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第1幕

[シンフォニア(序曲)]

第1場

ナポリ郊外の寂しい海岸。片側には丘があり、遠くに郊外の別荘が点在し、ジプシーたちのテントが立ち並んでいる。
ジプシーの一隊は丘の上に、もう一隊は平地にいて、それぞれ異なる作業に勤しんでいる。


ザイダ、アルバザール、そして詩人(プロスドーチモ)。

[第1曲 イントロダクション]

合唱
全世界が私たちの故郷、
豊かな恵みのふところのなかで、
愚かで無知な他人の世間に乗じ、
自由に暮らし贅沢を満喫する。

ザイダ
誰もが心満たされているのに、
惨めなのは私ひとりだけ!
最愛の人を見失ってしまい、
二度と見つけることができないの。

アルバザール
そろそろ元気をお出しなさい、
私たちと一緒に楽しむのです。
さあ…勇気を出して!あなたの番ですよ、
歌を歌い始めるのは。

詩人
喜劇を書かねばならんというのに、
好ましい題材が見つからない!
これでは情感が重すぎるし、
あれでは退屈に思える。

ザイダ、アルバザール、合唱
いかなる場所でも讃えられよ、
その大いなる名声こそは、
我らに最初にその術を教えた者の、
他人の脛をかじって生きるという術を、
大して骨も折らずに。

詩人
なんと!ジプシーたちか、これは驚いた!
歓喜に歌に、朝の宴!
おお!何と素晴らしい導入部が
ここから引き出せることか!

ザイダ、アルバザール、合唱
全世界が私たちの故郷、
豊かな恵みのふところのなかで、
愚かで無知な他人の世間に乗じ、
自由に暮らし贅沢を満喫する。

詩人
良いぞ!見事だ!まさにその通り、
誠に素晴らしいお約束だ、
たっぷり飯にありついて
何ひとつ苦労しないとは。

第2場

詩人ひとり。

レチタティーヴォ

詩人
ああ!このジプシーたちの到着が
何か事件のお膳立てをしてくれて、
十分な仕掛けと複雑な筋書きを
劇一本分提示してくれれば良いものを!
生きた写生による見事な一絵巻が描けよう。
諦めねばなるまい、
気まぐれな美女フィオリッラに想いを馳せて
執筆しようなどという考えは。あらゆる劇作家が
すでに舞台へ載せ尽くしているのだ、
愚鈍な夫と、浮気で狂気じみた妻の物語など。
おお、あそこにちょうどジェローニオが、
占いを立ててもらうのに躍起になってやって来る。
急いでジプシーたちに知らせに行くとしよう。

(詩人は丘を登り、ジプシーたちに、反対側から沈思黙考しながら登場するドン・ジェローニオを指し示して教える)

第3場

ドン・ジェローニオ、のちにジプシーの男たちと女たち。

[第2曲 カヴァティーナ]

ジェローニオ
運勢をしっかり占ってくれる
ジプシー女を探し歩いているのだ。
打ち明けて教えてほしいのだ、
時間と忍耐をもってすれば、
うちの妻のこの頭脳を
治す境地にまで達せるかどうかを。
だが、私が望むようなジプシー女は
見つけるのが不可能なのだ。

というのも、妻の頭というものは
実におかしな生地でできていて、
占い師ひとりばかりでは
どう作られているのか探りきれんからだ。

(その間にジプシーの男たちと女たちがザイダと共に降りてきて、平地に達するとドン・ジェローニオを取り囲む。)

ジプシーたち
占いを立ててもらいたい方はどなた!

ジェローニオ
ほら、ちょうど私のすぐ近くに
ジプシー娘の一群が。

ジプシーたち
私たちは運命を読み解きます、
私たちは星々を読み解きます。
占ってもらいたいお方はどなた!

ジェローニオ
ジプシー娘たちよ…!

ジプシーたち
手をお出しなさい。

ジェローニオ
待っておくれ…

ジプシーたち
早く…

ジェローニオ
落ち着いてくれ。

ジプシーたち
過去を言い当ててさしあげましょう。

ジェローニオ
そんなものはお前さん方より私の方が知っている。

ジプシーたち
現在を解き明かしましょう。

ジェローニオ
それも知っているとも。

ジプシーたち
では未来は?

ジェローニオ
まさにそれだ。

ジプシーたち
かわいそうなお方!

ジェローニオ
どうしたというのだ?

ジプシーたち
何という惨めなご運勢!

ジェローニオ
いいから話しておくれ。

ジプシーたち
あなた様はいつでも
今おありの通りの間抜けで大愚か者のまま…

ジェローニオ
ええい!ここから立ち去れ。

ジプシーたち
ずっとずっとそのまま…あはは!

ジェローニオ
ああ!妻め、街のジプシーでさえ
わしがどういう男か知っている始末だ。
お前がこのまま狂気じみた我儘を続けるなら
世間全体に知れ渡ってしまうぞ。

ジプシーたち
何という不吉な星回り!
ずっと狂ったまま!…あはは!

ジェローニオ
ええい、放っておいてくれ、道化ども!
ええい、失せろ、あっちへ行け。

(ジプシーの一隊に追われながら逃げ去る。ザイダがアルバザールと共に立ち去ろうとするところへ、詩人が登場して彼らを呼び止める)

第4場

詩人、ザイダ、アルバザール。

レチタティーヴォ

詩人
見事だ!一部始終を聞いていたぞ。
ジプシー娘よ、お前は実に機知に富んでいるな。
生まれ故郷はどこかね?

ザイダ
生を授かりましたのは
コーカサスの麓でございます!

詩人
ほう!どんな奇遇があって
それほど遠く離れた土地から
流浪の身としてここまで引き寄せられたのだ?

アルバザール
私たちの身の上は
まるで一本のロマン小説のようでして。

詩人
(しめたぞ!)きっとお前は
どこかのハーレムにおったのだろう。

ザイダ
かつて幸せだった日々、
エルズルムにて私は奴隷として仕えておりました、
セリム・ダメレク様の。

アルバザール
そして彼女の不運は
そこで始まったのです。

詩人
一体何があったというのだ?

ザイダ
お聞きください。あのお方は私を愛してくださり、
妻にしようとなさいました。ですが恋敵たちが
あのお方の目において私を
不貞な女に見せかけたのです。嫉妬に目が眩み
激怒されたあのお方は、
このアルバザールに私を処刑するよう命じたのです。
アルバザールは私を救ってくれました。語れば長くなりましょう、どれほど苦しみ、どれほど容赦なく
残酷な運命が私を傷つけたかを、
どうしてこのような人々や身なりで、ここにいるのかを。

詩人
実に素晴らしい考えが思い浮かんだぞ、
お前たちを幸せにできるようなな。

ザイダ
どのようにしてですの?

詩人
今夜到着するはずなのだ、
あるトルコの殿下がな。旅の途上で
イタリアを訪問し、ヨーロッパの
風俗を観察するために来られる。

ザイダ
妙なことに思えますわ、
トルコ人の頭にそのような
好奇心が湧き起こるなんて!

詩人
実のところ、きわめて珍しい例ではある。
だが、間違いなくあのお方は心待ちにされており、
それどころか豪華な館と宴が
用意されているのだ。
ここに留まるのは数日のみで、
その後トルコへ戻られる。もしあのお方が
お前の心の誠実さを知ったなら、
愛するお方との仲を取り持つ仲裁者となってくれよう。
言ってみろ、これ以上の妙案が…

アルバザール
他に見つかるはずもありませんな。

ザイダ
私どもにとって
その殿下にお目にかかるのは容易でしょうか?

詩人
もしセリムのもとへ戻りたいと切望するのなら、
この私にすべて任せておきなさい。

ザイダ
ええ、あのお方から遠く離れては心が安らぎません。
私に冷酷であられたとしても、
今も愛し、昔も愛していました。私は常に一筋でした。

(丘に向かって立ち去る)

第5場

散歩から戻ってきた様子のフィオリッラ、数人の友人女性たちを伴っている。

[第3の1曲 カヴァティーナ]

フィオリッラ
ただ一つの対象だけを愛するなんて
これ以上の大愚行はありませんわ。
退屈をもたらすばかりで、歓喜など皆無です、
毎日同じ快楽を味わうなんて。

たった一輪の花だけを愛したりはしないわ、
ミツバチも、そよ風も、清らかな小川も。
移り気な気質と心をもって
私もそのように愛したいの、
そのように取っ替え引き替え変えていきたいの。

(その間に一隻の船が通りかかるのが見え、小舟を海に降ろして錨を下ろして停泊する。小舟は多くのトルコ人を伴ったセリムを乗せて陸地に近づく。)


[第3の2曲 合唱、カヴァティーナと小二重唱]

トルコ人たち
漕げ、漕げ、陸へ、陸へ。

フィオリッラ
船だわ!トルコ人の船のようね。

トルコ人たち
海で味わった艱難辛苦から
ここで羽根を休めることができるぞ。

フィオリッラ
少し離れた場所から観察して
誰が上陸してくるのか見届けることにしましょう。

(フィオリッラは身を引く。その間に小舟が着岸し、セリムが上陸する)

トルコ人たち
イタリアの空の美しさが
あらゆる苦労を忘れさせてくれるだろう。

第6場

セリム、のちにフィオリッラ。

セリム
愛しいイタリアよ、ついに相まみえたぞ。
お前たちに挨拶を送ろう、友なる岸辺よ。
空気も、大地も、花々も波も、
すべてが微笑み、心に語りかけてくる。
ああ!天と地における
美しいイタリアよ、お前こそは最上の愛だ。

(その間にフィオリッラが連れと共に姿を現している)

フィオリッラ
(なんてハンサムなトルコ人!近づいてみましょう。)

セリム
(何と愛くるしい乙女たちが群がっていることか!)

フィオリッラ
(トルコ人も悪くないわね、魅力的だわ。)

セリム
(イタリアの女は実に美しい。)

フィオリッラ
(話しかけてみようかしら。)

セリム
(近寄ってみるとしよう。)

フィオリッラとセリム
(そして大いに楽しむとしよう。)

フィオリッラ
ご挨拶申し上げます…

セリム
こちらこそ。

フィオリッラ
(実に上品で洗練されているわ。)

セリム
(ほう!何と愛くるしい小顔だろう!)
まことに幸運でございます、
これほど魅惑的なお方にお目にかかれるとは。

フィオリッラ
いいえ、私の方こそ光栄でございますわ、
これほど礼義正しさに満ちあふれた
高貴なお方にお会いできますなんて。

セリム
(驚かされたぞ。)

フィオリッラ
(もうイチコロね。)

セリム
(何という妖艶さだ!)

フィオリッラ
(完全に私の網にかかったわ。)

セリム
貴女様、私のお心に深く叶いました。

フィオリッラ
おからかいにならないで…

セリム
誠の心で申し上げております。

フィオリッラ
(ほんの少ししとやかさを装っておけば
どうなるか、私には百も承知だわ。)

セリム
(あの愛らしい奥ゆかしさが
彼女をいっそう気品高く見せている。)

フィオリッラ
ではごきげんよう、旦那様…

セリム
行ってしまわれるのですか?

フィオリッラ
少しお散歩に参りますの。

セリム
私もご一緒することを許してくださいますか?

フィオリッラ
もったいないお言葉ですわ。

セリム
(何と激しい情熱だ!)
愛しい方!…ため息をついていらっしゃる?

フィオリッラ
あなた様こそ。

セリム
私もだ。

フィオリッラとセリム
なぜでしょう?
なぜなら、未だかつてない恋の炎が
私の内で燃え上がるのを感じるから。

セリム
ああ!その手を私にお差し出しください。

フィオリッラ
私の手をお取りになって、何をなさるおつもり?

セリム
あなたを二度と手放したくないのです。

(フィオリッラは彼に手を差し出し、セリムはそれを優しく握りしめる。するとフィオリッラもセリムの優しさに応じる)


二重唱(同時に)

フィオリッラ
愛おしいその手を胸に押し当てて、
ずっと私と一緒にいてもらうわ。
(こんなトルコ人を攻略するなんて
それほど難しいことでもないわね。)

セリム
愛おしいその手を胸に押し当てて、
ずっと私と一緒にいてもらおう。
(こんな女たちを落とすなんて
それほど難しいことでもないな。)

(腕を組んで立ち去る)

第7場

詩人、のちにナルチーゾ。

レチタティーヴォ

詩人
ジプシー女の昔の恋人という設定は
滑稽味を帯びたキャラクターではないが、
美しく興味深い。オペラの冒頭としては
演劇的な効果が十分あるが、
自然なプロットの展開が見えてこんな。

ナルチーゾ
詩人殿!

詩人
ドン・ナルチーゾ殿!
おや!おひとりですか?私はてっきり
お宅のフィオリッラ様のお供をしているものと。

ナルチーゾ
私と一緒に来たのだが、別の道へ行ってしまったのだ。
教えてくれ、彼女を見かけなかったか?

詩人
いいえ、私はさっぱり。

ナルチーゾ
(あの女め、
私に隠れて何か良からぬ企みをしているな。)

詩人
(嫉妬深いお小姓騎士様が勘ぐっているぞ。
探りを入れてみよう、彼から何か素晴らしい
エピソードが提供されるかもしれん。)

ナルチーゾ
(あの移り気な女に、私は嫌われてしまったのだ。)

第8場

ドン・ジェローニオと前出の者たち。

ジェローニオ
友よ…助けてくれ、
助言をくれ…わしは気が変になりそうだ。

ナルチーゾ
一体なぜです?何があったというのです?

詩人
どんなニュースですかな?

ジェローニオ
ちょうどたった今目撃したのだ、
うちの妻がトルコ人と一緒にいるのを。

詩人
トルコ人と!

ナルチーゾ
(不貞な女め!)

ジェローニオ
わしの家へと案内しているのだ、
コーヒーをご馳走するために。呪われてしまえ、
世の中のすべてのトルコ人どもめ。

詩人
嬉しそうに
これこそまさに
大いに名声を高める絶好の展開だ…

ジェローニオ
わしは御免被りたいのだ、
自分の家の中に招き入れるなど
宝石をちりばめたターバンを巻いた
セリム・ダメレクなどを。

詩人
歓喜のあまり飛び上がりながら
何だと?セリムだと!本当か!
あのジプシー女の昔の恋人か!驚いたぞ!
この予期せぬ到着は
見事な大どんでん返しだ、劇はこれで完成だ。
アポロン様、感謝いたします。

ナルチーゾ
奴は気が狂っている。

ジェローニオ
まったく気が狂っとる。

[第4曲 三重唱]

詩人
頭の足りん ~ マヌケな夫!
気まぐれな ~ 跳ね返り妻!
いやあ、これ以上の組み合わせはあるまい。

ジェローニオ
(激怒して)
貴殿、何の冗談のつもりかね?
礼儀を守りなされ、さもなくば頭骨を
誰かさんに叩き割られることになるぞ。

詩人
美男のトルコ人に惚れ込まれ
取って代わられた伊達男!
おお!何と見事な紛糾が繰り広げられることか!

ナルチーゾ
(憤慨して)
一体誰のことを言っているつもりだ?
我らを愚弄しにここへ来たわけではあるまいな、
さもなくば私を相手にしてもらうことになるぞ。

詩人
代わる代わる一人ひとりに向かって
しかし貴方様、なぜそう熱くなりなさる?…
しかし貴方様、なぜそう憤慨なさる?
私はオペラの戯曲のために選ぶだけですよ、
自分が適当だと思うお題をね。

ジェローニオ
わしのような人物にはふさわしくなく、
夫たちをぞんざいに扱わないような
そんな題材を選んでもらいたいものだ、夫たる者、
威厳を示し敬意を払わせる術を知っておるのだからな。

ナルチーゾ
伊達男たちをそっとしておき、
彼らの境遇に干渉するな。
さもなくば袋叩きに遭う詩人を
この私が劇中に登場させてやるぞ。

詩人
第1幕、第1場、
夫とその親友…
妻…トルコ人…怒号…もつれ合い…
いやあ、これ以上の展開はあるまい。

ジェローニオとナルチーゾ
第1幕、第1場、
詩人めが、巻き起こした混乱のゆえに、
怒れる夫とその親友の手によって
したたか叩きのめされることになるのだ。

第9場

(ドン・ジェローニオの家の豪華に調度された部屋。ソファ、小テーブル、椅子など。)

セリムを伴ったフィオリッラ。

レチタティーヴォ

フィオリッラ
これ、早くコーヒーをお持ち。
去っていく召使いに向かって
お掛けになって。

(二人は座る)

セリム
感嘆いたします、
このお部屋の豪奢な調度品の数々に。
ですが貴女様のように至高の美しさには
神殿こそが必要でありましょう、
トルコにおいでになれば壮麗な神殿が得られますものを。

フィオリッラ
後宮(ハーレム)のことですかしら?トルコのお方は
それほどまでに嫉妬深いというのは本当ですの?

セリム
ああ!もしこれほどのかけがえのない
至宝をお持ちであるならば、
その嫉妬深さも許されるというものです。
想像以上に深く貴女様を愛するはずです。

(コーヒーが運ばれてくる)

フィオリッラ
さあ、コーヒーがまいりましたわ。

セリム
(もう耐えきれん!)

フィオリッラ
(カップに注ぎ、差し出しながら)
どうぞ召し上がれ。

セリム
(何と華奢で繊細な手だろう!)

フィオリッラ
お砂糖はこれで十分でございますか?

セリム
(何と洗練された仕草だ!
何と美しい瞳、そしてそこに煌めく情熱の火花よ!)

フィオリッラ
何をそんなにお考えになっていらっしゃいますの?

セリム
フィオリッラ様、貴女のことばかり考えております。

フィオリッラ
(トルコ人はイチコロね。)何人の女性を愛してこられましたの?何人の女性を身近におきたいとお望みですの?

セリム
ただ一人だけ愛いたしました、
そして二度と誰も愛すまいと思っておりました。ですがお側にいると再び愛の炎に身を焦がさずにはいられぬのです。
ああ!もし私の想いを受け入れてくださるなら、
貴女様こそが私の心の唯一の情熱となられましょう。

[第5曲 四重唱]

フィオリッラ
あなたはトルコ人、信用できませんわ。
何百人もの女を周りにはべらせ、
愛の情熱が冷めてしまえば
買ったり売ったりなさるのでしょう。

セリム
ああ!愛しい方、トルコにおいてでさえ
かけがえのない宝を手に入れたなら、
取り替えたり譲り渡したりはいたしません。
トルコ人とてまことの愛を心に抱き続けるのです。

第10場

ドン・ジェローニオと前出の者たち。

ジェローニオ
扉のところで
見ろ、あそこで…ふたりきりで!
わしは一体何を耐え忍ばねばならんのだ?

(部屋に入りながら)
お邪魔しますよ?入ってもよろしいかな?
そのようなお許しを期待しても構いませんかね?

セリム
あの無礼者は一体何を要求しておるのだ?

フィオリッラ
どうぞお静まりになって、私の夫でございますの。

セリム
跳び起きて短剣を抜きながら
夫だと!…下がれ…早く下がらんか…

ジェローニオ
何だと?…ひえっ!…何という仕打ちだ!

セリム
夫だと!失せろ…

ジェローニオ
助けてくれ!

フィオリッラ
お許しくださいな、この人は
哀れにも貴方様にご挨拶申し上げに来たのですわ。

セリム
信用できん。

ジェローニオ
左様でございますとも。

第11場

離れた位置にドン・ナルチーゾ、および前出の者たち。

ナルチーゾ
(天よ、何たる光景だ!あの心移りの激しい女め、
早くもトルコ人の愛人になり下がっておる。)

フィオリッラ
そして貴方様に乞うているのですわ、
接吻させてほしいと…

ジェローニオ
左様でございます。

フィオリッラ
お召し物にね。~ さあ早くこちらへ。

(夫に無理やりトルコ人の衣装の裾へ接吻させる)

セリム
驚嘆したぞ、誠に感服だ。
トルコにはこれほど腰が低く、
これほど洗練されていて、
これほど寛大な夫など存在せん。

フィオリッラ
(まあ何という傑作な場面!)仰る通りですわ、
(この分からず屋の老いぼれめ!)夫というものは
(ああ痛快だわ!)誠に礼儀正しく、
思いやりにあふれておりますわ。

ナルチーゾ
(ああ、よくわかった。惨めな私の屈辱は
極限にまで達したのだ。
正義の神よ!懲らしめてやりたまえ、
私に浴びせられた数々の侮辱を。)

ジェローニオ
(くそ忌々しい!)仰る通りでございますとも、
(ええい、このお喋り女め!)夫というものは
(腹が立って破裂しそうだ!)実に寛大で、
温厚そのものにできておりますとも。

(ナルチーゾが進み出てジェローニオに話しかける。すると全員がジェローニオの周りに集まり、入れ替わり立ち替わり彼を脇へ引っ張る)

ナルチーゾ
何たることだ!これほど酷い恥辱を
平静と耐え忍んでおられるのか?

フィオリッラ
このお方はいつも私の周りにまとわりつくの。

セリム
あの無礼者は貴女に一体何の用なのだ?

ジェローニオ
何も。

ナルチーゾ
あいつは何を要求しているのだ?

ジェローニオ
別段何も。

フィオリッラ
何を言い出そうというの?

セリム
あんな奴、追い出さぬのか?

フィオリッラ
私の前に顔を出してほしくないわ。

ナルチーゾ
追い払ってしまわれよ。

ジェローニオ
社交辞令だ!…用心というものだ!…

ナルチーゾ
お聞きなされ。

セリム
こちらへ。

フィオリッラ
さあ早く。

ジェローニオ
だがわしはもうウンザリだ、
もうこれ以上我慢ならん。

セリム
(フィオリッラに近づき、脇で耳打ちする)
お前と二人きりで話がしたい、
浜辺で待っているぞ。
(奴らは気に障る連中だ、
ここから出た方が賢明だな。)
(立ち去ろうとして、再び振り返り
フィオリッラに向かって)
だが貴女のもとを去る前に
せめてこちらに向けてください、
穏やかな眼差しと、
愛のこもった視線を。
(あの二人の邪魔者どもが
絶えず彼女を取り囲んでおる。)

フィオリッラ
(セリムに向かって)
ですが私を置いて行かれる前に
せめて私に向けてくださいな、
穏やかな眼差しと、
愛のこもった視線を。
(あの二人の鬱陶しい奴らが
羨ましさに身を焦がせばいいわ。)

ナルチーゾ
(ジェローニオに向かって)
もう少しばかり情けなくない態度を
見せたらどうなのです。
ご覧なさい、私は貴方のために
恥ずかしさでいっぱいですよ。
(激怒と愛しさが
私の魂を苛む。)

ジェローニオ
(ナルチーゾに向かって)
お見せしようにも説明できんのだ、
胸の中で渦巻くこの激怒を。
全身が毒気で満ち満ち、
狂わんばかりの憤怒に狂っておるのだ。
(だがそれでもトルコ人への恐怖が
わしの怒りを力ずくで鎮めてしまう。)

(セリム、フィオリッラ、ナルチーゾが反対側にそれぞれ立ち去る。舞台にはドン・ジェローニオが残され、大股で行ったり来たりうろつく)

第12場

ドン・ジェローニオと詩人。

レチタティーヴォ

詩人
(遅かったか。
トルコ人はもう立ち去ってしまったか…
おや!好都合だ、夫が怒り狂って鼻息を荒立てているぞ。)

ジェローニオ
(老いぼれが犯す最大の愚行といえば、
若すぎる女を妻に迎えることに他ならん。)
友よ!思わないかね、
わしが哀れみに値すると?ここで見つけたのだ、
トルコ人に言い寄られている妻を。しかもあの野蛮人は
わしをぶち殺そうとしおったのだ。

詩人
それは素晴らしい!

ジェローニオ
何だと?
あいつを宥めるために、わしは無理やり
奴の着物の裾にキスさせられたのだぞ。

詩人
(おお!何という見事な三重唱の場面だ!)

ジェローニオ
そして、もしドン・ナルチーゾが間一髪で
駆けつけて、侮辱された夫の正当な擁護を引き受けてくれなかったら、わしは酷い目に遭っていた。

詩人
(何という場面!何という珠玉の四重唱だ!)

ジェローニオ
おい、一体何の話をしているのだ?わしにはさっぱり分からん。

詩人
お許しを。私の新作戯曲の構想を
組み立てていたところなのです。ところで貴殿は
奥方に何とお言いになるおつもりです?

ジェローニオ
ああ!もしあの女が
わしの最初の妻のように素直であったなら!
わしの道理を言い聞かせることもできようものを、
だがこの女はまったく真反対の厄介者なのだ。

詩人
そうなってしまうのは、貴殿が彼女にとって腑抜けの案山子だからですよ。
(立ち去る)

第13場

ドン・ジェローニオ、のちにフィオリッラ。

ジェローニオ
詩人の言う通りだ。忍耐なんてものは
ロバの美徳にすぎん。結局のところ、わしこそが
我が家で命を下す主人なのだ。
あのトルコ人か、さもなくば妻に出て行ってもらおう…

フィオリッラ
(ジェローニオがまだここにいるわ!ついてない出くわしかただこと。15分間もあのお説教がかった道徳のお勉強を
聞かされるハメになるわね。)

ジェローニオ
(おいでなすったな。厳格な態度で行こう!)

フィオリッラ
(好きなだけ説教すればいいわ、すぐに黙ることになるんだから。)

ジェローニオ
どれほど苦い思いを
わしに呑み込ませれば気が済むのだ!

フィオリッラ
一体どなたに向かってお怒りですの?

(フィオリッラはこの場面を通じて終始無関心で平然としている。ジェローニオは時折声を張り上げ、終始ぶっきらぼうである)

ジェローニオ
狂った女に対してだ!
風変わりで、気まぐれで、
不幸にもこのドン・ジェローニオの妻である女にな。
わしはもう疲れ果てた…

フィオリッラ
お願いですから
そんなに大声で怒鳴らないでちょうだい、
少し頭が痛みますの。

ジェローニオ
わしだって頭が痛いわ!
だが困ったことだ!わしは言っておくがな!…

フィオリッラ
そう熱くならないで。
貴方は叫び散らさなければお話もできないのですか。
それが適切な振る舞いとお思いですの、
貴方のようなお立場のお方が
そのように喚き散らすなんて?

ジェローニオ
(叩き殺してやりたいわ。)
ではお前がわしを絶望のどん底に
突き落とすのは適切なことか!?…おのれ!
わしがしかと懲らしめてやる。

フィオリッラ
落ち着いて、あなた。

ジェローニオ
生意気な女め!

フィオリッラ
大声を張り上げたって、何も得られませんわよ。

ジェローニオ
よし、それなら静かに話そう。

フィオリッラ
お尋ねしてもよろしければ、
教えてちょうだい、あなた、そのお説教は
まだまだ長くなりそうかしら?

ジェローニオ
ああ!大層長いぞ。

フィオリッラ
手短にまとめてくださらないなら、私聞きませんわ。

ジェローニオ
聞くのだ、そうだ、お前は聞くことになるのだ、
気取り屋のお嬢さんめ、さもなくば昔のあばら屋へ、
お前を娶ったソレントの田舎へ送り返してやる。
大失敗をやらかしたものだ!
これ以上お前と一緒にいたら、わしは狂ってしまうわ。

フィオリッラ
貴方はいつも不平ばかり。私にだって
文句を言う権利はありますわ、
それなのに私、黙っておとなしくしていますのに。

ジェローニオ
お前が!これは驚いた!
わしがお前に一体どんな不満の種を与えたというのだ?…

フィオリッラ
貴方はご自身の愚痴をおっしゃい、私は私の愚痴を言いますわ。

ジェローニオ
よし言おう。わしはお前の変わり様と、
すっかり態度が変わってしまったこと、
そして夫を憤死させようとしていることに不満なのだ。

フィオリッラ
私も貴方に不満がありますわ、
貴方こそすっかり変わってしまわれたから。

ジェローニオ
わしがか!

フィオリッラ
証明してみせましょうか。
昔のように優しく魅力的だなんて、もう思えませんもの。

[第6曲 二重唱]

ジェローニオ
(皮肉たっぷりに)
奥様のご機嫌をとるためには
わしは何をすればよいのか知りたいものだな。

フィオリッラ
(平然と)
貴方はいつでも黙っていて、
何事にも決して疑いを抱かないことですわ。

ジェローニオ
だが耳に入ったら…

フィオリッラ
聞こえない振りをなさるの。

ジェローニオ
だが目に入ったら…

フィオリッラ
見えない振りをなさるの。

ジェローニオ
嫌だね、奥さん、そんな要求は呑めん、
わしは見たいし、物言いたいのだ。

フィオリッラ
それではマヌケとして扱われ、
世間の物笑いの種になりますわよ。

ジェローニオ
(かんしゃくを起こして)
手短に言おう。わしの家の中に
トルコ人もイタリア人も足を踏み入れさせん!
さもなくばわしの手が…

フィオリッラ
(皮肉っぽく)
まあ、何という狂気!

ジェローニオ
手から恐ろしいものが飛び出すぞ。

フィオリッラ
(空々しい優しさで)
まあまあ、あなた、落ち着いて。

ジェローニオ
何だと!まだわしを馬鹿にするか?

フィオリッラ
いいえ、私の命、私の宝もの。
私が貴方を愛しているのは誰でも知っていますわ。
冷酷な人、私を辱めるのですか?…
私を傷つけるのですか?…

ジェローニオ
(ああ、わしの勇気よ、さらばだ。)

フィオリッラ
(悲しむ振りをして)
私の涙をご覧になっても、
私を哀れんでくださらないなんて!

ジェローニオ
(胸を打たれて)
いや、フィオリッラ、わしも愛しているのだ、
同じように誰だってそれを知っている。

フィオリッラ
(腹を立てて)
私を脅かすなんて!
不当に扱い、怖がらせるなんて!

ジェローニオ
許しておくれ…

フィオリッラ
(立腹して)
放っておいてちょうだい。

ジェローニオ
(彼女の後を追いかけながら)
フィオリッラちゃん!…

フィオリッラ
復讐してやるわ。

ジェローニオ
フィオリッラちゃん!…

フィオリッラ
あっちへ行って。
貴方を懲らしめるために、
千人の愛人をいつでも周りにはべらせ、
夜も昼も思い切って弾けまくり、
自由に楽しんでやるわ。
(こんな手合いの夫には
こうやってあしらうのが一番ね。)

ジェローニオ
(情けないわしだ!)ああ駄目だ、愛しい人よ…
(わしは何という愚行を!)仲直りしよう。
(えらいことになった!)夜も昼もだって!
これではあまりに惨い仕打ちだ。
(ああ言っておくが、あの女は狂って生まれ、
もっと狂ったまま死んでいくのだ。)

(二人は立ち去る)

第14場

詩人ひとり。

レチタティーヴォ

詩人
私の戯曲のプロットの骨組みは
ほぼ完成したぞ。
だが1幕だけでは劇としては短すぎる、ホラティウスも言っている 5幕未満であってはならんとな。
だが2部に分ける(2幕ものにする)としよう。
お前の時代には知られていなかったのだ、
喜劇オペラなどというものはな、我がホラティウスよ。
だから私は現代の慣習に従うとしよう。
ひとまずはあのジプシー女の
手がかりを探しに行こう。彼女にセリムの正体を明かすのだ。
そして彼女が彼を取り戻せるよう、あらゆる手を尽くすとしよう。
(立ち去る)

第15場

夜。第1場と同じ海岸。セリムの船が停泊中。明かりのついたジプシーの野営地。

様々な仕事に勤しむジプシーの男たち・女たち、ザイダとアルバザール。

[第7曲 第1幕フィナーレ]

合唱
大いなる奇跡の数々、
太陽さえ知らぬ神秘を、
聞きたい方はどなた、
見たい方はどなた!

ザイダ
過去と、そして未来を
見通したいとお望みの方はどなた?
それほど暗い秘密など存在しませんわ、
私が解き明かせないようなものは。

合唱
大いなる奇跡の数々、
太陽さえ知らぬ神秘を、
聞きたい方はどなた、
見たい方はどなた!

第16場

セリム、のちに詩人、および前出の者たち。

セリム
駆け落ちの準備は万端、
追い風もよく、海も穏やかだ。
私はじれったくここで立ち止まり
愛しの美女を待っている。

詩人
(ここにセリムが!奴とは知らずに
ザイダが奴に近づいていくぞ。)

ザイダ
ジプシーの占い師に
占いを立ててもらいたい方はどなた?

セリム
ジプシー娘よ、前へおいで。
星々はお前に何を告げているのだ?

ザイダ
ああ!何という声!何というお姿!
息が詰まって言葉が出ないわ。

詩人
(いよいよ正体が発覚するぞ。
気絶劇が起きるに違いない、
腰掛けを用意しに行くとしよう。)

セリム
私の運命について何が予言されているのだ、
それほど忌まわしく凄惨なことで、
お前の瞳に今にも涙が
あふれそうに揺れているのは?

ザイダ
不当な嫉妬によって
ザイダが処刑に引かれていくのが見えます…
ですが彼女は貴方様を熱愛し、ただ願い出ているのです、
再び貴方様のもとへ戻れることだけを。

セリム
その不幸な女はどこで生きているのだ?…
だが…見間違いではない…美しきザイダ!

ザイダ
はい、旦那様、私こそがその女でございます!

セリム
こちらへおいで、私の愛しい人よ。

ザイダとセリム
これぞ私の苦しみの終わり、
私にとって唯一の幸福。

詩人
(腰掛けを用意したのに気絶せんとは、
劇の定石に反しておるぞ。)

(二人は寄り添って立ち去り、再び戻ってくる)

第17場

ドン・ナルチーゾと前出の者たち、のちに変装してヴェールで顔を覆ったフィオリッラ、最後にドン・ジェローニオ。

ナルチーゾ
裏切られたというのに、なぜなのだ、
残酷な愛の神よ、私の心を焚きつけるのは?
私の恋人を返してくれるか、
さもなくば私を自由にしてくれ。

ドン・ナルチーゾは群衆の中に消える。そこへ友人女性たちの合唱を従えてフィオリッラが登場する。

合唱
万歳、愛の
生命あふれる情熱よ!
心の歓喜であり、
この世の喜び!

フィオリッラ
愛に仕えることを望まぬ者は
去るがよい、愛は私と共にあります。
高慢な心をねじ伏せるため
愛の神は私に弓と松明を授けてくださった。

セリム
何と見事な歌声!何と魅力的な存在感だ!

ジェローニオ
ここに妻がやって来るはずだ、
わしはガツンと言ってやる…問い詰めてやる…
見つけ出したら、今に見ていろ。

フィオリッラ
魅力的で愛くるしい異邦人のお方!

セリム
美しき妖精よ!

ザイダ
(あの女に近づいていくわ!)

ジェローニオ
(フィオリッラのように見えるぞ。)

ナルチーゾ
(あの女だ、あの女に間違いない。)

詩人
(ここにジェローニオが、そしてここに愛人が!)

セリム
さあ!その美しきお顔を見せてくだされ。

ザイダ
(また元通りだわ、あの人は早くも目移りしたのね。)

セリム
顔をお見せなさい。

フィオリッラ
不実で恩知らずな人!
私を愛するとはそういうことですの?私をごらんなさい。

ヴェールを脱ぐ。見物に駆けつけた者たちが一斉に叫ぶ


全員
ああ!

フィオリッラ、ザイダ、ナルチーゾ、ジェローニオ
ああ!私の胸の予感は間違っていなかった、
受けてきた過ちと屈辱は決定的なものだ。
彼女(彼)の顔を前にして
激怒のために身が引き裂かれそうだ。

セリム
ああ!胸の予感は間違っていなかった、
彼女は私の足取りを監視していたのだ。
彼女の顔を直視して
恥ずかしさのあまり顔を上げることもできん。

詩人
この場面さえあれば完璧だ、
私の詩行を完成させるには。
5人、6人での驚愕の修羅場だ。
最高の大フィナーレが作れるぞ。

ザイダ
(フィオリッラに向かって腹立たしげに向き直り)
失せなさい!くれぐれも気をつけることですわね、
私の愛する人を捜し求めたりしないことよ。

フィオリッラ
(同じように腹立たしげに言い返す)
あのお方は貴女のものなんかじゃないわ、
私はあのお方と一緒にここに残るの。

セリム
まあお聞きなさい…二人とも落ち着いて…

ナルチーゾ
君は何と言っているんだ?黙っていないで何か言ったらどうだ?

ジェローニオ
早く家へ戻るんだ、家へ早く…

アルバザール
一体全体これはどういう混乱なんだ?

詩人
おお!何と珍しい展開だろう!

ザイダ
白黒つけてやりましょう、はっきりさせてやるわ…

フィオリッラ
白黒つけるのはお互い様よ。

ザイダ
お高くとまった奥様、恐れるに足らないわ…

フィオリッラ
あなたみたいな厚かましい浮気女なんて…

ザイダ
あなたみたいな図々しいお喋り女なんて…

フィオリッラとザイダ
しっかりとお仕置きして懲らしめてやるわ。

(全員同時に)
(取っ組み合いにならんばかりに)
なんですって!なんですって!私にお喋り女だなんて!
なにい!私に向かって浮気女だなんて!
お喋り女はお前の方よ、
浮気女はお前の方だわ。
浮気者、大バカ者、生意気な女…
何という口の利き方なの!

セリム
(二人の間に割り込んで引き離しながら)
何をするのだ?これ、静まりなさい…

ジェローニオ
何たる憤怒…何たる猛乱!…

ナルチーゾ
おいフィオリッラ…恥を知りなさい…
ザイダ、これこれ!…恥ずかしくないのか?
頼むから穏やかに話し合いなさい、
いみじくも争ったりなさるな。

詩人
(この見せ物を存分に面白がりながら)
続けろ…さあ…お見事、実に見事だ!
あっちでも…そっちでも…いいぞ、その調子で
髪を掴み合い、つかみ合い、
ひっかき…かみつき…堪らんほど面白い…
何というフィナーレ!何という大グランドフィナーレだ!
おお!何という大騒ぎを引き起こすことか。

ストレッタ(フィナーレの締めくくり)

その他の全員
突風が狂おしく吹き荒れ
森を揺さぶり、木々の葉を吹き散らすとき、
荒れ狂う海が咆哮をあげ
泡立ち、煮え立ち、岸辺を打ち叩くとき、
それらとて二人の女の大騒ぎに比べれば大人しいものだ、
恋のライバルとして対峙したときの女たちには及ばない。

ATTO PRIMO

[Sinfonia]

Scena prima

Luogo solitario fuori di Napoli. Spiaggia di mare. Colle da un lato,sparso di casini di campagna che si vedono in lontananza, e di tendecustodite da Zingari.
Una truppa di Zingari è sul colle, un'altra al piano, tutti occupati adifferenti uffici.

Zaida, Albazar, indi il Poeta.

[N. 1 Introduzione]

CORO
Nostra patria è il mondo intero,
e nel sen dell'abbondanza
l'altrui credula ignoranza
ci fa vivere e sguazzar.

ZAIDA
Hanno tutti il cor contento,
sol la misera son io!
Ho perduto l'amor mio,
e no 'l posso ritrovar.

ALBAZAR
Consolatevi una volta;
divertitevi con noi.
Via… coraggio! tocca a voi
la canzone a cominciar.

POETA
Ho da fare un dramma buffo,
e non trovo l'argomento!
Questo ha troppo sentimento,
quello insipido mi par.

ZAIDA, ALBAZAR E CORO
Esaltato in ogni parte
il gran nome sia di lui,
che primier c'insegnò l'arte
di mangiare a spalle altrui
senza troppo faticar.

POETA
Come! zingari! per bacco!
gioia, canto, colazione!
Oh! che bella introduzione
vi sarebbe da cavar!

ZAIDA, ALBAZAR E CORO
Nostra patria è il mondo intero,
e nel sen dell'abbondanza
l'altrui credula ignoranza
ci fa vivere e sguazzar.

POETA
Buono! bravi! è vero, è vero,
è bellissima l'usanza
di mangiare in abbondanza
e di niente faticar.

Scena seconda

Poeta solo.

Recitativo

POETA
Ah! se di questi zingari l'arrivo
potesse preparar qualche accidente,
che intrigo sufficiente
mi presentasse per un dramma intero!
Un bel quadro farei tratto dal vero.
Abbandonar bisogna
di scrivere il pensier sopra i capricci
della bella Fiorilla: han messo in scena
poeti di ogni razza
sciocco marito, ed una moglie pazza.
Ecco appunto Geronio
che ha la mania di farsi astrologare:
corro i zingari presto ad avvisare.

il Poeta sale il colle e si vede accennare ai zingari don Geronio il quale esce da parte opposta meditando

Scena terza

Don Geronio, indi Zingari e Zingare.

[N. 2 Cavatina]

GERONIO
Vado in traccia d'una zingara
che mi sappia astrologar:
che mi dica in confidenza,
se col tempo e la pazienza,
il cervello di mia moglie
potrò giungere a sanar.
Ma la zingara ch'io bramo
è impossibile trovar.

Ché il cervello di mia moglie
è formato di tal pasta,
che un astrologo non basta
come è fatto ad indagar.

Intanto scendono i Zingari, e le Zingare con Zaida, che giunti al pianocircondano don Geronio.

ZINGARI
Chi vuol farsi astrologar!

GERONIO
Ecco appunto a me vicino
uno stuol di zingarelle.

ZINGARI
Noi leggiamo nel destino,
noi leggiamo nelle stelle:
chi vuol farsi astrologar!

GERONIO
Zingarelle!…

ZINGARI
Qua la mano.

GERONIO
Aspettate…

ZINGARI
Presto…

GERONIO
Piano.

ZINGARI
Il passato vi diremo.

GERONIO
Più di voi lo so sicuro.

ZINGARI
Il presente scopriremo.

GERONIO
Lo so anch'io.

ZINGARI
Dunque il futuro?

GERONIO
Giusto quello.

ZINGARI
Poverino!

GERONIO
Cosa è stato?

ZINGARI
Qual destino!

GERONIO
Ma parlate.

ZINGARI
Ognor sarete
sciocco e gonzo come siete…

GERONIO
Eh! toglietevi di qua.

ZINGARI
Sempre sempre… ah! ah! ah!

GERONIO
Ah! mia moglie, san chi sono
fino i zingari di piazza;
se tu segui a far la pazza
tutto il mondo lo saprà.

ZINGARI
Che fatal costellazione!
Sempre pazza!… ah! ah! ah!

GERONIO
Eh! lasciatemi, buffone!
Eh! toglietevi di qua.

fugge via seguitato dalla truppa de' zingari. Mentre Zaida con Albazar vogliono allontanarsi, esce il Poeta che li trattiene

Scena quarta

Poeta, Zaida ed Albazar.

Recitativo

POETA
Brava! intesi ogni cosa;
voi siete, zingarella, spiritosa.
Qual è la vostra patria?

ZAIDA
Ebbi la vita
del Caucaso alle falde!

POETA
Uh! qual ventura
da sì lontane terre
qui vi tragge raminga?

ALBAZAR
I casi nostri
sono un vero romanzo.

POETA
(Buono!) Sarete stata
certo in qualche serraglio.

ZAIDA
Un dì felice
schiava in Erzerum vissi
di Selim Damelec.

ALBAZAR
E i mali suoi
incominciar colà.

POETA
Che mai v'avvenne?

ZAIDA
Udite: egli mi amava,
e sposarmi volea; le mie rivali
mi fan agli occhi suoi
infida comparir: cieco e furente
lo rende gelosia,
ed impose a costui che morta io sia.
Albazar mi salvò. Lungo sarebbe
il dir quanto soffersi, in quanti modi
crudo destin m'offese
come qui, con tal gente, in questo arnese.

POETA
Un bel pensier mi viene,
che può farvi felice.

ZAIDA
In qual maniera?

POETA
Debbe arrivar stasera
certo principe turco, il qual viaggia
per visitar l'Italia, ed osservare
i costumi europei.

ZAIDA
Mi sembra strano
che salti in testa a un turco
questa curiosità!

POETA
Il caso è molto raro in verità.
Ma pur sicuramente egli è aspettato;
anzi gli han preparato
un palazzo magnifico, e una festa.
Pochi giorni qui resta,
poi ritorna in Turchia. Dov'ei conosca
la fé del vostro cuore,
si farà coll'amante mediatore.
Dite: migliore idea…

ALBAZAR
Trovar non si potea.

ZAIDA
Facil vi fia
al principe l'ingresso?

POETA
Se a Selim ritornarvene bramate
lasciate fare a me.

ZAIDA
Sì: non ho pace
lunge da lui; benché mi sia crudele
l'amo, l'amai; sempre gli fui fedele.

partono per il colle

Scena quinta

Fiorilla accompagnata da varie sue Amiche, come chi ritorna da unapasseggiata.

[N. 3/1 Cavatina]

FIORILLA
Non si dà follia maggiore
dell'amare un solo oggetto:
noia arreca, e non diletto
il piacere d'ogni dì.

Sempre un sol fior non amano
l'ape, l'auretta, il rio;
di genio e cor volubile
amar così vogl'io,
voglio cangiar così.

Intanto si vedrà passare una nave, la quale gittato in mare un battello sifermerà sull'ancora. Il battello si avvicina a terra recando Selimaccompagnato da molti Turchi.

[N. 3/2 Coro, cavatina e duettino]

TURCHI
Voga, voga, a terra, a terra.

FIORILLA
Un naviglio! Turco pare.

TURCHI
Dal travaglio avuto in mare
riposar potremo qua.

FIORILLA
In disparte ad osservare
noi starem chi approderà.

Fiorilla si ritira; intanto approda il battello, e sbarca Selim

TURCHI
E scordare il ciel d'Italia
ogni pena ci farà.

Scena sesta

Selim, indi Fiorilla.

SELIM
Cara Italia, alfin ti miro.
Vi saluto, amiche sponde;
l'aria, il suolo, i fiori e l'onde,
tutto ride e parla al cor.
Ah! del cielo e della terra,
bella Italia, sei l'amor.

intanto Fiorilla si sarà fatta vedere co' la sua compagnia

FIORILLA
(Che bel turco! avviciniamoci.)

SELIM
(Quante amabili donzelle!)

FIORILLA
(Anche i turchi non mi spiacciono.)

SELIM
(L'italiane son pur belle.)

FIORILLA
(Vo' parlargli.)

SELIM
(Vo' accostarmi.)

FIORILLA E SELIM
(E mi voglio divertir.)

FIORILLA
Serva…

SELIM
Servo.

FIORILLA
(È assai garbato.)

SELIM
(Oh! che amabile visetto!)
Son davvero fortunato
d'incontrar sì vago oggetto.

FIORILLA
Anzi è mio tutto il favore
d'incontrare un gran signore
così pien di civiltà.

SELIM
(Son sorpreso.)

FIORILLA
(È già ferito.)

SELIM
(Che avvenenza!)

FIORILLA
(È nella rete.)

SELIM
Voi, signora, mi piacete.

FIORILLA
Non mi burli…

SELIM
In verità.

FIORILLA
(Con un poco di modestia
io so ben quel che si fa.)

SELIM
(Quell'amabile modestia
più gentil sembrar la fa.)

FIORILLA
Addio, signor…

SELIM
Partite?

FIORILLA
Vo passeggiando un poco.

SELIM
Che venga anch'io gradite?

FIORILLA
È troppo onor.

SELIM
(Che foco!)
Carina!… sospirate?

FIORILLA
Voi pure.

SELIM
Anch'io.

FIORILLA E SELIM
Perché?
Perché una fiamma insolita
sento che avvampa in me.

SELIM
Deh! la mano a me porgete.

FIORILLA
Della man che far volete?

SELIM
Non vi voglio più lasciar.

Fiorilla gli porge la mano, che Selim stringe teneramente, allora Fiorilla corrisponde alla tenerezza di Selim

Insieme

FIORILLA
Cara mano al sen ti premo,
sempre meco avrai da star.
(Non è poi così difficile
questi turchi a conquistar.)

SELIM
Cara mano al sen ti premo,
sempre meco avrai da star.
(Non è poi così difficile
queste donne a conquistar.)

partono dandosi il braccio

Scena settima

Poeta, indi Narciso.

Recitativo

POETA
Della zingara amante
non è buffo il carattere,
ma bello e interessante. È teatrale
il principio dell'opera,
ma non ci vedo intreccio naturale.

NARCISO
Poeta!

POETA
Don Narciso!
come! siete qui solo? io vi credea
della vostra Fiorilla in compagnia.

NARCISO
Venne meco; ma poi prese altra via.
Ditemi, la vedeste?

POETA
Io, no.

NARCISO
(Colei
ha qualche intrigo che mi tien nascoso.)

POETA
(Pensa il servente cavalier geloso.
Scopriam terreno: mi potrebbe offrire
qualche bell'episodio.)

NARCISO
(All'incostante son venuto in odio.)

Scena ottava

Don Geronio e detti.

GERONIO
Amici… soccorretemi,
consigliatemi… io son fuori di me.

NARCISO
Perché? che avvenne mai?

POETA
Che nova c'è?

GERONIO
In questo punto io vidi
mia moglie con un turco.

POETA
Un turco!

NARCISO
(Infida!)

GERONIO
In casa mia lo guida
a bevere il caffè. Sien maledetti
tutti i turchi del mondo.

POETA
allegro
Un punto è questo
da farsi molto onore…

GERONIO
Io non mi curo
d'aver in casa mia
il gemmato turbante
di Selim Damelec.

POETA
saltando per allegrezza
Che? Selim! Davvero!
L'amante della zingara! per bacco!
Questo arrivo improvviso
è un bel colpo di scena: il dramma è fatto.
Apollo ti ringrazio.

NARCISO
È matto.

GERONIO
È matto.

[N. 4 Terzetto]

POETA
Un marito ~ scimunito!
Una sposa ~ capricciosa!
No, di meglio non si dà.

GERONIO
adirato
Mio signor, che burla è questa?
Mi rispetti; o che la testa
qualchedun le romperà.

POETA
Un galante supplantato
da un bel turco innamorato!
Oh! che intreccio che si fa!

NARCISO
sdegnato
Per chi intende di parlare?
Non ci venga ad insultare,
o con me da far l'avrà.

POETA
ora all'uno, ora all'altro
Ma signor, perché si scalda?…
Ma signor, perché s'infiamma?
Sceglier voglio per un dramma
l'argomento che mi par.

GERONIO
Scelga pure un argomento
che a' miei pari non si adatti,
e i mariti non maltratti,
che san farsi rispettar.

NARCISO
Lasci vivere i galanti,
e non badi al loro stato;
o un poeta bastonato
io farò nel dramma entrar.

POETA
Atto primo, scena prima,
il marito coll'amico…
Moglie… turco… grida… intrico…
No, di meglio non si dà.

GERONIO E NARCISO
Atto primo, scena prima,
il poeta, per l'intrico,
dal marito e dall'amico
bastonate prenderà.

Scena nona

Appartamenti elegantemente mobiliati in casa di Don Geronio. Sofà,tavolino, sedie, ecc.

Fiorilla accompagnata da Selim.

Recitativo

FIORILLA
Olà: tosto il caffè.
ad un servo che parte
Sedete.

siedono

SELIM
Ammiro
di questo gabinetto i ricchi arredi;
ma per sì gran beltà come la vostra
un tempio ci vorria,
e ne avreste un magnifico in Turchia.

FIORILLA
Qualche serraglio forse? è ver che i turchi
sono tanto gelosi?

SELIM
Ah! se un tesoro
possedessero eguale,
della lor gelosia sarian scusati;
vi amerebbero più che non credete.

è recato il caffè

FIORILLA
Ecco il caffè.

SELIM
(Non posso più!)

FIORILLA
versando e porgendo
Prendete.

SELIM
(Che mano delicata!)

FIORILLA
Il zucchero è bastante?

SELIM
(Che maniera elegante!
Che begli occhi, e che foco in lor scintilla!)

FIORILLA
A che pensate mai?

SELIM
Penso a Fiorilla.

FIORILLA
(Il turco è preso.) Quante donne amaste?
Quante vorreste averne?

SELIM
Una ne amai,
né amar voleva più: ma presso a voi
sento ch'è forza ancor arder d'amore.
Deh! se gradir l'affetto mio volete,
l'unica del mio cor fiamma sarete.

[N. 5 Quartetto]

FIORILLA
Siete turchi: non vi credo;
cento donne intorno avete:
le comprate e le vendete
quando spento è in voi l'ardor.

SELIM
Ah! mia cara, anche in Turchia
se un tesoro si possiede,
non si cambia, non si cede;
serba un turco anch'egli amor.

Scena decima

Don Geronio e detti.

GERONIO
sulla porta
Ecco là… da soli a soli!
Che mi tocca a sopportare?

entrando
È permesso? si può entrare?
Sperar posso un tal favor?

SELIM
Che pretende quell'ardito?

FIORILLA
Vi calmate: è mio marito.

SELIM
balzando in piedi e snudando un pugnale
Il marito!… indietro… presto…

GERONIO
Come?… ahimè!… che tratto è questo?

SELIM
Il marito! indietro…

GERONIO
Aiuto!

FIORILLA
Compatite: è qui venuto,
poverino, a farvi onore.

SELIM
Non mi fido.

GERONIO
Sì signore.

Scena undicesima

Don Narciso in disparte e detti.

NARCISO
(Ciel, che vedo! l'incostante
già del turco è fatta amante.)

FIORILLA
E domandavi il favore
di baciarvi…

GERONIO
Sì signore.

FIORILLA
Il vestito. ~ Presto qua.

costringe il marito a baciare la vesta del turco

SELIM
Io stupisco, mi sorprendo;
in Turchia non son mariti
sì gentili, sì compiti,
così pieni di bontà.

FIORILLA
(Oh che scena!) Dite bene:
(vecchio stolido!) i mariti
(me la godo!) son compiti,
sono pieni di bontà.

NARCISO
(Ah lo vedo: i torti miei,
sventurato! son compiti.
Giusto amor! deh! sian puniti
tanti oltraggi che mi fa.)

GERONIO
(Maledetto!) Dice bene:
(ah! pettegola!) i mariti
(crepo, schiatto!) son compiti,
sono pieni di bontà.

Narciso si avanza e dirige il discorso a Geronio: allora tutti si pongono intorno a Geronio tirandolo in disparte avicenda

NARCISO
Come! sì grave scorno
soffrir potete in pace?

FIORILLA
Costui mi è sempre intorno.

SELIM
Che vuol da voi l'audace?

GERONIO
Nulla.

NARCISO
Che mai pretende?

GERONIO
Niente.

FIORILLA
Che dire intende?

SELIM
Né lo cacciate in strada?

FIORILLA
No 'l voglio in mia presenza.

NARCISO
Fate che se ne vada.

GERONIO
Politica!… Prudenza!…

NARCISO
Sentite.

SELIM
Qua.

FIORILLA
Via, su.

GERONIO
Ma sono stufo omai,
ma non ne posso più.

SELIM
appressandosi a Fiorilla, e parlandole in disparte
Teco parlar vorrei,
in riva al mar t'aspetto.
(Costor mi fan dispetto,
è meglio uscir di qua.)
per partire, e tornando indietro
a Fiorilla
Ma pria di lasciarvi
volgetemi almeno
il ciglio sereno,
un guardo d'amor.
(Que' due seccatori
l'assediano ognor.)

FIORILLA
a Selim
Ma pria di lasciarmi
volgetemi almeno
il ciglio sereno,
un guardo d'amor.
(Que' due seccatori
si rodano il cor.)

NARCISO
a Geronio
Dovreste mostrarvi
men debole almeno;
mirate: son pieno
per voi di rossor.
(Mi straziano l'alma
lo sdegno e l'amor.)

GERONIO
a Narciso
Non posso spiegarvi
la rabbia che ho in seno:
son tutto veleno,
son tutto furor.
(Ma pure mi calma
del turco il timor.)

partono Selim, Fiorilla e Narciso da parte opposta; resta in iscena don Geronio che passeggia a lunghi passi


Scena dodicesima

Don Geronio ed il Poeta.

Recitativo

POETA
(Sono arrivato tardi.
Il turco è già partito…
Oh! buon segno: sbuffar veggo il marito.)

GERONIO
(Un vecchio non può far maggior follia
che una moglie pigliar che giovin sia.)
Amico! non ti sembra
ch'io meriti pietà? Qui l'ho sorpresa
vagheggiata dal turco, ed il bestione
ammazzar mi volea.

POETA
Bene!

GERONIO
Che dici?
Mi astrinse, per placarlo,
a baciargli il vestito.

POETA
(Oh! il bel terzetto!)

GERONIO
E qui restava ancor se don Narciso
non arrivava a tempo, e non prendea
giusta difesa di oltraggiato sposo.

POETA
(Che scena! che quartetto prezioso!)

GERONIO
Ma di che vai parlando? io non intendo.


POETA
Scusate: disponendo
stavo il mio dramma. Or che pensate voi
di dire a vostra moglie?

GERONIO
Oh! s'ella fosse
docil com'era la mia prima sposa!
Le mie ragioni far valer potrei,
ma il rovescio è costei della medaglia.

POETA
È tal perché in voi trova un uom di paglia.

parte

Scena tredicesima

Don Geronio, indi Fiorilla.

GERONIO
Il Poeta ha ragione. È la pazienza
la virtù de' somari: alfin sono io
quel che ha da comandare in casa mia;
o quel turco, o mia moglie vada via…

FIORILLA
(È Geronio ancor qui! Cattivo incontro:
sarò costretta per un quarto d'ora
ad ascoltar precetti di morale.)

GERONIO
(Eccola: gravità!)

FIORILLA
(Predichi quanto vuol; tacer dovrà.)


GERONIO
Quanti bocconi amari
mi si fanno inghiottir!

FIORILLA
Con chi l'avete?

Fiorilla in questa scena è sempre indifferente, e tranquilla: Geronio di tanto in tanto alza la voce, e sempreburbero

GERONIO
Con una donna pazza,
bizzarra, capricciosa,
che per disgrazia a don Geronio è sposa.
Stanco son io…

FIORILLA
Vi prego
a non gridar sì forte,
che duolmi un poco il capo.

GERONIO
Anche a me duole.
Ma cospetto! farò!…

FIORILLA
Non vi scaldate.
Non sapete parlar se non gridate.
Vi par che sia ben fatto,
che un uom del vostro rango
debba strillar così?

GERONIO
(L'ammazzerei.)
E par ben fatto a lei
di farmi disperar?… Corpo di bacco!
Vi metterò riparo.

FIORILLA
Piano, sposino caro.

GERONIO
Impertinente!

FIORILLA
Già col gridar non ottenete niente.

GERONIO
Ebben, si parli piano.

FIORILLA
Se la domanda è lecita,
dite, mio dolce amor, saran poi lunghe
le vostre ammonizioni?

GERONIO
Oh! lunghe molto.

FIORILLA
Se non le ristringete, io non le ascolto.

GERONIO
Le ascolterete, sì, le ascolterete,
signora smorfia, o alla capanna antica
tornerete in Sorrento ove vi presi.
Gran sproposito ho fatto!
Se più resto con voi divento matto.

FIORILLA
Voi sempre vi lagnate. Anch'io ragione
avrei di lamentarmi,
eppur cheta mi sto.

GERONIO
Voi! questa è bella!
e qual motivo mai dato vi avrei?…

FIORILLA
Fate i vostri lamenti, io farò i miei.


GERONIO
Ebben: di voi mi lagno
che cambiata vi siete;
e che il marito far crepar volete.

FIORILLA
Di voi mi dolgo anch'io per la ragione
che vi siete cambiato.

GERONIO
Io!

FIORILLA
Ve lo provo.
Amabil, come un dì, più non vi trovo.

[N. 6 Duetto]

GERONIO
con ironia
Per piacere alla signora
che ho da far vorrei sapere.

FIORILLA
placidamente
Voi dovete ognor tacere,
mai di nulla sospettar.

GERONIO
Ma se ascolto…

FIORILLA
Si fa il sordo.

GERONIO
Ma se vedo…

FIORILLA
Si fa il cieco.

GERONIO
No, signora, io non l'accordo,
vo' vedere e vo' parlar.

FIORILLA
Passerete per balordo,
vi farete corbellar.

GERONIO
in collera
Alle corte: in casa mia
non vo' turchi né italiani;
o mi scappa…

FIORILLA
ironica
Che pazzia!

GERONIO
Qualche cosa dalle mani.

FIORILLA
con finta tenerezza
Via, carino, vi calmate.

GERONIO
Come! ancora mi burlate?

FIORILLA
No, mia vita, mio tesoro;
se vi adoro ognun lo sa.
Voi crudel, mi fate oltraggio?…
Mi offendete?…

GERONIO
(Addio coraggio.)

FIORILLA
fingendo dolore
Voi vedete il pianto mio,
senza aver di me pietà!

GERONIO
commosso
No, Fiorilla, v'amo anch'io,
egualmente ognun lo sa.

FIORILLA
offesa
Ed osate minacciarmi!
maltrattarmi! spaventarmi!

GERONIO
Perdonate…

FIORILLA
sdegnata
Mi lasciate.

GERONIO
correndole dietro
Fiorilletta!…

FIORILLA
Vo' vendetta.

GERONIO
Fiorillina!…

FIORILLA
Via di qua.
Per punirvi aver vogl'io
mille amanti ognor d'intorno,
far la pazza notte e giorno,
divertirmi in libertà.
(Con marito di tal fatta
ecco qui come si fa.)

GERONIO
(Me meschino!) Ah no, ben mio…
(Cosa ho fatto!) In pace io torno.
(Or sto fresco!) Notte e giorno!
Questa è troppa crudeltà.
(Ah lo dico; nacque matta,
e più matta morirà.)

partono

Scena quattordicesima

Poeta solo.

Recitativo

POETA
Ho quasi del mio dramma
finito l'orditura;
ma un atto è poco a un dramma, e Orazio dice
che minore di cinque esser non può,
ma in due parti dividerlo io dovrò.
Ignoti ai tempi tuoi
erano i drammi buffi, Orazio mio,
e gli usi nostri seguitar vogl'io.
Intanto della zingara
si vada in traccia: a lei Selim si scopra.
E tutto, onde sia suo, pongasi in opra.

parte

Scena quindicesima

È notte. Spiaggia di mare, ecc., come nella scena prima. Nave di Selim ancorata. Campo zingaresco illuminato.

Zingari, e zingare occupate a diversi uffici, Zaida ed Albazar.

[N. 7 Finale primo]

CORO
Gran meraviglie
ignote al sole,
udir chi vuole,
chi vuol mirar?

ZAIDA
Il passato, ed il futuro
chi desia di penetrar?
Non vi è arcano tanto oscuro
ch'io non possa disvelar.

CORO
Gran meraviglie
ignote al sole,
udir chi vuole,
chi vuol mirar?

Scena sedicesima

Selim, indi Poeta e detti.

SELIM
Per la fuga è tutto lesto,
buono il vento, e cheto il mar:
impaziente io qui mi arresto
la mia bella ad aspettar.

POETA
(Qui Selim! senza conoscerlo
Zaida ad esso si avvicina.)

ZAIDA
Dalla zingara indovina
chi vuol farsi astrologar?

SELIM
Zingarella, vieni avante:
che ti dicono i pianeti?

ZAIDA
Ah! qual voce! qual sembiante!
Non ho fiato per parlar.

POETA
(Or si fa lo scoprimento;
vi sarà uno svenimento,
vo un sedile a preparar.)

SELIM
Che t'annunzia la mia sorte
di funesto, e duro tanto,
che sugli occhi quasi il pianto
io ti veggo tremolar?

ZAIDA
Per ingiusta gelosia
veggo Zaida tratta a morte;
ma t'adora, e sol desia
di poter con te tornar.

SELIM
Dove vive l'infelice?…
Ma… non erro… Zaida bella!

ZAIDA
Sì, signor, io sono quella!

SELIM
Vieni a me, mio caro bene.

ZAIDA E SELIM
Ecco il fin delle mie pene,
sola mia felicità.

POETA
(Vi è il sedile, e non si sviene,
colle regole non va.)

si allontanano uniti, indi ritornano

Scena diciassettesima

Don Narciso e detti, indi Fiorilla travestita, e co' la faccia coperta da unvelo, in ultimo Don Geronio.

NARCISO
Perché mai se son tradito,
crudo amore, il cor m'accendi?
O l'amante alfin mi rendi,
o mi dona libertà.

Don Narciso si perde tra la folla: esce allora Fiorilla seguita da un corodelle sue Amiche.

CORO
Evviva d'amore
il foco vitale,
delizia del core,
del mondo piacer.

FIORILLA
Chi servir non brama amore
si allontani, io l'ho con me.
Per domar superbo core
arco e face Amor mi diè.

SELIM
Che bel canto! che presenza!

GERONIO
Qui mia moglie ha da venire,
voglio fare… voglio dire…
se la trovo, sentirà.

FIORILLA
Vago e amabile straniero!

SELIM
Bella ninfa!

ZAIDA
(A lei s'appressa!)

GERONIO
(Par Fiorilla.)

NARCISO
(È dessa, è dessa.)

POETA
(Qui Geronio, e qui l'amante!)

SELIM
Deh! scoprite il bel sembiante.

ZAIDA
(Siam da capo: è già cambiato.)

SELIM
Vi scoprite.

FIORILLA
Infido! ingrato!
così m'ami? guardami.

si toglie il velo, e tutti coloro ch'erano accorsi a vedere gridano

TUTTI
Ah!

FIORILLA, ZAIDA, NARCISO E GERONIO
Ah! che il cor non m'ingannava,
certi sono i torti miei.
Io mi sento in faccia a lei
dallo sdegno lacerar.

SELIM
Ah! che il cor non m'ingannava,
osservava i passi miei.
Io non oso in faccia a lei
per vergogna il ciglio alzar.

POETA
Questa scena ci mancava
per compire i versi miei:
ci è sorpresa a cinque, a sei.
Gran finale si può far.

ZAIDA
volgendosi dispettosa a Fiorilla
Vada via: si guardi bene
di cercar l'amante mio.

FIORILLA
dispettosa egualmente le risponde
Quel signor non le appartiene,
qui con lui restar vogl'io.

SELIM
Ma sentite… vi calmate.

NARCISO
Voi che dite? Non parlate?


GERONIO
Presto a casa, a casa presto…

ALBAZAR
Che disordine è mai questo?

POETA
Oh! che caso singolar!

ZAIDA
Lo vedremo, lo vedremo…

FIORILLA
A veder ci sarem due.

ZAIDA
Mia signora, non la temo…

FIORILLA
Le civette pari sue…

ZAIDA
Le pettegole sue pari…

FIORILLA E ZAIDA
Saprò bene castigar.

{tutti in un tempo)
(quasi azzuffandosi}
Come! come! a me pettegola!
Oh! cospetto! a me civetta!
sei tu sola la pettegola,
sei tu sola la civetta;
frasca, sciocca, impertinente…
Che maniera di trattar!

SELIM
dividendole
Cosa fate? olà… placatevi,

GERONIO
Quale sdegno… qual furore!…

NARCISO
Ma Fiorilla… vergognatevi…
Zaida, ohibò!… non hai rossore?
Deh! parlate colle buone,
non vi state a cimentar.

POETA
godendo dello spettacolo
Seguitate… via… bravissime!
Qua… là… bene; in questo modo
azzuffatevi, stringetevi,
graffi… morsi… me la godo…
che final! che finalone!
Oh! che chiasso avrà da far.

Stretta del finale

TUTTI GLI ALTRI
Quando il vento improvviso sbuffando
scuote i boschi, e gli spoglia di fronde,
quando il mare in tempesta mugghiando
spuma, bolle, flagella le sponde,
meno strepito fan di due femmine
quando sono rivali in amor.
最終更新:2026年09月05日 11:17