「1回戦敗退友の会」第02回
当SSはトナメキャラが登場しますが、フィクション上の、さらに空想上のお話で他単発SS等との関連性はありません。
独立したギャグとしてお読みください!
独立したギャグとしてお読みください!

光之助
「さて、2回目の会合となったわけだが」
「さて、2回目の会合となったわけだが」

政勝
「…………」
「…………」

マルコ
「…………」
「…………」

光之助
「何だ、みんな元気がないな。前の会合での意気込みはどうしたんだ」
「何だ、みんな元気がないな。前の会合での意気込みはどうしたんだ」

幻十郎
「い、いや……この会合も意味ねえんだと思うとよ……」
「い、いや……この会合も意味ねえんだと思うとよ……」

光之助
「それだったら来なければいいじゃないか。
意味がないのならおとなしく黙って待ってても同じだろ」
「それだったら来なければいいじゃないか。
意味がないのならおとなしく黙って待ってても同じだろ」

政勝
「そ、そうなんだけどさ。
でも意味なくてもこうして人の目に触れる場所にいれるんだと思うと……」
「そ、そうなんだけどさ。
でも意味なくてもこうして人の目に触れる場所にいれるんだと思うと……」

光之助
「そう、つまりは結局おまえ達はこの会合に参加せざるを得なくなるのだ」
「そう、つまりは結局おまえ達はこの会合に参加せざるを得なくなるのだ」

ハル
「うわあタチ悪い……」
「うわあタチ悪い……」

光之助
「ここにいるのがイヤなら、さっさとスピンオフか何かで抜擢されて話題になるんだな」
「ここにいるのがイヤなら、さっさとスピンオフか何かで抜擢されて話題になるんだな」

「え、スピンオフとかに出れればこの会合には参加しなくてもよくなるの?」

光之助
「当たり前だ。
1回戦敗退者であっても、避難所で話題になるような人間、特にスピンオフで抜擢されるような人間はここに来る資格などないのだからな」
「当たり前だ。
1回戦敗退者であっても、避難所で話題になるような人間、特にスピンオフで抜擢されるような人間はここに来る資格などないのだからな」

マルコ
「やっぱり卑屈な感じは拭えないな」
「やっぱり卑屈な感じは拭えないな」

幻十郎
「俺らまで卑屈と思われると困るんだがなあ……」
「俺らまで卑屈と思われると困るんだがなあ……」

「なんかここにいるべきなのかいないほうがいいのかわからなくなってきたわ」

政勝
「…………あれ?」
「…………あれ?」

光之助
「どうした、政勝くん」
「どうした、政勝くん」

政勝
「え? ……ああ、いや……あそうだ、また改めて自己紹介しないか?
何度も名乗ればもしかしたら読んでる人も覚えてくれるかもしれないから」
「え? ……ああ、いや……あそうだ、また改めて自己紹介しないか?
何度も名乗ればもしかしたら読んでる人も覚えてくれるかもしれないから」

マルコ
「……面倒だが、仕方ないか」
「……面倒だが、仕方ないか」


幻十郎
「同じく第2回、桐木幻十郎……」
「同じく第2回、桐木幻十郎……」

マルコ
「第1回のマルコだ」
「第1回のマルコだ」

ハル
「第5回のハル・シャプレーでーっす」
「第5回のハル・シャプレーでーっす」

光之助
「進行役を仰せつかっている小室光之助だ」
「進行役を仰せつかっている小室光之助だ」

政勝
「…………」チラッ
「…………」チラッ

「………………」

光之助
「それで政勝くん、断たれた流れを再び戻してくれることを君に期待しているのだが」
「それで政勝くん、断たれた流れを再び戻してくれることを君に期待しているのだが」

政勝
「え? あ、ええと……」
「え? あ、ええと……」

マルコ
「そう急かすな光之助、彼はまだ高校生。
大人ばかりの場で、話題の切り出し方にも困るだろう」
「そう急かすな光之助、彼はまだ高校生。
大人ばかりの場で、話題の切り出し方にも困るだろう」

ハル
「私も学生なんすけどォー」
「私も学生なんすけどォー」

「あ、私もそんくらいなんだけど」

幻十郎
「俺は……いくつくらいだろ?」
「俺は……いくつくらいだろ?」

政勝
「ちょ、ちょっ、ちょっと待ってくれ!」
「ちょ、ちょっ、ちょっと待ってくれ!」

幻十郎
「……おいおい、話の切り出し方がヘタすぎるだろ。焦りすぎ」
「……おいおい、話の切り出し方がヘタすぎるだろ。焦りすぎ」

政勝
「あ、いや脱字だと思ってしばらくスルーしてたんスけど、今のはさすがに見過ごせなくて」
「あ、いや脱字だと思ってしばらくスルーしてたんスけど、今のはさすがに見過ごせなくて」

幻十郎
「はあ? なんのことだよ」
「はあ? なんのことだよ」

政勝
「ハルのほかにもう1人女の子がいる気がして……」
「ハルのほかにもう1人女の子がいる気がして……」

「え?
何言ってるのかしら」
何言ってるのかしら」

政勝
「ホ、ホラ今!」
「ホ、ホラ今!」

幻十郎
「ハルじゃないのか今のは」
「ハルじゃないのか今のは」

ハル
「えー私じゃないよォ」
「えー私じゃないよォ」

「え……ちょっ、みんな何言ってるんですか怖い」

マルコ
「……俺も前回から名前のないカギカッコが気になってた」
「……俺も前回から名前のないカギカッコが気になってた」

幻十郎
「何でそのとき言わなかったんだよ」
「何でそのとき言わなかったんだよ」

マルコ
「脱字だと思ってたからな」
「脱字だと思ってたからな」

光之助
「うむ……実はあえて言わなかったが、この1回戦敗退友の会にはもう1人名乗っていない参加者がいる」
「うむ……実はあえて言わなかったが、この1回戦敗退友の会にはもう1人名乗っていない参加者がいる」

「あ、ええと申し遅れました、私の名h」


「ちょっ、私に名乗らせてよ!」

光之助
「黙れ、自分の役割くらいわきまえておけ」
「黙れ、自分の役割くらいわきまえておけ」

「ひっ……!」

ハル
「怖ッ」
「怖ッ」

政勝
「やっぱり俺の思い違いじゃなかったか……」
「やっぱり俺の思い違いじゃなかったか……」

光之助
「いいか、これはとっても大事なことなんだ。
コレは前回の議題にも深く関わることだが」
「いいか、これはとっても大事なことなんだ。
コレは前回の議題にも深く関わることだが」

幻十郎
「『キャラ』のことか?」
「『キャラ』のことか?」

光之助
「そう、それだ。
彼女は……我々に、いや全トーナメント出場者の誰もが持っていない強烈な『キャラ』を持っている」
「そう、それだ。
彼女は……我々に、いや全トーナメント出場者の誰もが持っていない強烈な『キャラ』を持っている」

政勝
「…………(ゴクリ)」
「…………(ゴクリ)」

ハル
「……そ、それは?」
「……そ、それは?」

光之助
「『名前がない』というキャラだ」
「『名前がない』というキャラだ」

幻十郎
「……!!」
「……!!」

マルコ
「そ、それは…………」
「そ、それは…………」

「ううう……」

マルコ
「……ずいぶんリスクの高いキャラだな」
「……ずいぶんリスクの高いキャラだな」

光之助
「そのとおりなんだ。
にもかかわらず今彼女はそれをあっさり捨ててしまうところだった」
「そのとおりなんだ。
にもかかわらず今彼女はそれをあっさり捨ててしまうところだった」

幻十郎
「だからあんな形相で諌めたのか」
「だからあんな形相で諌めたのか」

光之助
「実は1回戦敗退者の中で名前が与えられていない者はもう1人いたのだが、
その者はスピンオフに採用され、名前も与えられている。
『名前がない』というリスクを背負いきれなかった者だ」
「実は1回戦敗退者の中で名前が与えられていない者はもう1人いたのだが、
その者はスピンオフに採用され、名前も与えられている。
『名前がない』というリスクを背負いきれなかった者だ」

政勝
「いやそりゃ名前有る無し関係なく採用した書き手が不便に思ったから名前つけただけで、リスク云々は……」
「いやそりゃ名前有る無し関係なく採用した書き手が不便に思ったから名前つけただけで、リスク云々は……」

光之助
「彼女は自分では気づいていないのだろうが、
『名前がない』という唯一のキャラとして今後トーナメントが長く続いても語られていくのかもしれないのだ」
「彼女は自分では気づいていないのだろうが、
『名前がない』という唯一のキャラとして今後トーナメントが長く続いても語られていくのかもしれないのだ」

「でも、私はやっぱり名前をもらって、スピンオフに出たい……」

光之助
「甘い、甘いな。
貴様は第何回の出場者だ?
第1回だろ?ここまで2年近くスピンオフに出られなかったんだ。
今更名前を与えられたらそれきり話題にすらあがらなくなるぞ」
「甘い、甘いな。
貴様は第何回の出場者だ?
第1回だろ?ここまで2年近くスピンオフに出られなかったんだ。
今更名前を与えられたらそれきり話題にすらあがらなくなるぞ」

「ううう……」

マルコ
「だが、言い過ぎじゃないか光之助。
同じ第1回出場者同士だろ?」
「だが、言い過ぎじゃないか光之助。
同じ第1回出場者同士だろ?」

光之助
「…………」
「…………」

ハル
「そーだよ、さすがにちょっとカワイソー」
「そーだよ、さすがにちょっとカワイソー」

光之助
「……いや、彼女は我々1回戦敗退者の鑑だ」
「……いや、彼女は我々1回戦敗退者の鑑だ」

「!!」

光之助
「先ほども言ったが、名前もあたえられず敗れたのは彼女ひとりだけだ。
SS形式なのにカギカッコの前に名前がないというオモシロい位置にいる彼女に賞賛を贈るよ」
「先ほども言ったが、名前もあたえられず敗れたのは彼女ひとりだけだ。
SS形式なのにカギカッコの前に名前がないというオモシロい位置にいる彼女に賞賛を贈るよ」

「あ、ありがとう…………グスン」

政勝
「お礼いっちゃった」
「お礼いっちゃった」

ハル
「やっぱ、暗いねこの会」
「やっぱ、暗いねこの会」

「私……今まで名前が付けられないのはイヤだと思ってたけど……そうじゃないのね。
『名前がない』のが『名前』。
それが私なんだね……!」
『名前がない』のが『名前』。
それが私なんだね……!」

光之助
「そうだ、その通りだ!」
「そうだ、その通りだ!」

「ありがとう……ありがとう!
じゃあ……1つ聞かせてくれないかな」
じゃあ……1つ聞かせてくれないかな」

光之助
「何だ?」
「何だ?」

「これから私がスピンオフに出るには……どうしたらいいかな?」

光之助
「…………」
「…………」

マルコ
「…………」
「…………」

幻十郎
「…………」
「…………」

ハル
「…………」
「…………」

政勝
「…………」
「…………」

「…………」

光之助
「ええと、『名前がない』キャラを全面に押し出している限り、スピンオフ出演はないだろ……」
「ええと、『名前がない』キャラを全面に押し出している限り、スピンオフ出演はないだろ……」

「ええええええええええええええええええッッ!!!」

ハル
「うわ、最悪の結末じゃん」
「うわ、最悪の結末じゃん」

幻十郎
「なんて冷めた返答だよ」
「なんて冷めた返答だよ」

マルコ
「やはり卑屈な会だな……」
「やはり卑屈な会だな……」
「1回戦敗退友の会」第02回 おわり
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