この設定は純粋に創作上のものであり、現実の団体や個人を貶める意図は一切ありません。
本作は、架空の世界を舞台にしたフィクションであり、実在の人物、団体、場所、出来事とは一切関係ありません。この創作物が提供する情報や設定は、あくまで物語の一環として楽しんでいただくためのものであり、現実のいかなる団体や個人を中傷する意図は全くありません。
| 生年月日 |
西暦1968年6月27日 |
| 年齢 |
72歳 |
| 出生地 |
大阪府大坂市(転移前) |
| 民族 |
日本人 |
| 所属 |
改革維新の党 |
| 職業 |
政治家 市長 |
| 渾名 |
カナジャカー |
概要
自己紹介
どうも、金坂憲二です!大坂生まれの大坂育ち、ちょっと変わった政治家です。皆さん、聞いてください。まず、私の趣味ですが、自宅の地下室で「未来の都市模型」を作ることが大好きです。ええ、模型ですよ。ドローン飛ばして空飛ぶまでやるんですわ。変ですか?変ですよね。でも、これが意外と役立つんです!あと、会議中にマジックショーを始めることがあります。え、なんでって?皆さんの集中力を高めて、笑顔を引き出すためです。驚かせることで新しいアイデアが生まれるって信じてるんですよ。ええ、そうです、私は真面目にやってます!私のもうひとつの情熱は、アマチュア無線です。そう、空飛ぶドローンを操作している傍ら、電波で世界中とつながっているんです。自分で作ったアンテナで交信を楽しむこともあれば、重要な情報を受け取ることも。ちょっとスパイみたいでしょ?それから、私は「未来市民マラソン大会」の常連です。毎年、市民と一緒に走りながら、未来の都市計画について語り合うんです。ええ、走りながら政策を練るという、ちょっと変わったスタイルなんですよ。でも、これがまた市民との距離を縮める良い機会になってるんです。私の座右の銘は「限界を超える」です。どんな無茶なアイデアでも挑戦します。周りに笑われても、実現させたら皆さんびっくりしますやろ?私は本気でやるつもりです。皆さん、こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。一緒に未来を切り開いていきましょう!おもしろおかしく、そして全力で頑張ります!
来歴
金坂の半生は、旧世界の大坂で地方政治に身を投じた前半と、
共立世界に移ってから市政の頂点に就くまでの後半に大きく分かれる。高校時代に地元のコミュニティセンターで清掃や高齢者の支援に加わった経験から、地域の課題を解く仕事に関心を抱き、大学では政治学を専攻した。市民と膝を突き合わせて話す流儀は、学生の頃に地元の選挙で運動員を務めるうちに身についている。卒業後に大坂市役所で公共政策の立案と実施に携わった金坂は、三十代の前半に市議会の議席を得た。議員としては、老朽化した公共施設の再開発を地元企業と組んで推し進め、全ての市立学校に新しいコンピュータ設備を入れる教育改革も実現させた。保守的な会派の強い反発を受けながらも、交通渋滞を和らげる施策の導入まで押し切り、通勤と通学の足が改まったことで、支持の輪は広がっていった。
西暦2017年(共立公暦977年)、四十八歳の金坂は、
事象災害によって市域ごと未知の世界に運ばれた。物資の欠乏と治安の崩れが市民同士の争いを生む中、避難所の配給に自ら立ち、体の弱い高齢者と乳飲み子を抱えた世帯から順に、食糧と医薬品を手渡している。地元の若者を募って作った自警団は、町会二つの推薦を得て災害対策の従事者に登録され、夜ごとの見回りで配給所の周りを固めた。
ベルリン戦争を経た戦後の市議会では、登録から漏れた武装集団との衝突が続く中、住民の和解を探る法案づくりに加わり、壊れた水道と校舎の修復にも予算を通した。同985年に市が
ユピトル学園主権連合体の学区に加わると、金坂は学園の教壇に立つ道を選び、
転移者と留学生の入り混じる教室で講義を受け持った。
改革維新の党の公認を得て前任の後を継ぐ市長選挙に勝った後は、党内で自らの名を冠した派閥を率い、特別機動保安隊を市立防衛軍に格上げする構想を掲げて、党首の派閥との論争の矢面に立っている。
人物
話し言葉は大坂の訛りを帯びた丁寧語で、議場の演説でも、語尾には地元の抑揚が残る。
気質
金坂の気質の芯には、周囲を驚かせることに喜びを覚える情熱と、地域の暮らしを良くしたいという執着が同居している。反対の声を押し切ってでも新しい発想を形にしたがる一方、突飛な行動の行き着く先は、いつも市民の生活の改善に置かれてきた。会議の途中で自作の詩を朗読したかと思えば、会議室の天井にプロジェクターで星空を映し、宇宙の尺度で議題を眺め直そうと提案して、出席者を唖然とさせたこともある。私邸で過ごす週末も奇抜な道楽で埋まっており、地下室ではタイムマシンの試作に没頭する。夜には自作のUFOに乗り込み、市の上空を一巡りしてから床に就く。古代文明への関心も深く、ピラミッドの模型を組む傍ら、エジプトの象形文字の研究に休日を費やしてきた。映画の愛好家としての顔も持ち合わせ、とりわけ女優メルダ・ヴァーレンクビストの出演作に入れ込んだ金坂は、私邸の壁一面を主演作のポスターで埋め、関連の品を棚から溢れるほど集めている。
信条
市政に臨む金坂の物差しは、転移直後の配給所で身についた、列の後ろから配る順番の感覚にある。どれほど大きな構想を描く時も、真っ先に暮らしの足場が細い住民に効くかを確かめ、効き目の届く道筋を最後尾から組み立てる。教育の充実を説く場でも、医療と福祉の手厚さを求める場でも、金坂の言葉は制度の設計を後回しにして、窓口に立つ一人の顔を語るところから始まる。転移者と現地の住民を同じ窓口で迎えることにこだわっており、出自で列を分ける案が上がるたびに、決裁欄を空けたまま担当部署に差し戻してきた。環境の保護については、次の世代から借りた土地を返すまでの預かり物と捉え、再生可能なエネルギーの導入を、借りに利子を付けて返す手立てと見なす。夢の大きさも筋金入りで、新大坂を空に浮かべる空中都市の構想と、子供の誰もが同じ質の授業を受けられるホログラム教師の導入を、本気で実現させるつもりでいる。
愛称の由来
渾名は、姓の頭の二音に、英語で乗っ取り屋を指すジャッカーを継いだ造語である。起こりは旧世界の市議時代にあり、委員会や住民説明会に自作の都市模型を抱えて現れた金坂は、行政側の資料説明を途中から引き取って、模型を指しながら自分の構想の話に塗り替えてしまうのが常であった。議事を丸ごと持っていかれる手口を、地元紙が会議ジャックの見出しで報じたところ、住民の間に「金坂ジャッカー」の呼び名が広まり、口に馴染むうちに姓の後半が削れて、現在の短い形に縮まった。見出しを付けた記者は、当初、議会を軽んじる振る舞いへの皮肉を込めたつもりであったらしい。揶揄を含んだ響きを、本人は選挙の看板に刷り込んで自ら名乗り、定着に拍車を掛けている。転移後も説明の場を乗っ取る癖は健在で、学区の会議に模型が持ち込まれた日には、進行役の学生が議事次第の紙を握ったまま、立ち尽くす光景が繰り返された。
人間関係
学園で講義を受け持った頃の教え子で、議論の場で最も鋭く食い下がってきた学生の一人である。講義の頃の楓は、旧世界の地方自治が話題に上ると決まって手を挙げ、転移者の権利を巡る持論で恩師を質問攻めにした。転移の当日、楓は卒業を控えた高校生として中央区の公園におり、同じ街から運ばれながら別の時代に降り立ったため、二人が教室で顔を合わせるまでには十数年の隔たりが挟まった。楓が代表理事を務めた頃、すでに市長の職にあった金坂は学区の代表として学生会議に列し、国家元首として議場に臨む教え子と、要望を携えて向き合う側に回っている。任期を終えた楓が進路に迷った折、地元での就職を勧めたのも金坂で、保安隊の現場ならば教え子の剣と判断の両方が生きると見込んでの助言であった。市長と市警の小隊長として向き合う現在、楓の報告書は要点だけが短く並び、読み終えた恩師は、添削したくなる手を毎回どうにか膝の上に戻している。
代表理事の座に駆け上がる前のエレイナを、金坂は
リンベルーク・アカデミアの一年生の教室で受け持ち、教え子が頭角を現していく姿を教壇の高さから見送った。講義でのエレイナは、旧世界の地方議会の議事録を教材に配ると、次の週には議事録の結論を反対の立場から組み直して持ってくる学生であった。隣国
セトルラームの大統領との会談を控えた夜に、相談の電話が市長の私邸に掛かってくるのは、教室で始まった問答の延長にあたる。金坂が授ける心得は、相手の言い分を最後まで喋らせ、譲れる一線を席に着く前に決めておく類いの古風な作法が中心で、教え子は受話器の向こうで頷きながら、半分ほどを自己流に作り替えて会談に臨む。作り替えた半分の方が当たる場面も多く、恩師は結果の報告を聞くたびに、教える側に回った人生の妙味を噛みしめている。
学区から
学生理事会に上げる開発計画の書類は、代表理事の机に届く前に、まず副官の手で仕分けられる。費用の見積もりに抜けがあれば頁ごとに付箋が貼られて戻り、金坂は付箋の枚数を、計画の実現性を測る目盛りに使うようになった。副官のもう一つの顔は、
アケノミヤ学区に住まいを持つ一市民で、市長が商店街で開く対話集会にも、時折、普段着で姿を見せる。集会で手を挙げた副官が口にする質問は、決まって前の週に書類へ貼った付箋と同じ論点であり、市長は同じ指摘を二度、別の立場から受ける羽目になる。商店街で覚えた副官の日本語には古い大坂の抑揚が混じっており、自分の生まれた街の言葉で論破される経験を、金坂は妙に懐かしい仕打ちとして面白がっている。
連合体の行政府を率いる首相とは、
改革維新の党と与党の学園社会党を繋ぐ中央の人脈を通じて、市長の就任後に親交を深めた。建国の時代から国の舵を握ってきた首相の目には、市庁舎で最年長の部類に入る市長も、若手の政治家の一人に映るらしい。会談の席で首相は穏やかな口調を保ったまま、計画の甘い箇所を一つずつ問い返してくる。二人の意見が最も割れる論点は、特別機動保安隊を市立防衛軍に格上げする構想で、市の安全を自前の力で固めたい市長と、治安の名目で学区の自治に枠をはめる与党の側に立つ首相は、会うたびに同じ議題を持ち出しては、平行線のまま席を立つ。それでいて、代表理事の候補に楓を抜擢した首相の眼力に、恩師としての金坂は深い感謝を寄せており、教え子の話題に移った途端、会談の空気は和らいでいく。
市長の職権は市の内側に収まり、隣国の大統領を知る手立ては、公開された演説の記録と予算書に限られる。演説の記録は市長室の書棚に年代順に綴じられ、大統領の失言の箇所には、赤鉛筆の線が引かれている。それでも金坂は、積極財政を掲げながら近しい企業に補助金を流す大統領の手口に、旧世界の議会で何度も相手取った利権政治家の型を見て取り、記録を読むだけで相手の次の一手を言い当てる。教え子の代表理事が会談の前夜に相談を寄越すのは、この読みを当てにしてのことで、電話口の市長は綴じた記録の頁をめくりながら答えを返す。福祉を消費の呼び水と割り切る大統領の発想を、金坂は政治の形として最も遠い場所に置いている。一方で、嫌われながらも選挙のたびに消去法で票を集め続ける粘り腰には、同じく賛否の割れる政治家として、苦い共感を寄せているという。
シャンルリ王国の行政長官が外遊で新大坂を訪れた際、市長として出迎えたのが金坂であった。行政長官の故郷も旧世界の大阪市にあたるが、生まれた世界線が別であるため、街の名の二文字目には近代の「阪」の字が使われている。市名に古い「坂」の字を守ってきた街の市長と、一国の実権を握る転移者は、どちらの表記が本来の街の名かを巡って、歓迎の昼食会を丸ごと潰す議論を交わし、随行員が午後の予定表を書き換える羽目になった。昼食会の料理は皿に盛られた姿で下げられ、厨房の職員が二人分の弁当に詰め直して、帰りの車中に届けている。議論は平行線を辿り、互いの主張を握りしめたまま、両者は固い握手で別れている。後に行政長官が
リンベルーク・アカデミアに学籍を得ると、表記を巡る論争は、市長が学園を訪ねる折の挨拶代わりに格下げされた。
芸名でしか知らなかった女優が、
エルクール大公国を治める女大公であると金坂が知ったのは、撮影の誘致を思い立った後のことである。新作の撮影班が旧世界の街並みを撮れる土地を探していると聞きつけた市長は、市の総合交通課が運行する市電の車両と、市が管理する旧市街の区画を撮影に貸し出す提案書を自ら書き上げ、制作側に送りつけた。提案書には自作の都市模型の写真まで添えられており、物好きな市長の熱意に押される形で、撮影隊は新大坂に入った。撮影の期間中、市電の車両は旧世界の行き先表示に掛け替えられ、事情に疎い乗客が停留所で首を傾げる一幕もあった。現場で初めて女大公と向き合った金坂は、挨拶の言葉を三度噛み、慌てぶりを面白がった本人から、殿方をからかう格好の遊び相手として気に入られている。以来、新作の試写会には決まって招待状が届き、市長は公務の予定表を塗り替えてでも、客席の最前列に陣取る。
楓と同じ瞬間に大坂から運ばれた青年で、市の再建が一段落した頃になって、賞金稼ぎの稼業を携えて新大坂の周辺に現れた。金坂にとっては、同じ日に街を失った市民の一人にあたる。楓に地元での就職を勧めた自分の言葉が、二人の別れを決定づけた経緯を後から知り、市長は青年への負い目を胸の奥に仕舞い込んだ。市の窓口には、青年の名で届く賞金首の引き渡し記録が積み重なり、市長は記録の束をめくるたびに、無事の便りを受け取った気分で一息つく。償いのつもりで市の委託仕事を何度か打診したものの、返ってくる断りの手紙は、毎回、礼を尽くした丁寧な文面で綴られている。行き届きすぎた礼儀の裏に、血に塗れた歳月と楓との落差を量りかねる青年の戸惑いを読み取り、金坂は打診の間隔を少しずつ空けながら、窓口だけは開けたままにしている。
明治の大坂から流れ着いた霧島は、市長が掲げる先進的レトロ文化の監修役として、打って付けの相手であった。市電の車掌の制服を昔風に改める案を練っていた金坂は、霧島に意見を求め、軍服にマントの青年から、明治の路面電車には帽子の庇の角度にまで流儀があったと、一時間に及ぶ講釈を受けている。講釈の後半は、ほとんどが明治の大坂に巣食った悪党の話に費やされた。講釈の熱に感じ入った市長は、お礼に自宅の地下室を案内し、試作段階のタイムマシンを披露した。明治に帰れるのかと身を乗り出した霧島に、金坂が正直に「まだ箱です」と答えた瞬間、悪を見れば拳の出る性分が詐欺の匂いを嗅ぎ取り、市長は危うく鉄拳の制裁を受けかけた。以来、霧島は市長の名を悪党の候補者名簿の末席に書き留め、
遊理部の募金の取り立て先に回すかを、今も思案している。
金坂の暮らした街と同じ大坂の生まれでありながら、エリカは市とは別の経路で
共立世界に流れ着き、それ以前の記憶の多くを失っている。二人が初めて会ったのは、遊理部の騒ぎに巻き込まれたエリカが新大坂市警に連れて行かれた夜で、身元の引き受けに名乗り出た市長に、エリカは「説教ならお断り」と先手を打った。金坂は説教の代わりに屋台のたこ焼きを二舟買い、帰り道の話題を、最後まで新大坂の今の街並みに限った。過去に触れられる怖さを抱えた相手への配慮は、口の悪い若者の側にも伝わったらしく、以後、市長の姿を見かけたエリカは、遠くから「おっちゃん」と呼んで手を振るようになった。呼ばれた側は、市長の肩書より上等な称号を得たと、秘書に自慢している。たこ焼きの代金は後日、エリカの側から小銭で返しに来たものの、市長が受け取った硬貨を額に入れて執務室の壁に飾ったため、本人の怒りを買った。
遊理部の部長が新大坂の街で起こす騒ぎは、市長の決裁箱にも報告書の形で届く。京橋で市警に追い回された一件の後、部長は自ら市庁舎に乗り込み、騒ぎの損害を埋める弁償金と、手書きの始末書を市長の机に積み上げて帰っていった。始末書の末尾には次回の来訪を予告する一文が添えられており、市長は受理の印の横に、歓迎の判を押して返した。暴れた分の後始末を自分の手で背負う流儀に、金坂は突飛な発想を貫く者同士の筋の通し方を見て取り、以来、部長を手の掛かる好敵手として遇している。市の催しに部長が飛び入りで現れると、奇抜さを競う気持ちが市長の側にも芽生え、即興の出し物で張り合った末に、決まって市長の方が先に息切れする。勝負の後、肩で息をする市長に部長が差し出す水筒の中身は、毎回、紫と緑の間を行き来する色をしている。
戦闘能力
金坂の身を守る技量は、転移直後の自警団で覚えた刺股の扱いを土台に、趣味の手品と長年の走り込みで肉付けした、一市民の延長に収まる。配給所の見回りで手にした刺股は、今も市長室の傘立てに差してあり、先端の二股で相手の胴を壁際に押し付け、間合いを保って動きを封じる型を、当時の手順のまま繰り出す。厄介さの源は、手品で鍛えた手先と、視線の誘導にある。空いた手で懐の小物を宙に放り、相手の目が一瞬、放られた物を追った隙に、刺股の先で得物を絡め取って床に落とす。握っていた物を消したように見せる技も心得ており、在処を見失った相手は、次の手を読み違えて自ら体勢を崩していく。長距離の走り込みで培った脚は粘りとなって表れ、勝負を長引かせる構えを好む金坂は、息の上がった相手が膝を突くまで、間合いを保ったまま周囲を回り続ける。もっとも、腕の立つ術者を正面に迎えれば分の悪さは明らかで、教え子の剣を相手にした手合わせでは、構えた刺股を一合で弾き飛ばされた。
語録
「市長の仕事なんて、半分は頭下げることです。残りの半分は、下げた頭をどこで上げるか考えることですわ」
「怒鳴り込んできた人には、まず椅子を出します。立ったままの怒りは長引きますけど、座った怒りは三十分もしたら愚痴に変わるんですわ。愚痴なら、なんぼでも聞きます」
「通らんかった計画書、全部取ってあるんです。転んだ数だけ、次に転ばん場所が分かりますやろ」
「先生と呼ばれる身分は卒業しましたけど、答えを急がん子の顔を見ると、今でも口が勝手に質問しよるんです」
「このソファ、座り心地ええでしょ。予算の査定で削られた分、自腹で張り替えたんですわ。議会には内緒にしといてください」
「市庁舎の玄関、回転扉にしたいんです。出勤するだけで一回転、気分も一回転。却下?ほな半回転でどうです」
「渋滞の解消法、思いつきました。信号を全部なぞなぞにするんです。解けた人から進める。ええ、私は本気です。問題はもう三百問できてます」
エピソード
- 市議時代、地底都市開発計画を議会に提出した金坂は、説明用の模型を議場の床下収納に仕込みすぎて、本人が床下から出られなくなった。議場では掘削の予算より先に、提案者の救出計画が全会一致で可決された。いや地底に住むのは市民であって、言い出しっぺちゃうねん。
- 懲りずに出した深海都市開発計画では、説得力を出そうと潜水服で登壇したものの、ヘルメットの中で喋ったせいで演説は誰の耳にも届かなかった。それでも身振りだけで感動した議員が一部に現れ、賛成票が入った。中身、一文字も伝わってへんのに。
- 教壇に立っていた頃、白紙で出された答案に「伸びしろ満点」と書き込み、本当に満点を付けた。教務の呼び出しを受けた金坂は、反省文の欄まで白紙で提出し、自分にも満点を付けて帰ってきた。
- 復興電車の試乗会で運転台に立った市長が、警笛と間違えて車内放送のボタンを押し、自作の市歌を三番まで流した。乗客から割れんばかりの拍手が起きたが、電車はその間、一メートルも動いていない。発車せえ。
- 夜の空中散歩に出た自作のUFOが、市警に未確認飛行物体として通報され、保安隊の小隊が出動する騒ぎになった。投光器に照らされた操縦席で市長が笑顔で手を振ると、現場の指揮官は無言で始末書の用紙を差し出した。差出人の名前欄には、既に市長の名が書いてあった。
- 大坂万国博覧会の開幕式で、市長は手品の小道具を詰めた鞄から鋏を取り出し、テープカットに臨んだ。刃を入れた瞬間に鋏は造花の束に変わり、テープは一ミリも切れずに残った。最後は市長がテープを歯で噛み切り、拍手と悲鳴が同じ音量で会場を包んだ。
- 政治塾の教え子が十三歳で学務院の選挙に出馬すると、演説の間の取り方から握手の角度まで師匠を完璧に真似て、党の推薦候補を打ち負かした。開票の夜、市長は真っ先に負けた推薦候補の事務所へ駆け付け、間違えて万歳三唱をしてから、手品の造花を置いて逃げ帰った。
ギャラリー
 作:えんたーちゃん |
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最終更新:2026年10月04日 22:48