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TOP SECRET
極秘ファイル#R
人類がいまだかつてない恐怖を迎える時のためにわたしは史上最高・最強の戦士を残す。
むろんこの世が平和であり彼が無益で悲惨な戦いに巻き込まれぬことを私は期待する。
しかしまことに残念ながら、そうした戦いが起こったとき、彼はもっとも必要とされる救世主になることだろう
強力な特殊装備にくわえて、私は自らが考えうる最強の装備を与えた。
それは、彼にとって無敵に近い「究極の武器」となるはずである。
それは・・・・・
(以下年月を経ているため解読不可能)
エックス「うあああああ!!」
エックスはバスターを放ったが、Σのマントに止められた。
Σ「俺のマントは全てのエネルギーを「無力」にする・・・」
エックス「ぐぅ・・・っ、うおおおおおおおおおっ!!」
エックスはバスターを連射するも、Σのマントに弾かれる。
Σ「自慢のバスターもかたなしだな・・・」
エックス「なめるな――――っ!!!」
エックスがΣに向かって行くも、Σの手元から閃光が迸った次の瞬間、
エックスは胸を切り裂かれた。
エックス(――――なんだ・・・今の閃光は!?奴は動いてない・・・何がおきたんだ・・・)
エックスが倒れた。
Σ「足がすべったのか?」
エックス「ぐぐぐ・・・」
Σ「それだ!その目!!壊すには惜しい気迫だ!!これを見てみろ」
エックス「?」
「!!い・・・いつの間に・・・・」
床のモニターに映っていたのは、地球だった。
エックス「宇宙に・・・」
Σ「美しい星だ・・・・」
Σがエックスの前に来た。
エックス「!?」
Σ「しかし・・・・「しみ」がある」
エックス「!!!?しみ・・・・・?」
エックスの胸の傷からこぼれたオイルが、モニターに映る地球に、「しみ」の様に付いていく。
Σ「そうだ・・・このきれいな星に・・・無数の「しみ」がある・・・」
「人間だ!!!その「しみ」を駆除するために我々が生まれた!!我々こそ人間の「天敵」となり次世代を支配する存在なのだ!!」
エックス「だまれだまれっ!!」
エックスがバスターを連射するも、やはりΣのマントに弾かれる。
Σ「人間の愚かさがまだわからんか。ぜひ貴様を仲間にしたかったが・・・ムダなようだったな・・・・」
Σがマントを脱ぎ捨てた。
エックス「Σ・・・・何のつもりだ・・・・」
Σ「貴様に一片の「勝機」をくれてやろう」
「さぁ、自分の信念をかけて挑んでこい。ロックマンX!!!」
エックス「うおおおぉぉ!!」
エックスはバスターを放った。
Σ「フンヌッ」
しかしΣが右手を振り抜くと、バスターは両断された。
エックス「バスターのエネルギー弾を真っ二つにした!?」
その斬撃はエックスの元まで届き、左肩のアーマーを切り落とした。
エックス「そうか・・・・バスターを切り裂く閃光の正体は・・・・」
Σ「そう・・・・ビームサーバーだ・・・・」
Σはビームサーバーを掲げていた。
エックス「武器の正体がわかればこわくない!!」
エックスはバスターを放つも、Σはかわした。
Σ「遅いわ!!」
そのままΣはエックスの眼前に迫る。
エックス「え?」
Σ「その程度で・・・」
「ロックマンの名を語るか―――――っ!!」
エックス「うっ!!」
Σの斬撃がエックスの胸を切り、先の傷と合わせて、「X」の形の傷となった。
Σ「名前と同じ傷跡だ。なかなかおしゃれになったぞ。くくくくく・・・・」
エックス「なめるなぁ。マントをぬいたことを後悔させてやるぜ!!」
エックスがダッシュでΣと距離を取った。
エックス「剣なんて間合を外せば・・・銃の前じゃ敵じゃない!!」
そこからエックスはバスターを放つ。
Σ「フッ」
「飛び道具ならこちらにもあるぞ!!」
Σの額から放たれた光弾の連射が、エックスのバスターを砕いた。
エックス「バスターを砕いた!?」
そのまま光弾の連射がエックスを攻め立てる。
エックス(くそっ。中距離も近距離も奴の間合か!?)
Σ「どうしたロックマン!そんなものではあるまい!?」
エックス「ならば」
エックスは三角蹴りで壁を登っていく。
エックス「この間合いならバスターもライトサーバーも届くまい!!」
「どう・・・」
Σが飛び出した。
エックス「だ・・・!!?」
次の瞬間には、Σも三角蹴りでエックスの上へと登った。
エックス(も・・もう上に!?)
Σ「貴様ごときにできること、この俺にできぬわけなかろう。おごったなエックス!!」
エックス「ぐあああああっ!!」
Σのサーバーがエックスの背中を切り裂いた。
そのまま、Σは三度、エックスを切り裂いた。
エックス(――――だめだ・・Σには・・・勝てない)
エックスが床にたたきつけられた。
Σ「身のほど知らずの最期か・・・・」
「? くくく・・・」
エックスは全身を切り裂かれて尚、立ち上がっていた。
エックス(いやだ!!!)
Σ「くくく・・・健気だ!!」
「故に哀れよロックマン!!」
Σがビームサーバーを投げつけた。
エックス(誇りを教えてもらった)
(命をかけて勝負をいどまれた)
(希望と呼ばれた)
(また逢う約束をした)
(平和な未来をつくると約束した!)
エックスの胸にビームサーバーが突き刺さった―――――
エックス(ここで死んだら・・・友を裏切ってしまう・・・・)
そのままエックスは壁に叩きつけられ、壁がショートを起こす。
エックス「ぐああっ」
エックス(いや・・・ダ・・・MI・・んな・・ヲ裏・・ギRe、ナ・・・・イ)
エックスの伸ばした左手がバスターから元の形に戻った。
そして、壁のモニターが切れ、その下にあった悪魔に食われようとしているかのような姿で、エックスは機能を停止した・・・
Σ「壁のモニター機能が破損して本来の姿に戻ったか・・・なかなかの芸術になったものだが・・・哀れなものだな・・・」
エックスににじみ寄るΣだったが、その眼前を水滴が落ちていった。
Σ「!!?」
「!!」
Σが見たものは、涙を流しているエックスだった。
Σ「な・・泣いている!?ありえん!!機能は完全に停止しているんだ!!」
エックスの流す涙は、ビームサーバーにもかかり、ショートを起こしていて――――
Σ「落ちつけ!落ちつくんだ・・・・!!」
「何かしら理由がある」
「こいつの機能は完全に停止しているんだぞ・・・」
Σは後ずさりしていた。
Σ「そうだ!冷却水だ!!冷却水がオーバーフローしているんだ!!」
「それが・・・「恐怖」だシグマ・・・・」
エックス「覇者として生まれた貴様が初めて感じた感情だよ!!」
エックスが目覚めていた。
エックス「教えてやるよ・・・その「恐怖」の正体を・・・「希望」だよ・・・・」
「お前は「知恵」と「勇気」がつくり出す「希望」を恐れているのさ」
エックスがビームサーバーを引き抜き、Σの前に降り立った。
エックス「冷却水でB・Sがショートしそのショックで補助エネルギーのスイッチが入った・・・」
「・・・ただの偶然にすぎない」
「けどただの偶然じゃない!「負けられない」という意思がおこした「希望」の奇跡なんだ!!」
エックスはビームサーバーを持つ左腕を振りかぶりながら、バスターへと変形させる。
エックス(その希望を信じる限り、俺達を生んだ人間「希望」も、俺は・・・・)
(信じる!!)
バスターと共に投げ返されたビームサーバーが、Σの胸へと突き刺さった。
Σ「希・・望・・人・・間に・・・・・?ざれ事を言うな!!」
Σはビームサーバーを引き抜いた。
Σ「わからんのかっ!人間の愚かさがっ!!」
「なぜわからんロックマン!!我々は人間の次の支配者なのだ!!」
エックス「・・・・・」
Σ「最も進化した者なのだっ!!」
そして、Σが大爆発した。
吹き飛んだビームサーバーが、床へ突き刺さった。
エックス「墓標か・・・・思えば哀れな奴だったかもしれないな・・なまじ「力」があったばかりに・・・俺も一歩間違えていたら・・・」
「いや・・・そんな事はない。俺には信じてくれた「友」がいた」
「信じてくれた「友」がいたから・・・・」
Σ「俺のようにはならん・・・か!?」
Σは頭だけで生きていた。
エックス「Σ!?え?」
「と・・・塔が崩れていく?」
エックスは崩れていく塔から脱出する。
エックス「何だ?何をしたんだ!?」
「!!何!!?」
塔の中から姿を表したのは、狼型超巨大メカニロイドだった。
Σ「みたか!?これが俺の・・・・真の姿だっっ!!!」
メカニロイド、ウルフシグマの額にΣの頭が埋め込まれていた。
エックス「これがΣの真の姿・・・」
ウルフシグマが口から火炎を放った。
エックス「うわあっ!!なんとか頭部のΣ本体に・・・攻撃を・・・」
エックスを影が覆った。
エックスの上に回ったウルフシグマの片腕が、エックスに電撃を浴びせる。
エックス「うああああっ!!!」
もう片方のウルフシグマの腕が飛んできて、エックスを打ち据える。
エックス「く・・・体勢を立て直さないと・・・」
Σ「逃げきれるか!?」
距離を取ろうとしたエックスにウルフシグマの両手が電撃を浴びせる。
エックス「うがあああっ!!」
エックスが倒れるが、頭上を飛ぶウルフシグマの手を見据える。
エックス「!!」
エックスがウルフシグマの手へと向かう。
エックス「Σに近づくのにいいものがあったぜ!!」
エックスはウルフシグマの手の上に乗った。
エックス「Σ行きの特急便だぜ!!」
ウルフシグマの手がエックスに電撃を浴びせる。
エックス「う・・・くそっ。まだまだ――――っ!!」
エックスがウルフシグマの手から飛び出して、ウルフシグマの頭へ向かう。
Σ「ロックマン!!」
エックス「Σ!!これでおわりだああああああっ!!」
エックスがウルフシグマにバスターを向けるも、不意にその動きが止まった。
エックス「え!!?」
Σ「ん!?」
エックス「うっ・・・しまった・・補助エネルギーが・・・・」
Σ「つきたか!!」
落ちてゆくエックスをウルフシグマの火炎が焼いてゆく。
エックス「うあああああ!!!」
エックス(情けない・・・一撃が加えられないなんて。こんとこで死にたくない!!)
Σ「今度こそ壊れたか・・・・」
エックスは地面を突き破って、地下まで落ちていた。
エックス「くそっ・・・動けない・・Σを倒さなきゃい・・・いけない・・のに・・・・」
「!!」
「何の音だ」
「!!」
「そうか・・・ここは・・・・ならば・・・」
「方法は一つ!!これでΣを倒す!!」
Σ「俺を邪魔する者はもういない!俺こそが覇者だ!!!」
「おっ!?」
城がバランスを崩し、地球の方へと落ちだした。
Σ「地球の引力に引かれる!?」
Σの目にスコープがセットされる。
Σ「推進機に異常だと?スコープセット、映像を出せ」
「暴走している!?なぜ・・・?」
「!!」
エックスが推進機のコードを掴んで、エネルギーを注いでいた。
エックス「俺の残ったエネルギー全部を注いで推進機を暴走させてやるぜ!!Σよ・・・2人で地獄へランデブーといこうぜ・・・!!」
Σ「やめろっ!貴様も死ぬぞ!!」
エックス「覚悟の上さ!!」
城が大気圏へと入り、その衝撃がウルフシグマを襲う。
Σ「ぐおおっ。バカな!!ひ」
バイザーが砕け、Σの頭が衝撃に晒され――――
Σ「俺は・・・・俺はああああぁ!!」
推進力を失ったΣの城は地球へと落下を始めた
それにともない大気との魔殺でΣの城は崩壊を始めた
悪の居城は無数の破片と化していき――――
ついには流星群となり地上に降り注いだ・・・・
そして――――ここにも流星とともに落ちた物体があった・・・
崖に打ち捨てられたΣのマント――――その中に、エックスがいた。
エックス「皮肉なもんだな。Σのマントで助かるなんて」
(でも・・・・これで・・・・これで終わったんだ!!)
エックス(たくさんの友が死んだ・・・)
(たくさんの同胞を倒した・・・・)
(みんなの平和のために・・・)
エックスの強化アーマーがヘルメットを残して消滅した。。
エックスは海へと歩いて行き、アーマーのヘルメットを脱いだ。
エックス「う・・・・く・・・・・」
そして、叫びを上げた・・・・・・
エックス「ハァ、ハァ、ハァ」
エックスはアーマーのヘルメットを海へと投げ込んだ。
?「人類がいまだかつてない恐怖を迎える時のためにわたしは史上最高・最強の戦士を残す」
「むろんこの世が平和であり彼が無益で悲惨な戦いに巻き込まれぬことを私は期待する。
しかしまことに残念ながら、そうした戦いが起こったとき、彼はもっとも必要とされる救世主になることだろう」
「強力な特殊装備にくわえて、私は自らが考えうる最強の装備を与えた。
それは、彼にとって無敵に近い「究極の武器」となるはずである。
それは・・・・・」
海から朝日が昇り、エックスを照らす。
?「それはわれらを平和へと導く道標となるであろう・・・・
彼の名はエックス・・・・
ロックマン・エックス!!」
完
最終更新:2021年09月26日 08:07