オリスタ @ wiki

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第6話  【V.S.レッドホット】


空が夕焼けで染まる頃、ここは普段は静かな裏通り。

突然ドグシャアアアアと派手な衝突音が鳴る。
しかしこの音に気づく人はいるはずもない。

ぼくは一瞬意識が飛びそうになった。
強烈な痛みでかろうじて堪えたわけではない。
鮮烈な目の前で起こった驚くべきことで混乱していた。

(今のあの女は学校でのパワースピードではない。
 それをはるかに上回る力と速さだッ)

足が震えて上手く立つことが出来ない・・・

(まさか!このぼくが『恐怖』しているというのかッ!?
 このぼくが!あんな女に!!)

見るとあの女からは恐ろしい何かを感じる。
そしてあの眼だ。今まで何人も殺してきた殺人鬼の眼に似ているが何か違う。
復讐の鬼だ・・鬼の眼だ・・・今のあの女はぼくを容赦なく殴った。

そしてあの女は少なくともぼくより戦闘経験があるだろう、と思った。

(まんまと逃がしてくれるとは思えない・・
 それに第一、ぼくのプライドが絶対に許さないね。
 あの女がぼくをあんな眼で見るなんて、後悔させてやる・・後悔させてやるんだ!!)


壁に吹っ飛んだ男は立とうとしていたようだが、立てずにいた。
身体の上に崩れた瓦礫をどかし、やっとのことで壁に寄りかかりながら立ち上がる。

譲華「あなたが今すぐちゃんとした日本人流の謝り方で謝って
    あたしの言うことを何でも聞くって言うんなら許してあげてもいいケド?」

男生徒「に・・日本人・・・流の・・謝り方だと・・・・?」

譲華「『土下座』のことよ。日本人の癖にあなた知らないの?」

男生徒「ナメやがって・・・ごはッ」

譲華「足もガクガクしてるし、血だって吐いてる。
    心臓の鼓動だってヤバイんじゃないの?早く選びなさい。するか、しないか。」

男生徒「ぼくを殺してどうなるっていうんだ・・きみは殺人を犯したことになる・・。
     警察に追われるんだよ、きみは。」

譲華「脅しのつもり?例えばこれから殺人をする人間に対して
    そんなこといっても無意味だってわからないの?」

男生徒「そうだな・・きみの言う通り、今ぼくは結構ヤバイかもしれないな・・・
     でも不安なことがあるんだ・・・このぼくが本当に・・・
     本当に土下座して、きみの言うことを聞けばぼくを助けてくれるのか?」

譲華「もちろんよ、救急車だって呼んであげる。
    このまま何も無かったことのように見逃してあげる。だから早く土下座するのよ」

男生徒「イヤだね

譲華「!?」


 

男生徒「このぼくは絶対に自分で強いと思ってる奴には屈服したりはしない。」

譲華「そして『あたしに殺される』予定はない、でしょ?」

男生徒「そうさ、このぼくが死ぬわけないだろう。」

譲華「『矛盾』してるわね。土下座するのが屈服だとしたら、しなかったら殺されちゃうじゃない。」

男生徒「頭が飛んでる奴には理解できないさ。
     このぼくはあんたなんかに殺されるわけなんかないっていってるんだ。
     あんたこそ、自分の身の心配をしなよ。」

譲華「イヤミな奴はどこまでもイヤミな言葉しか吐けないみたいね。
    自分の立場すら分かってない『飛んでる』のはあなたじゃないのォ?」

男生徒「ぼくをコケにした罪は大きい・・・
     コケにしやがって・・コケにしやがって・・
     よくもコケにしやがったなァァァァアアアアア!!!!」

ふと気がつくとこの男生徒はポケットからライターを取り出していた。

譲華「焼身自殺?それなら『矛盾』しないものね。」

男生徒「うおおおおおおおおおおおおああああ!!!

ジュボッっと勢い良く火が点く!
そして突然火から人のようなカタチをしたものが出てくる。

男生徒「『レッド・ホット』ッッ!!!

譲華「それがあなたのスタンドの名前ね。最後に覚えておいてあげるわ。」


 

譲華「『クリスタル・エンパイア』ッ!
クリスタル.E.「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!

『クリスタル・エンパイア』のラッシュが『レッド・ホット』に直撃する!

しかし当たってはいるものの当たっている手応えが無い・・・

譲華「まさか・・・あなたのスタンドはッ!!」

男生徒「今!ぼくは!こいつの能力『理解』した!」

譲華(炎!スタンド自体が炎!!いくら殴っても手が焼けどするだけ・・
    決して『クリスタル・エンパイア』のパンチは当たることはない!!)
譲華「ラッシュが当たらないッ!?」

男生徒「無駄だ・・、あんたの攻撃は当たらない。
     そしてぼくの攻撃だけは当たるんだ!!」
レッド・ホット「FIREEEEEEEEEEEEEEEE!!

とっさに『クリスタル・エンパイア』はガードする。

男生徒「立場が急に逆転したな。きみの負けだッ」

譲華「あなたそれで勝ったつもり?」

男生徒「きみはもう、ぼくに一撃も当てることはできないじゃあないか」

譲華「スタンドを殴るなんて言ってないわよ。本体を叩く!!」

譲華は男生徒に向かって走り出す!!

男生徒「・・・ぼくがそんなことも知らなかった、考えなかったとでも思ったのか!!」

譲華「!?」

男生徒「『レッド・ホット』ッッ!!」
突然『レッド・ホット』が地面を殴ったかと思うと火が真横に燃え移っていく!

男生徒「その境界線を踏んづけたな・・・?いけッ『レッド・ホット』!!

レッド・ホット「FIREEEEE WALLLLLLLLLL!!!

火が真上に燃え上がっていく!まるでその様は火の壁のようであった!!

譲華は一瞬反応が遅れ、火の壁に飲み込まれていく!!


男生徒「ははは、ぼくをコケにしたからこうなるんだ。
    まさか死んではいないだろうな、火は弱めにしたんだが。
    おまえを土下座させてやるからなッ!」

男生徒は『レッド・ホット』を戻すと火の壁が消えた跡を見た。
しかしそこには誰もいない。

男生徒「おかしい・・・火はそんなに強くなかったはずだ・・・・・」

突然男生徒の背後から何かを頭に押し付けられる。

カチャ・・
男生徒「おかしいな、どんなトリックを使ったんだ?」

譲華「あたしのスタンド――『クリスタル・エンパイア』能力透明になること
    あなたがさっき燃やしたのは『クリスタル・エンパイア』投影したものよ。」

男生徒「ふーん、そうだったのか」

譲華「はあなたの頭を狙ってるわよ。最後の選択のチャンスをあげるわ。」

男生徒「思ったよりなんてことなかったな。
     トリックがわかってしまえばマジックなんて不思議ではなくなる。
     思うに、教えて欲しいけど教えてもらうとがっかりするのと同じだな。」

譲華「あなたの戯言に付き合ってる暇は無いの。3つ数えるわよ・・?」

男生徒「つまり、あんたの寿命は残り3秒なわけか。」

譲華「どういう意味よ?」

男生徒「マジックの前にトリックを教えるのはつまらなくなってしまうからイヤなんだが教えてやる。
     銃弾が発射された瞬間、『レッド・ホット』を出して銃弾を止め、きみを殴るってことだ」

譲華「なら今すぐにでも出せば良いじゃない?」

男生徒「これもまたつまらなくなってしまうから言いたくないんだが
     どうやらぼくのスタンドは火の無いところには出せないようでね
     きみがうらやましいよ。」

譲華「嘘じゃないみたいね。でもこのまま何事も無かったことにはできないわ。
    あなたには私に協力してもらうからね?」

男生徒「ぼくの家に来てくれないか?今日は面白い体験をさせてもらった。
     ぼくの知り合いに面白いネタを喉から手が出るくらい欲しがっている漫画家がいるんだ」


 

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