ガッシュが黙々と傾いた額縁を直す。



大教授ビアスは、少年王ビアスに若返り、
あくまでも世界支配を狙う。

果たしてライブマンは、このあくなき野望と執念に、
打ち勝つことができるのであろうか!?




つづく



※ この続きは本家エンディングドットコムをご覧ください。

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最終更新:2022年03月07日 23:34