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8:「泉鏡花の冒険 その2」の巻 - (2010/10/02 (土) 21:35:54) のソース

カニ子「(マズイ……! この能力はマズすぎるッス! 早くこのことを鏡花に伝えなくてはッ!)」&bold(){ググッ}

明日香「おおっと、逃がさないよぉ。&bold(){『奴隷』}!」

男 &bold(){ググ・・・}
おばさん &bold(){ドッサァ}

明日香「……チッ、&bold(){「明るさ」}が分からないから前後不覚になってるね……。使えるのは今の所&bold(){『執事』}だけか」

明日香「執事!」

執事「オオッ!」&bold(){ゴオオ}

カニ子「ま、&bold(){「マクシミリアン…………」}」

カニ子「&bold(){「シェル!」}」&bold(){ズオッ}

執事 &bold(){ズシンッ}

カニ子「ぐ、ぐぐ、なんとしてもこの事実はッ! 鏡花に伝えないと!」

明日香「なに? この鎧みたいなの」

カニ子「あたしのスタンド能力ッスよォ~~! その執事さんは今&bold(){『高山病』}にかかってまともに動けない状態ッス」

明日香「なに? これって病気なの?」

&bold(){ド ド ド ド}

明日香「なあ~~んだ! じゃあ問題ないね!」

カニ子 &bold(){!?}

明日香「ねえ執事! あなた、明日香の奴隷だよね?」
執事「もちろんで……ございますッ!」&bold(){ダッ}

カニ子「なっ……!? 無理やり立ち上がって!?」

鏡花「カニ子ッ!!」&bold(){ダダッ}

カニ子「きょっ、鏡花ッ! この能力はマズイッス! こいつの能力は――」

執事「キャオオオオッ!」&bold(){ドゴァ}
カニ子「がっ…………!」&bold(){ドサァ}

鏡花「かっ……&bold(){カニ子ォォ――ッ!!}」&bold(){ドドド}

鏡花「&bold(){キャッツッ!!}」&bold(){カッ}

キャッツ &bold(){ドシュルルルッ!}

噴水 &bold(){ドボボボボ・・・}

鏡花「杜王公園の噴水は時間ごとに吹き出る水の量に差が出るわ。
    それは何故か! 水を噴射する口が稼働して口を狭めたり広げたりできるからよ」

&bold(){ド ド ド}

鏡花「そしてそれを限界まで窄めればッ! 即席の&bold(){「ウォーターカッター」}が完成する……!!」

鏡花「くらえッ!!」

噴水 &bold(){ドジュゥウウ――ッ!}

明日香「執事!」

執事 &bold(){サッ}

&bold(){バジャジャジャジャッ!}

執事 &bold(){スパアッ!}

明日香「フン! 仲間をやられて平静を欠いちゃったね? &bold(){『奴隷』}になったものは、普段よりちょっぴりだけ強くなれるんだよ」

明日香「そしてッ!!」

?? &bold(){シュルルルルゥ}

鏡花 &bold(){!?  グルルッ ガシイイ!}

明日香「……気がつかなかった? 既に明日香は&bold(){『奴隷』}にロープを持たせていたの……。
     そしてそのロープをあなたの四肢に巻きつかせたんだよ」

鏡花 &bold(){ググゥ!}

鏡花「があッ!」

&bold(){ギリ・・・ ギリ・・・}

明日香「どう? 四方向からひっぱられて、身動きもとれないのは」

&bold(){ド ド ド ド}

鏡花「……どうして、あのときわたしが尾行していたと?
    それから、どうしてわたしが&bold(){『光の点滅を利用する』}と知っていた?」

明日香「ふふっ、あなたたちは明日香の能力を&bold(){『生き物を奴隷にすること』}だと考えてたみたいだけどね、
     明日香にとって&bold(){『生き物』}だとか&bold(){『機械』}だとかそういうことは関係ないの。
     どっちも&bold(){「明日香のために動いてくれる」}っていう点では同じでしょ? そういうこと」

明日香「あなたが電灯をジャックするちょっと前に、電灯が不自然にチカチカしてたのは気づかなかったかな~?
     &bold(){『船舶信号』}って言ってね、複雑な会話はできないけど、危険を伝えるくらい わけないんだよ」

鏡花「…………!」

明日香「そしてダメ押しに……」

&bold(){ドルルンッ! ドルルンッ!}

明日香「あなたの前後に&bold(){『奴隷』}にした車を配置してるよ」

&bold(){ド ド ド ド}

明日香「あなたのスタンド能力は、&bold(){「機械を操作する事」}だったよね?
    そして、その尻尾の数から考えて操作できるのは3つまで……。
    まっ! 自動車は2つだけだから1本は使わないままになるけどね~~!」

明日香「あなたの体が千切れちゃうのが先か、車があなたを押しつぶすのが先か……楽しみだなあ~」

鏡花「ウ、ウソ! やだやだ! それじゃ、痛いじゃない! 許してよ!」

明日香 &bold(){ニタァ}

明日香「うふふ、どおしよっかな~……。あんたさんざん明日香のことコケにしてくれたし~……」

明日香「それにあなた、分かってないね~……。&bold(){「痛い」}んじゃあないよ。&bold(){『死んじゃう』}んだよ」

&bold(){ド ド ド ド ド}

明日香「奴隷ども~~! やっちゃえ!」

奴隷 &bold(){コクッ}

鏡花 &bold(){ニヤリ}
                                              .. . . . .. . .
鏡花「いいや、&bold(){『痛い』}で合ってるわよ。なぜなら&bold(){『痛い』}と泣き叫ぶのはあんたの方だからね」

明日香 &bold(){?}

&bold(){ド グ シ ャ ア ッ ! !}

明日香「……フンっ! なんだか最後に不気味なことを言ってたけど、なんてことないじゃん!」&bold(){クルゥ}

明日香「執事! 奴隷ども! 行くよ!」

&bold(){ド ド ド ド}

&bold(){シィ――ン}

明日香「……? 執事? どうしたの!」

鏡花「人間や機械を&bold(){『奴隷にして』}&bold(){『操る』}……まったく良いヒントをくれたわ、あんたの能力は……」

明日香 &bold(){・ ・ ・}

明日香 &bold(){クルゥ}

&bold(){ド ド ド}

鏡花「&bold(){『似ている』}。あんたとわたしの&bold(){『キャッツ・グローブ』}、とても似ているわ。何かを操るという点で。
    あんたがくれた……ヒントと、あんたが死ぬほどまでに追い詰めてくれたおかげで……」

奴隷 &bold(){ドサァ―――ッ}

鏡花「ほんのちょっぴり成長できたようよ! ……フゥ~~」

&bold(){ド ド ド ド}

&bold(){ド ド ド ド}

鏡花「人間の&bold(){「動作」}は神経を流れる微弱な&bold(){「電流」}によって制御されている……。
    &bold(){『人体機械論』}って知ってる? わたし、そういうのは信じてないんだけど&bold(){「電流によって動く」}というところに関しては
    &bold(){『人間と機械は同じである』}…………と思うのよね……。そして、それは今、わたしの&bold(){『スタンド能力』}で証明された」

キャッツ &bold(){ド ド ド ド}

鏡花「あの一瞬ッ!!」

                 車
            奴隷  ↓   奴隷
              \    /
                鏡花
             /    \
           奴隷   ↑   奴隷
                 車


                 車
            奴隷  ↓   奴隷<ビリットキター
            |    
            鏡花≡
            |    
           奴隷   ↑   奴隷<ビリットキター
                 車

鏡花「右側にいた&bold(){『奴隷』}の筋肉を操作して、四方向からのバランスをくずし!」


            奴隷      奴隷
            |   車   
            鏡花  車 <ドグシャア!
            |    
           奴隷       奴隷


鏡花「車を回避したわ」

鏡花「そしてもちろん、残りの二人の『奴隷』の筋肉にも細工を施させてもらったわ」

明日香「ぐ……っ! でっでも! こっちにはまだ&bold(){『執事』}がいるもん! やっちゃえ!」

執事 &bold(){・ ・ ・ ・ ・ ・}

明日香「何やってんの!? 早く動きなさい! 動いてコイツの首を閉めて殺してよォ!」

鏡花「無駄よ……。そいつは今、完全にわたしの&bold(){「制御下」}にある。
    いくら&bold(){「精神的に」}支配して、意のままに動かせるって言っても、
    わたしが&bold(){『物理的に』}制御してしまえば、体を動かそうと思ってもわたしの許可なしには動かせなくなる」

&bold(){ド ド ド ド}

鏡花「そして&bold(){『キャッツ・グローブ』}はわたしの想像できる限界まで能力を引き出せる!」

明日香「きゃっきゃあああああ―――ッ!! &bold(){『マーシフル・フェイト』}!!」&bold(){ズアッ}

鏡花「&bold(){『マクシミリアン・シェル』}……カニ子が執事に身に着けさせてくれてたこいつが役に立ちそうね」

鏡花「呼吸は不要! 無呼吸でカタをつけさせる!
    これで&bold(){『マクシミリアン・シェル』}の&bold(){「高山病」}は克服させる! さらに――――!!」

執事 &bold(){ビリリリリッ}

鏡花「神経系を操作して、筋肉の&bold(){「タガ」}をはずした……! これで人間を超越したパワー!」

MF『&bold(){キャオオオオオオッ!}』&bold(){ババババッ}

鏡花「……そして、&bold(){『マクシミリアン・シェル』}を&bold(){「纏っている」}男はスタンドにも干渉できるわ」

執事 &bold(){グワィン!}

明日香「ぎゃあっ!」&bold(){ドザッ}

明日香「ううっ……」&bold(){ガクッ}


**・・・


明日香「ハッ」&bold(){バッ}

鏡花「おはよ、目覚めは良い?」&bold(){ニヤッ}

執事「ううっ……」

鏡花「さぁて、性悪お嬢様にはお仕置きが必要よねぇぇ~~~~~っ」&bold(){ニタニタ}
キャッツ『今回ばっかりはあねさんの過激派思想に賛成でし。一回お灸を添えないとダメでしよ』

執事「まっ、まってくださいっ! お嬢様は悪くないのです!
    悪いのはわたくしども、わたくしどもがお嬢様を歪めてしまったのです!」

明日香「執事……」

執事「お嬢様は、幼いころはそれはそれは素直でお優しい方でした!
    しかし、わたくしどもがお嬢様に対して過剰なまでのお世話をしてしまったがばっかりに!
    お嬢様は周囲の人物が&bold(){「自分に精一杯尽くして当然」}という風に思ってしまったのです!」

鏡花「なるほど……。確かにそんな家で育ったんじゃあ、回りの人間が自分の奴隷だって思うようになっても仕方ないかもね。
    フゥ~~……。&bold(){「育て方」}が悪かった……ってとこかしらねぇぇ~~~っ ある意味あんたも被害者…………


    &bold(){な ん て 言 う と 思 っ た ?}」

明日香 &bold(){!?}

鏡花 &bold(){バチィン!}

明日香 &bold(){・ ・ ・}

明日香「……ふぇ……」&bold(){グスッ}

執事「&bold(){なっ!} なにを!」

鏡花「キャッツ!」
キャッツ『でしでしおー』&bold(){トスッ}

執事「ぐぅい!? て、手が勝手に首を……!」&bold(){ギリギリギリ・・・}

執事 &bold(){ガクッ}

鏡花「甘ったれてんじゃあ…………フゥ~~~……ないわよ。
    金持ちなんかみんなあんたと同じような育て方されてるわよ。そういうヤツがあんたみたいに
    &bold(){「退屈だから」}って理由で人様に迷惑をかけてる? かけてないでしょうが。
    育った環境のせいでそんな性格になった? 違うね! あんたのソレは持って生まれた&bold(){「サガ」}よ!」

鏡花「わたしは……この泉鏡花は……いわゆるクソガキのレッテルを貼られている……。
    勉強で張り合ってくるガリベンに必要以上に差をつけ、いまだに勉強がトラウマになってるヤツもいるわ……。
    イバルだけで能無しなんでボロクソに論破してやった家庭教師はもう二度と田舎から出てこない……。
    ギャーギャーわめく駄豚やカニ子には右ストレートを入れて黙らすのなんてしょっちゅうよ」

鏡花「でも、そんなわたしにも吐き気のする&bold(){「悪」}は分かるわ。&bold(){「悪」}とは自分自身のために他人を利用するくせに
    いざ自分の立場がマズくなったらなんでもかんでも他人のせいにするやつのことよ…………」

鏡花「フゥゥゥ~~~……! あんたがやったのはそれよ。あんたの&bold(){「スタンド」}は被害者自身にも見えないし、
    分からない…………。だから…………わたしが裁く」

明日香「ち、違うもん……! 明日香は悪くないもん……!
     あんたなんか死んじゃえ……&bold(){『マーシフル・フェイト』}ォ――ッ!!」

鏡花「残念ながらこの距離ならわたしの方が早いわ……。フゥ~……&bold(){『キャッツ』}」

明日香 &bold(){トスッ}

明日香 &bold(){ゴキイ!}

明日香「ひぎぃ!? う、腕が……!」

鏡花「本体のコントロールを奪ってもスタンドは動かせるからね……先に肩をはずして攻撃手段を奪わせてもらったわ」

鏡花 &bold(){バギイッドゴッ}

明日香「あうっ!」

鏡花「今のは迷惑かけた街の人たちの分。少し足りないけどこれくらいで勘弁してあげる」

鏡花 &bold(){ドッゴォ!}

明日香「ううっ!」

鏡花「今のはやられたカニ子の分。ほんとはもっと強く蹴りたいけどこれくらいで勘弁してあげる」

鏡花「そして、次のは私の分よ――キャッツ」
キャッツ『(容赦ねえでし)』&bold(){トスッ}

鏡花「わたし自身の体を&bold(){『操作』}して、リミッターを外したわ……。
    しょせんは女の子の力だけど、次のはちょっとキクわよ?」

明日香「う、ぐ……お、鬼ぃ」&bold(){グスッ}
           マーシフル
鏡花「鬼? 全然慈悲深いじゃない。これぐらいで勘弁してあげてるんだから」&bold(){ニコッ}
                       パンチ
鏡花「ほんとは蹴りたいところだけど、これくらいで勘弁してあげる」

鏡花 &bold(){ドゴオッ}

明日香「が…………っはあっ……」

明日香 &bold(){ドザッ}

鏡花「…………フゥ~~~…………。明日の筋肉痛が心配だわ……やれやれ」&bold(){ドォーン}


**――同日 昼 鏡花宅――

譲華「――で、その明日香って子がこの子?」

明日香 &bold(){スースー}

カニ子「そーいうことッス」

鏡花「ここまで運ぶのはかなり辛かったわ……フゥ~~。
    ここまで引っ張ってきたのは、譲華さん、あなたにコイツへの&bold(){「尋問」}をしてほしいからなのよ」

譲華「&bold(){『操作』}して喋らせればいいんじゃあないの? &bold(){『操作』}なら寝てるとか関係ないでしょ?」

鏡花「フゥ~~~……。無茶言ってくれるわね……。わたしの&bold(){『キャッツ・グローブ』}はもともと&bold(){「機械を操る能力」}。
    人体を操るのなんて専門外よ。人の体を動かすだけでも、斧でヒゲを剃るより繊細な心遣いが必要なのに……
    まして&bold(){『記憶』}を吟味して喋らせるような芸当なんて今のわたしにはとてもできないわ」

鏡花「だから、そーいうのが得意そうな譲華さんを呼んだわけよ……フゥ~~~」

譲華「(ぶっちゃけそういうのなら「言わないとどんどんトゲが生えるぞ~」とかできる寒月とか
     「言わないとどんどん太陽の熱上げるわよ~」とかできる那由多の方が適役なんだけど……今度紹介するか)」

譲華「まあ、尋問ならできなくもないからいいけど、この子寝てるじゃない?」

鏡花「寝てる人間を起こすくらいならわけない……。&bold(){『起きる』}って言うのは人間のもっとも原始的な動作だからね」

キャッツ &bold(){トスッ}

明日香 &bold(){パチッ}

明日香「ううっ……痛」
鏡花「おはよ」&bold(){ニヤ}

明日香「ひいいっ……」&bold(){ビク}

譲華「(どんな所業をしたらこんなビビリ方を……)」

鏡花「フゥ~、安心しなさい。何もしなければもう痛い目には合わせないわよ」

譲華「さあて、まあそういうわけで。おねーちゃん、別にあんたを痛めつけるとかそーいうことはするつもりないから。
    あんたの持ってるその&bold(){『スタンド』}。どうしてその才能に目覚めたか、ちょっと教えてくんない?」

明日香「え、えっと……」

明日香「明日香がスタンドに目覚めたのは、今月の10日くらいだった、かな……。
     すごい熱で、熱くて熱くてもう死んじゃうのかな、って思ったら、次の日にはケロっと治ってて……。
     それからすぐに、この&bold(){「スタンド」}が見えるようになったんだy……です」

譲華「熱……? 何か熱に心当たりは?」

明日香「……ん~……、その日のお昼くらいに、
     暇で暇で、おうちの中庭でムスッとしてたら、目の前に&bold(){『矢』}みたいなものが飛んできたんです。
     面白そうだったから、気づかない振りして&bold(){『矢』}が近づいてきたところでバッと振り向いて思い切り掴んでやったら、
     その&bold(){『矢』}がいきなり素早く動いて、手を思いっきり切っちゃった……と思ったら、
     全然傷がついてなかった……。くらいかな……。そのときは夢でも見てたんだろうな、って思ってたけど」

譲華「そう……。分かったわ。んじゃ、あたしは聞きたい事も聞けたし、あとはあんたたちに任せるわね」
カニ子「姐さん乙っしたッ!」&bold(){ペコォッ}

鏡花「それじゃ、あんたも帰っていいわよ。執事やらは多分今病院だろうから、
    あんたも病院に行って執事とか&bold(){『奴隷』}にした人たちに謝ってきなさい。二度と悪さしないなら、わたしも何もしないわ」

カニ子「いい子にするんスよ、じゃあね」&bold(){バイバイ}

明日香「…………」

明日香「…………!」

明日香「あ、あのっ!」

鏡花
カニ子  &bold(){?}

明日香「ど、どうして明日香を生かしたの……?」&bold(){ビクビク}

鏡花「……なに? あんた死にたがりなの? だったら勝手に自殺でもしてればいいじゃない。
    わたしは自分で死ぬ勇気もない自殺志願者のために手を汚すなんて勘弁よ」

明日香「ち、違う! だって明日香、あなたたちのことを殺そうと…………」

鏡花「…………」

鏡花「あんたが操ってた&bold(){『奴隷の車』}」

明日香 &bold(){?}

鏡花「あんたを気絶させたあと、元の場所に戻したりしてあげたの、……フゥ~……わたし」

明日香「…………」

鏡花「なんか言うことないの?」

明日香「……ありがとう、ございます……」

鏡花「それでよし」

明日香「…………で……?」

鏡花「あ? その車の凹みが少なかったからよ。それだけ。気まぐれよ。フゥ~。
    車が大破するくらい凹んでたら、少なくとも今のあんたはいないと思ったほうがいいわね」

明日香「…………」&bold(){ポカーン}

鏡花「分かった?」

明日香「…………」

明日香「ごめん、なさい……」&bold(){ペコ}

明日香「迷惑かけて、ごめんなさい……」

鏡花「…………」

カニ子「あたしたちは……もう別に、ッスよね?」
鏡花「……借りはしっかり返したしね」

明日香「……」&bold(){ホッ}

鏡花「だがしかし」

明日香「……!」&bold(){ゾッ}

鏡花「あんだけしたんだもんね。手放しで開放ってわけにもいかないわ」

明日香「……うん」&bold(){ショボン}

鏡花「ん」&bold(){スッ}

明日香「…………?」

鏡花「何アホヅラ晒してんのよ。退屈だったんでしょ? あいにくわたしは退屈とは縁遠い生活を送ってるんでね。
    わたしと一緒に行動してれば、こんなばかげたことを起こそうって気もなくなるんじゃない?」

明日香「…………!!」

カニ子 にやにや

明日香「うんっ!!」


&bold(){――その後、鏡花宅――}

カニ子 にやにや
キャッツ にやにや

鏡花「あによ、気持ち悪いわね」

カニ子「いや~、鏡花は優しいなあ~って思って……ッス」

鏡花「……あっ、あれ? あんなのウソに決まってるじゃない!
              金ヅル
    せっかくあんな お嬢さま 見つけたんだもん。タカらない手はないでしょ?」

カニ子 &bold(){ジィーッ}
キャッツ『あねさん、素直になるべきでし』

鏡花「…………」

鏡花「フゥ~~……。うっさいわね! あんなもん特に意味はないわよ!」&bold(){フン}

カニ子「素直じゃないッスね~……」&bold(){ニヤニヤ}


**――side明日香――

明日香「…………」

明日香「ともだち、うふふっ」


*⇒TO BE CONTINUED...

----

*登場キャラ

|泉鏡花 『キャッツ・グローブ』|
|( 考案者:ID:NgGp9gIn0 絵:ID:gT1wZmr4O )|
|ぶどうヶ丘中学3年生の少女で、『キャッツ・グローブ』のスタンド使い。&br()このあとカニ子とキャッツからさんざん にやにや攻撃を受けたため、テンション最低調。&br()さらに白さんを介して事情を聞いた母親からさらに にやにや攻撃を受けて、一日中アンニュ~~イな気分。|

|カニ子 『マクシミリアン・シェル』|
|( 考案者:ID:B8RRg4E0 絵:ID:frkSeYDO )|
|ぶどうヶ丘高校1年生の少女で、『マクシミリアン・シェル』のスタンド使い。&br()このあと一日中にやにや攻撃をしかけた。キャッツともども5分に1度のペースで右ストレートを食らうが、&br()それでも一日中にやにやが止まらなかったという。ちなみに夕食は鏡花宅でとった。|

|千秋寺明日香 『マーシフル・フェイト』|
|( 考案者:ID:cshF76DO 絵:ID:XNKn0do0 絵:ID:Po8Y1g6o )|
|ぶどうヶ丘中学1年生の少女で、『マーシフル・フェイト』のスタンド使い。社長令嬢でメチャクチャワガママ。&br()鏡花から「生まれついての悪」呼ばわりされたが、心底からの悪ではなかった様子。&br()実は家の付き合いで寒月とは知り合い同士だったらしい。|

|鏡花のママさん 『スカイブルー・ヒッチハイカー』|
|( 考案者:ID:FCGnrm6Z0 絵:ID:8kYnw7C60 絵:ID:JzDMKnEUO )|
|鏡花のママで専業主婦、『スカイブルー・ヒッチハイカー(白さん)』のスタンド使い。&br()非常におっとり温和な性格で、ナイフを突き付けられてもあらあらまあまあで通せるほど。&br()この日の夕ご飯は手巻き寿司だった。|

|上野譲華 『クリスタル・エンパイア』|
|トニオのイタリアンをたらふく食べ、鏡花の家の昼ご飯もご馳走になったが、太る気配なし。|

|淡島寒月 『ダウンワード・スパイラル』&br()愛川慧 『スウィート・チン・ミュージック』&br()虹村なゆたん|
|トニオさん曰く、「寒月サンのテーブルマナーは完璧でシタ」とのこと。|

|[[08①へ>8:「泉鏡花の冒険 その1」の巻]]|パラレル・ユニヴァース|[[09へ>9 :「すたんど!」の巻]]|
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