強力な精神支配の超能力の持ち主・死紋により、風魔の忍びたちは彼の配下となった。
風魔一族を乗っ取って新総帥となった死紋は、すべての忍びの世界の制覇を企む。
小次郎と竜魔は、仲間を次々に失いながらも、死紋に挑む。
小次郎「いくぜ 死紋!!」
死紋「くっ」
死紋の視線が、小次郎を捉える。
小次郎「う!? うおおお──ッ」
地面に倒れこむ小次郎。
小次郎「う……」
死紋「フッ かかったな 小次郎よ きさまの精神は いまや完全にこの死紋に支配されたのだ!!」
死紋が風魔の総帥旗の手にし、鋭い先端を槍のように突きつける。
死紋「きさまはもはや オレの指図はどんなこともこばむこともできん…… フッ そう…… 死ぬことすらな!」
竜魔「うっ 小次郎──ッ」
死紋「死ね──ッ」
激突──!
風魔たち「う!?」「はっ!?」「な…… なんだ?」「オレたちは……?」「一体今までなにをしていたんだ?」「う!?」「小次郎──ッ」
小次郎が死紋と対峙している姿。
風魔たち「竜魔──ッ」「小次郎はやられたのか!!」
竜魔「おまえらどうやら精神支配がとけたか……」
「う…… うう……」
血が滴り落ちる。それは小次郎の血ではなく、小次郎の木刀で頭を割られた死紋の血であった。
死紋「バ……バカな…… 竜魔さえもおとしいれたはずのオレの精神支配がなぜ きさまには通用せんのだ……」
小次郎「それはオレがすでに べつの精神支配をうけているからよ」
死紋「な……なに!?」
小次郎「他のどんな精神作用も拒否する精神支配を 前もって竜魔にほどこしてもらったのだ!」
死紋「な……なぜだ…… はあ はあ おまえらはこれだけの戦闘能力をもちながらなぜ それをおのれのために使おうとせんのだ…… そ……その気になればなんでも可能なはずだ…… のぞむものはなんでもな……」
小次郎「残念だが忍びはおのれの欲望のためには闘わん ましてオレたち風魔はな……」
死紋「そ……そうか…… 風…… おまえたちは人知れず永遠もさすらう…… フッ…… 風だったよな……」
死紋が倒れる──
竜魔「小次郎おどかすな てっきり死紋の精神支配にやられたのかと思ったぞ」
小次郎「すまねえ竜魔 あぶねえとこだったぜ だがどうやらこれで 無事に風魔の総帥旗はオレたちの手にもどったようだな」
こうして、風魔反乱の野望は潰えた……
その脚力は一日数千里を走り! その耳は三里先におちた針の音さえもききわけ! 闇夜でも千メートル先の敵をみきわめる目をもち! 動けば電光石火! とどまれば樹木のごとし! されど人知れず風のようにさすらい 風のように生きてきた……
風魔よ 永遠に風のように生きよ!
完
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最終更新:2016年03月30日 03:41