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トリックスター・ラブ ~論破~

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orisuta

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---都内○○大学---

女「もうッ彼ったら全然私のほうを振り向いてくれないのよッ! 私はこんなに彼の事を想っているのにッ!!」

友「まーたアンタは誰かの『過去』を盗っちゃったワケェ~? アンタに彼氏なんていたことないでしょう?」

女「盗ったなんて人聞きの悪いッ……でも、そう 私は『悲劇のヒロイン』
  一生報われないまま人生を終えていくんだわ……」

友「その設定よく飽きないのね でもアンタのスタンド『トリックスター・ラブ』は
  他人の過去を『体験』できるんでしょう?」

女「そうよ そして私が『体験』した他人の過去は『無かったこと』になるの」

友「記憶も何も全部ってことでしょう~? それってすごく恐ろしいことじゃない?」

女「いいじゃなァ~い 私が『体験』するのは大抵女の子の『不幸』なのよ~それもたったの10秒間
  辛い記憶がなくなって、私はそれで楽しむ お互いの利害が一致してるわッ!」

友(この子真性の変態だー……) 「って、今度は何してるの?」

女「友ちゃんの過去を『見てる』のよ~ 別に『体験』することだけが私の能力じゃないわ
  これなら『なかったこと』にもならないしね~」

友「へぇ~いろいろと便利そうな能力なのね~ でも、使い方によっては……やっぱり恐ろしすぎるわ……
  アンタみたいな人間の能力でよかったよかった!」

女「わァ~友ちゃんって結構……あッ! そんなことまで……ッ!」 ムフフ

友「ン?わッちょっとアンタッ! 何を見て……わあああああああーッ!!バカッ!それはッ!早く消せェーーーッ!!」

女「うぅ……やっぱり私は誰からの理解も得られない『悲劇のヒロ……

友「うるせェーッ!!早くッそれを消せェーーーーーッ!!!」
 
 
 




---翌日午前 都内○○大学---



男「俺……元カノとよりを戻そうと思ってるんだ……」

○「そんな……ッ!私のこと好きって言ってくれたじゃない!」

男「それは友達としてって意味で……ごめん 付き合うことはできない」

○「誰なのよ……元カノって誰なのよッ!」




女「わぁーお」



女「ねぇねぇ~昨日男君元気なかったじゃん?」

友「えっ あー……そ、そうだったっけ?」

女「うん それでねー気になっちゃったからいつも通り『見て』みたの」

友「サラっと言っちゃたけど『いつも通り』ってアンタ……」

女「まあまあ で、そしたら案の定! 昨日は男君修羅場だったらしいわ 女の子をフッてたの」

友「へぇ~で、アンタはまた『体験』してその修羅場を楽しんだってわけ?」

女「失礼ね!さすがの私だってそんな重要そうなことを『無かったこと』にするのは恐れ多いわよ」

友「あ……一応アンタも考えてるんだ……」

女「もうッ あんまり悪いこと言うと友ちゃんの大事な過去を盗っちゃうぞッ」 ニコ

友「待って それ冗談にならないから待って」



女「でさ、気になったから私 その女の子……○さんって言うらしいんだけど その後もちょっと『見て』みたんだよ」

友「ちょっとォー深入りしすぎじゃない? 私も少し……き、気になるけど……」

女「そしたらさ……その○さんって子、ちょっと言い表しにくいんだけど……アブない感じがしたのよね……」

友「アブない感じ……?」

女「……女の勘よ」

友「なによォー全くあてにならないじゃなーい」

女「私の勘は鋭いのよ~ ま、フラれた後だし誰だってちょっとくらいアブなくなるのかもねぇ」

友「そうよォーアブないってのはいまいち分からないけど、気にすることはないんじゃないの~?」

女「そうね~ よし!じゃあ今日は友ちゃんの奢りでマックに行こうーッ!」

友「なにが『よし!』よォ! 私もう今月財布の中がピンチなのよッ!」

女「うそおっしゃいなさ~い 私友ちゃんが昨日お給料もらったの『見た』んだからぁ~」 ニコニコ

友「くッ……今日だけだからね……もォ!」

女「へへ、はァーーーい!」
 
 
 




---同日深夜 都内ネットカフェ個室---

?「1000万円だ」

○「そ、そんなお金出せるわけがッ」

?「用意できないならいい この話はなかったことに」

○「うッ……わかったわ……そのかわり『絶対』よ」

?「あァ 俺は仕事で失敗したことなど一度もない」

○「信じてるわよ……じゃあ、お金はまた今度……必ずよ 絶対、殺すのよッ!」



---翌日午後5時30分 都内○○大学---

ピロリン♪

友(ん?男からメールだ……今日の授業終わった後○○神社で……?)

女「ンー?どうしたのッ! 誰とメールしてるのォ~?」

友「わッいいじゃない別に誰とでもッ あ、今日私行くとこあるから先に帰ってるね」

女「え、私もいくいくーッ! 今日もたくさん奢ってもらうんだから~」

友「今日はどんなにわがまま言ってもだめなのー そゆことだからお先に~」

女「えーなんだよーつれないぞー『見ちゃう』ぞー」 ブーブー



女「むー たまには『見る』んじゃなくて、自分の足で見に行くのも悪くないかもねッ」 ニヤリ
 
 
 




---同日午後6時 ○○神社---

?「お待ちしておりました あなたが『友』さんですね」

友「え、えーと……そうですけど……どちらさまでしょうか? 私別の人と待ち合わせしてるんですけど……」

?「これはこれは、大変失礼いたしました 私、弁護士をしております こういうものでございます」 スッ

友「弁護士……さん?(高校生くらいに見えるけど……) 弁護士さんが私にいったい何の御用で……」

?「いや何、ちょっとあなたと『お話』をしたいだけですよ 立ち話もなんですし、ベンチに座りましょうか」

友「いやでも……私待ち合わせを……」

?「男さん……と、ですよね?ご安心ください 私は彼に頼まれてここに来ておりますから」

友「男に……?」

?「ええ、そんなにお時間はとりませんよ どうぞお掛けください 私と少しだけ話をしていただければいいんです」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…………


友「はぁ・・・、それで、どういったご用件で?」

?「そんなに焦らないで下さい。実は、まだ話せないんです。」

友「どういうことですか?」

?「まぁまぁ、それより、まだ少し時間がある。折角ですから、一つ、ゲームでもしませんか?」

友「えっ!いえ、別に、普通に待ちますよ。」

?「そんな固いこと言わないで。そうだ、だったら、もしあなたが勝ちましたら。何でも一つ願いを叶えましょう。これでどうですか?」

友「(なんか・・・逆に断る方が面倒そうだ・・・。)
  まぁ・・分かりました、その約束、絶対ですよ?」

?「えぇ、いいですよ。」

友「それで、どういったゲームなんですか?」

?「簡単です。今からあなたを『言葉の上で論破』してみせます。」

友「・・・え?それが『ルール』ですか?」

?「もし、論破できなかったら私の負けです。」

友「えーっと、それじゃあ私が「認めない」、「納得できない」と最後まで言えば勝ち、ということですか?」

?「そうですね、」

友「いいんですか?w」

?「なに、ほんの時間つぶしですよ、気楽に。」

友「約束、守ってもらいますよ・・w」


?「…では、友さん、歩行者用信号機の、大体でいいのですが、『ルール』を、ご存じですか?」

友「えーっと。赤は止まれ、青は進め、ですか?」

?「フフ、そうですね。正解です。」

友「?」

?「実はこの誰でも知っているような『常識』、間違っているんです。」

友「あー、はいはい、なるほど。それで?」

?「ニヤリ)簡単なことです。常識が、ルールとは重ならない。良くあること。例えば、そうですね、
  まず、話を中立の立場から始めるために。「あなたは横断歩道の真ん中に立っています」、いいですか?」

友「ん?えーと、はい。そですね。」

?「この時、信号が青になったら?」

友「進め、ですよね?」

?「はい、では。赤になったら?」

友「止まr・・・
  あれ?危ない、『止まれない』。」

?「そう、赤なのに『止まらない』、そして、車の方は、青だけど?」(不気味な笑みを浮かべながら)

友「『止まれ』・・・?ッハ!」

?「ククク」

友「そ・・・そんなの嘘よッ! 私は信じないわッ!」

?「そう、確かに、真っ赤な嘘、しっかり突き詰めれば矛盾が在る。
  しかし、強がって虚勢を張っても無駄だ 『ギャンブルズ・シャンブルズ』が発動した
  お前は心の中で『言い負かされた』と自覚したんだ、俺のスタンドが貴様の心臓を牛耳る。」



---同日同時刻 ○○神社付近---

女「あっれェーーー ちぇッ 友ちゃん見失っちゃったよォ~
  たぶんさっきのメールだよね~ でも『見ちゃっ』たら反則だしー
  でもこんな神社あったんだ~ なんか"ひとけ"がなくてちょっと怖いかも」

女「あれッ あのベンチに座ってるの友ちゃんだわ なーんだやっぱりこの辺にいたんだ
  私視力だけは自信があるのよ~ こーーーんなに離れてたって、友ちゃんだって分かるんだから!
  でも隣にいる男の人はだれだろう……もしかして、また友ちゃん新しい彼氏できたのかしらッ!
  さっすが友ちゃんだな~ ……でもなんだろう、なにかいやな予感がするわ……○さんと同じ……」
 
 
 




---同日同時刻 ○○神社---

友「そんなの嘘よッ! 私は信じないわッ!!」

?「強がって虚勢を張っても無駄だ 『ギャンブルズ・シャンブルズ』が発動した
  お前は心の中で『言い負かされた』と自覚したんだ」

友「何……スタンドッ!? いったい何をする気なのッ!」

?「ほう……スタンドが見えるということは、お前もスタンド使いか だがもう遅い
  スタンドが発動した以上、もうお前に残された道は『死』あるのみだ」

友「何よこれッ 体の中に……うッ がァッ……! 胸が……心臓がッ」

?「俺は○という女に雇われただけの殺し屋さ もちろん弁護士というのは嘘だ
  よく聞いてはいなかったが……彼氏を奪われたからお前を殺してくれとさ はっは!くだらねェ理由だな!
  まったく……女というのは下衆な生物だぜ 自分に非があるということを認められないのかねェ~
  ま、俺は金さえ積んでくれりゃあこのくらい朝飯前だ いい仕事をありがとうよ、ターゲットさん」

友「うッ……ゴボッ…………」

?「そろそろかな、あまり長居するとこっちも危険だからね 俺は帰らせてもらうよ」



タッタッタッタッタッタッタ……

女「何……? 何なの……? 友ちゃんが倒れて……男の人が去っていった……?
  早くッ 早く友ちゃんのところに行かないと……!」 ハァ、ハァ



女「友ちゃんッッ!!! 友ちゃんッッッ!!!! いったい何がッ!!」 ハァ、ハァ

友「アンタ……ゲホッ……今日は奢ってあげないって、言ったでしょう……ガハッ」

女「友ちゃんッ 口から血がッ なんで……どうしてッッ!!」

友「女……ごめんね……私、死んじゃうかも……ゴボッ……ごめんね……ごめんね……」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…………

女「…………大丈夫よ、友ちゃんは死なないわ だって、私がいるもの……
  『トリックスター・ラブ』ッッ!! 友ちゃんのさっきの過去を……私が『体験』するッ!
  そうすれば、これは『無かったこと』になるわッ!」

友「何を言って……いるの……? それじゃあアンタはどうなって……ガハァッ!」

女「もう時間がないわ 大丈夫、私は大丈夫よ この能力を毎日のように使っているのよ!
  それに……それに……友ちゃんは大事な私の親友、もう私の体の一部って言ってもいいくらいよッ
  そんな友ちゃんを……絶対に死なせるわけにはいかないッッ!!!」
 
 
 




なんとなく分かる。 これは『勘』だけど……私はきっと友ちゃんの代わりに死ぬんだと思う。
でも、それでいいのよ。 だって私は『悲劇のヒロイン』。 親友のために死ねるなんてむしろ……光栄……



女(もうすぐ『体験』が始まる……これが私の『最期の体験』 友ちゃん、私が死んだら泣いてくれるかな
  私のお葬式には来てくれるかしら、私のお墓参りには……来てくれるかしら……友ちゃん……)

女(……でも、おかしいな いつもならもう『体験』は始まっているはず……なのにまだ…………)



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…………

女(いや、違うわ 『体験』は既に始まっている……ッ! 私は既に友ちゃんになっているわッ
  でも……それなら、さっきの男はどこへ行ったというの……?)

女(確かに私は友ちゃんが倒れこむ少し前の過去を『体験』しているはず……なのに……いないッ!?
  ……もしかして、過去が……変わっている……? こんなことは、今まで一度もなかったわ……)

女(『会うはず』だったあの男と『会わないこと』になっている……? これは…………スタン……ド……?)




友「……ッ! 女ッ!! 起きてッ!!」

女「友……ちゃん…… 友ちゃんッ! 助かったのね友ちゃんッ!!」

友「ええ、アンタのおかげよッ ほんと、ありがとう ありがとう……うぅ……」 ぐすっ

女「へへっ……泣かないでよ友ちゃん……私まで……ひっく……へへっ……
  でもね、なんかね とっても不思議なことが起きたのよ……ひっく……」 ぐすっ

友「ふしぎなこと……?」

女「うん、なんて言っていいかわからないけど……たぶんそれは、友ちゃんのおかげよッ!」

友「私の……? でも私何も……」

女「ううん、きっとそうなの ……『勘』だけどね へへっ……私の勘は、鋭いのよッ!」





---翌日 都内○○大学---

女「ねぇねぇ、ちょっと○さんのところに行かない?」

友「ええーどうしてよォー、あんなやつの顔なんて見たくもないわッ!」

女「ほんの少しよ ちょっと、『アフターケア』にね」



女「○さーん おっはよー!」

○「お、おはよう(誰だたったかしら……)」

友「おはよう、○さん」

○「おは…………ッ!!(なッ……こいつはッ……)」



プルルル・・・ガチャッ

○「……どういうことよッ! なんであの女を殺してくれなかったのッッ!!」

?「何を言っている、お前は……金を貰ってからだと言っただろう、1000万だ」

○「お金ならあげたでしょうッ!? ……あれ、でも……私、あげた『記憶』が……ない」

?「当然だ、まだ貰っていないんだからな ……ま、お前のような女子大生にそんな金用意できるとは思えんが」

○「私は確かにッ……お金を……いろんな金融会社から借りて……そのお金を……どこへ……?」

?「ふん、最初から期待などしていなかった 用意できないならこの話はなかったことにしよう じゃあな」 プツッ

○「あ……あ……あああああああああああああああああああああああ……ッ」



友「なるほどねぇ~ お金を渡したことを『体験』して、『無かったこと』にしたんだ」

女「1000万円、重かったよォ~ ……ま、もうこの世のどこにもなくなっちゃったんだけどねッ」 ニコ

友「アンタ……結構怖いところもあるのね でも、アンタが『親友』でよかったッ!」

女「そぅお~? へへっ」






使用させていただいたスタンド


No.793
【スタンド名】 トリックスター・ラブ
【本体】
【能力】 スタンドのマッチがつけていられる10秒の間その人の過去を見ることが出来る

No.326
【スタンド名】 Twinkle Million Rendezvous
【本体】
【能力】 全て人と人との出会いを操作する

No.760
【スタンド名】 ギャンブルズ・シャンブルズ
【本体】 殺し屋
【能力】 対象を言葉の上で論破するとスタンドが対象にまとわりつき体内に侵入して心臓を攻撃する









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