Σの基地の最深部で、Σは悪魔を象った禍々しい玉座に座っていた。
Σ「かつて世界を二分する二人の優秀な科学者がいた・・・一人はその頭脳を平和のために使い、一人は己の欲のために用いた・・・奇しくも二人は最後に互いの最高を自負するロボットをそれぞれ造りあげた・・・その二体のロボットはそれぞれいずこかへと封印されたときくが・・・できることなら最高と最高の闘い――――みてみたいものよな・・・・」
その頃、エックスはカウンターハンターの猛攻に満身創痍になりながらも、
ギガクラッシュとダブルバスターの同時攻撃でサーゲスとアジールを倒し、
残ったバイオレンをアジールのビームサーヴァーによるカウンターで貫いていた――――
バイオレン「バ・・・ガ・・・なぁ。アジール・・の剣・・・・・・をぉ・・・つ・・使う・・・なんてぇ~~~~~・・・」
「は・・反則なんだ・・・・・なぁ~~~っ」
バイオレンが倒れた。
INEVITABLE BATTLE(避けえぬ闘い) |
サーゲス「バ・・・バイオレンッッ」
サーゲスは上半身だけになりながらも、生きていた。
サーゲス「くく・・くっ・・くかか・・・・ひひひ・・・あ―――――かっはっはっはっはひ――――っ!!!」
エックス「サーゲス?」
サーゲス「ひゃーはひひひっ、この勝負はわしの勝ちじゃ~っ!!」
エックス「なに!?」
サーゲス「これがワシの切り札じゃ!!」
サーゲスはあるスイッチを取り出した。
サーゲス「このスイッチを押せば宇宙にあるキラー衛星から一斉に世界各国への攻撃が行われるのじゃ!!」
「ひ~ひひっ」
エックス「やめろ――――っ」
サーゲスがスイッチを押そうとし、エックスがそれを止めようと駆けだした矢先、
何処からの斬撃がスイッチを持つサーゲスの右手を切り飛ばした。
足下に転がってきたスイッチを踏みつぶしたのは、ゼロだった。
ゼロ「数におごり・・・・闘いの術を怠りそのあげく潔さまで失ったのか?みっともないぜ」
「なぁ?英雄さん」
エックス「・・・・・」
ゼロ「やれやれ・・・嫌われてるな」
サーゲス「今なら無礼は許してやる!!早くロックマンを倒すんじゃ!!」
ゼロ「安心しな、必ず倒してやる」
エックス「!!」
ゼロ「それを貴様は・・・」
ゼロが左腕のバスターをチャージする。
サーゲス「ゼ・・ゼロッ、何のつもりだっ」
ゼロ「アジール達とあの世でみてるんだなっ!!」
ゼロがバスターをサーゲスに放った。
サーゲス「きっ・・貴様――――っ!!その‘力‘を与えた恩を忘れたかーっ」
バスターを受け、サーゲスが大爆発した。
ゼロ「くくくく―――だったかな?」
エックス(仲間を倒した・・・ゼロが・・)
ゼロ「なぁエックスよ。俺は元々貴様の仲間だったらしいな・・しかし俺にはそんな記憶は全くない・・貴様は今の俺にとってはただの倒すべき「敵」だ」
「下手な「策」など使わずに「力」でねじ伏せる、しかし貴様が戦わずに背を向けるというのならば」
「ためらわず――――撃つ!!」
エックス「!!!」
エックス「・・・・・」
エックスが両腕のバスターをチャージして、構えた。
ゼロ「―――ん!結構だ。その痛々しい姿に引導を渡してやろう」
「今すぐになっ」
ゼロがバスターを放ち、エックスの左肩のアーマーをえぐり、壁に当たった。
ゼロはさらにバスターを連射する。
ゼロ「そうだ!俺の本気を二百%引き出せ、エックス!!それこそが俺の作られた証なんだ!!」
エックス(この一撃・・一撃がお前の言葉になるんだよな・・・ゼロ・・・・―――――悲しいよな・・俺達は闘っている間だけお互いを確かめあえるなんてさ・・・)
エックスはゼロのバスターをかわしながら、バスターを撃ち返す。
エックス(お前をΣの手から救い出せないなら俺はためらわない。お前の魂を救うために俺は闘う)
エックスが飛び上がった。
エックス(俺の一撃は・・・・俺の友情の証だから!!)
エックスが左腕のバスターを撃った。
ゼロ「なっ・・!!ぐっ」
ゼロは両腕を交差して、バスターをこらえた。
ゼロ「く・・ぐ・・」
エックス「うおーーっ!!」
エックスが右腕のバスターを向ける。
ゼロ「な・め・るな・よ~~~~」
エックスとゼロのバスターが激突し、相殺された。
エックス「バスターのパワーは互角か・・・なら武装の差で俺の方が不利になるな・・・」
ゼロ「嬉しいぞ・・エックス・・」
エックス「?」
ゼロ「話に聞く貴様はとんだ‘甘ちゃん‘だったが・・・今の貴様は想像以上に骨のある「敵」だ・・・怒れ!!戦え!!それでこそ俺の「存在意義」がはっきりする!!」
ゼロが背中のビームサーヴァーを抜いて、斬撃弾を放った。
エックスは後ろの観客席へ飛んで、かわした。
ゼロ「いい反応だ、エックス!!」
ゼロがバスターを連射し、エックスは観客席の中を走る。
エックス「うあっ」
エックスが爆風に煽られ、上空へ飛ばされた。
ゼロ「空中では体勢はかえられまい」
ゼロが上空のエックスへバスターを撃った。
エックス「エア・ダッシュ!!」
エックスはフットパーツの能力による空中移動でバスターをかわした。
ゼロ「いいぞいいぞ!!その調子だ!!が!俺の最強の技に、耐えられるか!!」
ゼロが左の拳を地面に叩きつけ、アースクラッシュを放った。
観客席の一部が消え失せ、エックスも吹き飛ばされた。
エックス「うわああああっ!!」
「!?」
エックスが下に目を向けると、ゼロは目を閉じていた。
エックス(とどめをさしたと思って安心しきっている―――今なら・・・)
「ゼローっ」
エックスは右腕のバスターを撃った。
ゼロ「チッ、しまった!!奴はまだ・・・」
ゼロはとっさに首をまわし、バスターはヘルメットの中央を掠めていった。
エックス「少しだが手応えはあった!!この一撃で・・・」
着地したエックスが左腕のバスターを向けたが――――
ゼロ「うあああああ――――っ!!」
エックス「!?」
ゼロが苦しんでいた。
ゼロ「ああああああっ」
エックス「ゼ・・・ロ?」
ゼロ「ううぐああっ」
ゼロが膝を付いた。
しばし、静寂に包まれた後、ゼロの体が黒色から元の赤色に戻っていき、
本来の穏やかな表情となっていた。
ゼロ「エッ・・・クス・・?」
エックス「ゼ・・・ロ・・・ゼロっ!!」
エックスはゼロに駆け寄った。
エックス「ゼロ!!正気に戻ったのかっ」
ゼロ「エックス・・俺は一体・・・?」
エックス「いいんだ・・いいんだ・・ゼロ・・・・」
しかし、ゼロが至近距離からバスターでエックスを撃ち、
エックスが倒れ込んだ。
ゼロ「あ・・何を・・俺は・・・エ・・・エックス――――?」
「!!、うはぁ!!」
バスターで割れた中央から見えたゼロのヘルメットの中に、Σチップがあった。
そこから洗脳プログラムがゼロに流され、体もまた黒くなっていく。
ゼロ「うあああああっ」
「コロセコロセッ、エックスヲコロセぇ」
エックス(そ・・・そうか、わかったぞ。ゼロを操っていたのは額にあるΣチップだったんだ。つまり・・・それを壊せば・・・・)
ゼロがエックスを目がけてビームサーヴァーを振り下ろした。
エックスは飛び下がってかわしたが、アーマーのヘルメットが斬られ、元のヘルメットが出てきた。
ゼロ「こ・れ・は・ど・う・だぁ――――っ」
エックス「なに?
ゼロはエックスの胸の、さっきの不意打ちで空いた穴に左腕の指を突っ込んだ。
ゼロ「アースクラッシュッ!!」
「――――の全エネルギーを貴様の体内に一気に流しこんでやる」
エックス「ぐぅあ―――――」
ゼロ「大地を切り裂く「龍」がかけまわる感じはどうだ?」
エックスのアーマーがはじけ飛んでいき――――
そして、大爆発。
ゼロ「――――俺の役目は終わった・・・・用がない者は生きていてはいけない」
ゼロがバスターを自分の顎に突きつけ――――
放たれたバスターは天井を撃った。
アーマーを砕かれながらも生きていたエックスがゼロのバスターをずらしていた。
エックス「まだ・・・お前の役目は――――終わってない・・・・ぜ・・」
ゼロ「エックス!?」
エックス「俺は、まだ・・やられちゃいな・・いんだ」
最終更新:2021年09月26日 08:22