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漆黒の会談

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漆黒の会談 ◆bbcIbvVI2g



警察署を出発した夜神月。
行先は特に決まっていなかったのだが、しいて言えば安全の確保できる場所に移動したいと考えていた。
今の自分にはノートどころか力になりそうな支給品もないのだ。
あったといえば一本の黒い剣と赤いカードのようなもの。
黒い剣のほうは自分に扱えるものとは思えなかったがどうやら何かしらの力を秘めている様子。駆け引きには使えるだろう。
赤いカードのほうは逃げに徹するのであればそれなりに有用な道具となる。一度しか使えないのがネックだが。

そうして移動しているうちに、大きな戦闘音が聞こえてきた。
警察署から見て南のほうからの音だ。そこまで距離が離れてもいないようだ。

(まさかこの近くで戦闘が…?)

下手に動くと巻き込まれる可能性もある。
見晴のよい離れた場所から様子をうかがうことにしたのだった。

(あれはオルフェノクとかいう生物、それに金色の…ロボット?!)

あんなものまでこの場にあるというのか。
驚愕する月を後目に状況は進んでいく。
場に現れた白い少女と戦う銃使いの少女。あれも魔法少女とかいうものなのだろうか。
そして金髪の少女が、巨大な銃を手に飛び上がり、発砲した。
爆音が響く中で周囲は火に包まれ、その場にいたオルフェノク、白い少女たちは散り散りになって去って行った。

やがて残った金色のロボットも消滅し、マントを羽織った男がその場に残った。

(あの男が、ロボットを動かしていたのか)

男は道に残った一人の男の死骸に近づき、しばらくした後去って行った。

(どうするか…)

あの男は間違いなくこの殺し合いに積極的な一人だろう。
多くの参加者を殺して回るはずだ。
であれば、もし後に裏切ることが前提であっても今は手を組んでおけばことが有利に進むかもしれない。
問題は、今自分の手元にはカードが少なすぎることだ。交渉が決裂したときのことを考えると心もとない。

(いや、もしかしたら賭ける価値はあるかもしれない)

男は近くにあった建物に入っていった。地図にもあるバー・クローバーという施設らしい。

月は支給されていた剣を手に、そしてカードをいつでも使えるようポケットに入れて男を追った。
あのような男の前でこんな剣を持っていても気休めにしかならないだろうが、逆にいえば気休めくらいにはなる。

「誰かな?」

入るために敢えて足音を聞こえるように歩いて、バー・クローバーに入った。
こそこそして入っては余計な警戒を抱かせてしまうからだ。
そして目論見どおりに相手に気付かせる。

「僕は夜神月、さっきのロボットから君が出てくるのを見てね。好奇心から会いにきたんだ」
「ほう、あれを見て私に会いに来るか。なかなかの度胸だ。
それで、要件は何だ?まさかその剣で私を殺せると思っているわけではないのだろう?」

ここまでの会話の中で月はこの男についてある程度の推察を立てた。
おそらくこの男は殺し合いに乗っていても無差別に殺しまわっている男ではない。
いわゆる立ち回りを気にする性格のようだ。
であれば、いける。そう確信した。

「単刀直入に言いましょう。僕と手を組みませんか?」


放送が始まったとき、二人はFー4エリアを目指してバイクを走らせていた。

男の名はロロといった。ロロ・ヴィ・ブリタニア。
殺し合いに乗ってこそいるものの慎重に行動することを心掛けているという。
自分のスタンスに近かったため、申し出をすんなりと受けてもらえた。
なぜそこを目指していたかというと、彼の探すとある人物がそちらに向かうのを月が見かけたためだ。
そういった事情で移動した二人は、突如響いた放送に思いを馳せた。

(松田、美空ナオミ、こいつらが死んだのは僥倖だな。だが)

共に自分の存在を脅かしうる者だった二人。敵が少しは減ったことになるだろう。
ニア、メロ、そしてLが生きているのは警戒しておく必要があるだろうが。
しかし、弥海砂。彼女が死んだのは若干でこそあるものの痛手だった。
彼女がそこまで長生きできる存在とは思っていない。だがこれほどまでに早く死ぬとは。

「C.C.、ゼロ。共に健在か」

そんな月の傍で呟くロロ。だがその名前の意味は分からない。
まだお互いの知り合いについての情報交換を行った程度だ。
会話に気を取られて襲われでもしたら事だ。詳しい情報交換は落ち着いた場所ですることにしていた。

そうしてF‐4にたどり着いたが、ロロの目当ての人物は見つけることはできなかった。
既に移動したということだろう。手がかりもなく、虱潰しに探し回るほど暇なわけでもない。
一旦その人物の捜索は打ち切りどこかに拠点を構えることにするという。

そうして結局警視庁まで戻ってきていた。近くにある施設として、ただ都合のよかっただけである。
それでも月としては一度来た場所だ。何か変化があればすぐに分かる。

「おや、夜神月君ではないですか」

と、警視庁に入ったところで月にとっては数時間前に聞いた声が聞こえた。

見ると、入ってすぐの受付付近の席にゲーチスが座り、その傍で美樹さやかが眠りについていた。


それは偶然だった。
ふと美樹さやかの遺骸にもう一度目を落としたことでそれに気づくことができた。

「これは…?」

彼女の欠けた頭部の形が若干元に戻っているようだった。
さらに近づいてみると、少しずつ彼女の傷が再生していく様子がわかる。

「そんな魔法のようなことが―――ああ、そういうことですか?」

口にして気付いた。
美樹さやかは魔法少女だと言っていた。ならばもしかすると有り得ないことも起こしうるのかもしれない。
例えば致命傷を負っても生存することが可能である、とか。

「ふふふ、美樹さやか。あなたは本当に楽しませてくれますね」

もしまだ彼女が生きているならまだ利用することができる。
目が覚めたときが楽しみになってくる。

だがこの場で彼女の目覚めを待っているというのも危険だ。
政庁から離れつつどこか腰の下ろせるような場所に移動するべきか。
意識のない美樹さやかを抱える。近くに落ちているバッグの回収も忘れない。

そうしてたどり着いたのが警視庁であった。
美樹さやかの目的地へは彼女が目覚めてから移動すればよい。

そうしているうちにやってきたのが、

「おや、夜神月君ではないですか」

夜神月、そして黒髪の男であった。


月としてはゲーチスとの遭遇はどちらかといえば避けたかった部類だ。
彼からは得体のしれない黒さを感じており、底知れぬ不気味さがあったからだ。
それでももし己の世界にいる者であったならばここまで警戒しなかっただろう。
だが、彼の住む世界は月にとってはあまりに未知数。何かしらの力を隠し持っていても不思議ではない。
しかし、出会ってしまったものは仕方ない。できれば迅速にこの場を去りたい。
触らぬ神に祟りなしというやつだ。変に刺激してはまずい。

そう思っていた矢先であった。

「お前、乗っているな?」

ロロが、その月が避けていた部分に触れたのであった。

「乗っている、とは何のことでしょうか?」
「ふん、お前のその腹に隠している闇、隠しきれてはいないぞ?」

ロロはあくまで、直感的に感じ取ったことを言ったにすぎない。
それは月にとっては相容れないやり方だ。

「…あまりそういうことを口に出すのは感心しませんよ。
私はゲーチスと言います。あなたは?」
「ロロ・ヴィ・ブリタニア。いずれ魔王となる男だ」

このやり取りの中で月は直感した。
こいつは狡猾で頭も回る男だ。しかし己の力を過信している節がある。
そうでなければあのような大胆な問いかけはできないだろう。もし何か起これば力ずくで全てを終わらせられるのだから。
実際にそれが可能なほどの力を持っているからたちが悪い。
が、そこが付け入る隙になる。

そしてそれと同じ印象をゲーチスも感じ取っていた。
最もゲーチスは彼の能力を知らないため、月ほど確信することはできなかったが。

それを知ってか知らずか、ロロは話を進める。

「俺も乗っている者だ。だがさすがに全ての参加者を殺すのは骨が折れる。
どうかな?我らと手を組まないか?」
「なるほど、そういうことでしたか。では月君もやはり?」
「ええ」
「ほう、なかなか喰えないお人じゃないですか」

おどけるような口調で話すが、月には彼なら薄々気づいていたのではないかという気がしてならなかった。
自分がゲーチスの黒さをうっすらと感じ取ったように。

「残念ですが私にはある目的がありまして。おそらくあなた達と相容れるものではないかと思うのです」
「そうか、残念だ。ではこの場での一時休戦と軽い情報交換くらいは頼めるかな?」
「それくらいならいいでしょう。しかし会ったばかりの人間をそう信用するというのも考えてしまいますね」
「なら、お互いの持つ手札をそれぞれ公開して話すというのはどうですか?
僕は彼の力を知っていますし、それだけでは不公平になりますから」

ここで敢えて主導権を握ろうと意見を出す月。あまり流されてばかりはまずい。
ロロの力は概ね把握している。だが彼はどれほど把握されているかまではわかっていないはずだ。
だから彼としても話さざるを得ないだろう。
これは取引でもある。ゲーチスの隠しているものを知ることもできるのだから。

「ふん、いいだろう。お互い隠し事はなしだな」
「仕方ありませんね」


ロロは己の持つ能力についてを話した。
ナイトメアフレームという機動兵器、そしてジ・アイスという能力。

ゲーチスは己の持つポケモンについてを話す。
サザンドラという3つの首を持つドラゴン。波動、エネルギー弾を操ることができる。

月は何の能力を持っているわけでもない。だから改めて支給品を開示した。
バイクと黒い剣。しかし今この状況ではこの程度では焼け石に水くらいのものしかないだろう。
するとロロが誰のものを持ってきたのか、持っていたもう一つのバッグから取り出した何かを投げて寄越した。
ゲーチスの持つボールと同じものに見える。開くと、中には全身に刃のついた人型に近い生き物が出てきた。
どうやらこれは元々はゲーチスのポケモンであったらしい。それがロロの拾ってきた誰かのバッグのあったとか。
本来なら自分のものであると取り戻そうとしそうなものだが、ゲーチスは月に預かっていてもらいたいとそれを受け取ることを了承してくれた。
しかも親切なことに傷ついたキリキザンに薬まで施してくれた。

無論、全てを明かしたといっても馬鹿正直に本当に全部話した者はこの中にはいない。
ロロはギアスの能力はヴィンセント搭乗時しか使用できないような言い方をした。もしもの時に油断をさせておくためだ。
ゲーチスは、波乗り、大文字技の存在は隠しておいた。一つは万一の時に水場を移動経路として使う時のため、もう一つは使い勝手を考えての話だ。ポケモンを知らない二人だからこその隠し事だ。
月はポケットに隠したレッドカードの存在は言わなかった。唯一にして一度きりの、今の月にとって最も実用的なアイテムである。小さなものであったため最初に会った時も隠し通すことができたものだ。

こうして上げた以上に、さらにゲーチスは後ろで眠る美樹さやかの詳細についても敢えて詳しくは話していない。
先ほどの戦闘行為のダメージが残っているため眠っているとしか伝えていないのだ。
もし、この少女について詳細を聞けばこのロロという男は彼女を己の手駒にできないかと考えることだろう。それは困る。
美樹さやかは自分の駒として扱っていきたいのだ。このような男に奪われるわけにはいかなかった。
幸いさやかとはここに来てからずっと共にいる仲でいる上、彼女の事情はある程度承知済みだ。もしもの時でも彼女の扱いにはこちらに分がある。
そういった考えがあった。
そもそもゲーチスの欲しているのはあくまで手駒。協力者ではないのだ。それに自分の隠すべき部分
今争いはしないといってもいずれは潰しあうことになるのは目に見えているのだから。


一方で月は若干の焦りがあった。
この場において最も立場の低いのは自分だろうという自覚があった。
ロロやゲーチスのような強力な力があるわけではない。
ゲーチスから施されたキリキザンというポケモンがあってもだ。いや、むしろそれこそが警戒に値する。
これは罠か、あるいはもし自分が裏切ることがあっても対処できるという意図があるかということだ。
だがそんな焦りを表に出すことはない。それに気付いていないという意志表示のためだ。

「さて、では情報交換タイムといこうか」

そして場を仕切るロロ。
各々が様々な思惑を胸に秘めたまま、未だ目覚めないさやかの傍で情報交換が始まった。


【E-3/警視庁/一日目 午前】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:意識なし
[装備]:ソウルジェム(濁り中)
[道具]:
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。主催者を倒す
1:????
※第7話、杏子の過去を聞いた後からの参戦
※「DEATH NOTE」からの参加者に関する偏向された情報を月から聞きました
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)

【ゲーチス@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:左腕に軽度の火傷(処置済)
[装備]:普段着、きんのたま@ポケットモンスター(ゲーム)、ベレッタM92F@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式×2、モンスターボール(サザンドラ(ダメージ小))@ポケットモンスター(ゲーム)、病院で集めた道具(薬系少な目)
    羊羹(1/4)印籠杉箱入 大棹羊羹 5本入 印籠杉箱入 大棹羊羹 5本入×4@現実、不明支給品1
[思考・状況]
基本:組織の再建の為、優勝を狙う
1:情報交換を行う
2:表向きは「善良な人間」として行動する
3:理屈は知らないがNが手駒と確信。
4:切り札(サザンドラ)の存在は出来るだけ隠蔽する
5:美樹さやかは自分の駒として手元に置く
6:政庁からはなるべく離れる
7:今のところロロと組むつもりはない
※本編終了後からの参戦
※「DEATH NOTE」からの参加者に関する偏向された情報を月から聞きました
※「まどか☆マギカ」の世界の情報を、美樹さやかの知っている範囲でさらに詳しく聞きだしました。
(ただし、魔法少女の魂がソウルジェムにされていることなど、さやかが話したくないと思ったことは聞かされていません)
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※月、ロロにはサザンドラの存在と使う技を明かしました。しかし波乗り、大文字の存在と美樹さやかの詳細については話していません


【ロロ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:疲労(中)、左頬に切り傷(軽度)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、コルト・ガバメント(5/7)@現実、モンスターボール(空)、不明ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本:この殺し合いの優勝者となる
1:ゼロとC.C.の正体を確認し、抹殺してゼロの力を手に入れる
2:ナナリーを抹殺する
3:巴マミを抹殺する。なるべく残酷な方法で
4:夜神月を利用する
5:手駒にできそうなプレイヤーを見つけたら、戦力として味方に引き入れる
6:もう1人のロロ(ロロ・ランペルージ)の名前に違和感
7:ゲーチス、月と情報交換を行う
[備考]
※参戦時期は、四巻のCODE19と20の間(ナナリーを取り逃がしてから、コーネリアと顔を合わせるまでの間)
※ジ・アイスの出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です
※ヴィンセントには、召還できる時間に制限があります
 一定時間を過ぎると強制的に量子シフトがかかりどこかへと転移します
 また、再度呼び出すのにもある程度間を置く必要があります
 (この時間の感覚については、次の書き手さんにお任せします)
※ゲーチス、月にはヴィンセント、ジ・アイスについて明かしました。しかしヴィンセント使用中でなければジ・アイスは使えないと誤解させる言い回しをしています
[情報]
※「まどか☆マギカ」の魔法少女、オルフェノクについての簡易的な知識
※ルルーシュ・ランペルージとゼロ(ルルーシュ)が別個として存在していると認識


【夜神月@DEATH NOTE(漫画)】
[状態]:健康
[装備]:スーツ、
[道具]:基本支給品一式、レッドカード@ポケットモンスター(ゲーム)、エクスカリバー(黒)@Fate/stay night、ジャイロアタッカー@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
    キリキザン(体力半分ほど)ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:優勝し、キラとして元の世界に再臨する
1:情報交換を行う
2:しばらくはロロと行動
3:元の世界で敵対していた者は早い段階で始末しておきたい
4:ミサと父さん(総一郎)以外の関係者の悪評を広める
情報:ゲーチスの世界情報、暁美ほむらの世界情報、暁美ほむらの考察、アリスの世界情報、乾巧の世界情報(暁美ほむら経由)
※死亡後からの参戦
※ロロ、ゲーチスにはレッドカードの存在は明かしていません


【レッドカード@ポケットモンスター(ゲーム)】
ポケモンに持たせると、攻撃技を当てた相手を強制的に交代させるアイテム。
本ロワにおいては参加者も使用可能である。
ポケモンに発動した場合の効果はゲーム準拠。
参加者に発動した場合は戦闘可能範囲外まで強制移動させられる。

【エクスカリバー(黒)@Fate/stay night】
セイバーの所有する宝具。ただし聖杯の泥の影響で黒化している。
真名を解放することで膨大な魔力を解放可能。だがこれが可能なのは基本的にセイバー本人のみ。


082:hollow 投下順に読む 084:Tiger&Cherry
076:私の光が全てを照らすわ 時系列順に読む
078:独りの戦い 美樹さやか 088:氷の魔王―ジ・アイス―
ゲーチス
055:だが…信用できないのはルルーシュ・ランペルージだ…!(後編) ロロ・ヴィ・ブリタニア
042:三者三様の準備期間 夜神月


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