オリスタ @ wiki

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第8話  【裏切り者 ―ブラックリスト―】


コンコンッ

ヨア「どーぞ。」

ガチャ

白衣の女研究員と軍服の集団が入って来る。

ヨア「何の用かな?」

研究員「スピードワゴン財団本部からの重要な通達が・・・」

ヨア「ついに来ちゃったか、ククク・・・
   ちょっと良いかい?話は外でしようか。
   メシアが安らかに寝ているもんでね、ククク・・・」

研究員「は、はぁ・・・」

バタン

・・・・・・・・・・

ヨア「つまり・・・もう用済みというわけかな・・?」

研究員「解散通達だけじゃないよ。オメーが組織のブラックリストに載ったッ!!
     大人しく身柄拘束を受けて本部へと行けば、命の保障はしてやるってよ。
     猶予は3日。3日後に『お迎え』が来るからよ、
     『お迎え』の方々の指示に従って、本部まで行けだとよ。
     本部での審議後、その後のオメーの処分を決定するようだからなァァア。」

ヨア「大人しくだとか指示に従うだとかそういうのはキライなんだよなぁ」

研究員「拒否権はオメーにゃあねェェエエーーー!!」

ヨア「分かったよ、ご忠告ありがとう。」

研究員「忠告でも連絡でもなぁぁぁああい、上からの命令だ。
     いいか?お前は裏切り者として拘束命令を受けたんだ。
     生死は問わず身柄を引き渡せってなァァァアア」

ヨア「そんな大きい声は出さないでくれよ、ノーム。
   メシアが起きてしまうじゃないか、ククク・・・」


 ノーム「オメーら、こいつを拘束しろ。」

ノームと呼ばれた研究員の女が声をかけると
2、3人がヨアの周りを囲み、ヨアに手錠をかける。

ヨア「おっと、なにをするんだ。」

ノーム「アタシの話を聞いちゃあいねえみてぇだあな。
     死にてぇのか?オメーはよォォ!」

ノームが拳銃を構えるとヨアの目つきが変わる。

ノーム「いいか?生死を問わないってことはな、
     組織にとっちゃあ、オメーが死んだって構いはしないってことだぜェェーー!?」

ヨア「おい……」
ノーム「あぁん?それ以上無駄口を叩くっていうんなら――――」

ヨア「撃ってみろよ………
   ただし、引き金を引いたらそれが合図になる
   俺を困らしたいっていうんならな、ククク・・・」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ノーム「手錠かけられて身動き出来ねぇヤツが吐く台詞じゃあねえぞッ」
ヨアの眼前に迫り、ノームは銃をヨアの頭に押し付ける。

ヨア「力抜けよ……その銃、ショートリコイルのオートマティックだろう………?」

ノーム「だからなんだって言うんだよォォーーー!?」

ヨア「銃口押し付け過ぎだよ、スライドが後退しちまってる……
   そのままじゃあ撃鉄が落ちないんだよ、ククク・・・」

ノーム「知ってんだよオオォォッ!!ミリタリーオタクか
    うぐ…うぐぐ… おまっ おっ おっ オメーはよォォォォ」

ノームは銃口をヨアの頭から離し、キョロキョロと見回すと

ノーム「クソッオメーらも冷たいじゃねえかよォ
    なんだよその目はよォォォ 白い眼でみてんじゃあねェェーー!」

そして再びヨアに目を向けると
ノーム「お、おい・・・オメー、その後ろのヤローは誰だッ」

ドドドドドドドドドドドドドドドドド

ノーム「まさかよ・・・まさかとは思うがよ・・・
     スタンド使いだったのか・・・クソッタレが!!」

ノームは引き金を躊躇わずに引く!

バァァァァアアアアアン

しかし突如、ヨアの背後に現れた人影はノームが放った弾丸を止めた!

ノーム「お、おい オメーら何やってんだよ・・・
    こっち見てねーで撃て!!おい、見えてねーのかよ・・・!?
    アタシが許可する!!撃て、撃てったら撃てェェエエーーー!!」


 ババン!ババン!バン!バン!

ヨアの身体を無数の弾丸が貫く。勿論、頭部も例外ではない。

ノーム「よぉーーし、よくやったオメーら・・・
     『激しく抵抗したから仕方が無かった』だぞ?いいかオメーら」

ピクピクッ

ノーム「おい、オメーら本当に殺ったんだろーな?
     動いてんじゃねーか!生きてるわけねーよな!?」

ガリガリ・・・

ノーム「間違いねー!なんでかは知らねーが、間違いなくコイツは生きてる!!
     おら、銃貸せ、撃つぞ?いいか?トドメ刺すぞ?」

バァァアアアン

ノーム「よぉーーし、流石に死んだだろ・・・
     見ろ!もう動きやしねー!オメーら本当に軍にいたんだろーな?」

ガチャ・・
ノーム「よし、じゃあ処理は任せるぜ。キレーに包装しろよな、
    クリスマスプレゼントみてーによォォ ちょっぴりカワイイ感じによォォ」

ノームが扉を閉めようとしたその瞬間、ノームは奇妙な光景を目にした。


ざわ・・・ざわ・・・
軍服「うわっ お、おい!の、喉が・・ぐあああ」
軍服「・・・こいつ生きてるぞ!!」
軍服「おい、撃て!」
バン!バン!バン!
軍服「効かない!ぐほッぐええええ」

ここで正しい上司なら
「お、おい!大丈夫かオメーら!何があった!!」
と部屋に戻るところだが、ノームはその場から逃げ出した。

ノーム(み、見捨てたわけじゃねー、アタシが仮にあそこに入っていっても殺されるだけだった!
     こ、怖いから逃げてるわけじゃねー、見ただろアイツは銃が効かねぇ
     そしてスタンド使いと来たもんだ。スタンドの能力だってわからねぇ)

廊下を突っ切り、エレベーターへと向かう。

ノーム(よ、よく言うだろうが、海で溺れた奴を救助しに行く時に
     自分が泳げないのに助けようとしたら確実に自分も溺れる!
     確実!そう鉛筆をベキッとへし折れるくらい確実だぜッ!)

タッタッタッタッ サササササッ

ノーム(それより、さっきから後ろの方でカサカサいってんのはなんだ?)

後ろを振り返る・・・するとそこには!
ノーム「なッにゃあにィィィィ

ノーム(あのヤロー!やっぱり生きてやがった!!
     天井を!まるで蜘蛛みてーに!這いながら追いかけてきやがった!!)

ヨア「ニヤリ


ノーム(あのヤロー!笑ってやがる!!
     チクショー!薄気味わりーぜ・・・
     おっとコイツは怖がってるんじゃあないぞ)

ダッダッダッダッ カサカサカサッ

ノーム(着いた!エレベーターに着いたぜーー!
     ヒィィー!チクショー!早く開きやがれってんだ!!)

ノーム「う・・・アイツもう300メートルまで迫ってきてやがる!」

ヨア「ようやく見つけたよ!ノーム、どうして逃げるんだ?」カサカサカサッ

ノーム(あのヤロー血まみれてやがる・・・早くしろ・・早く・・・!!)

 プゥーン ドアが閉まります ガララララ
ノーム(やった!逃げ切ったぞ!!)

ドアが閉まりきったのを確認し、エレベーターが上に動き出す。

ノーム「ふぅ・・・逃げ切ってやったぜ・・・ざまあみやがれ・・・・・」


あまりに焦っていて気づかなかったが、
ふと横をみるとエレベーターにはもう一人乗っていた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ノーム(なんだ……コイツ…さっき見たことがあるぞ………
    まさか…ヨアのスタンド!!)

???「KUAAAA

ノーム「ヒィィィイ

ギリギリで攻撃を避ける
ノーム(チクショー!カッチョわりー声を出してしまった……!
     なんでアタシがこんな奴にビビらねーといけねーんだ!)

ノーム「アタシだって組織の元暗殺チーム!ナメられてたまるかよォォーー!
     『アンスラックス』!!プラスチックで壁を作れ!

ノーム(アタシのスタンドはプラスチックの強度や重さを操る能力・・・
     このプラスチックの壁はただの壁じゃあない・・・
     鉄並みの硬さ100キロの重さが備わったプラスチックなのさァァア)

エレベーター内はまるで個室で分かれているかのように
プラスチックの壁により、二つに分けられた。

???「KUAAAAA

ガンッガンッベコッガンッ

ノーム「ヒィィィイ チクショー、鉄並みの硬さなのに!」

『アンスラックス』で更にヨアのスタンドの真上にプラスチックの壁を作る。

ノーム「押しつぶしてやるぜ!鉄100キロを食らえッ」

バコンッぐぐぐ・・・

ノーム「軽々と持ち上げてやがる・・これならどうだッ」

『アンスラックス』で続けて何個も鉄100キロ並みのプラスチックを乗せていく
が、全く気にならない様子でヨアのスタンドは壁を突き破ろうとしている!

ノーム「なんてパワーしてやがんだよォォーーー!!」


ガンッガンッベコッベコッ バコン!!

ノーム「ヒィィィイ!!貫通した!もうオシマイだァァーーー!!」

???「KUAAAAAAAAA

ノーム「ヤメロォォォオオオーーーー!!

今にも殴りかかろうとした瞬間!ヨアのスタンドは突然消えた。

ノーム「ハァーーハァーーハァーー!!
    しゃ、射程距離・・・か、助かった・・・・・・」

カサカサ・・・

ノーム「ふぅ・・・一瞬ヤバイかと思ったぜ・・・
    なんだ?この音は・・・どこから・・・?」

カサカサカサ・・・

ノーム「ま・・まさかよ・・・ エレベーターの真下から登って来てんのか?

カサカサカサカサ・・・

ノーム「間違いねー!アイツはゴキブリかよォォーーー!
     昆虫は苦手なんだよなァァア いやそんなこと関係ないかァァア?」


  プゥーン ドアが開きます ガララララ

バゴォォォン!!
エレベーターに突然、大きな穴が空いた。
そこからはヨアのスタンドの腕が見える。

ノーム(追いついて来ていやがった!穴を広げて・・・来るぞォォーー!!)

ダッダッダッダッ カサカサカサ・・・

ノーム「人間の走りじゃあねェェーーー!なんて速さだッ馬より速いんじゃあないのォォオ!」

ダッダッダッダッ カサカサカサ・・・

ノーム(見えた!アタシの研究室!!)

ダッダッダッダッ カサカサカサ・・・

ノーム(でもダメだッ追いつかれる!!あの部屋に行かなければッ)

ノーム「Nooooooooooooooooooo!!!!
???「KUAAAAAAAAAAAAA

ノームはそのままノームの研究室のドアをぶち破った!

ドバァァアアアアアアン

ノーム「チクショー!『アンスラックス』!!」


ノーム(ふぅ・・ドアをぶち破って入って
     『アンスラックス』プラスチックの壁を作って塞ぐってとこまではよしとする
     どうすればいい・・!あの『化け物』を倒すにはッ!!)

そう、ヨアには弾丸がまるで効いていなかった。
そしてスタンドでまともに打ち合うにしても
パワーのない『アンスラックス』では負けてしまう。

ガンッガンッガンッガンッ

ヨアのスタンドが外で『アンスラックス』の作ったドアを壊そうとしているのだろう。

エレベーターの時に鉄程度の強度では壊されてしまうことは実証済みだ。

いずれあの扉をぶち破って入ってくるだろう。

それまでに、考えなくては・・・アイツを倒す方法ってヤツを・・・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ガンッガンッガンッガァァアアン
ドバァァアアアアアアアン


プラスチックの壁が壊され、ヨアがとうとうノームの研究室まで入って来る。

ヨア「ノーム、もう逃げられないよ。ここの扉はひとつだけだからね、ククク・・・」

ノーム「・・・・・・・・・・」

ヨア「見苦しい真似はよしてくれ。君は君の過去の栄光に泥を塗るつもりなのかい?
   どうして君が俺を殺そうとしたのか知りたいだけなんだよ。」

ノーム(あれをするには『覚悟』がいる・・・
     今のアタシには『覚悟』があるんだろうか・・・)

ノーム「いいや!考えてるヒマは無いね!
    やるっきゃねェェエエーーーー!!」

ヨア「何をするつもりなんだい?ノーム。みっともない真似は――――!!」

突然ヨアの頭上からガラス片が降り注ぐ!

ノーム「ガラスのシャワーだッ!!

ヨア「うぐっ」

ノーム(『アンスラックス』ガラス並みの強度にしたプラスチックを空中で砕いたのさァァア)

ヨア「こんなものは俺には効かな――――!!」

ノーム「そして!怯んだな!? 行けッ『アンスラックス』!!

『アンスラックス』がヨアの傷口にプラスチックを埋め込んだ!!

ノーム「喰らいなッ『プラスチック爆弾』をよォォーーーーー!!!」

ヨア「何だってッ!?」

ノーム「血反吐ぶちまいて吹き飛びやがれェェーーーーー!!

ドッグオオオオオオオオオオン


ノームの研究室ごと辺り一体が一瞬にして吹き飛んだ

かろうじて原型をとどめているこの研究室の中で
ノームもまた、かろうじて生きていた。

ノーム(痛ェ・・痛ェよ・・・左足が吹き飛んじまった
     爆発で刺さったガラス片で両手も使い物にならねェ・・・
     やっぱり『アンスラックス』防壁を作っても
     プラスチック爆弾ってヤツは流石に防ぎきれなかったか・・・)

辺りにはヨアのものと見られる肉片が散らばっている。

ノーム「でもやってやったぜ・・・ヨアのヤローをよォォ
     ざまあみやがれ・・元暗殺チームをナメんなってんだ・・・」

ノーム(このダメージじゃあ、歩くことは困難だろーな・・
     そういやあ、ヨアの専属医師が居たな。
     「メシア」だっけか、そいつに治してもらうか・・・)

『アンスラックス』で、プラスチック皮膚に同化させ、ノームは止血をした。

ノーム「・・・無線機壊れちまってるな。
    まぁ、この爆発だ、誰か気づいてくれるだろうよ・・・」 


ノームの研究室に人影が入ってくる。

ノーム(足音が聞こえる、誰か気づいてくれたか・・・)

???「大丈夫ですかー?」

ノーム「あ、あぁ・・こっちだ!助けてくれよッ」

???「そちらでしたか!」

 ずり・・ずり・・
ノーム(助かったぜ・・・ でもなんだ?この変な足音は・・・)

ドドドドドドドドドドドドドドド

 ずり・・ずり・・ずり・・

ノーム(おい・・嘘だろ・・・)

ブジュルブジュル・・・
ヨア「そこにいらしたのですね、ククク・・・」

ノーム「まさか・・そんなハズはねェー!」

ヨア「クックック・・・クケコクケケケケ・・・」(ブジュルブジュル

ノーム「どうして・・・どうして生きてやがるんだ!!」


ヨア「そんなことはどうでもいいじゃあないか。
    どうして君は俺を殺そうとしたんだ?
    ずっと俺に忠誠を誓っていてくれたじゃないか」

ノーム「オメーは組織を知らな過ぎるんだよ!
     こんな小さい島でずっと引き篭もってやがるからかは知らねーがな
     組織はオメーが思っているよりずっと強大で恐ろしいんだ。
     そんな組織に目ェつけられてるオメーと同じ所属っていう時点で
     アタシまで狙われるかも知れねー。そんなのはゴメンだァーーッ!!」

ヨア「そんなことを気にしていたのか。
    大丈夫さ、なんとかなるだろう。」

ノーム「アタシはオメーをスゲェヤツだと思ってたが実際は間違いだった。
     オメーはただの狂ったヤローだった。そうだ、良い事を教えてやろーか
     3日後『お迎え』はな、今までのSPW財団の奴らじゃあねえ!!
     組織『特別軍』だ、『覚悟』しておくんだな。」

ヨア「俺が追い返してやるから大丈夫さ、君は怖がらなくて良い。」


ノーム「組織の恐ろしさを知らねーヤローに何を言っても無駄だったみてーだな!
     組織に狙われるくらいならここでオメーに殺された方がマシだぜェェーー!!」

ノーム「死ねェェーー!!『アンスラック――――

ヨア「―――SINCREA
Sin.C.「KUUAAAAAAAA

ズパァァアアアア

ノーム「す・・」プッシャァァアアア

『シンクレア』と呼ばれたヨアのスタンドの腕のブレード
ノームの喉は切り裂かれ、荒くかすれた息遣いの音が加速していく。

話すことだけでなく息をすることすら困難になったノームは薄れゆく記憶の中で、
ただ、今まで心の奥底で愛してしまっていた少年を脳裏に焼き付けていたのだった。

「本当は、組織なんかより狂っていくオメーが一番怖かったのかも知れねーな・・・」


本体 メトロ・ノーム  ――喉を切り裂かれて失血死――
スタンド名 アンスラックス


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