ロックマンX2(漫画版)の最終回

# 13 MIRACL(奇跡)


洗脳されたゼロとエックスの戦い――
ゼロのアースクラッシュを受け、エックスは倒されたかに見えた。
役目を終えたゼロは自らの命を絶とうとしたが、それを止めたのはアーマーを砕かれながらも生きていたエックスだった。


ゼロ「確かにな・・・俺の役目はまだ・・・」
エックス「あ」
ゼロ「終わっちゃあいないようだな!」
エックス「ぐはっ」
ゼロがエックスの腹を殴り、吹き飛ばす。

ゼロ「退屈させない男だな。しかし強化パーツなしで俺に勝てると思うか?」
エックスは足を前に出し、地面を踏みしめる。
ゼロ「何のつもりだ?」
エックス「俺の足がまだ大地を踏みしめて、立っていられる限り俺は決してあきらめない!」

ゼロ「ならばその足も、大地も、不屈の魂すらも・・・うち砕く!!」
ゼロがアースクラッシュを放った。
エネルギーの奔流が大地を砕く竜となって、エックスを覆った。
だが、エックスはその奔流の中を、前に走りだした。
ゼロ「何!?アースクラッシュの中を突っ込んでくるだと!!?」
エックス「俺のアーマーは俺が傷を乗り越えた証!」
「俺はアーマーで強くなったんじゃない!」
「俺が強くなれたからアーマーを授かったんだ!」
「強さは俺の心の中にあるんだ!」
エックスのパンチがゼロのヘルメットを捉え、Σチップを砕いた。

エックス(Σチップは壊した・・・!!ゼロは?)
ゼロが倒れると同時に、地面が崩れ、エックスとゼロが下に落ちていく。
エックス「い・・一体何が起きたんだ!?」


やがてエックスは暗い空間に着地した。
エックス「ゼロはどこだ?」
「!!」
ゼロを見つけたエックスが駈け寄った。
エックス「大丈夫かっ、ゼロ――――っ」
ゼロは倒れていた。
エックス「ゼロ?そんな・・・」

そこへ、Σの声が聞こえてきた。
Σ「残念だったな、エックス・・・しかし、わしの心は晴れやかだよ・・・
永い間待っていたからな・・・わしの夢が叶うこの時をな・・・」
エックスが振り返ると、玉座に座ったΣがいた。
エックス「Σかっ!!!」
Σ「人類の抹殺・・・そして貴様への復讐!!この二つの夢を叶えられる日をな!」
「さあ、エックスよ・・・死んでもらうぞ――っ!!」
Σが両手から電撃を放った。

エックス「ぐあっ」
「俺は・・・・ゼロのためにも負けられないんだあああっ!」
エックスはバスターを撃ち返したが、Σにかわされた。
エックス「消えた?」
上空に飛んだΣが降下し、爪でエックスを切りさく。
Σ「むーっ、はァーーっ!!」

Σが複数の電撃弾を浮かべ、エックスに放った。

エックス「うわっ、う・・・ぐ・・・」

朦朧としていたエックスにΣが迫り、パンチの連発で滅多打ちにした。
そこから、エックスの顔を鷲掴みにして持ち上げる。
Σ「どうしたエックス?貴様弱くなったか?それとも、わしの方が強くなりすぎたか?くくくっ、どう思う、エックス!!」
Σがエックスを放り投げ、地面に叩きつけ、そこから電撃弾を連射する。
Σ「やはりわしが強くなりすぎたかっ!?」
Σは更に電撃弾を連射する。
Σ「灰になれ!」
爆煙がエックスの姿を消した。
Σ「終わった・・・わけがないか」
爆煙が晴れた時、エックスは立っていた。
Σ「相変わらずの根性だな、だがもう恐怖は感じんぞ」
エックス「ならば、その顔をもう一度ひきつらせてやる」
エックスが構えたバスターに誰かの手が置かれる。
エックス「え・・・ゼロ!!?」
ゼロが立ち上がっていたが、その目は虚ろだった。
エックス(ダ・・・ダメなのか)
ゼロの体が光り出した。
エックス「なんだ!?」
ゼロのヘルメットが落ち、よろけたゼロをエックスが支える。
ゼロ「お前一人の力じゃΣは倒せないぜ」
ゼロは本来の人格を取り戻した。
エックス「協力してくれ、ゼロ!」
ゼロ「決めるぞ、エックス!!」
Σ「まったく未知数な奴らだな、しかし貴様らの作る伝説もここまでとなる!!」
Σが電撃弾を連射する。
ゼロ「いくぞエックス」
エックス「二人の全エネルギーを」
ゼロ・エックス「「Σにぶつける!!」」

エックスのチャージショットとゼロのアースクラッシュが放たれ、
その二つの攻撃は一つの巨大な光弾となった。

Σ「二つのパワーが一つになっただと――――っ!!」
その光弾がΣを粉砕した。しかしその瞬間、Σは笑みを浮かべていた――――

エックス「何?」
周囲の壁に明かりが点った。

エックス「なんだ?」
ゼロ「なにかが起動したみたいだな・・・」
?「かかったな」

Σが座っていた玉座の目に明かりが点った。
?「いまいましいが、貴様らは最強の敵だ・・・しかし・・・今の闘いの真の目的は・・」

玉座が巨大なΣの顔に変貌した。
Σ「貴様達の足止めだ。我がダミーを倒した一撃で貴様等のエネルギーは底をついただろう。貴様らはここで人類抹殺を見ながらくちていくのだよ」
エックス「ダ・・・・・ダミー・・・?」
ゼロ「―だと?」
Σ「そう!あの体は貴様等のエネルギーをけずるためのもの、わしの体はこの基地そのもの!!」

エックス「く・・まんまとひっかかかった」
ゼロ「確かにエネルギー切れだ・・・」

Σ「しかもダミーの破壊と同時にΣチップをもつレプリロイドによって、わしの最終プログラムが発動する!!」
「人類抹殺計画実行!!」

エックス「感じる・・・・・地球が闇に染まっていくのを・・・・どうすることもできないのか!!」
エックスが涙を零した。
それと同時に、以前エックスが助けた大型CPUマザーが起動し―――

その時、奇跡がおきた。Σに占領されたはずのネットワークのうちの四か所に希望の光が走った。

そしてその光の中心はΣの基地、いやその中のエックスとゼロだった。

Σ「くっ!何者だ!!何者が我がシステムに侵入した!?」
ゼロ「力が・・・・」
エックス「みなぎってくる!?」

マザー「我が名はマザー、勇者によって目覚めた巨大コンピューター」
エックス・ゼロ「「マザー!!」
マザー「自然の声、人々の平和への祈り・・・そして勇者の涙があるプログラムを起動させた。この男によるプログラムだ」
エックス「あ」

エックスの生みの親である、Drライトの姿が浮かんだ。
ライト「エックスよ・・・ロックマンの名をつがせたばかりにつらい目ばかりにあったのぉ・・・しかしみなが平和を待っておる。さあ渾身の力をこめ、平和の光をともすのじゃ・・・・」

Σ「貴様ら!!誰と話しておる!!」
ゼロ「お?悪人には見えないようだな。さあいくぞエックス!!」
エックス「ああ!!」

Σ「え~~~~いこしゃくな!!」
床からの触手がエックスとゼロに向かってきた。

ゼロはバスターでエックスの背中を撃った。

Σ「バカめ!!何のつもりだーっ!!」

ギガクラッシュ・・・受けたダメージをためて巨大なエネルギーを放出する技である。しかしエックスに送られたプログラムはたった一発分のダメージを・・・・

エックス「数百倍にして放出する」
「ハイパーギガクラッシュ!!!」

エックスの全身から放たれた閃光は触手を、Σの顔を飲み込んでいく。
Σ「なぜだ―――――っ!!!わしの勝利は確実だっ!!なのになぜ!!二度も!?ありえん!!ありえん!!」

そして基地が大爆発し、崩壊し始めた。

ゼロ「これでΣの計画も終わりだな、これで平和がもどるな。さぁエックス!凱旋といこうぜ!――――――ん?」
エックスは膝を付いていた。

ゼロ「どうした?エックス!!」
エックス「この基地をふき飛ばすパワーなんだ・・俺の体にも反動がきたよ・・一人でいってくれ・・ゼロ・・」
ゼロ「!!、バカやろう二人でいくぞ」
「うわっ!!」
ゼロがエックスに肩を貸そうとしたが、爆発で二人とも吹き飛ばされた。

ゼロ「そうさ・・・・・できるわけないさ・・・・」
(今度は俺がお前を助ける番だからな)
ゼロは立ち上がり、エックスを背負って脱出する。


その後、Drケインの飛行機が北極に来た。
ケイン「Σの基地跡を始めてもう八時間になるか・・・しかし必ず生きておる!!必ず!!」
「ほっ!!エックスじゃ、あやつからの発信音じゃ。まってろ!今すぐ助けにいくぞ!!」


爆発でバラバラになった氷河、その一つにゼロとエックスがいた。

ゼロ「VAVAとの死闘以来か・・・お前とこうしてゆっくり話せるのは・・・聞きたい事・・話したい事がたくさんあるよ・・・」
「でも今はゆっくり休んでくれ、エックス」

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最終更新:2021年09月26日 08:24